僕らがうまれて二ヶ月がたった。
もう、赤ちゃん猫じゃないんだけどね。
つい、母さんのおっぱいが恋しくなっちゃうんだ。
ご主人は、「いい加減にしろ」
って言うけれど、
僕らにとっては、一番ホッとできるときだもの、
大目に見て欲しいよ。
それにさ、大人になる練習は、
毎日ちゃんとしてるんだから・・・
特に、獲物を捕る訓練は、ばっちりさ。
相手は、木の切れ端や、鳥が落としていった羽根や、
ミミズがカラカラに乾燥して煎餅みたくなった奴や・・・
色々あるけれど、これがなかなか面白く動くから、
僕らにはたまらない魅力なんだ。
それなのに、ご主人は、
「どうして、汚いものばかりにじゃれ付くの」
なぁんて言って、取り上げてしまうんだ。
ほんと、猫の気持ちが分からない人で、
嫌になっちゃうよ。
僕らにとっては、遊びといっても、
これから獲物を捕れるようになるかどうかの
大切な勉強の場所だよ。
そこんところを、もう少し考えて欲しいな。
それに引き替え、
母さんは、傍で黙っていてくれるから嬉しいよ。
僕らが母さんの背中に飛び乗ったり、
勢いあまって頭突き食らわせても、ニコニコしてるだけなんだ。
ただ一回、ひどく母さんを慌てさせたことがあった。
末っ子の「スー」が、トカゲを追うことに夢中になってね、
つい遠くのミョウガ畑に迷い込んでしまったときだ。
母さんは、今まで聞いた事もないような声で、
スーを呼びながらオロオロしていた。
そのとき、「少しぐらいのいたずらはしてもいいから、
母さんの傍を離れちゃいけない」って、
僕らは、しっかり肝に銘じたんだ。
僕らがこの頃夢中になっているのは、
里芋畑の鬼ごっこ。
大きな葉っぱは、ジリジリの陽射しを遮ってくれる。
薄暗い里芋の林は、大きな森みたいで、
ハラハラ、ドキドキしちゃう。
で、つい無茶苦茶に駆け回るものだから、
畑の主のばあちゃんに、
お尻をペンペンされちゃう。
でもそんなことすぐ忘れるのが、
僕らのいいところかな。
そうでしょ?
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