本
昨日,トレラン.インソールのインプレは前回同様で,アーチを保持するため最初は違和感あるものの,20分ぐらいでやはり違和感は消える.シューズとインソールの衝撃吸収で,膝への突き上げが軽減されるため,トレラン時の下りが軽快.
60分強のトレランで最後の下りで思いっきり飛ばして,かかと着地で頑張ると,やや土踏まず部分がすれて炎症ぎみ.長距離走にはやや不安あり.
徐々に様子を見ていきます.
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湿地,アーナルデュル・インドリダソン
北欧ミステリーで,アイスランドから出てきて,北欧の賞を総なめにしているだけでなく,日本のミステリ系の高位ランキング作品.
登場人物の設定は,おなじ北欧の『ドラゴン・タトゥー』シリーズを思わせる近代的だが,重々しさは松本清張のような社会派のような感じもする.おどろおどろしさは「羊たちの沈黙」も思わせる.これが今人気の北欧ミステリーか,さもありなん,と思わせる作品.ストーリー展開は非常に早く,それが読者に委ねたハードボイルド調とも相俟って近代的な感じがする.最近のミステリーで北欧が支持される理由がよくわかる.
途中出てくる雪山遭難を描いた「魂のないスヴェイン」の逸話が非常に興味をそそられた.ネットで検索すると,同じく「湿地」を読んだ方の記事しか見あたらず,実在の話か創作かわからない
死の淵を見た男 吉田昌郎と福島第一原発の500日,門田隆将
震災のおける福島原発の終息までの死闘を描いたドキュメンタリー.死を覚悟した中で,責務とか絶望感とかを超越した戦いの書.これにきちんと向き合うのは読者としても非常に大変な作業である.人間,窮地において真価を問われるが,果たして,私はこの行動をとれたであろうか? 慌てふためき,神やお母さんに泣きつく姿が容易に想像できて,情けなくなってしまう.日本の製造業が持っている現場の力を描き切っているが,これが,失われつつあるものというのがまた読んでいて過酷に感じる.
犯罪,フェルディナント・フォン・シーラッハ
ドイツのベストセラー小説でいくつかの文学賞を受賞しているようだ.著者と同じ,刑事弁護士の立場で描かれているさまざまな犯罪に関する短編集.文章は非常にそぎ落とされており,淡々としている.扉の箴言,「私たちが物語ることのできる現実は,現実そのものではない.」(ハイゼンベルグ)が端的に内容を示すように,ありがちな犯罪から伺える人間の本質を捉えなおしている.もはや,単なる犯罪小説ではなく純文学に近いテイストで,梶井基次郎の『檸檬』なんかにも近い印象を受けた.装幀も秀逸.
深い疵,ネレ・ノイハウス
ドイツを舞台とした社会派推理小説.ドイツならではの第二次大戦下のナチスドイツに絡んだ社会派ミステリーの秀作.日本では松本清張,森村誠一などが活躍した80年代ミステリーを髣髴とさせる.ある意味陳腐だが,ある意味重みもあってミステリーとして多くの支持を受けることに納得のいく秀逸な作品.
緋色の楽譜,ラルフ・イーザウ
フランツ・リストが残した楽譜を巡って,異能の秘密結社とリストの子孫のピアニストの冒険ファンタジー.半村良や高橋克彦の『総門谷』なんかを思う浮かべる.この系統は私はあまり嗜好が合わず,設定はまずまずに思えるが,キャラクターにも魅力を感じなかった.
朝ラン.
六国峠ハイキングコースの金沢文庫駅からのアクセス口200mぐらいが長い間通行止めでしたが,落石防止ネットの敷設が終わり,先月あたりから開通したようなので見に行ってきました.
工事が終わってきれいに修復されていました.
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金閣寺,三島由紀夫
3回目か.
哲学的な作品でありながら,非常に読みやすい稀有な作家.しかもこの作品はかなり若いころのものですね.何度読んでも辞められなくなりました.
君に友だちはいらない,瀧本哲史
若者を対象にした啓蒙書.内容については特に類書から特徴があるような内容ではなく,良くあるような内容ではあるが,筆者の経験に裏打ちされたサンプルがちりばめられていて非常に説得力があり共感を持って同意できる.友だちがいらいないというタイトルだが,副題は The best team approach to change the world で,むしろ,あることを成し遂げるためにどのような仲間が必要か,仲間の探し方,仲間とは,という観点での記述がなされている.表紙は『七人の侍』でリーダーシップ論としても良く分析されている.この本を読んで,改めて映画も見直したが,チームという観点で見るとまた改めておもしろさに気付かされた.
まほろ駅前狂想曲,三浦しをん
『まほろ駅前多田便利軒』の続編.前作は面白かった印象だったが,コメントは辛口で残していて我ながら意外.三浦しをんは傑作続きでやや前後に読んだ作品と比べるとという感じかもしれない.本作も前作に続いて非常に面白かった.架空のまほろ市は明らかに町田市がモデルでよく行く街なので親しみをもって読めた.やくざ,宗教臭い無農薬野菜,バス会社に義憤を感じている老人が駅前の便利屋を巻き込んで起こす騒動がコミカルでしかも大団円が気持ちよく決まって,ほんわかとさわやか.伊坂幸太郎の『陽気なギャング』シリーズなんかもちょっと思い起こした.
Feynman's Rainbow, Leonard Mlodinow
著者がポスドクとして採用されたカルテックでの晩年のファインマンとの交流の半自伝的エッセイ小説.筆者の優秀な人材が集まるカルテックで物理学者としてやっていけるのだろうかという苦悩,また,ファインマンに共通する癌への恐怖.若者の人生のターニングポイントにおいて,ファインマンが与えた影響を克明なメモを基に再現している.『ご冗談でしょう,ファインマンさん』のシリーズの最後尾を飾るものと位置づけることもできるし,ポスドクで自信が持てずに苦悩する方には何らかの助けになるかもしれない.有名人は実名,そうでない人は仮名としているが,数少ない有名人で南部陽一郎が出てくるのが日本人としてはうれしい.日本語訳は出ていない模様.
デカルトは昼過ぎまで起きることは無かったらしい.
カフェで副菜無しで肉しか食べないノーベル賞受賞者がいる.
安政五年の大脱走,五十嵐貴久
映画『大脱走』や『アルカトラズ』なんかを思い起こさせる脱走もので,テンポよく読めるエンタメ小説.物語の展開,人物設定が非常に教科書的でよくかけていて,実はすべてが教科書的に進むところが壮大な仕掛けとなっているトリック小説.
足のマメも治らず,グダグダとさぼり中.
大不幸ゲーム,逢沢明
ゲーム理論の一般向けの入門本.ほぼ式を使わず,現代社会で一般に良く感じる
マーフィーの法則のような不幸感の原因となる数理を数学的に解説している.
理性的に判断にもかかわらず,想定外の大損 が発生する.
例え勝者でもその利益は最小 .
学習・訓練は無駄 になる.
正直者に未来はない.
途中で,非常に簡略化された野球の投手と打者の心理戦のゲーム理論があるが,これは子供のサッカーに教えなければならんな.単一的な戦略は駄目なのよ.
ちょっと手ごわい確率パズル,ポール・J・ナーイン
大学の確率統計レベルで宿題として与えた課題の中でも以外に手強いレベルの問題を集めている.第一印象ではやや説明が突っ慳貪で面白くない印象を受け,数値的に実証している部分に最初,戸惑ったが,再読すると引き込まれた.簡単な式ながら確率密度関数を求めるのが非常に困難な問題.二次方程式の係数を{0,1}で任意に与えたときの実数解が得られる確率,この問題に関連して独立な2つの数を同じ定数で割ると独立でなくなると言うまか不思議(未だに理解できない),単位正方形に任意に取った2点間の距離の期待値(これは囲碁をやっている人は直感的にわかる.),正方形をとおる任意の直線の横切る距離(これは直感に反して非常に複雑になる),など.高校レベルから大学レベルの数学を駆使していて,微積分,級数和の知識が必要.また,最近話題のモンティー・ホール問題 についても言及がある.
TV番組であたり商品の入った箱が3つある.
回答者が1つを選ぶ.
司会者は外れの箱(司会者はあらかじめ知っている)を一つ空ける.
この時点で,回答者は選択を変えることが可能であるが,変えた方が得か?確率
は変わらないか?
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%A2%E3%83%B3%E3%83%86%E3%82%A3%E3%83%BB%E3%83%9B%E3%83%BC%E3%83%AB%E5%95%8F%E9%A1%8C
ウィキペディアでみるとエルデジュ!!も間違えていたようですね.
眉山のトレランで,右足の小指の皮がむけて,歩くのに非常に痛い.よって,連日朝ランはさぼり中.
本日,徳島から帰ってきました.職場にちらっとより,早めに帰宅.自宅の周りは結構雪が残っていて,お隣さんが雪かきをしていたので,一緒に道路の氷をどける.
ディアスポラ,グレッグ・イーガン
ソフトウェア化された人格の壮大な宇宙進出を扱ったハードSF.デネットの『解明される意識』を題材にしていて,まずこの部分が非常に興味深い.ついで量子論,宇宙論がかなり物理的に説明されていて,どこまでが事実で,どこからがフィクションかわからないぐらい突っ込んだ説明をしていて,もはやエンターテインメント小説の域を逸脱し,強烈な思弁を巡らせたハードSFを構築している.読むことは苦行でもあり,その代償として非常に面白くもある.
宇宙を織りなすもの,ブライアン・グリーン
量子力学と一般相対性理論をつなぎ合わせる超ひも理論は,20年前にはまだ何となくトンデモ理論のような雰囲気で語られてきたが,新たな発見や洗練により,統一理論としての地位を確立しつつある.前著『エレガントな宇宙』では,この状況をわかりやすく,しかも,自信の研究の進展を含めて,研究における発見の醍醐味や熱気を見事に描いていた.本作は,副題で「時間と空間の正体」とあり,本書の前半では,ニュートン力学から相対論で空間に対する認識がどのように変化してきたのか,そもそも空間とはなんぞや,その問いを投げかける空間を調べる手法と何かという点について論じている.一般的なニュートン力学,電磁気学,量子論,相対論という語り口と異なり,空間をテーマに描いており斬新.次に,エントロピーについて語られ,これまた斬新なアイデアが述べられていて,目から鱗が落ちるというか,驚愕した.後半では,超ひも理論でわかってきたこと,これからどのような進展が期待できるかという点も語られている.最近読んでいた,SFに良く出てくる,エキゾチック物質を使ってできたワームホールによるタイムトラベルについても,物理学の世界での研究の現状がまとめられていている.
仕事で早出かつ深夜帰宅で さぼり中.
私自身はたいして忙しくないだが,会議のほかの参加者がご多忙のようで,会議が早朝,深夜に設定されていて困ります.
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以下,年末に読んだ本ですが,載せ忘れていました.
群と代数方程式,アーベル・ガロア
5次以上の代数方程式に算術的な解の公式が存在しないことを証明したアーベルとガロアの原著論文とその解説.
図書館の推薦図書コーナーに置かれていて(推薦するほうも推薦するほう),今,読んでおかないと理解できなくなる恐れがあると,老いの恐怖に駆られ年末に読みました.ぎりぎり証明はフォローできる.
はじめての数論,ジョセフ・H・シルバーマン
フェルマーの定理の証明までは遠いが,その過程で出てくる数論の雰囲気を味わえる入門書.ところどころ躓くので結構読み応えあり.演習問題はやっていません.若いころにこういう本を読みたかったな...年末,電車の中で結構,証明をフォローしました.なんだかんででぱらぱらと2年越しに読んでいます.今は,版が改まって表紙が変わっています.
ベイズ統計学概説,松原望
最近やけに流行ってきているベイズ統計.ベイズ統計とそれ以前と何が違うのかと思いつつ読んでみたが,学術書で理論をさらっと書いているので,単に統計学の書として読んでしまいました.
噂の拡がり方 ネットワーク科学で世界を読み解く,林 幸雄
世間は以外に狭いというのは実感することである.例えば一般に500人の知り合いがいるとすると(本書によると平均的な日本人は200人),重複がなければ「知り合いの知り合い」は25万人にふくれあがる.さらに,「知り合いの知り合いの知り合い」は1億2千5百万人にふくれあがり,日本の人口に匹敵する.3リンクでこの程度なので4リンク,つまり,初対面の方の知り合いと私の知り合いが接点を持つ可能性は極めて高いことがわかる.本書ではこのような人的なネットワークのみならず,それを伝播する噂の拡散,同じようなネットワークで議論できる交通網,インターネット通信網について大規模ネットワーク構造の特徴を数理的な側面無しで紹介している.
降水確率50%は五分五分か 天気予報を正しく理解するために,村山 貢司
全般的に天気予報に関連するいろいろな事柄を紹介していて,雲,台風,気候変動,前線など中学生の理科レベルの現象を説明している.個人的にはタイトルそのものの「降水確率」とはどのような定義なのか,という一点に興味があった.降水確率とは,対象とする地域『全域』で,1 mm 以上の雨が降る確率であり,『全域』を対象としていること,『1 mm』が比較的大きく,この2つの理由により一般的な生活感覚とはずれることがあるようである.私の降水確率の理解もやっぱり間違っていました...
環境問題をシステム的に考える,井村 秀文
環境問題の入門書.環境問題は著者の思入れでかなりいろいろな傾向の本があるが,これといった特徴がなく,非常にスタンダードに普遍的な内容をまとめ上げた好書.