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経済はだれにでも分析できる。そして、国内の政策や世界の外交・安全保障・軍事も経済を通してその真偽を見抜ける。

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【田村秀男のお金は知っている】対日関係は悪化の一途だが…金融不安の韓国の若者が日本を目指す滑稽さ

 韓国の新卒予定者が日本企業の就職面接会に押しかけてきていると、15日付の産経ニュースが報じていた。韓国では若者(25〜29歳)の失業率が2017年で9・5%と高いのに比べて、日本は4・1%と低く、企業は求人難に直面している事情が背景にあるとはいえ、日韓のギャップは米中貿易戦争を受けてさらに広がりそうだ。韓国の若者はますます日本を目指すだろう。
 日韓の景気は外需主導という点では共通しているが、対中輸出依存度は韓国が圧倒的に高い。日本の場合、全輸出は国民総生産(GDP)の18%相当で、対中輸出に限ると同3・5%に過ぎない。輸出がGDPの約4割を占める韓国の場合、対中輸出比率が上昇する一方だ。00年に10%台だったが、18年は27%を超えた。対中輸出が1割減るだけで、GDPの約1%分が減る計算になる。
 中国経済は米中貿易戦争が始まった昨年夏より前から後退している。最近になってトランプ米政権による対中制裁関税の影響が出始め、景気悪化に拍車がかかる。そんな見通しから、韓国の株価は上海株の下落圧力に押さえつけられるように下がり続けている。18年12月の株価は上海総合株価指数が前年同期比24%減、韓国総合株価指数は17%減である。
 韓国の株価は対中輸出比率が高まれば高まるほど、逆に下落する傾向にある。株式市場は「脱中国」を韓国経済に催促しているようなものだ。将来に不安を感じる韓国の若者が、アベノミクス効果で雇用情勢が逼迫している日本で就職しようと思うのは無理もない。
 韓国は本来、サムスン電子に代表されるスマートフォンや半導体などの事業で極めて強い国際競争力を持つのだが、構造的な弱点がある。前記のように輸出依存、とりわけ対中輸出頼みはもちろんだが、外国からの投融資依存度も高い。対外債務はGDPの3割近く、昨年9月末の対外債務は9%以上増加した。米中貿易戦争が激化すれば、株価は急落し、外資が韓国から逃げ出しかねない。そうなると、20年前のアジア通貨危機の悪夢再来もありうる。
 そんな金融面での脆弱さからみれば、文在寅(ムン・ジェイン)政権は日本との外交関係を良好に保ちつつ、金融危機に備えて日韓通貨スワップ協定の再開を要請するのが合理的なはずだが、真逆の対日策に徹している。海上自衛隊哨戒機への火器管制レーダー照射、いわゆる元徴用工問題では韓国政府が国際法に沿った自らの補償義務を無視し、一方的に日本企業に責任を押し付けるなど、対日関係をわざわざ悪化させている。
 このまま、金融危機が発生した場合、韓国は通貨スワップ協定を結んでいる中国に「叩頭(こうとう)」するしかないが、北京は対韓救済どころではない。資本逃避に悩まされ、外貨準備維持のために対外借り入れを急増させている。結局、韓国が泣きつくのは日本しかないのは今から目に見えている。(産経新聞特別記者・田村秀男)

https://www.sankei.com/premium/news/190112/prm1901120002-n1.html?fbclid=IwAR3dcXEPmBdWu1bmrhnRT1maz7QbtMLuofpTNMN556nh6rrRjYjN3uICgzU

【田村秀男のお金は知っている】米株価が動かす米中貿易交渉

 世界の株式市場が大荒れだ。米中貿易戦争と米連邦準備制度理事会(FRB)の利上げが最大の変動要因だが、株価は米国景気を大きく左右する。
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 グラフは、米国の株価と名目国内総生産(GDP)の長期動向である。株価は大小のでこぼこを繰り返しながら上昇基調を続けてきたが、最近時点で下方に向いている。GDPは長期的に右肩上がりで、でこぼこになることはめったにないし、あっても比較的短期間で下落局面が収束している。ただ、目をよく凝らすと、GDPが下落または伸びが止まった時期がいくつかある。
 1990〜91年、2001〜02年、06〜09年、15〜16年で、いずれも株価の下落や低迷にひきずられている。株価の下落が激しかったのは01〜02年のドットコム・バブル崩壊期、08年のリーマン・ショック前後で、リーマン・ショック後の09年前半から1年間は名目でマイナス成長に落ち込んだ。
 米国のGDPと株価はどの程度、共振するのか。統計学でいう「相関係数」を計算してみた。相関度の最大値は1で、「完全相関」、つまり100%相関する。
 1985年12月から2018年9月までの期間の株価とGDPの相関係数は0・96で、極めて高い値が出た。トランプ政権が発足した17年1月以降の相関係数は実に0・99で、ほぼ完全相関である。つまり米経済のトレンドは株価とともに動き、その傾向はトランプ政権の下でさらに加速している。
 つまり、米景気動向を判断するためには、米株価を注視すればよいことになる。その米株価は乱高下が激しい。米中貿易戦争が緩和するとみられると株価は上昇し、激化する恐れが生じると下落する。
 それよりもっと株価を短期的に動かすのはFRBの金利政策である。FRBのパウエル議長は昨年12月の利上げで株価が急落するのをみて、今月4日には利上げ停止と受け取られる発言を行うと、株価は急速に回復している。
 FRBの利上げが当面ないとなると、株価に大きく影響するのは米中貿易戦争、さらにはそれと密接な関係がある中国経済の減速である。トランプ大統領は中国によるハイテク窃取と巨額の対中貿易赤字に関して強硬策をとっているが、他方では株価をさかんに気にしている。
 昨年12月10日付の米ウォールストリート・ジャーナル電子版によれば、「トランプ氏は自身の仕事ぶりに対する評価を測る指標として、支持率と同様、ダウ工業株30種平均の動向に重きを置いている」。株価急落を受けると、「ホワイトハウス内外の顧問を呼び、急落を招いたのは米中首脳会談のせいではないと確かめようと躍起になっていた」という。中国の習近平国家主席とのアルゼンチンでの会談で、株価が上がることを期待していたとも読み取れる。
 2年後の大統領再選をめざすトランプ氏は景気を維持したい、そのためには株価を堅調にさせたいと狙う。その思惑が米中貿易交渉の行方に影響しかねない。(産経新聞特別記者・田村秀男)
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