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2011年4月の読書

2011年4月の読書メーター
読んだ本の数:8冊
読んだページ数:2946ページ

■鋼鉄の叫び
前知識なく鈴木光司の本ということで読んだ。511ページという厚さの割だがまとまりに欠ける。新聞連載小説で05年7月の連載終了から書籍化までに長い期間があったのは、そういった部分かと穿ってしまう。とあるTVディレクターがバブルの終わりという時代に、自らの意志で特攻することを止めた男の姿を描いた番組を作りたいという物語骨子はよい。しかし必然性をどうしても感じられない不倫物語、そして当初の物語骨子から突然逸脱するラストに唖然とする。主人公の父親との因縁も出来すぎで鼻白む。丁寧な取材を思わせる作品だけに残念。
読了日:04月27日 著者:鈴木 光司
http://book.akahoshitakuya.com/cmt/10840385

■大絵画展
中盤までとても古臭い匂いがする、「詐欺」を扱ったミステリー。正直、読んでいてどうしようかと思った。途中から表題に繋がるバブル期に買い漁られ、銀行の担保として保管され陽の目を見ることのできなくなった名画たちを扱った作品となったが、全般的に垢抜けない。表題となった「大絵画展」も、全然、魅力的でない。狙った語り口だろうが、いまどきでなく、気取り過ぎているようにしか思えないところが一番の敗因か。今更、バブル期をそのまま、ひねりなく扱ってしまったことも、面白みがない。
読了日:04月23日 著者:望月諒子
http://book.akahoshitakuya.com/cmt/10782410

■チア男子!!
前作、小説すばる新人賞受賞作であるデビュー作「桐島、部活やめるってよ」を酷評してしまったが、本書は前作に比べると普通におもしろいスポ根青春小説。しかし前作の特徴であった「いまどきの若者」感が本書にはなくなった。普通の小説であることを、よきにせよ悪しきにせよ「特色を持った新人の二作目」としてどう評価すべきか迷う。前作が連作短編であったことに対し、まっとうな長編小説である本書は、素直におもしろいが、一方、他の青春小説と並べた場合に際立つかどうか、疑問。丹念の取材の結果だろう。チアの描写は素晴らしく、感動的。
読了日:04月19日 著者:朝井 リョウ
http://book.akahoshitakuya.com/cmt/10713094

■マリアビートル
本書を読む直前に前作「グラスホッパー」を復習したのは正解だった。鈴木、槿、スズメバチが前作からのキャラとして顔を出すが、復習あればこそのニヤリだった。前作同様、殺し屋たちの殺し合いを描く、いい意味での軽く乾いたハードボイルド。圧巻は恐るべき中学生”王子”であろうが、ことさら彼を強調せず、木村、天道虫、蜜柑、檸檬と同列にバランスよく描いたところが評価のポイントか?機関車トーマスの引用は作家の実生活(小さいお子さんがいるとか?)を匂わせながら、殺し屋との組み合わせの妙を感じた。さすが!伊坂幸太郎、という作品。
読了日:04月19日 著者:伊坂 幸太郎
http://book.akahoshitakuya.com/cmt/10713014

■グラスホッパー
「マリアビートル」を読む前の復習として7年ぶりの再読。おぼろげな記憶のなかでは、普段の伊坂小説のなかの「殺し屋たちの殺し合い」を描いた一冊と捉えていたが、再読してみると軽い乾いたタッチの正統派ハードボイルドであり、驚いた。作品を読んでいる最中、自分の語り口にまで影響を与えるのだからハードボイルドは困る(苦笑)。さぼりがちのブログに残る、初回の感想同様、万人に薦められる作品ではないと思うが、こういうタッチを楽しめるひとは、楽しいだろうなと思わせる作品。いや、ぼくは充分楽しんだ。
読了日:04月16日 著者:伊坂 幸太郎
http://book.akahoshitakuya.com/cmt/10675163

■おやすみラフマニノフ (『このミス』大賞シリーズ)
「このミス!大賞」受賞の音楽スポ根ミステリー「さよならドビュッシー」に続く、岬洋介先生シリーズ第二弾。残念ながら決してクラッシク音楽に強くないぼくだが、描かれた音楽の描写にワクワクした。前作に引き続きミステリーとして、小説としての深みはない。エンターティメント小説の枠のなかに収まってしまう浅さだが、逆に軽く読める作品の魅力として捉えたい。最後もきっちりまとめあげるのでなく、読者に任せるように終えた手法も本書には合っていた。音楽という特徴も際立ち、今後もこのシリーズは、続けて欲しい。
読了日:04月16日 著者:中山 七里
http://book.akahoshitakuya.com/cmt/10674834

■イラハイ (新潮文庫)
伊坂幸太郎がエッセイ集で薦めていた佐藤哲也。追いかけているはずの日本ファンタジー大賞受賞作だけど未読だった。これも伊坂幸太郎が薦めていた「熱帯」を読んで、どうもこれはなぁと思った作家だったが、本書もやはり、どうもこれはなぁだった。決しておもしろくない作品ではないのだが、引き込まれるほどの勢いがない。どこか一歩下がったところから作品を眺めているうちに終わってしまった。古川日出男の「アラビアの夜の種族」に似ていなくないが、あれほど物語になっていないという感じ。読んだのは図書館にあったハードカバー。
読了日:04月10日 著者:佐藤 哲也
http://book.akahoshitakuya.com/cmt/10583154

■そういうものだろ、仕事っていうのは
普通の短編集さえ得意でないのにアンソロジーはもっと苦手。だが、タイトルに惹かれた。冒頭の重松は上手い。しかしありがちにまとめた。対して重いが、盛田の書く世界はリアル。いつ自分がその穴に落ちるかもしれない不安を感じさせられた。石田はやっぱり薄っぺらい。日本語でいうファンタジー。大崎は健闘の割に印象が薄い。津村も上手いが、この手の女流作家小説は苦手。野中、あれ?更に印象が薄い。結局、読むのは苦しいのだが、盛田の作品をまた読もうかと思わせられたのが、本書の一番の収穫か?一冊の本としてはどうだろう・・。
読了日:04月06日 著者:重松 清,野中 柊,石田 衣良,大崎 善生,盛田 隆二,津村 記久子
http://book.akahoshitakuya.com/cmt/10505004


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チア男子爽やかで面白かったですよね〜
この大学生作家さんに期待しています!

2011/5/1(日) 午後 5:46 LIBRA


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