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旧:とくしまの道を自転車で走る(仮)

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フラックス

朝,雪で自転車,トレランも危険かと思い寝過ごす.冷静に考えれば,ローラーをやればよかった.

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フラックス,スティーヴン・バクスター
恒星進化の最終段階で超新星爆発の後に現れる中性子星.半径が10 km ほどながら桁外れの密度を持ち,あたかも一個の原子核(中性子)のように振る舞う天体.パルサーとして広く宇宙に見いだされている.この作品は中性子星に存在している人類の手により創り出されたとおぼしき,種族のファンタジー的な冒険談SF.ファンタジー系にありがちな登場人物設定で,貧しい部族のリーダー的姉弟,訪れる天災(天文学的にはパルサーの周期活動に相当),都会とのコンタクト,王との接触などいかにもの展開をみせるが,最後の1/3ぐらいからSF的な急展開を見せ,なぜこの主は人間の手により創り出され中性子星に存在しているのか?という壮大なテーマが語られる.

前作の『時間的無限大』と次の『虚空のリング』と設定がやや被るが,続編という訳ではなく,サイドストーリー的な位置づけ.中性子星の物理的な現象を非常にうまく料理している.一方,SFにありがちで人物設定はやや弱いかなという印象.

中性子星
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%B8%AD%E6%80%A7%E5%AD%90%E6%98%9F

虚空のリング,スティーヴン・バクスター
ジーリーものと呼ばれるシリーズの完結編.超弩級の壮大なハードSFが語られる.ただ,この作者,小説が下手.設定の豪快さは度肝を抜かれるが,物語や人物設定は非常に稚拙でこのどちらに重きを置くかで読者の印象は非常に変わると思われる.SFファンならやはり読まなければならない作品だが,ところどころ辟易とする感じもある.

時間的無限大

昨日は雪で,朝ランは無理かとローラーを準備.朝,路面は乾いていたが予定通りにローラー.
Steady state interval 15 min. x 2 で2回目に垂れる.
Discending interval を1回やって垂れた反省にやや追い込む.

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順列都市,グレッグ・イーガン
記憶や人格をソフト化(コンピュータ・スキャン)し,不老不死を手に入れた社会を想像する.それありきで,さらに想像力を膨らませると何が起きるかという思弁系ハードSFでありながら,そうでない我々生身の人間の幸福や生とは何かという哲学的議論にまで言及したメタSF.ストーリーは4つ?が並列に進み,ややキャラ立ちしていないので混乱するが,その全容をきちんと理解するために再読したいような作品.SFなので当然,衒学的だが,その構造・世界観・宇宙観・物理感・哲学感・・・・をメタに展開した思弁系の極致.セルオートマトン版の胡蝶の夢のまた夢.

時間的無限大,スティーヴン・バクスター
ワームホールを用いたタイムトラベルを題材にした地球を征服している種族と地球との戦いのように表面上見えるが,そんなのは単なる題材に過ぎず,量子力学の解釈に基づいた奇想天外な結末.人類の行方は?というようによく書くが,またに驚くべき行方.SFらしいSFでその仕掛けが秀逸.

ワームホールの真面目な考察は↓
Physical Review Letters 1988 9 26 Kip Stephen Thorne

http://arxiv.org/pdf/physics/0505108v1.pdf
http://gravityresearchfoundation.org/pdf/awarded/1989/visser.pdf

みずは無間

金曜ぐらいから風邪気味でさぼり継続中.
水曜の夜が遅い新年会で,帰宅後,暖房しているつもりが,寒気がして,エアコンのリモコンを見ると設定が『
冷房』!? 風邪ひきました.

息子は軽い風邪から中耳炎になって,病院連れて行くも,近所の耳鼻科の先生が2件とも急病で休診中....

みずは無間,六冬和生
ハヤカワで最近再開された第一回ハヤカワSFコンテスト受賞作.萌え系のカバーと「三千光年先にも,地獄はあったんだね」という帯の文句が気になっていた思弁系ハードSF.太陽系外に放出された衛星に搭載された人工知能の一人称形態で物語は語られ,断片的に思い起こされる人工知能へと移植される前の大学院生時代の恋人みずはの記憶.量子論,宇宙論,機械工学などなどはそれらしく使われながらも,語り口はライトノベル系で難解な印象は与えず読みやすい.これも量子コンピューターを扱っていて量子力学の解釈問題を織り込んでるが,うまいな.
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検察側の罪人,雫井脩介
冤罪,正義,時効をテーマとした物語.特に二人の検察官の捉える正義の違いがテーマとなっており,スリリングな展開に引きずり込まれるが,非常に苦い読後感.「苦い」は悪い意味ではなく,重く考えされるという意味.非現実的とも思われがちなストーリーを見事に料理している手腕は見事.

同じような冤罪ものを読んだなとおもいつつ検索すると↓ページを発見.
冤罪とミステリ
http://homepage3.nifty.com/mitaraiclub/room-m/mystery.html
折原一「冤罪者」でした.

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愛の徴/七帝柔道記

結局,土日全く何もせず.
土曜は,一日囲碁三昧.ネット碁で8連勝.無理な反発をしないように注意しながら打つと,結構勝てる.我慢ができないと負ける.
園芸用品店を回って,ミツマタなど庭木を入手.

日曜は,冷え込みがきつく,風もきついので,日曜大工.


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愛の徴−天国の方角,近本洋一
交通事故にあって自転車の修理代金をひねり出すため小説でも書こうかとおもいいつつ,ちょうど,意識,量子力学,多元解釈,哲学的ゾンビ,ペンローズの量子脳などをキーワードにそれらしいSF小説を妄想していた.新聞の書評欄でこの本を知り,多くのキーワードが重なっているためこれは読まなくてはと思い,図書館予約を入れて3ヶ月,やっと順番が回ってきました.
メフィスト賞を受賞しているが,SFファンタジー系の作品ながら,SF的な要素はハードSFの超大作を思わせるような超弩級の想像力の伽藍を構築している.脱帽!!古川日出男の『アラビアの夜の種族』の時以来の衝撃を受けた.物語は,2つの舞台から構成されている.ひとつは,近未来の沖縄を舞台とした量子コンピュータを開発している研究所に勤務する女性翻訳家.量子力学の抽象的な概念を非常に正確かつ感覚的に描ききっている.もう一つの舞台は中世フランス.金の指輪を拾う愚鈍な少女が,やがてスペイン宮廷画家・ベラケラスと出会って,キリスト教などなど様々な分野を横断するテーマの中で存在の意味を見いだしていくファンタジー.これらの2つの世界はどのように結合するのか?読
み進むうちにその多元解釈の関連性に収斂する.年末にして,今年,最大の作品に遭遇した.非常に多彩なテーマを扱っているため,中心主題が一読ではわかりにくかったのが,難点といえば難点だが,それを補って余りある内容の作品.

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七帝柔道記,増田俊也
「木村政彦はなぜ力道山を殺さなかったのか」の著者による北海道大学柔道部を舞台とした自伝的な小説.著者は1965年生まれ.高校時代に名古屋大学で高専柔道に出会い,高専柔道をするために北海道大学に入学する.所々に出てくる伝統やいたずらはどこの柔道部も同じで非常に懐かしく共感を持って読める.私自身は寝技を中心とした高専柔道の経験が無いが,旧帝大に進学した友人や,諸先輩方から漏れ聞く高専柔道の香りを垣間見ることができる.苦しいのになぜ柔道をやるのか.プロになるわけでもなく,オリンピックを目指しているわけでもない.辞めるのも自分の胸先三寸であるのに,なぜ辞められないのか.苦しいだけの柔道をやることの意味を悶々と自問する主人公.学校名や登場人物はすべて実名では無かろうか.このストーリーはほとんど実話ではないだろうか.よって,主人公は栄光に接することなく淡々とした柔道生活を過ごす.


戒名,島田裕巳
この本は1991年のものだが,バブル,バブル崩壊,失われた10年,デフレ期を通じて葬式仏教の価格破壊も進み,状況は大きく変化しているようにも思うが,戒名に関する社会的な位置づけは依然として変わらない.この本の執筆時から視て,選択肢は格段に増えたのでは無かろうか? 武田信玄,上杉謙信みたいにあらかじめ法体となって自分で付けてもらった方がよろしいような気がするが.その後,同著者の「戒名は,自分で決める」という本もあり,その後の動静も追うことができると思われる.立川談志師匠が自分で戒名を付けていたが,これなんかは象徴的な出来事であったのかもしれない.

中世賎民の宇宙

ブログのタイトルが内容に即さないので,そろそろ変えようかと思っていますが,今一ついい案なし.
とりあえず,仮に変えてみました.

風船爆弾,鈴木俊平
大東亜戦争末期の日本から米国本土攻撃のために開発された風船爆弾の経緯を歴史小説とした作品.風船爆弾の語幹からかなり精神主義的,前近代的な兵器を夢想するが,その実態を丹念に追い,記念碑的に残る日本からの米国本土攻撃の精神史をひも解いている.トンデモや滑稽に付してしまいがちだが,実のある内容であった.

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明解量子宇宙論入門,吉田伸夫
学部レベルの量子力学,一般相対性理論をベースに現代宇宙論への橋渡しを行っている本.一般相対性理論をベースとしてフリードマン方程式がどのように導かれるかを示し,暗黒物質の論拠が示される.次いでインフレーションモデルや暗黒エネルギーが導入され,宇宙の始まりについての議論が紹介される.これにはペンローズの特異点定理や超ひも理論についても多少の言及がある.それを踏まえて並列宇宙(マルチバース),人間原理,多世界解釈が紹介される.定性的な説明ではなにやらきな臭い概念が,量子力学,相対性理論をベースとして丁寧に紹介されていて,式を使っての説明に抵抗がなければ,大学院レベルの数学は極力避けているので,宇宙論の全容を知ることができる.

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ワシントンハイツ―GHQが東京に刻んだ戦後―,秋尾沙戸子
明治神宮の西側を代々木の東京オリンピック選手村からNHKあたりまで,戦後,GHQの将校の宿舎であるワシントンハイツが米軍に接収された区画として存在していた.それは,皇国史観の日本から,米国流のデモクラシー,価値観の発信の場として意図的にも,潜在意識的にも利用されてきた.先入観としては,ワシントンハイツにその濫觴を求められるジャニーズ事務所的な軽薄な文化論ではないかと思いながら読んだが,それは非常に断片できて,庶民レベルの戦前,戦中,戦後の戦争文化・社会論を進駐軍の情報発信を縦軸として見事に描いている.憲法問題,空襲・原爆の人道的問題まで触れつつ,軽妙にというと語弊があるが,非常にうまくさまざまな問題に言及しつつ,戦後史を処理している.

中世賎民の宇宙―ヨーロッパ原点への旅,阿部 謹也
日本には差別があり,近代化されているように見えて忘年会をやったり,大安吉日に結婚式を挙げ,原子力プラントの建設でさえ地鎮祭を行う.ヨーロッパ社会は近代的,理性的と思われがちだが,やはり日本とは異なった社会史が存在する.特に,ドイツの人々の精神構造の成り立ちを内宇宙と外宇宙から論説し,その境界にたたずむ人々がやがて賎視されていく過程を丹念に掘り起こしている.個人的には今年の初めに,芸術新潮でブリューゲル特集を読み,鎌倉の美術館でブリューゲル展をみたが,この本では,ブリューゲルがなぜ多様な悪魔を描かねばならなかったのか?という問いかけを発しており,思わず通った横糸がうれしかった.
メモ:
『国際化とは外国人の心性のなかに伝統的な日本人の心性とされているものに対応するものを発見する作業,努力であり,それが容易に発見できないばあいは創り出していこうとする努力のことである.』
『何も書物を読まず,ものを考えずに生きてゆけるだろうか,と自らに問うたとき,それは出来ない,という確固とした答えがおのずから生まれた.』


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