コーヒーブレイク

死は生の対極としてではなく、その一部として存在している

新訳エヴァ

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辛いことを知ってる人間のほうが、それだけ人に優しくできる。それは弱さと違うからな
(By加持リョウジ)

加持さん、カッコ良すぎです!!


先週末は金沢にアイスジュエリーというショーを観に行って来ましたが・・・
お気に入りのユキナさんが前日の練習中、
バタフライスピンの着氷時に右足の靱帯を痛められたとのことで欠場!
公演の途中でユキナさんから丁寧にご挨拶がありました。
当日の朝までケアしていて、ギリギリまで滑る方向でいたとのことで、
それほど深刻に考えていなかったのですが、
先ほどPIW東京公演の欠場の正式に決まったようで、
やはり思ったより重症の様です。
焦らずじっくり治して頂き、また元気な姿を見せて頂きたいと思います。
本当お大事に・・・


・・・で、本当は午前・午後公演観る予定だったのですが、
急遽予定を変更して、午後から『新劇場エヴァ:破』を観てきました。
ちなみに、アイスジュエリーはB席以外すべて当日券がありました。
午後の券を買っておかなくて良かったです(笑)
レポートは端折ります。
会場の雰囲気はプラチナ席のランビ&ジョニーファンがMyバナーを手に熱狂して、
あと8割の地元民がスタンド席で大人しく鑑賞という異様な光景。
個人的にはジョニーと安藤さんの新プロが衝撃的でした!
たまたま荒川さん、ジョン怜奈、佳奈子ちゃん、ボナリーと遭遇しサインを頂きましたm(_ _)m
ボナリーのサインには第3使徒サキエルの顔の様なマークがあるんだよね(笑)


という訳で劇場版エヴァ、想像以上の出来でした。
いや〜大満足です!!
かれこれこの作品に十数年の付き合いがあるので、
もう本当に成長を見届けるような心境というか、
同窓会で思い出を語っているようなというか・・・
今回は大きな物語の破綻も無く、
TV版に沿う形で少しずつ話の筋が変わってきている様で、
予習無しでも充分楽しめる内容に。懐かしの名セリフも健在でした。


人は思い出を忘れることで生きてゆける。だが決して忘れてはいけないこともある。
(By碇指令)


学生時代の頃を思い出して心にビンビン響きますね。
ストーリーの方は新キャラ(これはちょっとイマイチだった)、新デザインの使徒も登場し、
四部作のうちの二作目である『破』からTV版より大きく路線転換していきます。
今回は日常場面、登場人物同士の心の交流に大きく時間を割いていて、
レイの「ぽかぽかする」じゃないけど、全体的に明るい雰囲気。
特に自分はアスカファンなので、
TV版以上に自分のさりげない感情を表に出すようになったアスカの姿はツボでした!
その不器用さにうるっと来る場面もありました。
みやむーの「あんたバカぁ?」なんて聞くの何年ぶりだろう(うぅ・・・)
超感動です!!
レイの同人誌並みの豹変ぶりには驚かされましたが(笑)


これは劇場版の宿命なのかもしれませんが、
冒頭から飛ばしまくる展開や心理描写に直截的な表現が多く、
エヴァのテーマの一つである「人と人との距離感」がうまく描けていない気がしました。
もう少し「間」を有効的に使えたら良かったのですが・・・
戦闘シーンの緊迫感や臨場感もイマイチでした。
前作『序』の新ラミエルのデザインや「ヤシマ作戦」の完成度の高さには戦慄を覚え、
これは日本のSF史に名を残す名場面だ!と感動したのですが、
今回は抑揚があまりなく、戦闘、戦闘、また戦闘・・・みたいな展開で、
あと閃光で?白飛びしている感じのところが多くて、見づらかったです。
清川元夢さん、また声質変わった??
冬月先生の渋さがまたまた薄れている感じがしました。
まあ、これだけオリジナルキャストで頑張っているだけファンとしては夢の様なのですが・・・


でも全体的には大満足です。
音楽の面でも童謡などの挿入といった新しい試みもあり、
ちょっと『嫌われ松子の一生』テイストを感じました(笑)良かったです。
四部作、やっと折り返し地点ですが、
何とか私がメタボ中年になる前に完結編まで見届けたいです(笑)
よ〜し、生き抜くぞ!

あらしのまえに

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「人間は寂しさを永久になくすことはできない。人はひとりだからね。
  ただ、忘れることができるから人は生きていけるのさ」  (byカヲル)


俺たちにとってエヴァとは何だったのか―――
死ぬまであと何回、考えるのだろうか。


新劇場版、ようやく観てきました。【注意:以下、ネタバレあり】
1日は何とか仕事を切り上げて、レイトショー30分前には劇場に向かったのですが、
何とチケットがSOLD OUT !
ナメすぎてた。
まあ、品切れになる前にパンフが買えたので良かったです。
で、出直して一昨日行ってきたのですが、平日のレイトショーとは思えない混雑ぶり。
普段は閑古鳥が鳴いているド田舎の映画館なのに、ロビーの空気が濃い!濃すぎる!(笑)
あんたら、3Dの世界じゃ、いつもどこに潜んでるんだ・・・
この力を結集すれば、安倍内閣打倒っていうか、平成維新起こせるんじゃないか?
ってぐらい、都内のヲタが集結しているかのような壮観だった。


場内も物凄い雰囲気でした。
これは空調が効いていないのか、それともヲタの熱気なのか・・・暑い!いや、熱すぎる!
最後「つづく」の文字が出た瞬間、客席が一斉にざわめき出すし、
エンドロールが流れ始めても誰一人として席を立とうとはしない!
体感温度かいつもの5℃以上、高かったです(笑)
客層は、やはりジブリアニメほど市民権を得ていないので、
パチンコCRブームがエヴァ史の「サードインパクト」だとすると、
我ら1970〜1980年世代の「ファースト」の野郎たちが中心か。
そこへ冬月に共鳴したのか?訳の分からない老夫婦や、
ALFEEの高見沢みたいなオッサン、中川翔子風のギャルが一人で交ざっているので、
人間の趣味嗜好って本当に面白い(笑)


さて、肝心の内容ですが、期待していなかった割には★★★★☆並みの、
なかなかの出来でした。
一言で言えば「決して大満足ではないが、続編が大いに期待できる内容」といった感じか。
まず、あの懐かしの声優陣のラインナップ&パフォーマンスを垣間見ただけで★★★!
前半は、細かい点(装備やBGM、使徒の扱い・・・etc.で挙げればキリが無い)
は変わっているのですが、
あえて?旧画とあまり変わらないダイジェスト版で、
新訳Zの二の舞なのかと観ていて心配になりましたが、
作品の出来は後半に向けてペースを上げていくかの様。
よりディテールにリアル感のあるシャムシエルのシルエットに萌えた!
っていうか、慌てふためくミサトらを脇に、エヴァ暴走開始1分で、
我らが冬月先生の「勝ったな」発言、キタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━ !!!!!
副指令、早っ!!
ただ冬月の渋さが、ちと薄れたように感じたのは、清川さんの声質の変化か。


逆に、サキエル襲来時の「15年ぶりだね」「ああ、間違いない。使徒だ」
名台詞がカットされてたのは、ヲタでなくても、ちょっと許せない・・・
「10年ぶりだね」という意味も込めて、待ったファンへの挨拶は必要かと。
脳内のマギがこの台本は否決(苦笑)
静まり返る相模灘に広がっていく蝉の声、無人の要塞都市に響き渡る空襲警報―――
これから人類にとって、とてつもない敵がやってくるんだという
緊張感、戦慄がイマイチ伝わって来なかった。
人間と遺伝子配置が99.89%酷似している「使徒」という存在は、
人類共通の敵であり、究極の他者であり、そして各人の心象風景というか
無意識の領域、つまり自分自身(自分に最も身近で最も遠い他者)でもあると思うんです。
そういう「未知との遭遇」みたいな場面は、もう少し丁寧に描いて欲しかったかなと。


しかし、新ラミエルには度肝を抜かれた!
凄いよ・・・あのA.T.フィールド展開というか形象変化は・・・
生物/無生物の概念をも超えた使徒の超然性を余す所なく表現できてますね。
てか、夜半の芦ノ湖に浮かび上がるシルエットは、現代美術のオブジェのような美しさ。
ヤシマ作戦の戦闘シーンも文句の付けられない出来だった。
アニメ観て戦慄覚えたのなんて、本当久しぶり。
あの場面だけでも、¥1,200払った価値があった。
しかもクソ劇場のアニメ作品なのにTHXなのか!
衝撃波が来る来る(笑)
お前、今までどんな環境で映画観てきたんだって、突っ込まれそうですが。


まあ、「詰め込みすぎ」「素人には解りづらい」という批判は、
ダイジェスト版の宿命なので、そこはあえて触れたくないのですが。
ただ、似たようなコンセプトで作られた劇場版Zガンダムと比較しても
完成度はかなり高かったと思います。
ここら辺は、単に富野由悠季と庵野秀明という手法、ジャンルの違いに回収されるのだろうか。
(自分の中ではGacktと宇多田ヒカルの主題歌対決は今の所、五分五分といった
所だけど。まあ、これがしょこたんだったら物議醸してたか笑)
やはり、この12年間、宮崎アニメを以ってしても、
エヴァを超える作品は存在し得なかったと改めて思いました。
あと、早くサントラ欲しい。
今回、ベートーベンやバッハといったクラシックの王道を使わずに、 
新たな試みが見られたような気がする。
Beautiful World』もエンディングで聴くと、意外と作品世界に馴染んでた。


冒頭の赤い海は、前劇場版の続きであるという論争がさっそく起きてるらしいのですが、
前作でシンジは様々な苦難、葛藤の末、結局A.T.フィールドのある世界を選んだ。
ならば新版の、安易に他者と結ばれ「YOU ARE (NOT) ALONE」となってしまう世界観は
何を表しているのか?
テーマ性は自閉か全体への回帰か?
シンジの物語を再び、破綻させる「異物」とは何なのか?
あの新キャラのメガネっ子がシンジの理想だったら、ちょっとな・・・とか、
相変わらずの謎が謎を呼ぶ展開に、引っかかる所、大アリでした。


ろくに旧作の復習もせずに、俺のような非ヲタが観ても、1回じゃまったく理解できない。
一番の違和感は、何故あそこでシンジにリリス(アダム?)を提示する意味があったのか?
ミサトがあの段階で「破滅」ではなく「終息の要」とまで言い切ってしまうのは、
従来の人類補完計画やサードインパクトの意味付けが変わってきてしまう様な。
しかも手繋ぎっぱなしだし!すでに三佐だし!
これで(すでに)、2作目からは旧版と大きくストーリーがズレていくこと決定ですね。
作品の評価も2作目からが勝負となってくるでしょう。


あと個人的な願望ですが「サービス!サービス!」の視点からなら、
中途半端にカヲル出すより、ちょっとだけでもアスカが観たかったなあ・・・
今後の伏線としては必要だったのかもしれませんが、
カヲルというキャラの持つ神秘性、叙情性は、コミック版ほどに落ちたかなと。
でも、池袋じゃスタオベが起きたそうで、
やっぱ腐女子にはダルビッシュよりカヲルのヌードなのかと。
何気に、スタッフロールの「キャスト」の石田さん、上から5番目だったし!
ちなみに、一緒に観に行った同僚には加護亜依に似た彼女がいます(笑)
酒気帯び運転とか療養中にサッカーとかは完全outだけど、
喫煙はちょっと可哀想だなあ・・・(何

エヴァ缶

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アキバ名物、おでん缶ではない。
すでにこの段階で今日はアニメ思考だったのか、
どうも今、ブーティが流行っているようで、
街行くギャルがみんなサイヤ人のような靴を履いている。
この情景は幻想なのか、俺は寝呆けているのか・・・
ちょっとコーヒーというか目覚めの一杯が欲しくなり、出勤前に駅のコンビニに立ち寄ると、
ガラス戸の向こうに懐かしのUCCエヴァ缶を発見。
思わず手が伸びてしまいました。


10年前に発売されていたものの復刻版であり、
雑誌コーナーで立ち読みしたプレイボーイによると、
いま店頭に並んでいるシンジ&カヲルの絵柄はすでに第参弾とのこと。
やられた・・・コンプリートの夢、一瞬で打ち崩される!
これはコンビニ限定なのか、毎日、近所のスーパーに通ってたのに気付かなかった!
てか、そこは巧みなGAINAX商法であり、
公開に合わせて劇場では手提げ入り全絵柄6缶セットが販売される模様。
さすがにヲタじゃないので、そこまでは欲しくないのですが。


その他、関連グッズがぞくぞく発売されているけど、売れ行きはどうなんでしょうか。
中川翔子を以てしても、かつてのエヴァ人気を再燃させるのは不可能といった所か。
ちなみに絵柄は、躊躇くカヲルヴァージョンを選んだ。
TV版ではたった一話(第24話)しかまともに登場していないのに、圧倒的な存在感を放つ渚カヲル。
今回の劇場版ではシリーズ第一作目から登場するようなので楽しみです。
尚、組閣前の入閣確実者情報並みに、情報流失が少なく微妙なのですが、
第3新東京市の情景描写などは実写映画をも凌ぐ映像美とのことで、そちらも楽しみです。
まあ話は脱線するのですが、今度の安倍改造内閣の世論調査の支持率は
各紙10%以上も開きがあり面白いですね。
朝日も読売もその新聞を購読している人だけをサンプリングしている訳ではないはずなのに・・・
世論操作も甚だしいな(苦笑)


キャラ的には、冬月先生やアスカの方が断然好きなのですが、
エヴァを彩る数々の名言の中で、カヲルが最後に噛みしめた


ほど、作品世界のメッセージ性というか、
もっと言えば、ACやトラウマ体験といった精神世界の現象を超えて、
今日人類の置かれているポストモダン的ニヒリズムの状況を
両義的、多面的に言い表わしている言葉は無いような気がして、何だか惹かれてしまいます。
Zガンダムで「これが若さか・・・」なんて、カミーユにぶん殴られる
クワトロ並みに好き。
復刻版本体の人気はイマイチでも、作品の持つコンテクストは、
ひきこもりの増加や空前の癒し(スピリチュアル)ブーム、ナショナリズムの復権といった
現在の社会状況の方が、12年前よりもリアルに絡み合うような気がします。
宮台真司的な“大きな物語”は何も丸ごと消失したのではなく、
ただ単に見えにくくなっただけだったのではと。
主題歌を歌ってる宇多田ヒカルなんてまだデビュー前の話だし。
東浩紀風に言えば、作品のテーマ性が古くなったのではなく、
むしろ社会の方が退化したといった感じか。


実は自分もそれほど盛り上がっている訳ではありませんが、
一応、公開初日に鑑賞予定。
てか、こんなこと書いているうちに、もう明日が封切か。
地元の友人や同僚など様々な方面に呼び掛けたが、結局集まったのは2人(笑)
個人的には、宮崎アニメすら為し得なかった2D、3Dの概念をも超越していると思っていたのですが、
意外と市民権は得ていないようで、
誰を誘っても「いい歳こいてアニメかよ!」といった反応しか返って来ない。
これは野郎がフィギュアを志向している際にも感じる空気で、
ある意味、逆ヲタファッショとでも呼ぶべきか、皆さん、生理的な偏見は良くないと。
表現とは媒体の種類や質が問題なのではなく、
そこから何を読み取るかの方がはるかに重要なのではと思うのですが。


ただ、前回の劇場版でも、本作をまったく知らずに、ただただブームに乗って、
ジブリアニメでも観るような感覚で劇場に足を運んでいたファミリーがいたけど、
殺戮場面や自慰シーンはお母さんが何とも説明に困る所である。
個人的な問題はレイトショー開始時間までに仕事が終わるか否か。
土日は新規契約が入るのが殆どなので、その事務処理がちょっと面倒であります。
よって、時間指定の前売りは買わず。
てか、シネコンはTOHO派なので、ワーナーマイカルの予約システムがよく解らない。
本当はこの土日、COI仙台氷の上のスワン・レイクを観に行きたい所でしたが、
どうにもこうにもスケジュールが調整できなかった・・・う〜ん、残念!
Antonioのフラメンコは是非とも最後に堪能したかったが、
浅野忠信と絡んでいた方は別にファンではないので今回はヨシ。
むしろ、タレント的に究極に凹んだのは、COI静岡にユキナさん、
正式に出演決定という知らせだったけど・・・
踊って踊って踊りまくって、太田由希奈ここにあり!というか、
これぞ本物の氷上芸術というものを見せてほしいです。
ユキナさん、がんばってください!

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メサイア!

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光のコラール。
小林根さんの「ハレルヤコーラス」で思い出したのは、某アニメのワンシーン。
衛生軌道上に出現した第15使徒アラエルの攻撃により精神汚染されていくアスカの姿・・・
そう、エヴァが再び映画化されます。パチンコCRネタじゃないですよ(笑)
それも『Zガンダム』以上に新訳される様子。
いや〜懐かしいですね・・・生物/無生物の概念をも超えた使徒の襲来、
虚数空間としてのディラックの海、京大の形而上生物学研究室・・・etc.
鬼のようにマンガやアニメに興味がない私でも、
『Zガンダム』と『エヴァ』だけには徹底的にハマりましたね。
例の曲が流れても、織田君やコストナーより先にエヴァのイメージが浮かぶぐらいです(苦笑)


特にエヴァは10年後にでもマニアに売り付けてやろう!と思って、
コミック&フィルムブック&ビデオ&CDの類はすべて初版で集めてました!
庵野監督以下、主要声優陣のサインも持ってます(笑)
あれだけヲタ的にモノを集めたは、人生でカードダス&ビックリマンシール&エヴァグッズのみです。
まあ、実際にあれから10年経ってみると、ブームは再来しなかった訳で(汗)
多大な資金と労力を割いたにもかかわらず、単なる自己満に終わったのですが。
ただ、一つ言えることは、この10年間、スタジオジブリをもってしても、
エヴァを超える作品は存在しえなかったということ。
それだけ、心理社会的に若者の心象風景に深く切り込んだ作品だったと思います。
当時も東浩紀や宮台真司、大塚英志など様々な論客がエヴァをアカデミックに解釈していました。


位相空間としてEVAや使徒 の周辺に展開するATフィールド(絶対領域=魔法陣のような防御壁)は、
何も巨人たちだけのものではなく、カヲルの言葉を借りれば、

「何人にも犯されざる聖なる領域、心の光。ATフィールドは誰もが持っている心の壁だと言うことを」

「それ以上分けることのできない」という「アイデンティティ」の語源からも連想されるように、
それは自己と他者(世界)の境界線そのものなのである。
我々の皮膚から外はもう壮大な宇宙が広がっているという
当たり前であって当たり前でないような感覚。
人間の喜怒哀楽も、もっと言えば一人ひとりの固有の意味や物語も、
この物理的、心理的、存在論的ギャップから生じているのではないでしょうか。
唯幻論的にそんな個別の煩悩や人生そのものを、
いっそのこと無くしてしまおうという方向に理想を求めたのが、
聖書の世界と生物進化の最終過程になぞられた
ゼーレの『人類補完計画』だったと言えるのかもしれません。
まあ、よく考えてみると、個人・集団で自閉または全体へと回帰している感のある今の人類は、
作品世界そのものの様なカタストロフィーの流れの中に居るのでしょう。
終局には破滅しかない。


エヴァ全編を通して、登場人物の様々な心模様というか心理的葛藤が、
ストーリーに映し出されているのですが、それ以上に、
友達を殺すわ、生首は飛ぶわ、性の営みはあるわで・・・
18:30の枠でOKなのか的な、生々しすぎる描写や、
飛び交う生物学・心理学・哲学・キリスト教用語に酔い痴れました。
「ヤマアラシのジレンマ」とか「死に至る病」とか「死海文書」とか
全部、あのアニメで覚えました。
あと当時、話題を呼んだOPのフラッシュカットや、意味深な止カットの多用、
独特の特撮技術や庵野アングルなどで、日常の中に非日常性が成立している
光景を独創的に演出している所も魅力的です。
見せ方が断片的で気になるシーンが多いのも、惹きつけられる1つの要因ですね。
メカニックデザインに関しては、自分はまったく疎いのですが・・・


そんな当時の自分には刺激的な要素が散りばめられいてた本作ですが、
とりわけ印象に残っているのは第24話の『最後のシ者』です。
自分はこの回にエヴァのエッセンスが凝縮されているような気がします。
この回でエヴァは終わっていると言っても過言ではありません。
ちなみに、残念ながら自分の好きな使徒は渚カヲルじゃないです。
最強の使徒と言われた第14使徒ゼルエルや、
第1話の鮮烈な印象とちょっぴりキュートなフォルムが対照的なサキエル辺りが
ファンの人気が高いと思うのですが、
私はそういった有機的なデザインよりも、やっぱSFチックで掴み所の無い様な、
いかにも人間の英知を超えているといったイメージの使徒が好きです。
例えば、第11使徒イロウルとか(←最弱の使徒とか言われてますが・・・)
なおかつ物理的接触を図ろうという戦術よりも、人間のパトスの領域に
直接入り込もうとする高度なタイプの使徒が好きです。第16使徒アルミサエルとか。
ついでに、好きなキャラはアスカと冬月先生です(笑)


さて、第24話は人と関わるのが苦手な主人公・碇シンジ(=『日本沈没』の樋口真嗣監督に由来)
の前に突如としと表れる謎の少年・渚カヲル(=中性的な存在として描かれている)
との心理的、肉体的対話を通して、「自分さがし」の一つの高みに到達するというストーリーです。
結局、初めて心(体)を許した他者の正体が、実は自分達を今まで苦しめてきた使徒であったという
悲劇が待っているのですが、
それ以外にも「最期」を覚悟した葛城ミサトと日向マコトの淡い恋の描写や、
鳴り響く警戒音にベートーベン『歓喜の歌』の旋律が重なり合う中で展開される
ゲンドウと冬月の淡々としたやりとり等、見所が多いです。
無言の存在感を示すゼーレのモノリス
人は「死」を覚悟した時、目の前の圧倒的な現実をどう捉え直すのかと。
エヴァの名セリフと呼ばれるものも、自分の中では7割ぐらいが
この回のカヲルの言葉に集中しています。


例えば、ヒグラシの声が悲しく響き渡る夕暮れ時の芦ノ湖畔、
  「歌はいいね。人の心を潤してくれる。リリンの生み出した文化の極みだよ」


真夜中の大浴場のシーン、
  「一次的接触を極端に避けるね、君は。怖いのかい?人と触れ合うのが。
   他人を知らなければ、裏切られることも、たがいに傷つけあうこともない。
   でも、寂しさを忘れることもないよ」
  「人間は寂しさを永久になくすことはできない。人はひとりだからね。
   ただ、忘れることができるから人は生きていけるのさ」
  「常に人間は心の痛みを感じている。心が痛がりだから、生きるのもつらいと感じる」


同じくカヲルのセントラルドグマ降下中〜終焉まで、
  「それを利用してまで生き延びようとするリリン。僕にはわからないよ・・・」
  「人のさだめか・・・。人の希望は悲しみにつづられている」
  「アダム。我らの母たる存在。アダムに生まれし者はアダムに還らねばならないのか?
   結果、人を滅ぼしてまで・・・」
  「だが、このまま死ぬこともできる。生と死は等価値なんだ、僕にとってはね」
  「自らの死、それが絶対的自由なんだよ(中略)そして君は死すべき存在ではない」


・・・その存在を通してカヲルは、シンジと人類に窮極的な希望と絶望を同時に提示して見せた。
決して完成されることのないパズルの画は、天国でも地獄でもなく、ただ「無」であると。
こうして改めて名場面を振り返って見ると、10年経っても、まったく色褪せていないというか、
たとえ未完で不完全なテーマ性であったとしても、1つ1つの描写、言葉に力をもった作品だなあと。
まあ、でも劇場版は滑ることでしょう(汗)
『逆襲のシャア』がシャアの価値を下げたのと同じように、
個人的には『DEATH & REBIRTH』と『Air/まごころを、君に』ですら不要だったと思っています。
でも発売日の今日、仕事帰りに近くの劇場に立ち寄ったら、9月公開予定の特典付き前売り鑑賞券が、
即日完売していました。
未だ(マニアを中心に?)根強い人気があることに驚いたの半分、
ちょっぴり嬉しい気持ち半分でした。
9月は、薄れた記憶を掘り起こしながら、10年ぶりにエヴァにハマってみたいと思っています。

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