耳鳴り・脳鳴り・頭鳴り治療の『夜明け前』

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ようこそのお運びで。ご訪問、厚く御礼申し上げます。
リハビリ前に早々にアップです。
今回は、百日紅の拙写真と、百日紅を詠じた白居易の詩を記事と致します。

1、「ピンクの優しいふんわりした百日紅」(大阪・万博公園)
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    ・・・お題「紫薇の花 紫薇の郎に対せり」(白氏文集)+「百日紅」・・・
2、
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百日紅はいつの頃からこれ程身近な花になっていたのでしょうか。私は2年前まで殆ど意識できていませんでした。植生の関係か、古典和歌では全く登場しません。江戸時代に「さるなめり」が一首詠まれたくらいです。
一方、中国の詩ではお馴染みの花になっています。
サルスベリ
中国南部原産。中国では、唐代長安の紫微(宮廷)に多く植えられたため、紫薇と呼ばれるが、比較的長い間紅色の花が咲いていることから、百日紅ともいう。(wiki)
そこで『白氏文集』(白居易の詩集)から、百日紅=紫微花を詠じた詩を二首、取り上げてみます。


3、
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「紫薇花」             白居易 

絲綸閣下文章靜   鐘鼓樓中刻漏長  獨坐黃昏誰是伴   紫薇花對紫薇郎」

(書き下し文)
「絲綸閣の下 
文書静かにして
鐘鼓楼中に刻漏の長し。
独り黄昏に坐するに誰か是れ伴なる、
紫薇の花 紫薇の郎に対せり。」

・・・中書省には、詔勅の文書が積まれ、辺りは静まり返っていて、
鐘鼓楼では、時を告げる水時計の音が長い時間、聞こえてくる。
私が夕方、中書省に一人座している時に、誰が相手をしてくれるだろうか、
紫薇花だけが、紫薇郎に向かい合ってくれる。・・・


4、
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「紫薇花」(=百日紅)を見て詠じた詩です。

「絲綸閣」とは、「中書省」のこと。
詔勅の立案・起草を司った役所で、別名「紫薇省」。
「紫薇省」と呼ぶのは、この花を愛した玄宗皇帝が、中書省の庭に「紫薇花」を多く植えたからと言います。
白居易は、長慶元年(821)10月に中書舎人に任ぜられています。
「刻漏」は水時計のこと。
                                                                  「漏刻」
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問題1です。
四句目の「紫薇郎」とは誰のことでしょうか。また、何故、「紫薇郎」と呼ぶのでしょうか?

          ・・・thinking  time  3  seconds・・・

                              「夜通し」糸山志泉氏・月光のもとの百日紅の花と実
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                          解答:白居易。白居易は、「紫薇省」と呼ばれる中書省の役人だから。


白居易が仕事の残業で中書省にただ一人残っていた時、静かな役所内に時を告げる漏刻の音が響いてきます。静寂の中に、いたずらに長く響く音。既に黄昏時。白居易と相対するものは、庭に咲く「紫薇花(百日紅)」だけ。夕闇の中に薄紫の花が浮かび上がっている。思えば、自分も「紫薇郎」の身。庭の「紫薇花」に親しみを感じながらも、孤独の寂しさが身に沁みる。

5、
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wikiより「白居易」の略歴を抜粋

○772年、鄭州新鄭県(現河南省新鄭市)に生まれた。

○抜群の名家ではなかったが、安禄山の乱以後の政治改革により、比較的低い家系の出身者にも機会が開かれており、800年、29歳で科挙の進士科に合格した。35歳で盩厔県(ちゅうちつけん、陝西省)の尉になり、その後は翰林学士、左拾遺を歴任する。このころ社会や政治批判を主題とする「新楽府」を多く制作する。

○815年、武元衡暗殺をめぐり越権行為があったとされ、江州(現江西省九江市)の司馬に左遷される。その後、中央に呼び戻されるが、まもなく自ら地方の官を願い出て、杭州・蘇州の刺史となり業績をあげる。838年に刑部侍郎、836年に太子少傅となり、最後は842年に刑部尚書の官をもって71歳で致仕。74歳のとき自らの詩文集『白氏文集』75巻を完成させ、翌846年、75歳で生涯を閉じる。
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上掲の詩を作ったのは、左遷先から都に戻ってきた50歳の頃の作品ということになります。



6、「やや紫を帯びた百日紅」(和歌山・緑化センター)
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「見紫微花、憶微之」        白居易

「一叢暗澹將何比 淺碧籠帬襯紫巾 除却微之見應愛 人間少有別花人」

(書き下し文)
「一叢暗澹たり、將た何にか比せん、
淺碧帬に籠めて、紫巾に襯す。
微之が見ば、應に愛すべきを除却して、
人間に花を別つ人有ること少なし。」

・・・ひとむらの薄暗く淡く咲いている紫微花は、何に喩えたら良いか。
淺碧色に包まれた裾に紫の手巾(≒ハンカチ)を添えているようだ。
微之が見たなら、きっとこの花を愛するだろうが、彼を除いて、
世間に、この花の美しさが分かる人はいない。・・・


9、「コーラルピンクの百日紅」(大阪・万博公園)
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「紫薇花」(=百日紅)を見て、「微之」(=元稹)のことを思って詠じた詩。

「微之」(=元稹)は、779年(大暦14年) - 831年(大和5年)。
白居易は、772年(大暦7年) - 846年(会昌6年)。
二人は無二の親友同士。「元白」と並び称されています。
白居易が左遷された頃、元稹も左遷され、白居易の「微之に与ふる書」には、互いに失意にある二人が相手を思う気持ちが吐露されています。


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白居易が、「見紫微花、憶微之」を詠じた時期は明らかではありませんが、「憶」が「過去のことを思い出す」意であることと、没年が元稹の方が早いことからすると、元稹の死去した後、彼を懐かしんで詠んだもののように思います。


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「紫微花」は、浅碧色の着物の裾に、紫色のハンカチを添えたような佇まい。
白居易にとって、この花について美意識を共有できる人物は元稹だけ。
その元稹が今いないという事実に、悲しみを新たにしている詩ではないでしょうか。


12、ご近所の百日紅
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13、「コーラルピンクの百日紅を逆光で (万博公園)          
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14、「白い百日紅の巨木」(大阪・万博公園)
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                                                   お読み頂き、有難うございました。 ぺこり。 
 
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