オネムの映画鑑賞メモ

2019年素晴らしいドラマのような1年になりますように!

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BOY A

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BOY A(2007)
BOY A


上映時間 107分
製作国 イギリス

《僕はここにいても、いいの?》


少年時代にある罪を犯し、長い刑期を終えて社会復帰を果たした青年が辿る悲劇を、過去を少しずつ明らかにしていく構成と、青年の苦悩と希望を優しくエモーショナルに見つめた巧みな演出で衝撃的に描き出す問題作。

主演は「大いなる陰謀」のアンドリュー・ガーフィールド、共演にピーター・ミュラン。監督は「ダブリン上等!」のマーク・オロウ。

イギリス、マンチェスター。かつて“少年A”と呼ばれた青年は24歳となり刑務所から出所した。

“ジャック”という新しい名前を与えられ、過去を隠して新しい生活を始める。

ジャックは大人になってから初めて体験する外の世界に戸惑いつつも、ソーシャルワーカー、テリーのサポートを受けながら、少しずつ社会に溶け込んでいく。

職場では親しい仲間も出来、やがて人生初めての恋も経験するジャックだったが…。
allcinemaより


まずは、イギリス映画の主人公という役柄を演じたアメリカ人俳優アンドリュー・ガーフィールドの演技が素晴らしい。、感銘を受けた。

レッドフォードの「大いなる陰謀」のあの大学生だ。「ブーリン家の姉妹」にも出演していたらしいが、記憶にない。

出所し、ジャックという新しい名前を得、ソーシャルワーカー(この場合、日本で言うところの保護司のようなものであろうか)テリーにESCAPEというシューズをもらうところから話ははじまる。

少年時代の出来事が挿入され、どんな罪を犯したのかということが徐々にわかってくる。

職場では、車の窃盗で服役していたということになっており、新しい仲間や、恋人もできる。

新しい環境になじみ、新しい自分になりきろうとする様は痛々しい。

暗い過去を持つ者の罪悪感と、事実が発覚しないだろうかという不安と、だんだんと親しくなる仲間に真実を話せないことで裏切っているような気持ちで、ジャックの毎日は、快晴にはなりえない。

彼の出所により、少年時代の顔が合成写真となって、世間に流れ出たり、心休まることがない。
亡くなった少女の親は、彼の首に20000ポンドの賞金をかけたりもする。

猟奇的殺人などといっても、どのような状態だったかなど、一切見せず、しかも、少年時代、つまはじきにされていた彼の唯一の遊び友達の方が主犯格であり、決して、自発的に悪を行うような子供には見えず、精神的におかしかったわけでもなさそうだった。

世間では、加害者の権利ばかりが守られ、被害者の鬱憤は晴れない現実もあるのだろう。

しかし、加害者が、そうなっていった背景も、やはりそれぞれに異なるものがあり、更生できない根っからの悪人もいれば、加害者にならざるを得なかった者もいるでしょう。

ピーター・ミュラン演じるソーシャル・ワーカーは、実に深い愛を持ってジャックに接するが、
彼自身は離婚し、訪れてきた息子は働きもせず、彼の家に居候状態。
ジャックにかかりっきりになる父親に嫉妬するような状況になっていく。

殺された者は、決して戻ってはこないのだから、どんな言い訳をしようと、加害者を憎む気持ちは、よくわかる。
自分がその立場になれば、きっと憎しみが勝つだろうから。

私は、ワイドショーは観ないのだけれど、世間の興味は、被害者への心からの同情ではなく、はやしたてたり、興味本位で関与していることがほとんどに思える。このような『人の不幸は蜜の味』という考え方が私は許せない。

世間は、このような加害者をこころから赦すことはないのだろうか。
加害者の背景に思いをはせることはないのだろうか。

ジャックとともに犯罪を犯した主犯格の子供は、獄中で自殺したということになっているが、ジャックはそれを信じてはいない。
リンチによって首吊り自殺させられたのではないかと思っている。
それは、自身も、その身分がばれたら、つるし上げられるという恐怖からの被害妄想なのかも知れないが・・・

この話の最後は、あまりにも救いがなさすぎる。

作品を通して、日本でも起こったさまざまな事件を思い起こし、考える機会になるだろう。

ただ、この作品はリアリスティックではあるが、このようなテーマを、ケン・ローチやダルデンヌ兄弟が描けば、もっと作品としては、優れたものになるような気がした。

最初に書いたように、この作品の価値を上げているのは、主役のアンドリュー・ガーフィールドの演技力の素晴らしさだ。
これからが期待できる新人だと思う。

観終わって気持ちのよい作品ではないけれど、興味があれば、ぜひ多くの人に見てもらいたい。






【クレジット】
監督: ジョン・クローリー
原作: ジョナサン・トリゲル
脚本: マーク・オロウ
撮影: ロブ・ハーディ
衣装デザイン: ジュリアン・デイ
編集: ルチア・ズケッティ
音楽: パディ・カニーン
出演: アンドリュー・ガーフィールド ジャック
ピーター・ミュラン テリー
ケイティ・ライオンズ ミシェル
ショーン・エヴァンス クリス
アルフィー・オーウェン
シヴォーン・フィネラン
ヴィクトリア・ブレイジャー
スカイ・ベネット
ジョセフ・アルティン
ジェレミー・スウィフト
ジェームズ・ヤング


 

閉じる コメント(25)

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danceさん☆「パンズラビリンス」もファンタジーの形はとっているけれど、内容は重いですよね。しばらく時間を置いてからご覧ください。こちらはリアリスティックなので、もっとどよ〜んとすると思いますが・・・

2009/5/7(木) 午後 3:53 オネム

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そうですね。あまりに救いがない作品でした。
特に彼の過去がバレるきっかけになることが善意からだったことが
辛かったですね。
そうそう。アンドリュー・ガーフィールドの演技力。素晴らしかったです。
TBさせてくださいね。

2009/5/7(木) 午後 7:52 car*ou*he*ak

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カルさん☆ガーフィールドは「大いなる陰謀」でもちょっと気になったのですが、こんなに力を発揮する俳優だとは思っていませんでした。ストーリーは救いのないものですが、見てよかったと思います。
TBありがとうございます。

2009/5/7(木) 午後 11:04 オネム

このアンドリュー・ガーフィールドとても良かったですね。
あとで『大いなる陰謀』もみましたが・・・。
重大な犯罪を犯してしまったらどこまでものしかかってきますね。
世間が罪を赦す事ができないと復帰できないですよね。とても考えさせれてしまいました。TBしますね

2009/5/9(土) 午後 1:48 LAGUNA

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らぐなさん☆私は「大いなる陰謀」を先に見てあったので、イギリス人役でアンドリュー・ガーフィールドって?はじめは信じられなかったのですが、なりきってました。イギリス人に見えましたもん。この暗さにはスタージェス君はちょっと無理だったのかな。彼もイギリス人顔だから、良いかと思ったけれど。
罪と赦しについて深く考えてしまいますね。
TBありがとうございます。

2009/5/9(土) 午後 10:33 オネム

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これは重かったですね〜
簡単に答えが出ない問題だけに、見終わってからもいろいろ考えさせられたし、胸の中に澱のようにどよ〜んと残ってしまいました。
マスコミの残酷さも感じました。
TBさせてくださいね。

2009/5/10(日) 午前 1:14 Swan

更正しようとするものを、世間が許さないという現実。これは辛いですね。
最初は少年の立場で物語りを見てしまっていたのですが、
この作品を観た後に東野圭吾の『手紙』を読み、観方が少し変わりました。
世間を責めることも、少年に味方することも出来ませんが、色々なことを考えさせられた作品でした。
こちらからもTBさせてくださいね。

2009/5/10(日) 午前 9:02 pu-ko

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私も「手紙」読んだことがありました。あの時とまた少し感じ方が違いましたが、こういう問題は対応が難しいですね。加害者、被害者どちらの気持ちもわかるだけにつらいものがあります。でも、しっかり考えて、自分の核を作っておくべきかもと思いました。
TBありがとうございます。

2009/5/10(日) 午後 11:55 オネム

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これは凄い作品でしたよね。作品的に刹那すぎる程に秀逸やと思いました。
そそ、アンドリュー・ガーフィールドも若いのに絶妙の演技でしたよね。
確かにいい後味の作品ではないですが個人的に凄く好きな作品です。
TBさせてくださいね。

2009/5/12(火) 午前 10:18 SHIGE

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SHIGEさん☆鑑賞者の心のあり方を問う作品でしたから、観ていて苦しくなるくらい葛藤するものがありました。
どうしてもこういう風に描かれると、少年Aに味方してしまいがちなのですが、被害者は帰ってきませんしね。難しいところです。
TBありがとうございます。

2009/5/12(火) 午後 5:00 オネム

どよ〜んとしました・・・というか、かなりショックでした^^;
アンドリュー・ガーフィールドは、『大いなる陰謀』で先に観ていたのですけれど、なんだか最初重ならず・・・
凄い演技をしますね〜驚きました。
色々な立場で考えさせられる映画でした。
トラバさせて下さいませ。

2009/7/9(木) 午後 11:28 恋

アンドリューくん素晴らしい演技でしたよね〜
そうそう、とても事件を起こしたような青年には見えないんですよね。でも起こした事件は消せないし、本当にいろんな事を考えさせられる作品でした。
こちらからもトラバさせてくださいね♪

2009/12/6(日) 午後 5:31 じゅり

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じゅりさん☆深く考えさせられる作品でしたね。生まれ変わってからの本人よりも、やはり、罪をおかしたというレッテルを貼られた本人の方が、実物だと人は感じるのでしょうかね。
TBありがとうございます。

2009/12/10(木) 午前 0:32 オネム

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いや〜、これはズシリとくる作品ですよね。
アンドリュー・ガーフィールドはたしかに、光るものがありましたね〜。
終わり方がまた鮮やかで、印象深いです。
TB、お願いします。^^

2010/1/7(木) 午後 11:17 サムソン

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サムソンさん☆こういうイギリス作品大好きなんです。
暗いのですが、なにか心にずしりと印象深くて、忘れられない作品です。
TBありがとうございます。

2010/1/8(金) 午前 1:20 オネム

とても考えさせられました。
立場によって、見方が変わる映画だと思いますが、
興味本位のマスコミや一般市民が、一人の青年を追い込んでゆくところは、辛いです。

2010/2/1(月) 午前 11:22 kuu

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更生できない犯罪者もいるのでしょうが、努力している人を助けていくことも大事ですよね。
観ていてつらい作品でしたが、秀作だと思いました。
TBありがとうございます。

2010/2/1(月) 午後 8:26 オネム

そうですね、彼のような努力して善き人になろうとしている人物に、面白おかしいだけを狙ったかのような報道のあり方は酷すぎました。
でも、日本でもこういうことは数多くあるだけに、自分自身が左右されてるんじゃないかと問われているような重い映画でした。
でも、アンドリュー・ガーフィールドの若い瑞々しい演技があったから、だからこそ、とても心に残る映画になりました。
TBお返ししますね。

2010/2/9(火) 午前 0:05 かりおか

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これはいつまでも心に残る一作です。ガーフィールド君名演でした。
こういう社会的問題、考えさせられること多いですね。
TBありがとうございます。

2010/2/9(火) 午前 0:27 オネム

ジャックの人柄が、本当に純粋で、心優しかっただけに、余計に哀しいですね・・・。
こういう場合の社会復帰って、難しいんだな・・と改めて痛感しました。
ガーフィールドの演技も、自然でいて、ひきつけられるものがありました。
TB,お返しさて下さい☆

2011/7/22(金) 午後 4:05 A☆co

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