オネムの映画鑑賞メモ

2019年素晴らしいドラマのような1年になりますように!

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メディア映画
上映時間120分
製作国日本
公開情報劇場公開(ギャガ)
初公開年月2013/09/28
ジャンルドラマ
映倫G
6年間育てた息子は、他人の子でした
 
解説&ストーリー
 
「歩いても 歩いても」「空気人形」の是枝裕和監督が、「容疑者Xの献身」の福山雅治を主演に迎えて贈る感動の家族ドラマ。
 
ある日突然、6年間育てた息子が病院で取り違えられた他人の子どもだったと知らされた対照的な2組の夫婦が、過酷な決断を迫られ、それぞれに葛藤を繰り返す中で本当に大切なものを学んでいく姿を丁寧な筆致で描き出す。
 
共演は尾野真千子、真木よう子、リリー・フランキー。
 
カンヌ国際映画祭でみごと審査委員賞を受賞、大きな話題となる。
 
これまで順調に勝ち組人生を歩んできた大手建設会社のエリート社員、野々宮良多。妻みどりと6歳になる息子・慶多との3人で何不自由ない生活を送っていた。
 
しかしこの頃、慶多の優しい性格に漠然とした違和感を覚え、不満を感じ始める。
そんなある日、病院から連絡があり、その慶多が赤ん坊の時に取り違えられた他人の子だと告げられる。
 
相手は群馬で小さな電器店を営む貧乏でがさつな夫婦、斎木雄大とゆかりの息子、琉晴。
 
両夫婦は戸惑いつつも顔を合わせ、今後について話し合うことに。
 
病院側の説明では、過去の取り違え事件では必ず血のつながりを優先していたという。
 
みどりや斎木夫婦はためらいを見せるも、早ければ早いほうがいいという良多の意見により、両家族はお互いの息子を交換する方向で動き出すのだが…。
 
感想
 
夫がこの作品に興味を持っていたので、一緒に観に行きました。
予告や、前評判で、大体のあらすじが分かってしまっているというのに観に行ったのは、最後がどうなるのか確認したかったからです。
 
子供の取り違えなどというと、本当に、どう受け取っていいのか、自分の人生を根底から覆されるくらい、夫婦にとってはびっくりすることではないかと思います。
 
この作品で描かれた二組の夫婦は、ことの衝撃性にくらべて、いやに冷静な人たちだなと思いました。
どういう風にことを進めていくかというときにも、家庭環境からくる言葉遣いや態度には差異はあるものの、どちらの夫たち、妻たちにも、気狂いのように、感情的になる人はいませんでした。
 
病院の勧めや前例から、当然のことのように、
子供の交換という方向に進んでいきます。
 
両家族で会って子供たちを遊ばせる。
週末だけ子供の交換をして過ごす。
といった風に、時間はかけながらも、映画の語り口同様に、両家の親たちも事情をしらないこどもたちも、ただ淡々とことを進めていくのです。
 
どちらかというと裕福ではなくがさつな生活をしている斎木家のほうが、サブ的な描かれ方で、重きを置いていたのは、野々宮家であり、その夫の良多の変化にフォーカスされていました。
 
しかし、この監督の特徴なのかどうか、まだ2作品しか観ていないので、なんとも言えませんが、心情や行動や態度の変化の振幅が少ないのです。
 
子供と密な接触をもって家族の営みがなされている斎木家の子供たちのほうが、
なんとなく、子供たちにとっては幸せなんだというふうな誘導が感じられます。
 
しかし、一緒にする食事やその他経費が病院から出されるのだからというようなことを口に出す斎木家のお父さんのセコイところが、結構私には気になりました。
そういうところ、2回ほどありました。
 
『三つ子の魂百まで』というようなことも言われますが、年少のころに刷り込まれた気質というものは、実際どれほど影響があるのでしょうか。
 
実は、子供が2年間で3人生まれて(1組は双子なので)、2年半くらいしか子育てに没頭せず、フルタイムではないものの、年子の双子という三つ子状態で母に預けて仕事に戻った私は、その『三つ子の魂百まで』という考え方にコンプレックスを持っているのですよね。
もちろん、良多みたいに家庭を置き去りにしていたわけではないけれど、べったり母親をしてきていないので、その言葉、ものすごく心に突き刺さるのです。
 
この作品の中での良多というのは、俳優が福山さんなので、きれいにまとまりすぎているきらいはありますが、一応、どちらかというと悪役で、その支配的かつ妻任せな
人間が真の父性に目覚めるというのが、作品のもっていきたいところだろうとは思うのです。
 
でも、どんなに出来損ないの親でも、一つの家庭でそれぞれのポジションで生活をしていれば、子供にとれば、週末しか顔を合わせないような父親でも親なんですよね。
生活の中に気配があるだけで、もう親なんですよね。
 
だから、この作品の中では、父親としては劣等かもしれないような描かれ方をしている良多も、子供は精一杯の気持ちをもって愛しているのです。
 
育てられ方によって、ほんとうに、子供の表現形態というのは変わってくるものです。それは、身をもってわかります。わかりすぎるほどわかりますね。
私もあまりべたべたした母親ではなかったもので・・・
 
だからもう、これは、自分をその立場に置き換えて考えながら観てしまったので、
途中から、静かではあるけれどタラタラ涙がでてきて仕方なかったです。
 
最後に、従順でおとなしかった野々宮慶多くんの態度にはっきりと感情があらわれていました。
そんなものです。
 
琉青くんに合わせて、彼が気に入るような、お父さんをできるところまで野々宮夫婦も来ましたが、どうにも努力をしている親でした。それで気に入ってくれるかというと、ふりをされても元の親子関係のほうが、琉晴くんにとっては本物で恋しいものなんですよね。
 
慶多くんにしても、確かに和気藹藹とした生活は楽しいけれど、気分はお客さんだったのではないかしら。
かまってくれる楽しいお父さんよりも、いつも仕事でいないし、ピアノは習わされるし、色々ルールはあるし、家にいるときは(写真からすると)疲れて、眠りこけてばかりで一緒に遊んでくれない父親でも、それが、慶多くんに染みついたお父さん像で、そんなお父さんが恋しかったのでしょう。
 
 
映画を見終えて帰宅してから、夫に、もし自分がこんなことになったら、わたしならどうする?と聞かれました。
 
私は、育ててきた子供を育て続けると言いました。
 
そして、自分の血を引いた子供が、よほど劣悪な生活環境にいないかぎり、見守ることは続けたいし、もし、経済的に困窮していれば、できるだけのサポートをしたいと思うし、どんな成長をしていくのか、知り続けてはいたいと思います。
でも、その子が、血はつながっていなくても、それまで一緒に暮らしてきた両親を愛しているのなら、できれば一生DNA検査をしなくてはならないというようなことがないように、無事その家族と暮らし続けてもらうしかないかなと思いました。
 
でも、これは、メリル・ストリープの「ソフィーの選択」に迫るくらい難しい選択であり、決断ですよね。
 
あと、心配なのは、斎木家の琉晴くんが、思春期になって、万が一事実を知って、
その時、自分の育ての父親に対する感謝より、その父親の小ささや、経済的劣性に嫌悪感を抱いたら、その子はかわいそうなことになりますよね。
子供に知られないということが前提になりますね。
子供にとって『ミッションが終了』するだけで、
真実を知らせてはいけないのだと思います。
 
皆さんの感想を拝見しても、それほど、はっきりと自分ならばどうするかというところまで、書いておられないように思いましたが、
さて、どうなさいますか?
 
*
【クレジット】
監督:是枝裕和
製作:亀山千広
畠中達郎
依田巽
エグゼクティブプ
ロデューサー:
小川泰
原田知明
小竹里美
プロデューサー:松崎薫
田口聖
アソシエイトプロ
デューサー:
大澤恵
脚本:是枝裕和
撮影:瀧本幹也
美術:三ツ松けいこ
衣裳:黒澤和子
編集:是枝裕和
キャスティング:田端利江
スクリプター:冨田美穂
照明:藤井稔恭
録音:弦巻裕
助監督:兼重淳
出演:福山雅治野々宮良多
尾野真千子野々宮みどり
真木よう子斎木ゆかり
リリー・フランキー斎木雄大
二宮慶多野々宮慶多
横升火玄斎木琉晴
中村ゆり
高橋和也
田中哲司
井浦新
風吹ジュン野々宮のぶ子
國村隼上山一至
樹木希林石関里子
夏八木勲野々宮良輔

閉じる コメント(13)

かくある本作品の記事の中でここまで言及しているのは初めてですね.この作品の深刻さを感じました.まだ未見なんです.今週末観てからまたここに来ますね.さてどんな結論を持ってくるやら?今はプレーンな状態のつもりです.

2013/10/5(土) 午前 8:15 チャコティ副長

アバター

いやぁ、すみません。オネムさんの問い掛けに、僕は答えることができません。
ご自分の考えをキッパリ言われる姿勢には感服いたします。
僕のレビューは飽くまでも、映画としての良し悪しを評価しているので、という逃げ方で失礼いたします。
ただ、これだけは言えます。うちは一人娘ですが、結婚するまでは何があっても離しません。
ナイス。

2013/10/5(土) 午後 5:43 出木杉のびた

チャコティ副長☆
あらら〜、ご覧になる前にお読みいただいたのですね。
でも、大体、あらかたのストーリーはもうかなり語られていますし、描かれ方からどう感じるかというところが、各々違ってくるところかなと思いますので、副長の記事を楽しみに待っています。

2013/10/6(日) 午前 0:27 オネム

副長、niceありがとうございます。

2013/10/6(日) 午前 0:28 オネム

のびたさん☆
こういう状態になってみないと、本当のところはわからないかもしれません。
私に問いかけておいて、逆に夫に意見を求めると、あいまいというか、はっきりしないんですよ(-_-メ)
女性と男性の感じ方というのもまた違うような気もします。
TB&niceありがとうございます。

2013/10/6(日) 午前 0:30 オネム

やはり女性は情を選ぶ方が多いのでしょうか。(^_^;)
僕はやっぱり血の繋がりを選ぶでしょうね、それが本来あるべき形ですから。

大事なのはそれまでの6年間を早く忘れることでしょうね。
帰って来た子供は拉致されてたとでも思うしかないでしょう。
過去を埋めることはできないけど、未来は自分で築けるのですから。。。

2013/10/6(日) 午後 1:09 ZOLA♪

Zolaさん☆正直、どちらも欲しいですね。この作品の行き着くようなやり方が、良いのではないかと思います。
ある程度の年齢で、血の繋がりについて、しっかり理解できたら、そちらも可能でしょう。
子供の気持ちや視点を考慮して、大人の決めつけや、社会の通説だけで決めるなよ、という、メッセージが込められていたように感じました。
あと、両家の希望が食い違うと、また、困難が増しますね。

2013/10/6(日) 午後 2:02 オネム

アバター

これは観る人の立場や環境によって感想は違うでしょうね〜
私も概ねオネムさんと同じですが、とても難しい問題なので一概に結論づけられませんよね。
でも、映画のラストはよかったと思いました。
是枝監督の描き方は個人的には○でした。(^^ゞ
TBさせてくださいね。

2013/10/6(日) 午後 9:57 choro

choroさん☆人為的にこういう状況が起こったというのが悲しいですね。
苦しむ家族を作ってしまったのですから。しかし、時効になるのが早いなぁと思いました。
決断は、子供の年齢にも、よるでしょうね。
TBありがとございました。

2013/10/6(日) 午後 11:41 オネム

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こんばんは!

トンデモナイ理由で、血のつながりのない子供を
育て、ある日、取り違えを告げられ悩む両家。
どのような選択をするのか?
考えさせるような巧いラストだったと思いました。
TBありがとうございます。

2013/10/8(火) 午後 11:23 [ k&k ]

k&kさん☆
ほんとうに、とんでもない理由でしたよね。
えらい迷惑!ではすみませんものね。
いいラストだったと思います。
TBありがとうございます。

2013/10/9(水) 午前 10:38 オネム

顔アイコン

テーマがとても興味深かったです。
やはり親目線でいろいろと考えさせられました。
それぞれの家庭が対象的だったのもよかったですよね。
TBお願いします。

2014/1/8(水) 午前 7:08 かず

かずさん☆

難しい問題ですね。
淡々とした描き方で好感持てました。
TBありがとうございます。

2014/1/11(土) 午後 7:02 オネム

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