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【されど窯焚き】
7時、朝日を浴びながら攻め焚きが始まった。
煙突から昇る黒煙を見るたび、
武者震いのような心の高鳴りを感じる。
窯焚きメンバーは、いつもの陶芸教室Aさん、
近所の陶芸家Bさん。
すっかり常連になった(というより強制か―笑)
かつての教え子S君とA君。
さらに、今回は多彩な助っ人が手伝に来てくれた。
ありがたい。
【フランス青年と日本のお嬢さん】
縁は異なもので、
8月、かつての教え子たちとビール会を開いた折、
その内の一人が知り合いのカップルを連れて来た。
それがフランス人青年V君と、日本の女性Kさんだった。
その場で意気投合、「窯焚き面白そうですね」
「じゃ、今度いらっしゃい」
ってなことで、手伝ってくれることとなった。
彼のおばあちゃんは磁器制作に携わっているってことだから、
それほど異次元体験ではないのかもしれない。
とにかく好奇心旺盛な青年で、
挿し木から薪運び、はては薪割まで喜んでやってくれる。
どこにも好青年いるもんだなぁ。
Kさんはまた、そんな彼を面白がって見ているところがあり、
なるほどね、いいカップルだ(笑)
【武美カップル参上】
V君、Kさんは共に20代。
前回から手伝ってくれている武美出身のSa君は、20代半ば。
そんな彼がバイクの後ろに彼女を乗せ参上してくれた。
彼女も武美卒で、なっ、なんと20代前半。
御古屋窯もずいぶん若返り、華やぎがあるなぁ。
とにかくSa君は頑張り屋で、今回のこじれた窯を何とか踏ん張り、
最高温度1278度をたたき出してくれた。
若者二人で挿し木している姿は、
何んともほほえましかった。
【Su君のこと】
今回の窯焚きでは、
近所に住むSu君ご夫妻も顔を見せてくれた。
彼は一級建築士で長柄町の榎本に設計建築事務所を開いている。
自然に返る(帰る)素材を使う彼の建築手法は、
手間のかかる分だけ温かみがある。
施工まで職人たちと一緒に手掛ける姿勢は、
未来型の建築士を見る思いがする。
彼との縁も異なもので、実は僕がかつて赴任していた学校の
卒業生だったのだ。
ということは、S君やA君の後輩ってことになる。
東京の多摩地区と房総の臍、長柄を結ぶ縁。
これもまた、「楽しからずや」だな。
【相変わらず放蕩息子な窯】
前回は温度が上がり過ぎて困ったのに、
今回は1230度を超えたあたりから一進一退。
「多くべ」を始めると、更に温度が低くなり元へ戻らない。
「こいつめまた放蕩を始めたな」
そんな兆候は最初からあった。
いつもと違って窯前が異常に熱く、
その上挿し木の燃えが良くない。
それなりに温度は上がっていくけれど、どこかおかしい。
嫌な予感がした。
案の定、ぐれだしちゃったんだよね(笑)
実は、どんな時でも温度を上げる挿し木の方法はあるけれど、
それをしちゃうと、窯内一番前の列しかおき(灰)がかからない。
そこで窯焚き終了まぎわまで待って、Aさんの適切な指導により、
Sa君たちにこの方法で挿し木してもらった。
やったぜ、1278度!!(笑)
その時ひょいと「多くべ」の新しい方法を思いついた。
「これはいいかも」
それほど温度を下げずに「多くべ」が出来そうだ。
さっそく来年二月の窯で試してみようっと。
午後6時、煙突から紅蓮の炎が立ち上る。
窯焚きは、こうでなきゃ。
金曜日の窯出しまで、
じくじくとブルーになっちゃうんだけど……(笑)
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2018年11月19日
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