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2017.7.23 08:00
【田村秀男の日曜経済講座】 内閣支持率は失業率次第 警戒すべきは緊縮財政勢力
人々の暮らしや安全とは無関係の加計学園の獣医学部新設問題などで、安倍晋三内閣の揚げ足取りに野党などが血道を上げる。背後には、世論の内閣支持率の急落がある。長いデフレ経済のトンネルからようやく抜け出そうとしている時期だけに、見過ごすわけにはいかない。
世論と失業率の関連性を追ったところ、内閣は雇用の安定で地道に成果を挙げれば、国民の支持が得られるという結果が出た。安倍内閣が真に警戒すべきは、雑音に乗じて雇用情勢を悪化させる緊縮財政を仕掛ける政官およびメディアの懲りない面々である。
まずは論より証拠。グラフは産経新聞社とFNN(フジニュースネットワーク)による合同世論調査での内閣支持率の前年同期との差(%ポイント)と完全失業率の推移である。一目瞭然、この2つのデータはおしなべて連動している。失業率が低下基調にある局面では支持率が前年を上回り、失業率が悪化する場合では支持率が前年より下がる。
支持率は、平成24年12月の第2次安倍内閣発足当時、アベノミクスへの政策期待から急騰し、25年3月には70%を超えたほどで、いわば「バブル」状態だった。しかし、はがれるのは当然で、アベノミクスが本格的に始動して景気に作用する中で、支持率が比較的安定した水準に落ち着いたあとの推移が重要になってくる。
内閣発足から1年後の支持率は上記の理由で前年比マイナス15%ポイント前後の落ち込みぶりだが、そこから改善するかどうかが内閣に問われることになる。失業率のほうは26年半ばの3.7%を底に徐々に改善し始めるが、再び上昇するとき、内閣支持率が前年を下回るように見える。
そんな視覚が錯覚かどうかをチェックするために、統計学手法でよく使われる相関係数を算出してみた。相関係数は2つの異なったデータの連動する度合いを示し、最大値は1である。1とは、皇居のお堀端ではおなじみのカルガモの親と親の動きに追従するひなたちの行動、あるいは熱々の新婚カップルに例えられる。
各種統計データの場合、0.7以上の係数であれば、強い相関関係があるとみなされる。本グラフの場合、失業率の数値が上がれば支持率が下がるという逆さまの関係にあるので、1を失業率で割った数値と支持率の前年比の差の相関係数を算出した。解は0.8余であり、文句なしの相関関係だ。内閣支持率は失業率とともに変化するとみていいわけだ。
さらに、分布状況を調べてみる。失業率が3.1%以上になると内閣支持率は多くの場合、前年より下がり、3%以下の局面では支持率がいつも前年を上回る。直近の失業率は5月の3.1%なので、安倍内閣は支持率の下落を避けるためには、それ以上の失業率上昇を警戒しなければならないだろう。
固より、経済知識水準が高い日本国民が、失業率が端的に物語る身近で切実な雇用情勢から、内閣への支持、不支持を判断するのは自然だ。傲慢な官僚の陰湿な工作に便乗して安倍内閣を追求する野党に、世論は辟易(へきえき)するはずだ。加計学園こそが政治の重大問題であるかのように大騒ぎし、雇用や緊迫する朝鮮半島情勢への対応、中国公船の領海侵犯など安全保障問題を素通りするメディアは「社会の公器」と言えようか。
他方、内閣支持率の下落とともに与党内を含めた野心家の安倍批判が勢いづくのは、政界の習いだ。気掛かりなのは、こうした「反安倍」勢力の多くが、消費税増税や財政支出削減こそが「財政健全化」をもたらすと信じてやまないことだ。
安倍首相が2度にわたって消費税率10%への引き上げを延期したおかげで、雇用は好転してきた。財政健全度の国際指標である地方政府、社会保障基金を含めた「一般政府」の財政収支の国内総生産(GDP)比は昨年マイナス2%で、経済協力開発機構(OECD)統計でマイナス3%以下の米英仏を大きく上回るほど改善した。経済成長こそが財政健全化の近道なのだ。
名指しはしないが、「反安倍」の政治家やメディアはアベノミクスの成果から目を背け、経済政策の代案はデフレ容認、増税で共通し、時計の針を30年前に戻そうとする。
安倍内閣が政権の安定に向け、心すべきは何か。内閣改造によってイメージをよくしようとするのは当然としても、肝心なのはあくまでも雇用および雇用を左右する景気の先行きを着実に上向かせることだ。
(編集委員)
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内閣支持率20%は切るまで、頑張る心算でしょう。
その後は例によって後は野となれ山となれの投げ出しでしょう。
[ 櫻(N) ]
2017/7/24(月) 午後 0:53
私が知りたいのは内閣支持率よりもメディアの支持率です。
メディアがこれだけ強い影響力持ってしまった以上、無視できない。
どこかの新聞社がやってくれないものですかね?
2017/7/26(水) 午前 8:43
> もしもしかめさん
庶民(とくに家庭内の人たち)に影響を与えているのはやはり民放次いで週刊誌でしょう。
若い人や中年層はネット情報を検索していますよ。
[ - ]
2017/7/27(木) 午前 11:26
> タヌキの屁さん
私もそう思う。容易に両論見られるネット情報に触れている人ほど新聞や民放の情報に疑問を持つのではないかと思うので、メディアの支持率を私は知りたい。
偏向報道などで信頼を失い新聞の部数を大きく落とした新聞社はメディア支持率の統計を調べて記事にしたくないだろうから、そういう意味では、やってくれそうなのは産経しかないのかなと。
2017/7/27(木) 午後 2:01