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本書では、僧侶である著者が、五感を研ぎ澄ませて実感を強めることにより、思考というヴァーチャルなものを乗り越える手だてとして、目・耳・鼻・舌・身の五感に集中しながら暮らす練習を経て、さらには思考を自由に操る練習について教示します。 「要約」 ふだんは、思考を操れずに多くのことを「考えすぎる」せいで、思考そのものが混乱して、鈍ったものになってしまいがちなのです。考えすぎで思考を錆び付かせるのはやめて、「考えない練習」の時間という充電をすること。その充電を終えた後におこなわれる思考はどこまでもクリアに冴えわたるでしょう。 私たちは常に、目や耳、鼻、舌、身体そして意識を通じて、さまざまな情報を受け取っています。そうした刺激に反応する、心の衝動エネルギーのうち、大きなものが「心の三つの毒」であるところの「欲」「怒り」「迷い」です。 反対に、入ってくる情報に対して「受け入れたくない、見たくない、聞きたくない」と反発する心の衝動エネルギーのことを「怒り」と呼びます。 そして、目の前のことに飽きて別の刺激を求めるようになる心の衝動エネルギーのことを「迷い」と呼びます。 仏道における悟りのプロセスとは、瞑想で集中力を高めることによって認識レベルを細かくしてゆき、人間が本来感じている刺激は「苦しみ」の信号しかないのだと悟ることです。 これは仏教では「一切皆苦」といい「すべては苦痛なのだ」と認識することで、データ変換をストップして心のプログラムを組み替えることと申して良いかと思います。 |

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