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"「狭小」 「変形」を魅力に変える"

●狭小・変形敷地の家の多くは魅力に欠ける

住宅設計者の多くは 与えられた多くの条件を整理 考慮して それらをバランンスよくかたちに
まとめることに 苦労しますが そのなかでも敷地という要素はとくに重要です


それはほかの要素のベースになるべきものといってもよいでしょう
法規制はもちろん さまざまな条件は敷地があってこそ生まれてくるもの


建売住宅やマンションなど 不特定多数の人を対象に設計されたものでも 敷地が重要な要素で
あることには変わりありません


一般的には 敷地を購入して家を建てるとなると 予算面からどうしても
狭小の敷地や変形の敷地になってしまう場合が 多いようです


そのためか住宅雑誌などでも こうした特集記事は 人気があるようです


そこに紹介される住宅は 狭小地や変形地にもかかわらず じょうずに設計されたものが多く
これから家を建てる人の 参考となっているでしょう


しかし そのような例は全体から見れば ごくわずかなもの


実際に街で見かける多くの狭小・変形敷地に建つ住宅は
その厳しい条件が目立ってしまい 魅力に乏しいものです


魅力的な住まいはこだわりをもった施主が 狭い敷地を活かすことに熱心に取り組む設計者と出会って
はじめて実現するものといえるでしょう


●暮らしのほうもスリム化すれば 敷地と建物の可能性が広がる

敷地を活かすには 住み手の意識の持ち方も重要です 雑誌に登場する住宅には そこに住む家族の
”割り切り”のようなものを感じます


いわば八方美人的な発想では 敷地条件を克服した魅力的な住宅は実現しません
というと「価値観や意識を 何もこの歳になってから変えなくても」という声が聞こえてきそうですが


それはそんなに大変なことではありません


無理して割り切ることではなく 自分と家族の生活の原点をもう一度見つめ
不必要なものを省き スリムアップすることだからです


自分たちの生活に 本当に必要なものは何だろうか
また自身にとっての本当の豊かさとは 何だろうか等々


固定概念を一度捨て生活を考え直せば そこから敷地と建物の可能性が広がることでしょう


●狭小地・変形地を活かす心構え

住宅の設計に限ったことではありませんが 計画はまず基本的な概念をしっかりと確認したうえで
細部のこだわりへと進んでいくもの


厳しい敷地条件であるほど このプロセスは無視できません


そもそも 日本では近世以来 一般庶民は三軒長屋的なけっして広くない住宅を
生活の知恵を駆使して 住みこなして来ました


たとえば 長屋の住まいは建物の左右に隣家が接近しているので 窓を四方に設けられなくても
前後の窓で風が通り抜けるように 仕切り壁をつくらず間取りを考えてきました


温故知新の言葉どおり 厳しい環境であればこそ 先達の暮らしを再考し 現代の小住宅に
活かしてはどうでしょうか


しかし あくまでも一番重要なことは 敷地のもっている根源的な可能性は 設計者が見出すとしても
住み手自身がどのように生活するかを考え それがはっきり固まっていること


そうでなければ 1年もしないうちに その住宅は輝きを失うことでしょう
狭小地や変形敷地はあなた自身の生活に対する考え方により 活用されるものなのです



                               創建築アトリエ [今井 均]


住まいと暮らしの百科 マイホームプラン
「建築家3人は語る」  2000.11掲載
(金財マイホームプラン社 発行)

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