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【田村秀男のお金は知っている】「中国を変えるまで貿易戦争を続ける」 米閣僚が語る、トランプ氏“対中貿易制裁”の目的
2018.11.25 10:00プレミアム
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マルバニー氏(左)は筆者(右)のインタビューに対中国の方針を明かした
マルバニー氏(左)は筆者(右)のインタビューに対中国の方針を明かした
国際問題を論じる際には、データを徹底的に調べ、関係国・地域の情報を丹念に探索する。これらの作業はインターネットのおかげでずいぶん楽になったが、ジャーナリストとしては隔靴掻痒の感ありだ。直にキーパーソンに会ってみないと、生々しい現実をこの手でつかめない。米中貿易戦争についてもそうだ。
そんな折、筆者はトランプ米大統領が最も信頼を寄せる政権閣僚とじっくり対談する機会に恵まれた。ミック・マルバニー米行政管理予算局(OMB)局長で、11月17、18日に東京で開かれた米保守系政治イベントCPAC(シーパック)の日本版「J−CPAC」に出席のため来日した。
マルバニー氏はトランプイズムの目玉である大規模減税、広範囲の規制緩和の司令塔であるばかりではない。対中貿易強硬策にも深く関与し、今月末にアルゼンチンで開かれる20カ国・地域(G20)首脳会議の場で習近平中国国家主席と会談予定のトランプ氏に同行する。
ズバリ、トランプ大統領の対中貿易制裁の目的は何か、と聞くと、答えは「中国に変わってもらうことだ」「中国が変わらなければ、米中貿易戦争は2020年の次期大統領選まで続くだろう」。先の議会中間選挙では下院で民主党が多数を制したが、「中国への強硬姿勢は民主党と共有できる」と確信している。
マルバニー氏の見解は、ほぼ同じタイミングで開かれたパプアニューギニアでのアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議前日のペンス副大統領の演説と符合する。ペンス氏は米中対立について「われわれはよくなることを望んでいるが、中国がやり方を改めるまで、米国は方針を変えない」と述べ、トランプ政権がさらなる対中追加関税の発動に動くこともあり得ると示唆した(ブルームバーグ、11月17日付)。
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「中国を変える」とは何か。高関税などの保護貿易措置の除去はもちろん、ハイテクの窃取、外資に対する技術供与の強制など知的財産権侵害をやめ、不透明な政府補助政策を撤廃する。さらに、侵略主義的な中華経済圏構想「一帯一路」戦略も含まれる。 習政権はアジアなどの貧しい発展途上国に融資し、返済できないとなると、中国企業が建設した港湾などのインフラを接収する「債務の罠」を仕掛ける。これらはすべて、共産党による経済統制に起因する。
トランプ政権の対中要求を突き詰めれば、共産党の経済支配をやめ、自由市場経済に改めさせることになるが、習政権にとってみれば自己否定を意味するのだから、基本的に受け入れるはずはない。だからこそ、マルバニー氏らは貿易戦争の長期化を覚悟しているのだろう。
対照的に、日本側の対中姿勢は「中国を変える」ことからほど遠い。むしろ、ハイテク開発に協力し、一帯一路では中国企業との共同受注をめざすという融和路線だ。マルバニー氏はそれについて、「どの国も周辺国とパートナーシップをめざすのは当然だ」。もちろん、外交儀礼上の発言で、本音ではあるまい。(産経新聞特別記者・田村秀男)
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