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旧:とくしまの道を自転車で走る(仮)

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天地明察


天地明察,冲方丁
これは面白かった.今年読んだ本で片手に入るぐらいのランキングになるだろう.囲碁の世界では本因坊道策の時代で安井算哲の名が有名だが,暦法に心血を注ぎ改暦へとこぎ着けるドラマが描かれている.また,和算の関孝和との関連も非常に面白く描かれている.数学,囲碁,暦法がテーマとして出るが,単にそれに情熱を傾けるというわけでなく,数学の天才・関孝和,囲碁の天才・本因坊道策との関係を,互いに異なる個性として絶妙のバラス感覚で描いている.大河ドラマ的ですらある.
最初の方に出てくる主人公が悩み,関孝和が即答したという図形の問題,比較的簡単に解ける気がするが,それに突っ込むのは無粋というものだろう.

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巨鯨の海,伊東潤
江戸期の太地の捕鯨を舞台にした短編連作集.基本的に各短編が江戸期の時代順に並んでいるようで,捕鯨の村を舞台にした人間模様だけでなく,捕鯨そのものの栄枯盛衰をも描いている.
この時代小説がすごい!2014年版の1位

シェール革命の正体,藤和彦
在来型の天然ガスは根源岩で合成され,浮力で移動した後に貯留層にたまったところから生産されている.根源岩にも十分なガス(シェールガス)が含まれているがこれまでは採掘が困難であった.これを可能にしたのが生産井の水平掘削技術と水圧による岩石破砕(フラクチャリング)技術である.これにより北米でのシェールガス生産は飛躍的に増大し,シェール革命とまで呼ばれている.資源量としては北米以外に,ロシア,中国などにもシェールガスは莫大な埋蔵量が確認されているが,生産手法の特性から大量の水が必要であり,水の供給の観点から他の地域でのシェール革命の可能性について述べている.アメリカにおけるシェール革命はアメリカの中東諸国における治安維持のインセンティブを著しく避ける.このとき,中東からインド洋での治安維持に乗り出してくるのは中国であり,インドとの対立が精鋭化することが懸念される.一方,欧州にガスを供給ししているロシアの立場はどのようなものになるのであろうか?本書は,ウクライナとの対立の前に書かれているが,ロシアからウクライナに輸出されている天然ガスは市場価格よりかなり割り引かれており,見えない補助金の体をなしている.ロシアはこれをやめて市場価格に基づく取引を目指している.エネルギーセキュリティーの観点から,多彩な供給源を持つことは価格交渉の面からも重要であり,日本とロシアの天然ガスでの結びつきこそ,エネルギー地政学的に重要であると出張している.
http://shuchi.php.co.jp/article/1727

Gravity Counselor

無事,帰宅しました.
往復の機内で読んだ本と観た映画など.

償い,矢口敦子
一昔前なら社会派と呼ばれそうな推理小説だが,推理,社会というキーワードにあまり力点を置かず,人間をうまく描いた作品.作品自身が10年ぐらい前のものだが,医者からホームレスになった男が主人公で,社会問題を取り入れながら人間とは何ぞやという哲学的な問いにも言及しつつ,ミステリーを含んだ人間ドラマをうまくまとめている.

映画:Pasific Rim
怪獣映画+エヴァンゲリオンのような感じ.最近のSFX+CGは恐るべし.この英語は難しい.ほとんど聞き取れなかった.芦田真菜がもっとも演技がうまいというのはいかがなものか.

映画:Gravity
邦題は「ゼロ・グラビティ」,出演者がほぼ2人.(サンドラ・ブルックとジョン・クルーニー,サンドラ・ブルックは顔が変わっていてわからんかった)ヒッチコックの「ロープ」みたいにロングショットの連続で,視点が変わるので印象が異なるが,ドキュメンタリーのような感じも醸し出している.宇宙での船外活動中のスペースデブリによる事故からの帰還を描いているが,宇宙に放出される恐怖,等速直線運動,角運動量保存の法則が宇宙空間において厳密に人間に適用された時の無常的恐怖をうまく描写している.設定は少し近未来でしょうか?




Gravity - Official Main Trailer [2K HD]




映画:The Counsellor
麻薬密売に関連した弁護士が引きずり込まれる悪意の塊に関するお話.飛行機内でノイズが大きかったために,聞き取りが非常に困難で,かつ,ストーリーがやや哲学的な議論でわかりにくかった.胸に共鳴させるしゃべり方で,スペイン語が混じるので難しい.やや英語に自信を失ったが,↓のトレイラーは聞き取れるな.
映画としてはかなりテーマやメッセージ性があり,面白い.

映画:The Heat
サンドラ・ブルック主演のドタバタ刑事もの.FBIと警察が仲が悪いのはよくある題材だが,サンドラ・ブルック演じるFBI警官と70年代ならまだしも今なら絶滅したと思われる口の悪い警官(しかも女)の非協力探偵もの.娯楽として楽しい.「デンジャラス・ビューテイー」の柳の下を狙った感じだが,かなり成功している.




The Counselor - Official Trailer

納豆・鰹節・とんかつ


納豆に砂糖をいれますか? ニッポン食文化の境界線,野瀬泰申
『天ぷらにソースをかけますか?』の続編のようだが,こちらは未読.これらのタイトルにあるような日本の食文化の微妙な方言をNIKKEI NET でのウェブを通じての情報収集を通じて明らかにしている.この本で取り上げられているネタで個人的に気になっていたものもあり,面白く読めた.例えば,香川ではすき焼きに大根を入れるが,関東では入れない.すき焼きに大根を入れるのは香川だけ?という疑問も解けるし,入れる具材の方言も出てきて面白い.長野のソースカツ丼地域も丹念に調査しており,私も信濃大町でわざわざソースカツ丼を食べた経験があり,興味深かった.ソースカツ丼は歴史的なカツ丼の発展史として捉えていましたが,それが地域により定着の度合いが異なっていて面白いですね.国語学的な研究は類例をたくさんみますが(e.g. 『全国アホ・バカ分布考ーはるかなる言葉の旅路』松本修),食文化にも同じような発生,伝播,定着のリズムがあるならば,同じ現象が発生してしかるべきという気がする.それにしても恐るべきは糸魚川構造線で,ありとあらゆる文化の境界がここになっているのはいったいなぜなんでしょうかね?

かつお節と日本人,宮内 泰介・藤林 泰
かなり学術的な鰹節の近代日本史.よくあるうんちくネタで,『かつおぶし』と『かつおぶしけずりぶし』の違いは何かというのがあるが,そもそも,「かつおぶし」もましてや「かつおぶしけずりぶし」に至っては実は私など全く食したことが無いような気もする.そもそも,昔の日本人の言う鰹節とは鰹節けずりぶしのことのような気もするが,実は,鰹節でとった出汁ですら,かなりめでたい時にしか食さない,非常にレアな食材のような気がする.ましてや鰹節を削った体験などはかすかにあるかないかの記憶ですらしかない.そのような,鰹節の近代史を再認識させられる書.どちらかというと生産の近代史で文化的な側面はやや弱い.

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 昆虫食入門,内山昭一
完全にゲテモノ趣味の好奇心のみで読んでみた.タガメが珍味なんですね.最終的に昆虫食を忌避する心理的な障壁は何なんだろうと考えさせられた.先入観は良くないな.一方で極限状態,例えば軍事的なサバイバル状況とか,南極基地や月面基地などエネルギー供給が極限に制限された状況では,昆虫食というは非常にリーズナブルな選択であり,将来の人口爆発に際して真剣に考えるべき選択肢のようにも感じた.

http://insectcuisine.jp/

とんかつ誕生 明治洋食事始め,岡田 哲
1400年にわたる肉食の禁止令から解かれ,明治維新とともに洋食維新が開始される.しかし,長年の和食文化は肉食をはじめとした西洋料理に違和感を越えた嫌悪感すらもっている.落語での牛鍋の食わず嫌いの話はいくつもある.そんな中で西洋料理を換骨奪胎して独自の和風へとアレンジを施す.その最たるものが,「あんパン」であり,「カレー」であり,「コロッケ」であり,そして,「とんかつ」へと至る.カツ丼なんかは既に和食という気がするぐらいに日本の食文化になじんでいる.その,とんかつの発明に至る経緯を丹念にひもといていて非常に興味深い.個人的に驚いたのはあんパン開発の歴史.あんパンは簡単に作れるものでは無いんですね.

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快感回路 なぜ気持ちいのか なぜやめられないのか,デイヴィッド・J・リンデン
脳神経科学の最先端の研究をもとに,快感と中毒の関係について,麻薬,セックスはもとより,ギャンブルなどについて紹介.かなり倫理的に問題のある実験なども紹介されていて非常に興味深い.また,動物界にはびこる同性愛的な傾向などについても最新の研究成果が引用されており非常に興味深い.

11/22/63


これでナットク!植物の謎Part2,日本植物生理学会

学会のウェブサイトに設けられた質問コーナーに寄せられた小学生から生物教員に至る一般からの質問への回答をまとめた本.植物に関するうんちくの宝庫で非常に面白い.また,昔は常識的だったことも分子生物学やDNA解析の進歩で覆されていることも多数有り,まさに目から鱗が落ちる.

植物の葉には表と裏がある.ネギは葉である.ネギの葉の表はどこか?
植物はどのように上と下(重力)を見分けるのか?
ヒマワリは太陽の方向を向く.夜間にどのように西から東にもどるのか?
橙はなぜ橙というのか?

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11/22/63,スティーヴン・キング
ペーパーバックで800 P 強,日本語訳は二段組みで1000 P 強.過去へのタイムトラベルものなのだが,この小説特有のタイムトラベルへの設定があって,ケネディー大統領の暗殺を食い止めることができるかというサスペンスと恋愛小説を融合したような作品.さすがはスティーヴン・キングの作品であって,このボリュームのページ数を読ませる筆致はあり,洒脱な文体だが,やっぱり長い.ペーパーバックを買っていましたが,図書館で邦訳を借りられたので,ちょっとずつ交互に読みました.


朗読者

土曜は出勤がてら,だらだらと自転車で出走.追い風ですいすい進む.帰りは日没もあり電車で帰宅.
今日の日曜は朝から雨で,みなとみらいの三菱重工の科学博物館へ息子を連れて見学に.桜は一気に開花に向かっているが,風が非常にきつく,満開は明日以降でしょうか?

肉体の悪魔,レイモン・ラディゲ
映画化され,映画も名作といわれるフランス文学の古典的な作品.少年と亭主が戦場に赴いている夫人の不倫を描いた作品だが,愛,恋,憎しみ,嫌悪,嗜虐,破滅,破壊衝動など言葉で表される記号論的な観念では表現しきれない,若者の感情を冷徹に浮き彫りにしている.さすが古典だなと唸らされる.

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予告された殺人の記録,G・ガルシア=マルケス
中南米文学でノーベル賞を受賞している著者の『百年の孤独』と並ぶ代表作.映画化もされている.百ページ強の中編ぐらいの長さで,街のみんなが知っている状況でサンティアゴ・ナサールが殺される状況を30年後の私が回想的にメモしたような内容.さらに5部構成になっていて,殺人の状況が5つの視点で描かれている.つまり物語終始同じ殺人のさまざまな側面を行き来する時系列で描かれている.

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朗読者,ベルンハルト・シュリンク
全く知らなかったが,2008年に『愛を読むひと』というタイトルで映画化されているとともに,本国ドイツはもとよりアメリカでもミリオンセラーとなり,日本語訳もかなり売れたドイツのベストセラー小説.
三部からなっており,冒頭は少年と倍近く年齢の離れた女性との恋愛小説となっていて,何の話かと思うが,女性の失踪から物語は驚くべき展開を見せる.いろいろなエッセンスが詰まった中でかなり哲学的な内容を含んでいる.この間読んだフェルディナント・フォン・シーラッハの『犯罪』に続いてドイツ文学の底力を感じた.
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