オネムの映画鑑賞メモ

2019年素晴らしいドラマのような1年になりますように!

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桐島、部活やめるってよ(2012)

メディア映画
上映時間103分
製作国日本
公開情報劇場公開(ショウゲート)
初公開年月2012/08/11
ジャンル青春/ドラマ/学園
映倫G
全員、他人事じゃない。
 
解説&ストーリー
人気作家・朝井リョウのデビュー作にして第22回小説すばる新人賞受賞のベストセラー連作短編集を、「腑抜けども、悲しみの愛を見せろ」「パーマネント野ばら」の吉田大八監督で映画化した青春群像ドラマ。
バレー部のエース桐島が突然退部したというニュースに騒然となるとある高校を舞台に、生徒たちの間に動揺が拡がる中で次第に浮き彫りになっていく学園内の複雑な人間関係を、“不在の桐島”に振り回される人物それぞれの視点から重層的に描き出していく。
主演は「遠くの空に消えた」「劇場版 SPEC〜天〜」の神木隆之介、共演に「告白」の橋本愛と「女の子ものがたり」の大後寿々花。
 
金曜日の放課後。
バレー部ではキャプテンを務め、成績も優秀な学園の“スター”桐島が、突然退部したらしいとの噂が校内を駆け巡る。
学内ヒエラルキーの頂点に君臨する桐島を巡って、バレー部の部員はもちろん、同じように“上”に属する生徒たち――いつもバスケをしながら親友である桐島の帰りを待つ菊池宏樹たち帰宅部のイケメン・グループ、桐島の恋人で校内一の美人・梨沙率いる美女グループ――にも動揺が拡がる。
さらにその影響は、菊池への秘めたる想いに苦しむ吹奏楽部の沢島亜矢や、コンクールのための作品製作に奮闘する映画部の前田涼也ら、桐島とは無縁だった“下”の生徒たちにも及んでいくのだが…。
<allcinema>
 
 
 
感想
 
高校生活を送ったことのあるひとなら、誰もが遠い目で‘あの頃’を思い出しながら、共通点と相違点を
見つけ出しつつ、人生でおそらく最も不確かな希望と一抹の不安を併せ持つ、独特の青春の入り口である日々に、郷愁をいだくのではないだろうか。
 
桐島というヒエラルキーの頂点に君臨する男子学生が登場することなく、
彼の部活をやめるというニュースを受けるそれぞれの生徒たちの角度から
なんども描き出される金曜日放課後。
その描き出され方や、次第に見えてくるグループごとの翌週火曜日までの出来事が
今の高校生の生態を明らかにしてくれる。
 
自分の高校時代にも、彼らのように、目立つグループの男の子たち、女の子たちと、
地味な生徒たちとの集団があって、今となっては、その地味なほうの同級生たちの名前も思い出せなくなって
いるわたしだけれど、自分は、ここに描き出されたどの派閥にいたのだろうか。
 
娘や息子の成長を見守る親の立場で見ると、一緒に学校内の生活を見ることがないから、
妙に、ワイドショー的興味まで持って観てしまうのではないかしら。
 
私は、作品の作り方の上手さもさることながら、描かれた高校時代というものに、痛く感銘を受けた。
私もかつていた場所に戻ったような、そして、実際、戻りたいわけでもないその時代に対する
複雑な思いに、かなり揺さぶられた。
 
クラブで活躍し、恋人もいて、おそらく成績もそこそこ良いというような男子生徒は確かにいたけれど、
クラブに全精力を費やしている子たちが、成績最優秀な人たちという認識はなくて、
ある野球部員が、一浪して東大に入ったというような知らせを聞いた時に、初めて、そんなに頭が良かったんだと驚いたこともあったし、下駄を履いて通学するような個性的だけれど成績優秀で目立っていたわけでもなく、クラブで目立っていたわけでもないが、やはり、東大に入ったという長髪の変なヤツもいたっけ。
 
映画部のオタク少年たちのようなグループは、おそらく、私たちの時代でも、あまり、皆から注目してももらえず、
でも、自分の好きなことに打ち込む熱意があり、きっと大人になってからの彼らは、それなりの人間になっているんではないかと思ったり。。。
 
映画を観ての感想というよりは、自分の高校時代を振り返り、普遍的に高校時代というのがどんなものかということを考えたり、心は映画から離れて、浮遊していたように思う。
 
私たちの高校は、進学校だったので、スポーツで頭角を現している生徒よりも成績優秀な生徒たちの噂がもっぱらささやかれていたように思う。
それでも、全校挙げて高校野球の応援に行ったりもした。
 
この映画の中で、野球部のキャプテンの男子生徒が、なぜか印象深く残っている。
あんな風に、高校の三年間に没頭できるものがあった生徒の素晴らしさが、当時はわからなかったんだけれど、
今となってはわかるというか。彼はいい味だしていた。朴訥として。
そして、再三、彼に野球の試合に参加を打診されていた帰宅部になってしまっていたイケメン菊池宏樹くんの心の動きが、固まっていない高校生のアンビバレントな状態として、とてもよく表されていたと思う。
彼に最後のとどめとして大きく影響を及ぼしたのは、もちろん、映画部の前田君の映画に賭ける情熱でもあると思うんだけれども・・・
だから、この映画の主役は前田君を演じた神木君ということになっているけれど、
私は、帰宅部の面々が、とくに宏樹君がこの作品の主役といってもいいくらい不安定な大人子供の心の変化を表しているように思えた。
背は高いし、イケメンだし、ガールフレンドはいるし、でも心は少年なんだよね。
 
桐島くんを待ってバスケットをして遊んでいるなら、自分たちも、クラブ活動で完全燃焼すれば、
もっと晴れやかな顔つきにもなれただろうに、
きっと、待ちながら、くすぶっている不完全燃焼感というかダラダラ感があったにちがいないと思った。
 
パーマの男の子も良かったなぁ。
高校生の男女交際って、女の子より、男の子の方が
見かけによらず、精神的にはオボコイんですよね。
 
兄弟もいないし、男の子も育てたことがないので、家庭に男の子がいたらどんな風なのかなと想像するのが面白かった。
わたしの息子だったら、中途半端な帰宅部の面々みたいになりそうだなぁと思う。
 
実は、高校時代というのは、私にとっては人生で一番楽しかった時期。
だから、もう、それだけで、観終わったときには、わけもなく泣きそうになった。
そして、自分自身と親としての目と、両方の視点で興味深く考察できた、いい作品だった。(94)
 
邦画をあまり観ない皆さんにも、これはぜひ観ていただきたいですね。
 
【クレジット】

監督:吉田大八
製作:菅沼直樹
茨木政彦
弘中謙
平井文宏
阿佐美弘恭
畠中達郎
和崎信哉
プロデューサー:北島和久
枝見洋子
プロデュース:佐藤貴博
エグゼクティブプ
ロデューサー:
奥田誠治
COエグゼクティ
ブプロデューサー:
神蔵克
製作指揮:宮崎洋
ラインプロデュー
サー:
仲野尚之
アシスタントプロ
デューサー:
高橋政彦
原作:朝井リョウ
『桐島、部活やめるってよ』(集英社刊)
脚本:喜安浩平
吉田大八
撮影:近藤龍人
美術:樫山智恵子
衣装:遠藤良樹
編集:日下部元孝
音楽:近藤達郎
音楽プロデューサ
ー:
日下好明
平川智司
主題歌:高橋優
『陽はまた昇る』
VFXスーパーバ
イザー:
西村了
スクリプター:田口良子
照明:藤井勇
装飾:山田好男
録音:矢野正人
助監督:甲斐聖太郎
出演:神木隆之介前田涼也(映画部)
橋本愛東原かすみ(バドミントン部)
大後寿々花沢島亜矢(吹奏楽部)
東出昌大菊池宏樹(野球部)
清水くるみ宮部実果(バドミントン部)
山本美月梨紗
松岡茉優沙奈
落合モトキ竜汰
浅香航大友弘
前野朋哉武文(映画部)
高橋周平キャプテン(野球部)
鈴木伸之久保(バレー部)
榎本功日野(バレー部)
藤井武美詩織(吹奏楽部)
岩井秀人片山(映画部顧問)
奥村知史屋上の少年
太賀

 
 

閉じる コメント(22)

チャコティ副長☆いまどきの高校生なのだけれど、なにか懐かしいものもあり、楽しめた作品です。男子が多い高校だったので、女子よりも男子に共感することの方が多かったです。
TBありがとうございます。

2013/3/6(水) 午前 11:04 オネム 返信する

atts1964さん☆息子さんといらっしゃったのですね。親子で映画鑑賞っていいですね。息子さんは、こんな風な高校生活ではないのですね?無駄な時間を過ごせるのも高校生の特権かもしれません。
高校時代は最高に楽しかったけれど、もう戻りたくはないのですよね、、、なぜなのだろう。

2013/3/6(水) 午前 11:07 オネム 返信する

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劇場鑑賞は逃しています、というかあまり興味がなかったのですが、中々面白そうですね。高校は男女共学で男子が多い高校だったのですが、印象に残る人は数人かな?本作見ながら、遠い高校時代を思い出してみよう!!

2013/3/6(水) 午前 11:39 アンダンテ 返信する

アンダンテさん☆今みると、高校生だった頃と、人間を見る目が、変わって来ているので、あの頃には目に入ってこなかったタイプの生徒にも興味が湧きます。
映画としての撮り方も、面白かったです。

2013/3/6(水) 午後 2:57 オネム 返信する

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これ、けっこう好きです(昨年の邦画ベスト10入り)。
映画としてもよく出来ていたし、やはり自分の高校時代を思い出しちゃいますよね〜
様々な登場人物が出てくるので、誰かに自己投影したり応援したりできますね。
私も男子が多い進学校だったのですが、この映画を観ていて思い出す顔がいくつかありました(笑)
TBさせてくださいね。

2013/3/7(木) 午前 0:41 Swan 返信する

Swanさん☆これは、劇場鑑賞したかったです。前田くんたちみたいなクラブではなかったけれど、文化祭で映画を撮った男子クラスがあって、そのことを思い出しました。中心になった人は、今、その世界では有名なベーシストになってます。前田くんに、監督自身を投影させてなかったのかな〜
TBありがとうございます。

2013/3/7(木) 午前 1:18 オネム 返信する

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は〜い、観ました!
やはり自分の高校時代を思い出しつつ・・・。頂点に立つ子は誰もが覚えているんですよね。それって結構大変かも、と思いました(笑)
TBさせてくださいね。

2013/3/7(木) 午後 11:17 アンダンテ 返信する

素晴らしいレビューですね!オネムさんの引き込ませる文才っぷりは毎度のことですが今回も非常に興味深く読ませてもらいました♪おっしゃる通り宏樹の心情は様々な意味でくすぶっており、印象的でしたね。その描写の巧さに自分も単に忘れていたノスタルジアだけでなく、無意味で浅いプライドに翻弄されていたガキの頃を思い出してしまいましたw あー、でも戻れるものならあの頃に戻りたいw
『腑抜けども、悲しみの愛を見せろ』も傑作だと思います。

2013/3/8(金) 午後 11:05 butti 返信する

日本アカデミー、とっちゃいましたね。
私も好きな作品です。

2013/3/8(金) 午後 11:57 花信風 返信する

アンダンテさん☆早速ご覧になったのですね。頂点に立っていた人は、やはり、努力も人一倍していただろうし、人格も素晴らしかったんだろうなと思います。
TBありがとうございます。

2013/3/9(土) 午前 0:03 オネム 返信する

ブッチさん☆あー、わかります〜‼
無意味で浅いプライド‼
私は、高校時代は、劣等生でしたが、それでも、そういうプライドありましたからね〜(^^;;人生、やり直せるなら高校時代から、やり直したいのですが、かといって、戻っても上手く行くような気がしないし、もう、あの時代をもう一度やろうというエネルギーがないんです。
腑抜けども〜 は、TVで放映されていたのを途中から、見てしまったので、意味がよくわかりませんでした。また、最初から最後まで通して鑑賞してみます。

2013/3/9(土) 午前 0:17 オネム 返信する

花信風さん☆ありがとうございます。日本アカデミー賞、やってるの知らなかったのですが、Twitterで、知りました。良かったです。桐島が、獲れて。あの作品に関わったみんながどんな風に成長して行くのか、見とどけたいです。

2013/3/9(土) 午前 0:22 オネム 返信する

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これすごく評判良いですよね。
内容よりも評判の良さが気になっていましたが、この記事を読むと内容も取っても良さそうですね。
機会があれば見てみたいです。

2013/3/9(土) 午前 9:06 木蓮 返信する

木蓮さん☆日本アカデミー賞作品賞とりましたねー。出演者は、今後も活躍なさいそうです。WOWOWには、すぐくると思います。

2013/3/10(日) 午前 1:44 オネム 返信する

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どうやら隆之介は生き延びたな。
ニノや上戸彩の弟役だったのに・・・
江口洋介とおねしょしない体操が懐かしい。。。。

2013/3/10(日) 午後 11:17 [ esu**i123 ] 返信する

これって上映始まって二週間ぐらいしてツイッターでめっちゃ話題にならましたよね。で最初は高校生のみる映画なのかと思ってチェックしてなかったのですがまさにオネムさんのような感想がバンバン出てて観に行ったらもう高校時代がそこに見えてきたような気分になりました。ラストは私も泣きそうになった気がします。あの菊池くんはモデル出身であれが初えいがだったんですよね。
高知かどっかで皆で合宿して撮ったっていうのを当時番宣で聞きました。
いい作品でしたね。
後でPCからトラバさせて下さい。

2013/3/11(月) 午前 0:10 ひかり 返信する

esupaiさん☆邦画をあまり見ないので、大半お初の俳優さんばかりでした。もっと邦画もみないといけないなぁ。。。

2013/3/12(火) 午前 0:13 オネム 返信する

ひかりさん☆大人がみても面白いさくひんでしたよね〜。へぇ、菊池君役のひと初めてだったんですか?はれほれ〜〜〜♪先が楽しみですね。高知で撮ったみたいですね。遠い昔ですが、高校時代は、恋愛クラブ勉強と忙しかったですねぇ。よい時代でした。

2013/3/12(火) 午前 0:16 オネム 返信する

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ほんと、自身の高校生活を思い出しちゃいますよね。
神木くんが失恋?する場面などは、痛いほど心に沁みました・・。
TB、させてくださいね。^^

2013/8/14(水) 午後 4:11 サムソン 返信する

サムソンさん☆
高校生当時には、良さの際わからなかったようなキャラクターにも、人間的魅力を見出して、あの頃よりは、少しは、自分も成長したのかなと思いました。
失恋経験おありなんですね〜。
わたしもあの頃だったら、神木君より、パーマの男子を選んだと思います…というか、まさに帰宅部なのに、放課後サッカーして時間つぶしている、見た目の良いやや不良っぽい男子と付き合いましたわ。なつかしい〜(。>0<。)ビェェン
TBありがとうございます。

2013/8/14(水) 午後 6:21 オネム 返信する

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