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さて、これまで構想はあっても中々実現への道が遠かった東アジア共同体の構築の動きがようやく実現へと動きつつある。
<サミットは補完的役割 東アジア共同体で>
【クアラルンプール10日共同】クアラルンプールで14日に初めて開催される東アジアサミットに参加する16カ国の外相は10日、昼食会を開き、東アジア共同体の創設においてサミットは事実上補完的役割にとどまるとしたサミット首脳の「クアラルンプール宣言」案を了承した。共同体創設は東南アジア諸国連合(ASEAN)プラス3(日中韓)が主導することが決定済み。宣言案はサミットより自国の意見が通りやすいプラス3重視を訴えた中国の意向に沿う形で決着した。
宣言案は14日にサミット首脳が署名、採択する。
昼食会はサミット参加国閣僚による初顔合わせの場。日本からは麻生太郎外相が出席した。
→その共同体構築への動きなのであるが、まず、元々のアセアン+3(日中韓)とこれとは別枠で新しくサミットに関わる、インド、NZ、オーストラリアとの関係をどう位置付けるかが問題であった。アジア共同体にこれらの三国を入れるかどうかで議論があったのだ。
この問題で、同盟国であるNZ、オーストラリアをいれる事でアジア共同体への影響力を持ちたい米国の背景と(なら米国もサミットに参加すればいいのだが) 加えて共同体が中国に染まるのを避けたい日本がインドなどの三カ国が入るサミットを共同体の枠組みにしたいという考えがあった。それに対して、中国やマレーシアなどは、これらの(特にNZ,オーストラリア)などの国々はアジアではないし、米国の影響が強くなるのであくまでアセアン+3でのアジア共同体建設を優先したいとの意向であった。
当方も、これはどうなるのかな?と思っていたのだが、多少は修正や14日のサミットでの動向がどうなるかにもよるかと思うのであるが、基本的に中国、マレーシア側の意見が通った形となったようだ。当方はこれまで中国の影響の拡大をいろいろと書いてきたが、改めて、この地域でも中国の影響力の強さを見せつけたな。と感じた。ちなみに、日本ではアセアンは中国の影響力の大きさに従わざるを得ないからではないか?仕方なく従っているだけだ。などという事を仰る人もいるようである、確かに貿易額で見れば、2003年の日本とアセアンは1200億ドルあったのに対して、中国とアセアンは2004年には1020億ドルを越えて、もうすぐ日本を越えるのは間違いない。各方面での影響力の拡大は年々強まってきている事も確かである。
しかしながら、当然、米国とは軍事面、貿易面でも依然大きな存在であるし、日本も大きな取引相手である。別に中国が圧力を掛けて来て、それが不満に思えば、米国や日本との関係を優先し、中国とは線引きをすればいいという選択肢はあり得るのである。
では、なぜアセアンは今回の決定を下したのか?これは、やはり、通貨危機時の米国(IMF、世銀)のアジア各国への干渉と独善的な姿勢がアジア各国への不満を招き、それに対して、中国は通貨切り下げ競争に参加せずに、アセアン各国に大きな助けになったからであるし、米国とは違いアセアン各国内の内政への不干渉の方針がアセアンに好感を得られているからで、中国は非常に慎重にアセアンとの良い関係を着々と築き、これが結果として表れてきているのである。
んで、日本はどうか?以前は、例えば通貨危機時に日本主導で救済基金を設置しようとしたり、アセアン(中韓も含めて)との関係を良好に保ち、従米ではあるが、それなりにアジアへの配慮も保っていた頃とは違い、今では従米、屈米盲目状態であり、影響力のある中国と不必要なフリクションを生み、「世界の偉大なる指導者」米国様様に擦り寄るばかりである。今回も、基金を作ろうとしたりして金で釣る作戦なのかもしれないが、そんな情けない日本をアセアンはどう思うか?そして、今回も中国はアセアン各国に靖国問題で自国の主張を頻繁に主張している。それに対して、日本はどう反応するのか?日本国内の自慰行為に耽りたい右派諸君の集まりならともかく中国の主張は間違いだ。などとは恥ずかしくて言えないのではないか。自国の歴史すらキチンと整頓できない国が、他国の民主化を推進する事など出来る筈が無いのである。ここを理解しなければいけない。
しかも、東アジア共同体推進の一方でアセアンも中国も米国を排除するような姿勢は極力避けており、キチンと話も通してあるのは言うまでも無いのであるし、NZやオーストラリアやインドなどもサミットの枠内で参加を認め、将来的には共同体への道筋も出てくるかもしれない、もちろん、国や体制が違うのだから無理だ、とか、どうせダメになる等と言う意見もあるが、そんな事はアセアンも分かっているのであって、何年いや年十年かけてゆっくりと道を進めていく事、たとえ、EUのように経済や政治統合は長い道程になるにしてもその1歩が1歩が大切なのである。こういった中で日本は何をすべきか?と考えれば、日本の遠く海を越えた西の国との関係と同じ位に、近隣2カ国との関係を改善させ、アセアン+3にプレーヤーとして今以上に自ら積極的に入っていく姿勢が求められるのではないか。それが、日本の安全や国を守る為にも直結する事であり、国民益にも適うのである。
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