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旧:とくしまの道を自転車で走る(仮)

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光秀の定理

キケン,有川浩
機械制御研究部,略称,キケンという工学系大学のサークルを舞台にした青春小説.青春の一時期の全力無意味な情熱をうまく描き出すとともに,それを回顧する自分のノスタルジックな構成と相まって奥行も醸し出している.

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破門,黒川博行
「疫病神」シリーズと呼ばれる連作の5作目みたいだが,これを最初に読んだ.ヘタレの主人公二宮がイケイケの極道・桑原=疫病神に巻きこまれる新感覚なハードボイルド小説.展開がスピーディーで結構読ませる.任侠ものとしてよくできている.
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ブラインドサイト,ピーター・ワッツ
ハードSF.宇宙から地球にやってくる生物が対象なのだが,その設定の異様さと「意識」の問題に正面から切り込んでいる.最近のハードSFは読後の疲労が激しく,ちょっとついていけない感じもある.もう少しストーリー的な面白さもほしいな.この作品は徹底的にSF.

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光秀の定理(レンマ),垣根 涼介
光秀とは言わずもがなの明智光秀であるが,主人公はむしろ光秀ではなく,架空の剣豪と生臭坊主である.この点,宮本武蔵と沢庵を主人公に据えた,吉川栄治の宮本武蔵やバガボンドを思い浮かべるが,本作の切り口は全く異なっていて,手垢にまみれた時代小説でこれだけの新作が書けるのかと驚嘆した.本書のテーマは何なのだろうか?観念的に冷徹した現代的な価値観の提唱にあるのかもしれない.一方で,そのような重いテーマを重低音に聴きながら,もう一つ,数学の問題を軽妙に織り交ぜて洒脱なストーリーへと昇華している.その主題は,モンティーホール問題と呼ばれる,ベイズ統計で有名となった問題である.

国を蹴った男,伊東潤
私としては,『巨鯨の海』に続く2作目で,これは『巨鯨の海』の前の作品になるようだ.戦国時代を舞台とした短編集.表題作は暗愚といわれた今川氏真と蹴鞠の鞠を作る職人の関係を描いた作品.この人の作品は言葉で表しにくいが,ありきたりのようでどこか捨てがたい魅力がある.

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