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★ 久しぶりの銀ブラ。
ギャラリーゴトウで、ひたすら白を追う若者と出会う。
『異邦人』(カミュー)の世界。
滴るや若き陶工(とうく)の白き瓶
★ ぼちぼち雨の季節がやってくる。
五月雨て篭る地蔵を洗ひけり
★ トムとの散歩。
潤いがあるけど爽やかな大気の中にいる。
トムは時々尾っぽから頭の先までピーンと張って、
凛々しい猟犬の姿になる。
犬まねて皐月の風に鼻差せり
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歳時記
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立夏から芒種の前日まで *太字は夏の季語
(Face Book 「一日一句」から)
★ とにかく陰影が濃くなるような・・・
花白み虫陰に入る立夏かな
★ ミクロコスモス?
葉末にし露の中なる夏の月
★ 高滝神社にて
痩せ崖に卯の花落つる滝見かな
★ 房総の初夏はこれ。
照葉樹の芽吹きは沸騰する命かなぁ。
楠若葉萌黄浅黄と涌きにけり
★ 一口含んだだけで、旬の味と香り。
味噌汁の具の顔揃(かおそろえ)夏に入る
★ 器作りが始まると、
ついこう思っちゃうオレって欲張り?(笑)
いざたまへ日ごと脱ぎをり竹の皮
* 竹の皮脱ぐ・・・夏の季語。
★ 五月台風来襲。若葉たちには試練。
摺り合ふて匂ひ立ちたる青嵐
* 青嵐・・・青葉の茂るころに吹きわたる強い風。
★ 鮓(すし)って独りで食うもんじゃねぇな(笑)
独り夜や風音凄み鮓つまみ
* 鮓・・・一夜鮓は酢で味付けし、
重石を乗せ一晩置いて食べる。
馴鮓(熟鮓)に使う酢が夏の暑さに耐えるため、
夏の季語に入る。
★ 閉所恐怖症なので想像するだに怖い(笑)
生きづらき穢土(えど)に鳴きをる螻蛄(おけら)かな
★ 花の時期はむろん・・・
いつも驚かされる。
急カーブ曲がつた先の山法師
★ 久しぶりの雨降り。
柔らかき雨音にあり聖五月
* 聖五月・・・カトリックの聖母月のこと。
★ 半島に暮らすとよく見かける風景のパターン。
木漏れ日の坂をのぼれば卯波かな
★ 老母が入院してからひと月ほどたった。
窓の外はすっかり夏模様。
ここもあそこも同じ命が息づいているなぁ。
痩せし背の寝息刻むや夏の雲
★ 気持ちのよい季節になった。
ひんやりと陶土掴みし薄暑かな
★ トムをつないでから、
一時間ほど朝夕の散歩が日課になった。
黙々と歩く頭上を青時雨
さわと来てぱらと降り落つ青時雨
* 青時雨・・・木々の青葉からしたたり落ちる水滴を
時雨に見立てたことば。夏の季語。
★ 命の懸命さ、滑稽さに思わず・・・(笑)
カメラを取りにいっている間に、
こけつまろびつしながら、
どこかへ隠れてしまった。残念。
シデムシの交(さか)るや七つ転び起き
* シデムシ・・・甲虫類の一種。
甲虫は夏の季語。
★ 気持ちのいい一日だった。
風通り雲筋となる夏野かな
★ 僕(トム)ってセレブ(笑)
パラソルの影を追ひつつ午睡かな
★ 朝、7時寝ぼけ眼でトムとの散歩。
道々もみじ葉苺を口に含む。
口中にもみじ葉苺はじけをり
★ 空気の振動が澄んで重たい。
ほととぎす木霊し返し天碧し
★ トムとの朝夕一時間ばかりの散歩は、
貴重な時間になっている。
何も屈託せずに歩いていると、
暗い樹間に白い花がもやって見えたりする。
徒然に想ひ廻ればえごの花
★ 暑い一日だったけれど、風は東から。
定家蔓が揺れる。
彼(藤原定家)の悲恋を想う。
定家蔓(ていかかずら)解(ほど)かむとてかあいの風
* あいの風・・・四月から八月まで、東から吹く風のこと。
★ さてあとは焼くばかり。
鉢皿も化粧掛けして麦の秋
* 化粧掛け・・・粉引手を作るとき、
生乾きした器の上から白泥を掛け流すこと。
★ 散歩コースに小さな切れっ戸があり、
そこから房総の九十九谷をのぞむ。
登山していたころの大キレットを思い浮かべる。
一服の清涼。
沢辿り切れつ戸立たば雲の峰
* 切れっ戸・・・登山で、山稜が深く切れこんで
低くなっているところ。
★ 去年は
「ビーズバックにハンプス履いた薄暑かな」
だったけど、今年は・・・(笑)
マンガ本にスニーカー履く薄暑かな
★ 夜、牧草地を散歩。
ビールをぐびぐびと飲み干す、至福のひととき。
スイカズラの匂いがする。微かに栗の花の匂いも・・・
花の香の比重おもたき皐月闇
★ この爽やかさもあとわずか。
路地出(い)でば風と会ふなり五月尽(ごがつじん)
★ 今日はまた蒸し暑い。
こんなとき水挽きした器は、芯から乾いてゆく。
時間はかかるけど陶土(つち)には優しい。
かわらけの芯より乾く迎へ梅雨
* かわらけ・・・土器、素焼きした器。
(続く)
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清明から立夏の前日まで *太字は春の季語
(Face Book 「一日一句」から)
★ 今日は清明。
景色には陰陽両面がある。
畦も野も瓦(いらか)も映す水田(みずた)かな
うね雲に風騒がしき水田かな
* 水田・・・まだ稲を植えつける前の水を張った田んぼ。
初夏の季語だが、房総では今からが水田(代田)の季節。
★ 季節の小さな一こま。
桜蘂(さくらしべ)降るや合器の手入れつつ
* 桜蘂降る・・・花が散ったあと、こまやかな桜の蘂が降ることをいう。
花蘂が降るころのひそやかさは、花の頃とは別の趣がある。
晩春の季語。
* 合器(ごうき)・・・ふたつきの椀。
また、修行僧などの持ち歩く椀。御器(ごき)。
★ 朝、老母がちょっとしたことでけ躓き即、入院。
齢百とはそういうことなのか・・・
花の雨搦(から)みて母の入院す
★ 時ならぬ・・・
幾年(いくとせ)に出合ひ待ちたる花と雪
若き葉に降り積む雪や温かし
★ 母の薬を取りに行った道すがら、
殺風景な場所の一角に・・・
砕石の山にこぼれし菜花かな
★ ご老体には、ちとしんどいかなぁ。
芭蕉をパクッちゃいました(笑)
母病みつ窓拭(ぬぐ)はばや若葉して
★ この季節酒蔵を訪ねると・・・
蔵隅に積まれし桶や菜種梅雨
★ この世はそう甘くない?
雨の田や幼き鷺の立ちてあり
★ やっぱこれでしょ。
春筍(しゅんじゅん)の匂ひ恋ひしき集かな
★ ぼんやり眺めているとつい・・・(笑)
陶物(すえもの)の並びゐたるや目借り時
* 目借り時・・・暖かくなって睡魔に襲われる頃をいう。
★ 久しぶりに12歳の頃席を同じくした友と会う。
かけがえない楽しさ。
桜まじ竹馬の友とまみへたり
* 桜まじ・・・桜の花の咲く頃に南から吹いてくる暖かい風のこと。
★ 全ての感覚器官にそうシチュエーションていうやつはある。
日暈(にちうん)やタンホイザーの春暮るる
* 春暮るる・・・春の終る頃という意味と
春の日の夕暮れの二つの意味がある。
* 日暈・・・太陽に薄い雲がかかり、
その周囲に光の輪ができる現象。
★ ぼちぼち夏野菜の植え付けをしないと・・・
長閑(のど)けしや畑(はた)は菜っ葉の花盛
★ いよいよ田植えのシーズンを迎える。
逆光に田打てし人の細みたり
★ 畦に広がる風景。
どつかりと座り昼餉の代田かな
★ 久しぶりに都会へ出てみれば・・・
右からも左からも人風炎(フェーン)来る
* 風炎(フェーン)・・・ドイツ語のフェーン現象は
新聞などでお馴染みだが、それをもじった言葉。
晩春の季語。
★ 心地よい夜風に吹かれて御古屋台を歩く。
月光にしづむ麓(ふもと)や遠蛙
★ あの香りと味わい。
もつさりと奥歯を合わし三つ葉食む
★ フィヒテは、理性の中に理想を組み込むことで
弁証法なる偉大な方法論を生み出した。
人間の人間たる所以。
理想をば食らひ生きたし護憲の日
* 季語は「憲法記念日」だけど、
あえて「護憲の日」を季語に・・・
★ 包まれてと言うより縛られて?(笑)
とみこうみ蛙(かはづ)鳴きたり畦の道
* とみこうみ(左見右見)・・・あっちを見たり、こっちを見たり。
★ 6月の展示会に向けて作陶が始まる。
ちょっとしたことで、
新しい景色が見えることもある。
逡巡の容(かたち)に倦(う)めば穀雨かな
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啓蟄から清明の前日まで *太字は春の季語
(Face Book 「一日一句」から)
★ 虫たちに負けぬよう・・・
啓蟄や腕まくりして陶土(つち)を揉み
★ とにかく、
房総半島は飛行機の通り道なのだ。
輝きが沁みる。
片翼を光らせ去(い)ねり春茜
★ コーヒーブレイク。
一日(いちじつ)や白きカップの染みおぼろ
★ イエス・キリストの言葉から・・・
春の野の犬の骸や歯の白し
★ 底にある厳しさ、美しさ。
春光やまつ毛に風のまとわりつ
* 春光・・・春の風景のこと。
★ 夜半、久しぶりの月夜。
つい誘われて・・・
岩間から蟹の出でくる朧月
★ 町営温泉は露天風呂もなく
大浴場のみのシンプルさ。
北側一面はガラス張りなので、湯船に空が写り込む。
今日は、そんな大浴場に一人ぼっち。
「太平洋」じゃないところが小粒のオレらしい(笑)
湯の面(おも)の波紋のひだや春の雲
★ 威勢がいいやい(笑)
二度ばかり跳ねしザリガニ水温む
★ 別れ難し。
ばいばいと三べん言ふて春の暮
★ 春の底には一人ぼっちが・・・
鳥雲に我ひとり居の水際かな
* 鳥雲に・・・春に北方に帰る渡り鳥が、
雲間はるかに見えなくなること。
★ 夕刻より暖かい雨になった。
ヘッドライトの滲む路面や春の雨
★ 今年も季節が巡ってきた。
息災なり妻の挿木の鉢並び
★ 桜の儚さより、梅の忍耐強さ
梅花散る下で窯詰め始めけり
★ 主はせかせかしてるっつうのに・・・(笑)
いいなぁ。
春眠を覚へし仲の二匹かな
★ 突然、いっぱいの白が目に入ってきた。
木蓮の声でありてふ垣根越
* てふ・・・「〜という」の古語
★ ひたすら窯の温度を上げながら、
ひたすら薪掃除していると、
こんな景色が嬉しい。
野末にし木五倍子(きぶし)明るく咲きにけり
* 木五倍子は日向を好むから、
必ず森の始まり、野の末に生い茂る。
★ 窯焚きのクライマックス、攻め焚きに入る前
禊ではないけれど風呂に入る。
春暁に鳥の声聞く湯浴みかな
★ 戦い済んで・・・
窯の火の落ちて春愁身近なり
★ ここ数日の暖かさで咲き始めた。
高空に鷺舞ひにけり辛夷咲く
★ 九十九里の海は、年明けから2月一杯、
水平線の上が黒雲で覆われることが多い。
3月も中旬になると、その黒雲はどこかに追われて、
空と大地の間にくっきりと海の輪郭が・・・
天と地に刃(やいば)を差せり春の海
★ 器、誕生。彼らにはこの世がどう映っただろうか。
花冷えや器泣きをる窯開
* 器泣く・・・窯出しのとき、
器がピンピンと小さな音を出すこと
★ いつか見た原風景としてあるなぁ。
春の夕暮れは出会いの寂しさ。
秋の夕暮れは別れの寂しさ・・・
佐保姫に吾子(あこ)の髪梳く夕べかな
* 佐保姫・・・奈良の東にある佐保山、佐保川の女神で、
春の野山の造化をつかさどるといわれる。
春の季語。
★ 今の夜空、西の空低くオリオンがかかると、
東の空にさそり座が現れる。
両者とも主役じゃないので、何となく仲良く見える(笑)
オリオンも蠍もおわし春銀河
★ 昨夜は8時ごろから暴睡してしまった。
やっぱり疲れが溜まっていたのだろう。
年には勝てない。
そのせいで、今朝は早々の目覚め。
カーテン越しに薄っすらと外光が差し込み、
まだ覚醒しきっていない耳には、
鳥のさえずりが遠い異国のざわめきに聴こえる。
春は曙眠るように目覚めたり
★ 語らいながら、丁寧に丁寧に・・・
春風に吹かれ器の手入れにし
★ 桜って哀しい色やねん(笑)
陽だまりの薄く翳りて桜かな
★ 菜花を求めてモンシロチョウがやってくる。
風が吹くたびに、辛夷の花びらが散る。
散華(さんげ)なりあらがひ舞ふや白き蝶
* 散華・・・仏を讃嘆し供養するために、
仏のまわりをめぐりながら、花を地に散らすのが散華である。
★ 黎明に、まだ花の輪郭は定かでない。
一、二ひら散りて桜の夜明けかな
★ 杉や檜の林を背にした桜は、格別。
濃く染むや暗きの前の山桜
★ 風が吹くたび行ったり来たり・・・
人も来ぬ沼に言問ふ花筏(はないかだ)
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立春から啓蟄の前日まで *太字は春の季語
(Face Book 「一日一句」から)
★ 気分だけでも。
たつぷりとジャムぬるパンに春来たり
★ こんな日は温泉に限る。
じんじんと湯にほどけたる余寒かな
★ 人間とは勝手なものです(笑)
降ってよし止みてまたよし春の雪
★ ぼちぼち始めろってこと?(笑)
春浅き畠にけあしの落ちにけり
* けあし(けぁし)・かえし【方言】・・・鳥の糞のこと。
★ どうなるのやら・・・
薄氷(うすらい)や壊れしままの陶土(つち)の塊(くれ)
★ 真冬のような太割りじゃなく。
細割の薪匂ひたつ春炉かな
★ 安吾忌には、数日早いけれど、
昨夜の月を見たらこれしかない(笑)
安吾忌や緩(ゆる)りとのぼる朱き月
★ 三寒四温、言葉としては情緒あるけれど、
老体にはちとこたえる。
音もせで小枝揺るるや春寒し
★ 谷深く山根稲荷がある。
由緒正しき神社らしいのだが、
普段は人っ子一人いない。
初午や谷地(やち)の稲荷も賑わひて
* 谷津・谷地・・・谷間の湿地。アイヌ語源とされる。
★ 山菜摘みの醍醐味は、
見つけたときの嬉しさ。
蕗の薹二、三とありぬ今朝の庭
★ 春が一番最初に来る場所?
婆の背の魚氷(うおひ)に上る日和かな
* 魚氷に上る・・・七十二候のひとつ。
立春の節の第三番目の候で二月十四日〜十八日。
暖かさで氷が割れ、氷下で泳いでいた魚が氷の上にあがること。
★ 何だか生き生きしてきた。
荒起こす田に点々の溜まり水
★ 内側までね。
摘(つま)みなば凍(いて)返りたる鼻の先
★ びっくり!
作りかけで年を越した生徒の器に・・・(笑)
いつしかと陶土(つち)に紛れし芽立ちかな
★ 命ってきれいごとばかりじゃないな。
染みのごと木の根開けたり雪の原
* 木の根開く・・・立ち木のまわりの雪が
いちはやくとけること。
★ でしょ。
出(い)できたり思ひがけずのクロッカス
★ やれやれ(笑)
東風(こち)吹くやカラーコーンに干せし靴
* カラーコーン・・・車線規制や道路工事などの際に
並べる円錐形の標識。
★ 春の訪れを告げる音。
春はまた、濁りの季節でもある。
蜜蜂の辺りを濁す羽音かな
★ 首相なのに野次を飛ばしちゃう
短絡的な輩よりはね・・・(笑)
凧(いかのぼり)右往左往で上がりけり
★ しゃらくさい奴だ(笑)
寝返りを打てばあと追ふ猫の恋
★ 同じ闇でも味付けが・・・
鍋釜のありて厨の春の闇
★ たくさんの命。
白子(しらす)干す下にまだらの影模様
★ 人生は短くも・・・
やどかりやひと筋砂に宿の跡
★ 春そのもの。
見上ぐれば空にふたするミモザかな
★ ようやく目途が立った。
削り貼り器整ふ二月尽(にがつじん)
二月尽・・・二月のおしまい。
★ ものみな冗長?(笑)
春天や昨日も今日も同じ菜(さい)
★ 梅は、ほとんどがうつむいて咲く。
降る雨の雫やどせぬ梅の花
★ しみじみ、暖かい。
春日向まぶたの裏の朱を透かし
★ 息子ばかり三人。
これも「縁」というものだろう(笑)
この世には在なき子への雛(ひいな)かな
★ 東京湾が一望できる富津の岬にて
春の海タンカーのろりと行き交へり
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