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ゴジラ対ヘドラ

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本作を通常の怪獣映画の評価基準に則して評価するのは憚られる。
通常の怪獣映画に求められるスペクタクル性、抑揚といった要素は本作ではことごとく排除されている。
本作だけが持つ異様なトーンが全編を貫いており、それが今なおカルト的な存在感を放っている。




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公開は71年。俺がゴジラ・シリーズを劇場で観るようになったのはこの前年あたりからであるが、それは旧作上映の「東宝チャンピオンまつり」興行であったと記憶しているので、リアルタイムで観た新作ゴジラ映画という意味では本作が初めてだった。
当時小学生低学年であった俺はエラそうに怪獣映画に対する評価基準をそれなりに持っていたが、本作の異様な作風には正直面喰ってしまい、意欲的であるが面白い映画ではないというエラそうな評価を下していた。
当時これを面白いと感じた小学生などほとんどいなかったのではあるまいか?

この当時の東宝ゴジラ映画を取り巻く状況は深刻なものがあった。
東宝特撮映画の全盛期は60年代中盤あたりまでである。
以降は特撮映画ばかりではなく邦画自体が斜陽化し、東宝ゴジラ・シリーズも大映ガメラ・シリーズ同様に予算が大幅に削減されてゆく。
もうかつてのように大規模なセットも組めない、重厚な俳優も使えない。
ましてやかつてのベテラン特撮スタッフの多くが東宝を去り、特技監督の円谷英二は前年に亡くなっていたのだった。

そんな厳しい状況を逆手にとり、当時の公害問題をテーマに据えて全く新しい作風のゴジラ映画に仕上がったのが本作である。
ある意味過去の作風に捕らわれない自由さがある。
監督と脚本(共同)を務めた坂野義光はもっと評価されていいだろう。




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俳優陣も一新され、ベテランは生物学者役の山内明くらいのもので、他は若手が多い。
山内明の妻役の木村俊恵は何と言っても後の「仁義なき戦いシリーズ」での山守親分の妻役が有名(74年に死去)。
若手の中核である柴本俊夫は本作公開同年に「シルバー仮面」の主役に抜擢され、芸名を「柴俊夫」と改名する。




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当時の若者(俺より一回りちょっと上の世代)文化がゴーゴー喫茶(?)のシーンで活写され、サイケな音楽とスクリーン・アートが当時小学生低学年だった俺には刺激的だった。
ただ、今見れば71年にこれは既に時代遅れの感もある。
「遊び呆ける若者を怪獣が襲う」のは怪獣映画の定番のひとつであるが、本作は捻りが効いている。



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対戦相手のヘドラ・・・どう見ても人気怪獣ではない。
東宝特撮怪獣のワースト・ランキングでもやれば確実にランク・インしそうである。
爬虫類系でも哺乳類系でもない不気味さ・・・本作の作風をそのまま造形化している。




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本作公開から年月が経つにつれ、当時これを観た子供も大人になった。
ビデオ時代になって子供の頃に観た怪獣映画を観直していく中で、何となく喉に刺さった小骨のような存在の本作を観直したとき、子供の頃には知る由もない制作側の奮闘に敬意を払いたい気持ちになる。



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本作に女優として出演もしている麻里圭子が歌うテーマ曲「かえせ! 太陽を」は東宝レコード盤とビクターレコード盤の2種類が存在するが、現在の中古盤市場では東宝レコード盤の方が高額商品。
2013年にはキノコホテルがカバーしている。


  • こんばんわ(´Д` )

    ヘドラって、なんかアナーキーですよね(´Д` )

    内容的には、予算削減の中、環境問題を喚起させる新機軸になってます。

    ゴジラは、もう文化ですね😮

    [ han ]

    2015/8/14(金) 午後 7:59

    返信する
  • これは私も観ましたが、たしかに子供が観ても面白いと思うのかな?というのは感じました。段階的に変化して空も飛んじゃうヘドラというのも、なかなか強烈な個性ですね。気持ち悪いけれどインパクトある怪獣かな・・と(^^。

    ニコニコしょーじ

    2015/8/14(金) 午後 8:12

    返信する
  • 私も観ました。細かいことは覚えてないですが、
    確かに面白いとは思いませんでしたね(^^ゞ
    そういえば、昔は「ウルトラマン」も「仮面ライダー」も社会風刺のものが多かったように思います。
    今はどうなんだろ?勧善懲悪ではないようですが・・・

    Iris

    2015/8/14(金) 午後 8:56

    返信する
  • 顔アイコン

    このヘドラは強烈でしたあ~、、、未だにトラウマ映画です。不気味で観ただけで毒されてしまうという蛇女ごーごん的な怖さもありましたし

    不気味TBしますね〜♪

    気ままに

    2015/8/14(金) 午後 9:09

    返信する
  • > hanさん

    ヘドラはこれまでの悪役怪獣とはまるで別の得体の知れない不気味さがありました。
    宇宙怪獣のキングギドラとかと違って、人間が公害によって造り出してしまった怪獣という諷刺が込められていますね。
    異物感がとんでもない感じです。

    そふとましん

    2015/8/14(金) 午後 10:52

    返信する
  • > ニコニコしょーじさん

    当時子供だった俺はこれ観て全然面白くなくて、ヘドラにしてもキングギドラみたいなシャープなカッコ良さが無くて、何じゃこりゃと思いましたね〜。
    今観るとこれを子供向け怪獣映画として製作したことに驚きます。

    ヘドラは好き嫌いは別として忘れられないインパクトはありますよね♪

    そふとましん

    2015/8/14(金) 午後 11:19

    返信する
  • > snowさん

    とにかくこれは異質で、今観るとシリーズの中では異物感があり過ぎです。
    それゆえにカルト化された感があって、今観ると意外と新しい発見があったりします。

    昔は今と違って規制が緩いし、クリエイターに冒険心や反骨精神があったと思います。
    「仮面ライダー」なんてショッカーの設定がナチスドイツそのものですしね・・・。
    今はどうなんでしょ??・・・あまりにも規制があり過ぎて自由さがないように思いますし、それに対抗しようという骨のあるクリエイターがいるのかしら??

    そふとましん

    2015/8/14(金) 午後 11:25

    返信する
  • > 気ままにさん

    TB有難うございます♪

    何と言うか、これまでの東宝怪獣映画にはないグロテスクで残酷な画が多いですよね。
    怪獣映画らしからぬ画と通底するトーンが子供心には嫌な感じでした。
    トラウマっていうのもよくわかります。

    俺のトラウマは「マタンゴ」と「サンダ対ガイラ」かな・・・
    「フランケンシュタイン対地底怪獣」もトラウマシックな衝撃がありました。

    そふとましん

    2015/8/14(金) 午後 11:33

    返信する
  • 私もこれ劇場で観て頭の主題歌からすごい違和感を感じました。
    その後何回か観たけど消化不良です。
    柴俊夫、富士山であっさり死んでたようでびっくり(^_^;)

    [ キヨモジ ]

    2015/8/14(金) 午後 11:40

    返信する
  • > キヨモジさん

    俺もそうです・・・いきなり「自分は何の映画を観に来たんだろう?」って思いました。
    俺もいまだに消化しきれてはいないかも・・・
    未来永劫消化出来ない異物かもしれないです。

    そうそう、中核の若者が死んじゃったりして、そこも怪獣映画らしくないです・・・(~_~;)

    そふとましん

    2015/8/14(金) 午後 11:57

    返信する
  • 私もこれリアルタイムで初めて観たゴジラです!
    (まぁましんさんとは同い年ですからね)
    でも小学生の頃からすげぇ好きでした

    ホントによく作ったと感心しますね

    TBさせてください!

    ちゃーりー・わかめ

    2015/8/15(土) 午後 0:16

    返信する
  • > ちゃーりーさん

    我々の世代だとこれからリアルタイムって怪獣映画ファンも多いでしょうね♪
    俺はガキの頃から悪役怪獣の重要性を認識していて、キングギドラ大好きだったんで、このヘドラは「何じゃこりゃ〜」でした・・・(笑)

    大人になって観直してみるとこれはよくぞ世に出したというくらいの意欲作!!
    怪獣映画らしからぬ画の連続にも驚かされます♪

    TB有難うございます♪

    そふとましん

    2015/8/15(土) 午後 0:25

    返信する

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