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「遺贈する」書かれた場合と「相続させる」と書かれた場合の違いは
1.登記手続きについて 「相続させる」の場合,受益者からの単独の申請で登記できる。 2.登録免許税について 「遺贈する」の場合,不動産評価額の1000分の20 「相続させる」の場合,不動産評価額の1000分の4 3.第3者対抗要件について 「遺贈する」の場合,登記による対抗要件が必要。 「相続させる」の場合,登記なくしてその権利を対抗できるとしています。 上記の理由から,特定の相続人に財産を与える場合は,「相続させる」を用いるほうが良いと思われ実務ではこの表現が利用されています。 |
遺言
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遺言の方式 法律に定められた方法で作成されなければなりません。
一般的な普通方式の遺言を考えてみましょう。
1 自筆証書遺言 遺言者がその全文,日付および氏名を自署し,押印することによって作成で きます。最も簡単で費用がかかりません。紛失,偽造される危険や,方式の不 備や文章の書き方(意味不明など)による解釈に問題が生じてしまい遺言の目的 を果たせない可能性があります。
自筆によることが求められており,ワープロなどでの作成はできません。 問題となる事例では,押印がないもの,日付が書かれていない遺言書は無効で 訂正方法にも厳しい決まりがあります。 加除,訂正をする場合には,変更のあった箇所を指示し変更した旨を付記して, その部分にも署名をし,変更があった場所にも捺印することが求められていま す。読んでいる貴方にこの書かれた意味が分からなかったら,新しい遺言書に 書き換えることをお勧めします。 2 秘密証書遺言 ほとんど利用されていません。公証人にも聞きましたが,経験がないという ことでした。省略します。 3 公正証書遺言 お奨めの方式です。費用と手間がかかりますが,作成された遺言書が公証人 役場で原本が保管されるので変造,紛失の危険がないこと。公証人の作成 に よるため遺言の効力が問題となる危険性がないこと。検認の手続きが不要な ことは大きなメリットです。
公正証書遺言による遺言書作成手続きは以下の通りです。
(1) 証人二人の立会いが必要 (2) 遺言者が遺言の趣旨を公証人に口授すること
(3) 公証人が遺言者の口実を筆記し,これを遺言者および証人に読み聞かせ,または閲覧させること
(4) 遺言者および証人が筆記の正確なことを承認した後,各自これに署名し,押印する(筆記ができない遺言者は公証人がその旨を付記して署名に変えることができます。)
(5) 公証人が(1)から(4)の方式に従って作成したものである旨を付記してこれに署名する
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包括遺贈と特定遺贈
「遺言者は、包括又は特定の名義で、その財産の全部又は一部を処分することができる。但し、遺留分に関する規定に違反することができない。」
包括遺贈
包括遺贈とは、目的を遺言者の相続財産全体に対する全部又は割合をもって表示した遺贈をいう。
全部的包括遺贈 (単独包括遺贈)
① 遺言者の財産(消極財産を含む)の全部を一人の受遺者に対して帰属させるもの。
割合的包括遺贈
② 一人又は数人の受遺者に対して割合で示してするもの
「全財産を甲乙丙の三人に対して3分の1ずつの割合で包括して遺贈する。」といった内容の遺贈。
3.包括遺贈の効果
包括受遺者は、相続人と同一の権利義務を有する。(民990)
権利――相続開始時に被相続人が有していた財産上の権利自体
義務――相続債務
包括の割合が2分の1と指定されたときには,相続債務の2分の1の債務も負担することとなります。
特定遺贈と異なり、遺贈の承認、放棄等の規定(民986条以下)の適用はなく、相続についての承認、限定承認、放棄等の規定(民915条以下)の適用がある。
相続と異なる点 ② 代襲者とは成り得ない(法994)、遺贈は、遺言者の死亡以前に受遺者が死亡したときには、無効とな
る。
③ 包括受遺者が遺贈を放棄した場合には、ほかに相続人も包括受遺者もいない場合には、相続人不存在手続が開始される。
④ 包括受遺者の持分は、登記しないと第三者に対抗できない。
包括遺言における執行者の役割
①相続財産目録の調製(民1011)
遺言執行者に対し、相続財産目録の調製を命ずるのは、そのことにより、相続人の固有財産と分別された相続財産の状態を明らかにして、相続財産に対する遺言執行者の相続財産引渡し義務、報告義務及び賠償責任の基礎を明確にするため。
②遺言執行者は、遺言者の相続人の代理人とされている。(民1015)
相続人に対し遺言執行の状況及び結果についての報告義務を負担(民1012条2項・1020)するところ、調製した相続財産目録を相続人(民990条により包括受遺者を含む)に交付すべきものとするのは、同報告義務の前提となるとともに、遺言執行につき重大な利害関係を有する相続人による監視を通じての公正な遺言執行の確保に資するためである。
③相続登記の申請
遺言執行者は、遺贈を原因とする権利の移転登記について共同申請人となり、遺贈目的物についての引渡し等の重要な職務を負う。
上記の理由より、遺言執行者の職務が存在するので選任しておいたほうが良いと思われる。
税務上の取扱い
包括遺贈による不動産の取得に対しては、不動産取得税は、課税されない。
特定遺贈
「A不動産を甲に,金1000万円を乙に遺贈する」といった内容の遺言により特定の財産を贈与するこ と。債務の免除もこれに当たります。
特定遺贈の場合は,積極財産のみを取得することとなりますので,相続対策常とても効果的な利用ができます。
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私が今まで保険金のご相談を受け付けさせていただいて最後まで実施ができなかったご提案がございます。
別れた妻を受取人にして保険に加入したいというご希望でした。
その当時は保険法が改正前でしたので、とりあえず親族を受取人にして加入し、保険が成立後に受取人の名義変更をしたらいかがですかというご提案をいたしました。
保険会社にも確認を取ってOK(断る理由・権限がない。)をいただいたのですが、加入されないままとなったようです。
保険法(平成22年4月)が変わりましたので、遺言で受取人の変更ができるようになりました。
①遺言で受取人が変更されているということが受取人にわかっていないといけない。
保険会社は保険契約上の受取人から請求があった場合、その者に支払ってしまうと、その後の支払義務を負いま せん。 ②遺言で受取人となっていることを保険会社に証明しなくてはならない。
手続に多少煩雑さを感じますが生命保険を財産として残すことへの問題はまったくありません。
他の財産と一緒に遺言をすると本人が知る機会がなくなってしまいます。
公正証書で生命保険のみを遺言の対象とした遺言書を作成して、その正本を保険金の受取人に交付しておけば、後日問題が起きることはないのかと思われます。
遺言はその方式が法定されておりますので、正しい遺言でないと効力がないことはいうを待ちません。
遺言文章中に・・・・「生命保険の請求権を遺贈する。」とは書かないでくださいね。
請求権は遺言の対象とななりませんので遺言書があっても受取人にはなりません。
遺言書に表示する文章にも注意が必要です。
正しくは・・・・・・
第○条 遺言者は、下記生命保険契約に基く生命保険金額の受取人を 氏名○○○○(生年月日生)に変更する。
生命保険契約の表示
生命保険会社 ○○生命保険
証券番号 第 号
契約日 平成 年 月 日
保険種類 ○○保険
保険金額 1億円
契約者 ○○ ○○
被保険者 ○○ ○○
これが正しい書き方です。
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遺言理由書(付言)
どういう経緯により遺言内容を決定したのか,その理由などはできる限り詳細に文書にしておくといいでしょう。
私は,公正証書の最後のページに「付言」という遺言者が伝えたい思いなどを書いた文章を付帯して遺言書としております。
遺言書が法的効果を持つのは,財産を処分する条項その他法定遺言条項のみですが,法定遺言条項の解釈に疑義が生じた場合には,遺言書と共に保管されていた遺言理由書や付言が遺言解釈の指針として威力を発揮します。遺言内容に不満がある相続人資格者も,遺言者が意図した気持ちを理解すれば納得し,紛争を解決できる可能性が高くなります。
遺言書の作成に関し相談を受けたり作成に関与する立場にある人は,遺言者がなぜそのような遺言をするかについてできる限り詳細に聴取し,その理由を確認し,メモとして残すようすべきです。付言として遺言書に記載しないのであれば,その理由やメモを記載した書類については,作成者が署名,押印をして確定日付を受けておくのがよいでしょう。
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