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GM、クライスラーはやはり、破綻という結果になりました。しかし、事前調整型破綻という形で市場への影響はほとんど見られませんでした。
ただ、ビックスリー2社の破綻という影響は今後、更なる米国経済の悪化へと繋がっていくこととなるのではないでしょうか。雇用問題や労働問題、米国財政状態はまだまだ回復の兆しを見せていはいません。米国の象徴であったビックスリーは今後の米国を表しているように私は思います。
では、現状のビックスリーと今後の各社の対応を見ていきましょう。
【GM(ゼネラル・モーターズ)】
・2009年6月1日午前(日本時間2日未明)に連邦破産法11条の申請
・破産法申請にともないGM株は上場廃止
・6〜18カ月で「新生GM」の再上場を目指す
・資産規模(連結ベース):823億ドル(約7兆8000億円)
・負債総額(連結ベース):1728億ドル(約16兆4000億円):製造業の破産法申請としては過去最大。過去の米企業破綻では、2008年9月の証券大手リーマン・ブラザーズなどに次いで、3番目の大きさ。
再建計画
大がかりなリストラ策を柱として優良資産だけを引き継いで健全な財務体質を持つ新GMへの転換
・ブランド数 10種以上→シボレー、キャデラック、ビュイック、GMCの中核4ブランド(50%以上減)
売却ブランド
オペル→カナダの部品大手、マグナインターナショナルを中心とするグループ
ハマー→中国・四川省の重工業メーカー、四川騰中重工機械(2009年7-9月予定)
サターン→全米2位のディーラー、ペンスキー・オートモーティブ・グループ(2009年7-9月予定)
ボクソール→ロシアの国営銀行ズベルバンクによるコンソーシアム(企業連合)
サーブ→伊フィアットなど3社と交渉中
ポンティアック→2010年末までに廃止
新GMはキャデラック、ビュイック、シボレーなど中核4ブランドに集中。米政府が導入した新燃費規制を満たす低燃費車の増産に向けて、2010年には電気自動車(EV)「シボレー・ボルト」を投入。2012年までにハイブリッド車14モデルを生産ラインに乗せる。
・米販売網 6246店(2008年末)→3605店(2010年末、42%減)
・米生産拠点 47ヵ所(2008年末)→33ヵ所(2012年、30%減)
・米従業員数 61,000人(2008年末)→40,000万人(2010年、34%減)
・労働関連費 76億ドル(2008年末)→50億ドル(2010年、34%減)
・米国市場のシェア 22%(2008年末)→18.4〜18.9%(今後数年)
リストラ策の柱は、ブランド数の絞り込みに加えて、従業員と工場、販売網の大がかりな削減だ。2010年までに米国内の事務系従業員は約3,000人削減する。2008年に61,000人いた工場従業員は40,000人に削減、2011年以降は38,000人とする。
一方、構造転換を進め、47の国内工場を2012年までに33工場に減らす。工場閉鎖は18,000〜20,000人の雇用に影響を与える。これによってGMの販売台数は昨年の835万台から600万台に縮小する見通しだ。「最大手」の看板を下ろすことで、不況が長期化して米自動車市場が縮小しても収益を挙げられる体質に転換するため。
・株主構成 一時的に国有化し上場廃止
米政府:約60%
カナダ政府:約12%
全米自動車労組:17.5%(2.5%追加取得の権利)
債権者:10%(15%追加取得の権利)
米政府が301億ドル(約2兆9000億円)の追加融資を実施し、総額500億ドル(約4兆8000億円)の資金を投入し同社株式の約60%を取得するほか、GMの工場があるカナダの政府とオンタリオ(Ontario)州が95億ドル(約9200億円)の資金を拠出して株式の約12%を受け取る。
オバマ大統領の発言
「今日は古いGMの終わりと新しいGMの始まりを印した日だ」
「新GMは米国をエネルギー自活の将来へ導き、もう一度米国の成功の象徴となる」
「GMはより強く競争力のある企業として早期に再生する」
「この米国の象徴的な企業に復活のチャンスを与えるだろう」
「GMは数万人を雇用する米国の企業。その将来の責任はつまるところわれわれ次第だ」
「政府をありがたくない位置に立たせた」
「彼らの生き残りと米経済の成功がそれにかかっている」
「(政府は)不本意の株主として行動する」
「新工場の開業や新車モデルなどについて判断を下すのは、米政府でない。新GMだ」
「政府は重要な決定以外は株主としての権利を自制する。GMの経営に関心はない」
「『GMにとってよいことはアメリカにとってよいことだ』と心から言うことができるようになる」
オバマ大統領発言の内容
1.政府支援の意義を強調し、米政府の介入がなければGMは清算を余儀なくされたという認識を示し実質国有化の正当化
2.GMが低燃費車の生産で米市場を再び主導する可能性、GM再生に自信
3.経営の意思決定に政府は介入しない方針を強調
米ゼネラル・モーターズ(GM)の破産法審理が1日、ニューヨーク市の破産裁判所で始まった。米製造業で過去最大の企業破綻の再建手続きは、複雑な利害関係から難航も予想される。しかし米政府は、7月10日までにGMの優良資産を新会社に譲渡する手続きが承認されなければ、政府支援を打ち切ると提示。約40日後の「締め切り」はGMにとって厳しい条件となりそうだ。
GMの破産法審理は、同市マンハッタン島の最南端にある破産裁判所が舞台となる。初日の審理で、裁判所はGMが政府支援額のうち、まず半分近い150億ドル(約1兆4000億円)を取引先への支払いなどに使うことを認めた。
【クライスラー】
・2009年4月30日、米ニューヨーク市の破産裁判所に米連邦破産法11条の適用を申請
・米国、カナダ両政府が計105億ドル(約1兆円)を拠出、再建を全面的に支援
・クライスラーはイタリアのフィアットとの資本・業務提携でも同日、最終合意、当初2割の出資を受け入れる。破産法の手続きに沿い資産を新会社に移管、経営陣も刷新し早期の再建を目指す。
・資産規模:約500億ドル(約4兆9000億円)
・負債総額:2008年12月末時点で552億3300万ドル(約5兆4000億円)
・2008年に168億ドル(約1兆6600億円)もの赤字
・2009年は47億ドルの赤字を見込み、伊フィアットとの提携により12年に黒字化するとしている。
クライスラーは再建策が順調に進めば2012年に1億ドル、2013年に16億ドルの黒字確保がそれぞれ可能
イタリアのフィアットとの提携
米クライスラーの再建策を巡り、伊フィアットが最終的にクライスラー株の51%の取得を見込んでいる。小型車技術の供与や政府資金の完済などが条件となる。クライスラーは同日、800社弱のディーラーを閉鎖すると正式に表明。米国では同社の破産法申請により失業保険の申請が急増するなど、米製造業で過去最大規模となった破綻の影響も出始めている。
クライスラーが米連邦破産裁判所に提出した資料や米報道によると、米政府はフィアットがクライスラー株の保有比率を51%に高めるうえで4つの条件を提示。
当初20%の出資比率を35%に高める段階で、
(1)フィアットが米国で小型エンジンを生産
(2)ガソリン1ガロン当たり40マイルの燃費性能を持つ車をクライスラーの米国工場で生産
(3)クライスラーが北米以外の市場で年15億ドル(約1400億円)以上の売上高を達成
――の3条件を満たす必要がある。
米クライスラーは20日、破産手続きが完了した後の新会社の会長に、ロバート・キダー氏が就任すると発表した。キダー氏は米化学大手ボーデン・ケミカルなどの最高経営責任者(CEO)を務め、現在は金融大手モルガン・スタンレーの社外取締役。
クライスラーのナルデリ現会長兼CEOは再建完了後に辞任する意向で、後任CEOには伊フィアットのマルキオーネCEOの就任が見込まれている。
米メディアによると1日にも審理に入り、30―60日の短期間で破産法手続きの完了を目指す。4日から破産法手続き完了までの間、北米の大半の工場を休止。
最長60日間の短期間で再建手続きを終えるには、再建後の事業母体となる受け皿会社への資産売却などが焦点となる。
米財務省は29日、連邦破産法下で再建しているクライスラーを継承する新会社への融資額が69億4300万ドル(約6600億円)になると発表。
ニューヨーク市の破産裁判所は5月31日、クライスラーの資産を、伊フィアットなどが出資する新会社に譲渡する計画を承認した。破産法の審理が大きく前進したことを意味し、米メディアによると、早ければ週内にも法的法手続きを完了。
【フォード】
米フォード・モーターは14日、年次株主総会を開いた。同社は経営難にあるものの、 ビッグスリー(米自動車大手3社)で唯一、政府支援を受けていない。総会で首脳陣は「経営再建は順調で、 2011年に黒字化する」と強調。株主から拍手を得るなど、他の2社との明暗が分かれた。
総会は米デラウェア州ウィルミントンで開催した。フォードは4月以降、約100億ドル(1兆円弱)の債務削減や公募増資による16億ドルの資金調達に成功。ムラーリー最高経営責任者(CEO)は「今後も政府支援は不要」と改めて強調。
クライスラーとゼネラル・モーターズ(GM)が相次ぎ破産法の適用を申請したのを受け、フォード・モーターが米国市場でのシェア拡大に向けて増産に動く方針。第3四半期の生産台数を前年同期との比較で約10%増やす計画だという。
同社は創業家のフォード一族が特殊株により、約4割の議決権を持つ。今年もこのいびつな資本構成の是正を求める株主提案が行われたが、投票では8割の反対で否決。賛成票の比率は昨年より下がっており、ビッグスリーで唯一、自力再建を目指すフォードへの株主の信任を裏付けた。
破綻の影響
わずか2年前まで世界一の販売台数を誇ったGMが、連邦破産法11条を申請し、経営破綻。
だが、世界で展開しているGMの破綻は、関連の部品会社や販売店などを含めると100万人以上の雇用に影響を及ぼすとの試算もある。さらにクライスラー、GMの連続破綻は、業界の垣根を越えて、鉄鋼や素材、情報技術(IT)など幅広い産業にも影響を及ぼすだろう。実体経済、とりわけ雇用情勢の悪化は、米国の国内総生産(GDP)の7割を占める個人消費を一段と冷え込ませる要因になる。
米国の失業率は、2009年4月に8.9%、5月には9.4%まで上昇しており、GM破綻の影響が加わる6月以降の統計でさらに悪化するのはほぼ確実だ。失業者の増加は住宅ローンなどの焦げ付きを生み、金融機関の経営問題再燃につながる恐れもある。GM破綻の衝撃は、さらに世界不況を悪化させ、長期化させるリスクをはらんでいる。
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ビッグスリーのアメリカGDPに占める割合は、僅か数パーセント。金融市場に与える影響は限定的だが、労働市場に与える影響は大きい。つまり、GMのチャプターイレブン申請は金融市場の事前期待に沿ったものだったが、実体経済はその受入の覚悟が出来ていないだろう。
2009/6/7(日) 午後 8:39
私の片田舎にも、こういう事って必ず影響してくるんですね。
経済、すべてが万事つながってるんですね。
日本のGMの下請けさん達はどうなるんでしょうね。
2009/6/8(月) 午後 8:08 [ kmhy ]
だるちゃんの友達なんですね
2009/6/9(火) 午後 10:47
影響は避けられないでしょうね。
売れる車を造れば再建は早期に可能とS社会長兼社長が言ってましたね。
問題は実体経済に陰を落とすのがこれからという事...。
2009/6/10(水) 午前 1:48 [ かちがらす ]
破綻ショックあるかと思いましたが、市場の受け止めは…実質三兆円投入の救済でした。
危険ですね。
市場はお祭り騒ぎで現場は深刻感なし。
先はまだまだこれからなのに。
抜本的解決を先延ばしでは、消費者の信頼は得られず再建は困難かもしれません。
電気自動車に頼るのも、実は問題が多いですね
2009/6/10(水) 午前 3:23
破綻が経済に大きな影響がでなければ良いですね
雇用問題が深刻化していますので、
経済がプラスになる材料がほしいです
2009/6/10(水) 午前 6:18 [ cube ]
6月10日のお訪問、有難うさん。 当地は今日は雨、昨日、梅雨いりしました。「なぞ」「私は誰?」の書庫をよろしく。
2009/6/10(水) 午前 10:14
日本の自動車業界は大丈夫なのかな?
2009/6/15(月) 午前 0:24 [ kak*sin*h* ]
えええええええええええええええええええ
は、ハマーが中国なんですか、、、、、、
ショックです。。。
2009/6/30(火) 午後 10:36
何がどう転がっても、世界経済がよくなりません。;;
ましてや、日本は外交が下手です。領土問題など問題は山積みです。
発展的後進国、それが現在の日本経済だと思います。
若者が夢持てる国、を、作っていきたいです。
課題は大きいですね。一人では解決できません^^
2009/7/1(水) 午前 0:47 [ cube ]