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			<title>怒苦打身日記（ドクダミ日記）</title>
			<description>個人が集まって社会を作っている。
だから社会のありかた、運営は個人の考えの集約によるべきだ。
しかし、そういう考えは胡散臭いとされるのが現実だ。
でも、それっておかしくないか。
規制の枠組みを変えることは許されないことなのか。
不便なこと、理不尽なことは変えようと声を上げよう。
一見、無愛想？（似顔絵は娘作。こういう風に見えているんですね）なおじさんですが
少しでもおっ？と思われた方、是非ご感想・コメント寄せていってください(◎o◎)!

総合社会政策研究所ＨＰ
http://www.sogoshakaiseisaku.com/

＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊喜多村悦史　著＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊
・浄化槽の法律物語/TAC出版2013年
・社会保障改革への処方箋/医薬経済社2013
・厚生年金保険法/日本評論社
・国民年金法/日本評論社
・血液の基礎知識/日本ウェルネス協会
・浄化槽行政の課題/生活排水社
・医療廃棄物　処理技術と今後の政策/社会保険研究所
・百年単位で考える社会保障/社会保険研究所
・国民保険構想の骨格13章/日本厚生協会
・社会保険再生への道/論創社
・老後革命/アース工房
＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊</description>
			<link>https://blogs.yahoo.co.jp/sogoshakaiseisaku</link>
			<language>ja</language>
			<copyright>Copyright (C) 2019 Yahoo Japan Corporation. All Rights Reserved.</copyright>
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			<title>怒苦打身日記（ドクダミ日記）</title>
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			<description>個人が集まって社会を作っている。
だから社会のありかた、運営は個人の考えの集約によるべきだ。
しかし、そういう考えは胡散臭いとされるのが現実だ。
でも、それっておかしくないか。
規制の枠組みを変えることは許されないことなのか。
不便なこと、理不尽なことは変えようと声を上げよう。
一見、無愛想？（似顔絵は娘作。こういう風に見えているんですね）なおじさんですが
少しでもおっ？と思われた方、是非ご感想・コメント寄せていってください(◎o◎)!

総合社会政策研究所ＨＰ
http://www.sogoshakaiseisaku.com/

＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊喜多村悦史　著＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊
・浄化槽の法律物語/TAC出版2013年
・社会保障改革への処方箋/医薬経済社2013
・厚生年金保険法/日本評論社
・国民年金法/日本評論社
・血液の基礎知識/日本ウェルネス協会
・浄化槽行政の課題/生活排水社
・医療廃棄物　処理技術と今後の政策/社会保険研究所
・百年単位で考える社会保障/社会保険研究所
・国民保険構想の骨格13章/日本厚生協会
・社会保険再生への道/論創社
・老後革命/アース工房
＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊</description>
			<link>https://blogs.yahoo.co.jp/sogoshakaiseisaku</link>
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		<item>
			<title>ジム・ロジャース氏に聞く</title>
			<description>&lt;div class=&#039;wiki&#039;&gt;2019年3月10日　日&lt;br /&gt;
&lt;/div&gt;&lt;br /&gt;
&lt;div class=&#039;wiki&#039;&gt;&lt;h1&gt;&lt;a name=&#039;section-1&#039;&gt;&lt;/a&gt;ジム・ロジャース氏に聞く&lt;/h1&gt;
&lt;/div&gt;&lt;br /&gt;
&lt;div class=&#039;wiki&#039;&gt;『週刊東洋経済2019.3.16日号』に思わず膝を打つ記事があった（104－105頁）。『お金の流れで読む日本と世界の未来』を書いたジム・ロジャース氏に聞くという記事。&lt;br /&gt;
　米国のイェール大学、英国のオックスフォード大学で歴史学を修めた後、投資家に転身してかのジョージ・ソロス氏と「クォンタムファンド」を設立し、10年間で4200％という驚異的なリターンを生んだ人だという。哲学的素養に加え、ナマの経済も分かっている傑物ということだろう。&lt;br /&gt;
　そのロジャースさんに山田雄一郎氏がインタビューしているのだが、回答が実に分かりやすい。&lt;br /&gt;
「もし私（ロジャース氏）が10歳の日本人ならただちにこの国（日本）を去る」と言う。理由は30年後には日本の財政は確実に破たんしているからだとする。日銀は紙幣を刷りまくって国債と株を買っているが、そうした金融緩和が永続するわけがない。アベノミクスは根本的な解決にならない。「30年後の日本は無法無秩序の犯罪社会になるから、国外脱出できない者はAK-47（カラシニコフ自動小銃）で自己防衛するしかない」。&lt;br /&gt;
財政再建するには「国債発行に頼らずに、現在の税収だけでプラスが出るところまであらゆる歳出を抑えるしかない。なにを抑えるのかを国民間でオープンに議論する」。ロジャース氏は公共事業費を挙げるが、ボクはバラマキに堕している社会福祉費用をバッサリ切るべきだと思う。&lt;br /&gt;
　脱出先としてロジャース氏は韓国、中国、コロンビア、ベトナムを挙げる。今後高成長が期待できるからだそうだ。このうち韓国だが、5年以内に南北朝鮮の統合が実現するとのご託宣。そうするとどういう国家になるのか。東西ドイツを隔てていたベルリンの壁が崩壊したのは1989年11月だが、その年の2月時点でも西ドイツで東西ドイツの融和に熱心だったブラント元首相が「自分が生きている間に統一はないだろう」と言っていたのであり、歴史的変化は凡人の予想を超えて生じるという。&lt;br /&gt;
　こうした大変革の中で、日本では日銀がインフレを起こそうと躍起の反面、政府は消費増税でデフレ推進をする。やっていることの意味が分からない。はっきりしているのはロジャース氏のご託宣のごとく、国家財政が日々破綻に近づいていることだ。日銀副総裁だった岩田規久男氏の『日銀日記』を読んだ。デフレ脱却に心身をすり減らしたことは分かったが、結局のところはどうだったのか。規制緩和は不徹底、族議員の跋扈は変わらず。国と自身の先行きに不安しかないのでは、結婚しようとか、子どもを作ろうという気持ちにならないのが当然だ。&lt;br /&gt;
&lt;/div&gt;</description>
			<link>https://blogs.yahoo.co.jp/sogoshakaiseisaku/48165142.html</link>
			<pubDate>Sun, 10 Mar 2019 18:32:48 +0900</pubDate>
			<category>政治学</category>
		</item>
		<item>
			<title>025 厄払い</title>
			<description>&lt;div class=&#039;wiki&#039;&gt;&lt;h1&gt;&lt;a name=&#039;section-1&#039;&gt;&lt;/a&gt;「菜々子の一刀両断！」ってわけには行かないか&lt;/h1&gt;
寺内香澄 （総合社会政策研究所）&lt;br /&gt;
&lt;h1&gt;&lt;a name=&#039;section-2&#039;&gt;&lt;/a&gt;025 厄払い&lt;/h1&gt;
&lt;/div&gt;&lt;br /&gt;
&lt;div class=&#039;wiki&#039;&gt;&lt;h1&gt;&lt;a name=&#039;section-3&#039;&gt;&lt;/a&gt;1.	“厄”に取り付かれる&lt;/h1&gt;
　立て続けに嫌なことに出会うことがある。親戚に不幸があり、それに駆けつけるべく車を走らせていたら追突事故に遭い、救急車で運ばれた病院で留守中のわが家に火災が起きて全焼したことを知らされたなんてニュースに出会うと、「早く神社に行ってお祓いしてもらえばいいのに」とつぶやいてしまう。&lt;br /&gt;
　今夜お見えのＡ先生は、ある研究所の副所長さん。仕事柄年間100日以上は海外出張、重なるときは金曜日にヨーロッパから帰国して、月曜日にはアメリカに向けて出発ということもあるという。「ヨーロッパから直接アメリカに渡れば、航空賃が一回分節約になるし、週末を観光に当てることができるでしょうに。なんとももったいないことだわ」と菜々子の率直な感想をぶつけてみたが、「この歳になると週に一度は女房の味噌汁を飲まないと体調に響くから」ですって。いつまでも仲がいいこと。&lt;br /&gt;
　この海外旅行通のＡ先生だが、このたびはとんでもない連続災難に遭ったのだという。その顛末を紹介しよう。&lt;br /&gt;
&lt;/div&gt;&lt;br /&gt;
&lt;div class=&#039;wiki&#039;&gt;&lt;h1&gt;&lt;a name=&#039;section-4&#039;&gt;&lt;/a&gt;2.	アフリカに出張&lt;/h1&gt;
　今回の出張先はアフリカ深南部のザンビア。「南アフリカ共和国のちょっと北方にある国でね」と説明されるが、あいにくアフリカと言えば“槍を持って飛び跳ねるマサイ族の男”とその後方を“悠然と歩き去る巨象”のイメージしか持ち合わせていなかった。「先生、ほんとうに出張だったの？　骨休めのサファリ観光だったのでは？」と軽く肩を叩くまねをしたのだが、「キミ、その認識は間違っているよ」と叱られた。&lt;br /&gt;
先生の説明によれば、アフリカの多くの国では、疫病が“猛威”を振るっているのだと言う。数字は忘れたが、国民の何人かに一人という高率でエイズに感染している。エイズ・ウィルスの感染力は弱いのだが、まわり中に“保菌者”がいれば、移される率だって高くなってしまうということだろう。ただ、エイズは発症率が低いという救いがある。インフルエンザのように移されたら症状が出るのが普通の病気（急性感染症）と違い、エイズのような病気（慢性感染症）では必ずしも症状は出ない。このため知らずに他人に感染させてしまうケースが多くなる。「性産業のお店に遊びに行くときにはコンドームを忘れてはいけません」。先生は声を高めたが、ほかのお客様が先生の高説を拝聴している様子は微塵もなかった。&lt;br /&gt;
　ところがもう一つこの地域で蔓延しているのが結核。日本では“過去の病気”という誤った認識になっていて、結核予防法を廃止して、結核をその他おおぜいの感染症の一つの扱いで感染症法に統合する方のようだが、その日本でも毎年3万人が結核に感染し、３千人が死亡している。世界的には“中蔓延国”とされ、胸を張れる状況ではないのだが、アフリカのこの地域での結核蔓延状況はその日本の何十倍。結核発病者が吐き出す息に含まれている菌を吸い込むと感染する。結核は至って感染力が強い。だが、エイズ同様、慢性感染症であり、感染してもその人が丈夫であるうちは結核菌の体内での増殖を押さえ込んでいる。だが、&lt;br /&gt;
この二つの病気が出会うとどうなるか。エイズ・ウィルスの感染者は免疫力が低下しているから、結核菌の増殖を抑えられず、見る見る症状が出てきて致命的なことになるのである。&lt;br /&gt;
　&lt;br /&gt;
&lt;h1&gt;&lt;a name=&#039;section-5&#039;&gt;&lt;/a&gt;3.	ショルダーバッグ置き引き被害&lt;/h1&gt;
　Ａ先生はそちら方面の専門家なのだが、その話はこの程度にして、旅行災害に戻ろう。日本からザンビアへの直行便はないそうで、Ａ先生、往路はパリ経由を選んだ。金曜日にパリに到着、翌週月曜日にザンビアに向かう計画。「週末は旧知の研究者に郊外ドライブに連れて行ってもらおうかな」ど、ルンルン気分でいたそうな。&lt;br /&gt;
　まずはホテルに向かうべしと、案内表示で場所を確認し、ふと見ると、スーツケースの上に乗せたはずのショルダーバッグがない。「置き引きにやられた」と気づいたときには遅い。&lt;br /&gt;
「中になにが入っていたの？」と聞けば、&lt;br /&gt;
「重要なもの全部」の返事。&lt;br /&gt;
　海外で盗難にあったときに最初にすべきことは、地元警察署への被害届けなのだという。その鉄則どおりの行動を取ることにしたが、そこから難行苦行が始まった。Ａ先生、国際通だから英語はお得意だが、フランス語はからきしダメ。相手してくれた警官は、英語の一片もしゃべらない。身振り手振りで小一時間かけて事態を説明し、被害証明書を出してもらうことができた。&lt;br /&gt;
やれやれとホテルに向かうが、フロント係が立ちはだかる。宿泊費は日本で支払済みなのだが、その証明書類はショルダーバッグとともに消えてしまっている。それを見せない限り部屋に入れないと言うのだそうだ。それはおかしいとＡ先生、猛然と抗議する。こういう場合、黙ってしまってはダメなそうで、相手が根負けするまで悪態をつき続けるのがコツだそうだ。ついにフロント係は、下げた両手を大きく広げて肩をすくめる降参のポーズを示すことになり、Ａ先生、ようやく部屋でシャワーを浴びることができた。&lt;br /&gt;
さて着替えしようと思ったところで、気がついた。スーツケースを開ける鍵もショルダーバッグの中なのだ。東京で買ったばかりの新品なのに、こうなってしまっては鍵を壊すしかない。安物なら力づくでも壊せるが、あいにくこれは奮発した高級品。フロントで道具を借り、奮闘すること1時間。&lt;br /&gt;
鍵なしのスーツケースを持ち歩くわけには行かない。アフリカに発つ前に買い換えなければと思案しているうちに、もっと重要問題に思い当たった。パスポートがなければ、出国もままならないではないか。そのためには日本大使館に出向く必要があるわけだが、すでに金曜日の夜半。週休二日だから、月曜日までは開いていない。外務省関係の縁故をたどり、とにかく月曜日の便に間に合うように再発行してもらう段取りをつけることに成功したのだが、そのために東京を含めてあちこちに電話することに週末の大部分の時間を取られ、ドライブ計画は大幅縮小で、ベルサイユ宮殿までチョコっと往復しただけ。お気の毒。&lt;br /&gt;
&lt;/div&gt;&lt;br /&gt;
&lt;div class=&#039;wiki&#039;&gt;&lt;h1&gt;&lt;a name=&#039;section-6&#039;&gt;&lt;/a&gt;4.	スーツケースも消える&lt;/h1&gt;
　Ａ先生、気を取り直してザンビアに降り立った。ところが、パリで買い換えたばかりのスーツケースが飛行機から出てこない。「行き先を間違えたらしいので、こちらに着き次第、ホテルに届ける」とのこと。海外旅行に縁がない菜々子にはピント来ないが、こういうことはけっこう多いそうだ。たいがい1日遅れで手元に戻るらしい。だが、その遅れが容易ならない被害をもたらす。&lt;br /&gt;
　Ａ先生、会議の冒頭で講演をすることになっていたから、十分に推敲し、読み上げればいいように英語で書き上げた原稿を用意していたが、それをスーツケースに入れていたのである。会議前日の夕方、世界中から集まった参加者たちが主催者の準備したディナーに舌鼓を打っている時間、一人Ａ先生はねじり鉢巻でパソコンのキーボードに向かって、黙々と講演原稿を書いていたのである。&lt;br /&gt;
「その間、先生着替えもしないでがんばったのね」&lt;br /&gt;
「そう。着替えはスーツケースの中だから。そして僕の場合は、それがずっと続きましたからね。ただ下着はホテルのブティックでブランドものを買いました」&lt;br /&gt;
　3日だったか、4日だったかの会議期間中、スーツケースは届かなかったのだという。しかし、地球の反対側まで行っていたというケースが遂にホテルに届けられるときが来たのだが、“感激的な”光景であったと皮肉っぽくＡ先生。日本に帰国する日が来て、ホテルをチェックアウト、空港行きのタクシーに乗り込もうとしたまさにそのとき、ホテルの従業員が駆け寄ってきて、「ドクターＡ、あなたの荷物が今届き、あなたに帯同されるのを待っておりますぞ」と告げたのだという。&lt;br /&gt;
「新品のスーツケースは鍵を壊し、買い換えたスーツケースは到着せずに役立たず。泣きっ面に蜂ってところね」&lt;br /&gt;
&lt;/div&gt;&lt;br /&gt;
&lt;div class=&#039;wiki&#039;&gt;&lt;h1&gt;&lt;a name=&#039;section-7&#039;&gt;&lt;/a&gt;5.	チケットがない&lt;/h1&gt;
「災難はまだ終わりではなかったのです」&lt;br /&gt;
　復路は香港まで飛び、そこで東京行きに乗り換えることになっていた。その香港の搭乗手続場所で係員が首を傾げている。&lt;br /&gt;
「あなたをこの便に乗せるわけには行かない。なぜなら、あなたは香港から東京行きのチケットを提示できていないからだ」&lt;br /&gt;
　海外旅行では旅程中の一連の航空チケットをホッチキス止めにしてあるのだが、係員が言うとおり最後の香港発東京行きの分が消えている。慎重なＡ先生は、東京でチケット受け取ったときには確認している。多分、ザンビアの空港で間違って切り取ってしまったのだろう。Ａ先生、口を尖らせて主張するのだが、融通が利かない相手だったという。&lt;br /&gt;
「『がんばるのはけっこうだが、キャンセル待ちの人も多いことをお忘れなく』といった調子でね。根負けしてチケットを買い直しましたよ」&lt;br /&gt;
　　　&lt;br /&gt;
&lt;h1&gt;&lt;a name=&#039;section-8&#039;&gt;&lt;/a&gt;6.	厄落とし&lt;/h1&gt;
　散々な目に遭って成田に帰り着いたＡ先生、東京行きの成田エクスプレスの改札で足が止まった。いつもと違って今回は奮発してグリーンの指定席を、出発前に取っていたのだが、その鉄道チケットはパリで置き引きされたショルダーバッグに入れていたのである。ポケットを裏返しにして探しても徒労。しかもどの便も満席のため、全便指定席の成田エクスプレスには乗れない。やむなく一度も用を果たさなかった大きなスーツケースを引っ張り、すし詰めの快速電車に乗り込んだのだそうだ。&lt;br /&gt;
さんざんな出張だったようだ。&lt;br /&gt;
「これはもう厄払いするしかないわね。早速明日にでも、富岡八幡宮におまいりしたほうがいいわよ。宮司さんに電話してあげようか」&lt;br /&gt;
「僕は敬虔なクリスチャンだよ。神社で厄落としだなんてとんでもない」&lt;br /&gt;
&lt;/div&gt;&lt;br /&gt;
&lt;div class=&#039;wiki&#039;&gt;(『時評』2006年1月号）&lt;br /&gt;
&lt;/div&gt;</description>
			<link>https://blogs.yahoo.co.jp/sogoshakaiseisaku/48154422.html</link>
			<pubDate>Tue, 26 Feb 2019 21:30:21 +0900</pubDate>
			<category>日々の出来事</category>
		</item>
		<item>
			<title>024　シックハウス</title>
			<description>&lt;div class=&#039;wiki&#039;&gt;&lt;h1&gt;&lt;a name=&#039;section-1&#039;&gt;&lt;/a&gt;「菜々子の一刀両断！」ってわけには行かないか&lt;/h1&gt;
寺内香澄 （総合社会保政策究所）&lt;br /&gt;
&lt;h1&gt;&lt;a name=&#039;section-2&#039;&gt;&lt;/a&gt;024　シックハウス&lt;/h1&gt;
&lt;/div&gt;&lt;br /&gt;
&lt;div class=&#039;wiki&#039;&gt;&lt;h1&gt;&lt;a name=&#039;section-3&#039;&gt;&lt;/a&gt;1.	シックハウスってなんだ？&lt;/h1&gt;
「Ｕさん、“シックハウス”ってなんのこと？」&lt;br /&gt;
“今さら聞けない○○”という記事が大新聞の日曜版に登場する時代である。雑多な情報が氾濫する中でも、身の回りに出回る言葉の意味についてはおおよその見当がつくようにしておかないと、菜々子の商売は成り立たない。&lt;br /&gt;
　今日の主客のＵさんは、上客のＳさんの招待。「彼はシックハウスの大運動家だからね」せっかちなＳさんは、予約の電話の際、要件を告げると一方的に電話を切った。で、「シックハウス」っていったいなに？「おしゃれでシックなレナウン娘が～♪♪♪」なんてコマーシャルが大昔流れていたが、その「シック」だと「感じがいい家作り」といったことになりそうだが、およそマイホームパパとは縁がなさそうなＳさんのセットだからなぁ。当日、うまい具合にＵさんが最初に一人で現われた。それで冒頭の質問をしたのである。&lt;br /&gt;
　市民運動家の代表と聞けば、どのような怖いおじさんだろうと思ってしまうが、目の前のＵさんは４０代前半のスリムな男性で、目元の涼しげなのが印象的。青年実業家といった風貌だが、本業は大阪府下での開業歯科医だと言う。&lt;br /&gt;
「患者も増え、経営も軌道に乗って来たので、自宅兼診療所を新築したのです。ところがその直後から体調がおかしくなりましてねぇ」&lt;br /&gt;
　鼻水は出るし、頭痛はするし、発疹の類も途切れない。自分だけではなく、妻や子どもにも症状が出る。皮膚科、内科、神経科…。方々の医者を訪ね歩いたが、どこに行っても「異常はありません」。症状を抑えることにばかり目が行っていた間は気づかなかったのです。でも、いつからこうなったのかと考えていて気づいたのです。新築のこの家に移ってきてからである。と言うことは、原因はこの家にあるのではないか。&lt;br /&gt;
　&lt;br /&gt;
&lt;h1&gt;&lt;a name=&#039;section-4&#039;&gt;&lt;/a&gt;2.	「シックハウス」の命名&lt;/h1&gt;
「家が病気の原因だったということ？」&lt;br /&gt;
「そのとおりです」&lt;br /&gt;
　Ｕさんの説明が続く。自分の推測が正しいのかどうか。海外の資料に当たっていると、「シックビルディング（sick  building  症候群）というのが見つかった。現代のビルディングは温度、湿度、風量調整の空調完備であるから、窓は閉めたままで快適である。ところがその室内で長期間働いている人に変調が見られるようになった。研究者たちが室内の空気環境を詳しく調査してみると、体によくないとされる特定の化学物質がかなりの濃度になっていることが分かった。ホルムアルデヒドその他である。締め切られた室内空間において、化学物質の濃度管理の重要性が認識されることになったわけである。世界保健機関（WHO）でも、化学物質ごとの許容濃度の指針を定めている。&lt;br /&gt;
　日本のシックハウスでの症状は、このシックビルディング症候群とそっくり。そこで和製英語で「シックハウス（sick house）」と自らが命名したのだと言う。Ｕさんは、ある大学の入試問題を取り出した。Ｕさんとシックハウスのいきさつを紹介した英字新聞のコラム全文を読ませた上で、一部の和訳などを求める英語問題である。&lt;br /&gt;
「僕も時の人なのですよ」。にっこりするとエクボがかわいい。&lt;br /&gt;
　&lt;br /&gt;
&lt;h1&gt;&lt;a name=&#039;section-5&#039;&gt;&lt;/a&gt;3.	個人の住宅が問題&lt;/h1&gt;
「よかったわね。じゃあ、Ｕさんの問題も解決したのね」&lt;br /&gt;
　しかしこれは菜々子の早とちり。専門家が結論を出しても、世の中がそのとおりになるとは限らない。&lt;br /&gt;
「アメリカでのシックビルディング症候群は日本ではあまり見られないのです」&lt;br /&gt;
　日本と韓国には、“ビル管理衛生法”という諸外国ではあまり例がない法律が制定されていて、ビルディングの管理者は継続的に衛生的維持管理をしなければならい。その実施を請け負うビルメンテナンスという業態が成立していて、ビル管理者が彼らに維持管理を委託することによってビルディング内で働く人の健康保持とともに、ビルディングの商業的資産価値の維持にもなっているのだと言う。&lt;br /&gt;
「欧米に比べて、日本では国民の健康や安全への配慮はおざなりと言われることが多いけれど、ビルディングの衛生的維持管理の点では、先見性があったと言えると思います。ところが！」ここで、Ｕさんは息を吸い込んだ。&lt;br /&gt;
「この法律の実施が大きなビルディングにとどまっているのです。近頃の大型高層マンションは、構造的にも事務所が入っているようなビルディングと変わりません。しかも住まいに長時間いる人は、お年寄りや子どもで、化学物質の作用にも抵抗力が弱いのです。戸建の家だって、この頃のようにエアコンを効かせて、窓を閉め切って暮らすようになれば、同じことが起きることは必然ではありませんか。どうして放置しているのでしょう。私たちは、お役所を訪ね歩いて、私たちが調査した新築住宅における化学物質の測定濃度の資料を渡して問題提起をしています。真剣に耳を傾け、中には関係省庁にも働きかけて、具体的な対策をまとめ、必要な予算措置を講じて地方自治体に機材も支給していただいた課長さんもいらっしゃいました。しかし、そうした人は少数であり、その方が異動してしまえば終わりです。後任の方への引継ぎはされているはずですが、面倒なことはよその部署に打っちゃって置けといった気持ちでいることが見えてしまうのです。こんなことでいいのでしょうか」&lt;br /&gt;
「ちょっと。怒る相手は私じゃないでしょう」&lt;br /&gt;
「これは失礼しました」いっとき激昂したＵさんだが、すぐに平静を取り戻した。&lt;br /&gt;
　　&lt;br /&gt;
&lt;h1&gt;&lt;a name=&#039;section-6&#039;&gt;&lt;/a&gt;4.	実効性の確保&lt;/h1&gt;
　出世主義のお役人が本気で取り組まないのはなぜか。シックハウスは右から左へとは解決しない。任期内に目に見える成果を上げて栄達への階段を上るには、手っ取り早いのは、なんでもいいから新規の法律を１本作ること。しかし、シックハウスの場合、法律にする事項であるのかどうかの点で躓いてしまう。&lt;br /&gt;
「だって、家という商品を売っているのです。『この家が１０年間建っているかどうかはあなたの運次第です』。こんなこと通りますか。家は頑丈であるのが当然です。同じく『この家に住んだら病気になるかも知れません』。これも通るはずがありません。つまり、『居住者と安全と健康を守るのが住まいの基礎条件である』という基本が破られているのです」&lt;br /&gt;
　ということは、対策としては、病気になる可能性がある家を売らせないにつきる。しかし、“欠陥住宅”なるものが横行している状況に鑑みた場合、シックハウスのおそれのある家を市場から締め出すのは容易ではないだろう。結果が無理なら、住宅を構成する部材についての認定制度を作ることで得点稼ぎをしようと考える。だけど部材ごとの化学物質含有量は少なくても、複合効果というのもあるから、その辺が難しい。Ｕさんの話は次第に回りくどくなり、「ああでもない、こうでもない」と、彼が指摘したお役人と大差なくなってきた。&lt;br /&gt;
　&lt;br /&gt;
&lt;h1&gt;&lt;a name=&#039;section-7&#039;&gt;&lt;/a&gt;5.	菜々子の浅知恵？！&lt;/h1&gt;
「家の購入は純粋な民間取引でしょう。商いの常道として、『住んだら病気になる家』を売るなんて許されない。債務不履行だわ。もし被害が生じたら、健康上の経済被害に加えて精神的な慰謝料まで取り立てる。そうした裁判例が積み重なればいいのよ。だから弁護士さんたちを督励することが、Ｕさんたちがまず取り組むことではないかしら。一方、家を購入する人たちに対しては、シックハウスが起きている状況を広く発信し、入居前に専門業者に室内空気を測定してもらうように働きかけることだと思うわ」&lt;br /&gt;
「でも、住宅購入者が測定費用を払うでしょうか。家の購入資金の工面で手一杯なのに。僕たちは住宅販売業者が測定するように、お役所や業界団体にも働きかけているのですが、これは反応があまり芳しくないのです」&lt;br /&gt;
　そんなこと人間心理を考えれば当たり前。業者は「法的規制がない限り義務はない」と言い、その裏で規制策が実施されないようロビー活動をする。だから百年河清を待つことになるのだ。被害を出せば、“莫大な損害賠償と社会的な袋叩き”に遭うことが明らかになって始めて、まともな住宅供給に走る。会社本位の日本のサラリーマンの普通の行動だ。&lt;br /&gt;
　指針値を守って化学物質濃度を防ぐのにかかる割り増し費用と、それを怠ることによって蒙るかもしれない将来の企業損失との比較考量である。企業維持の上での“保険”と考える経営者は、指針値を守ることを指示するし、それを営業上の利点にするために、入居前の測定を住宅購入者へのサービスとして、濃度測定をするに違いない。&lt;br /&gt;
「でも購入者の方が、『測定をしてもらわなくてもいいからその分住宅価格を下げてくれ』と言うような気がするのです。少なくとも今の段階では」&lt;br /&gt;
「ほんとうにそう思うの？　“家”っていったいなんなのかしら。私だったら、『ひょっとしたらシックハウス症候群が出るかもしれませんが、その分百万円お安いのがあります』と誘われても絶対乗らないわ」&lt;br /&gt;
　Ｕさん、大いに頷いた感じなので、もう一つ追いパンチを繰り出した。&lt;br /&gt;
「住宅のリフォームが盛んになっているけど、こちらの方の対策もしっかりお願いしますね。新築では家が建ってから、入居までに時間差があり、その間に有害化学物質の濃度が自然に下がることが期待できる。けれどリフォームでは、ホルムアルデヒドたっぷりの壁紙など使われて、翌日からその部屋で暮らすなんてこともあるのだから、新築以上に部材選択や工法に気を使ってもらう必要がある。リフォーム事業者にもＵさんたちのNPOに入ってもらって、しっかり勉強してもらうことが必要だと思うわ」&lt;br /&gt;
　うるさい女将だと思われ、ここは二度と使わないことにしようよと、UさんがＳさんに持ちかけないよう、ここでシックハウスを打ち切った。Ｓさんからの事前情報に依れば、“○○小町”との噂があるという国際線スチュワーデスというＵさんの美人の奥さんのことに話題を変えた。さらにご機嫌取りとして、とっておきの薩摩焼酎のロックを差し出した。Ｕさんは、たちまち相好を崩す。どんどん呑んでね、支払いはＳさんなのだから。遅れてなかなか来ないあなたが悪いのよ。&lt;br /&gt;
&lt;/div&gt;&lt;br /&gt;
&lt;div class=&#039;wiki&#039;&gt;（『時評』2005年12月号）&lt;br /&gt;
&lt;/div&gt;</description>
			<link>https://blogs.yahoo.co.jp/sogoshakaiseisaku/48152869.html</link>
			<pubDate>Mon, 25 Feb 2019 09:47:58 +0900</pubDate>
			<category>日々の出来事</category>
		</item>
		<item>
			<title>025　損して得取れ</title>
			<description>&lt;div class=&#039;wiki&#039;&gt;&lt;h1&gt;&lt;a name=&#039;section-1&#039;&gt;&lt;/a&gt;「菜々子の一刀両断！」ってわけには行かないか&lt;/h1&gt;
寺内香澄 （総合社会政策研究所）&lt;br /&gt;
&lt;h1&gt;&lt;a name=&#039;section-2&#039;&gt;&lt;/a&gt;025　損して得取れ&lt;/h1&gt;
&lt;/div&gt;&lt;br /&gt;
&lt;div class=&#039;wiki&#039;&gt;&lt;h1&gt;&lt;a name=&#039;section-3&#039;&gt;&lt;/a&gt;1.	地元になじむには&lt;/h1&gt;
　深川は由緒正しい（？）下町である。ちょっとした情報でもまたたくまに伝播する。客を甘く見るのは、商売人にとっては命取り。そうした教訓を得た話。&lt;br /&gt;
　深川の富岡八幡宮の夏祭りは江戸の三大祭りに数えられる（と思う）。3年の一度の本大祭となれば、50いくつの町内が自慢のおみこしを担いで練り歩き、永代通りは黒山の見物客で立錐の余地もなくなる。その最高潮がちょうど旧盆に重なるから、町内の家々には嫁に行った娘の家族も寄り集まり、それはもうにぎやかなものだという。&lt;br /&gt;
「夏祭りの日程は昔から同じ。曜日ではなくて日にちで決まっている。大事なお祭りなのだから、週末だからといってお店を休んじゃダメだよ」とまず、キツ～イ一発。町会によっては、この地で生まれ、地元の学校を出ていないとおみこしを担ぐ資格がない。そこで菜々子のような新住民には、商売をお休みする地元住民の代わり分を仕事に励めということらしい。&lt;br /&gt;
「だってお盆にはお墓参りに田舎に帰ることにしているのだもの」&lt;br /&gt;
「そういう心がけでは、まだおみこし担ぎはお預けだな」だって。グスン。&lt;br /&gt;
　&lt;br /&gt;
&lt;h1&gt;&lt;a name=&#039;section-4&#039;&gt;&lt;/a&gt;2.	床屋さんは情報の十字路&lt;/h1&gt;
　カウンターに座っているのは床屋のＩさん。親の代からこの商売。江戸の昔から、床屋さんは男の情報交換場所。イギリスのパブ、アラブのカフェに匹敵すると言っていい。それに家でする商売だから、時間の都合もつきやすいだろうということで、町内の世話役を任させることになりやすい。ところでIさんの理容店は、お宅とは別に構えている。距離にして二百メートルくらいだが、一応、職住分離。毎朝、奥さんといっしょに徒歩通勤なのである。「夫婦の仲がいいときは、いつもいっしょにいられてこれ以上の幸せはないってものだが、喧嘩でもしてごらん。客に気取られないように、足を蹴飛ばしあったりしてね。勢いあまってサンダルが飛んでいったときには、お客さんに『お前さんたち、脚気にでもなったのかい』って、心配されたりしてさんざんだ」&lt;br /&gt;
「まあ、ご馳走さま」としか答えようもない。とにかく二つの町内の世話役をなにかれとやっていると、それはまあいろいろなことがあるようだ。地元情報の提供源。一度に話したのはもったいない。今日はそのうちの一つだけ。　&lt;br /&gt;
&lt;/div&gt;&lt;br /&gt;
&lt;div class=&#039;wiki&#039;&gt;&lt;h1&gt;&lt;a name=&#039;section-5&#039;&gt;&lt;/a&gt;3.	祭りの打ち上げ&lt;/h1&gt;
　八幡さまのお祭りが終わると、どの町内でも世話人たちの反省会がある。お祭りの際には、町内で工夫を凝らし、バザーだとか、模擬店だとかを開く。経費を引いた上がりは町内の臨時収入。材料がたいがい持ち寄りや寄付だから、けっこう利益が出る。だから宴会の会費はない。タダ酒ときたら、江戸っ子は遠慮なし。「飲めや歌え」の大騒ぎになる。そうなるとだれかが、「二次会に行こうよ」と言い出す。昨年までは、Ｉさんの中学の同級生がやっていたカラオケスナックがあったのだが、娘が嫁に行って手伝えなくなったのを潮に、お店をやめてしまった。&lt;br /&gt;
　　&lt;br /&gt;
&lt;h1&gt;&lt;a name=&#039;section-6&#039;&gt;&lt;/a&gt;4.	新しいお店を開拓&lt;/h1&gt;
　二次会参加希望者を募ったところ１４人。それだけの人数を予約なしに入れられるところは、門前仲町といえでもそうそうはない。宴会部長兼務のＩさんが思いついたのが、同業者の集まりで聞いたお店。床屋につきものの回転灯の電源を、夜になって閉店後、隣のカラオケスナックに貸してやっている仲間がいる。その縁で従業員を連れてたまに息抜きするのだが、いつ行っても閑古鳥。あのお店いつまで持つかねえ。&lt;br /&gt;
　Ｉさんは、それを思い出したのだ。電話番号は分からないから、とにかく行ってみる。&lt;br /&gt;
「よかったよ。聞いたとおりでだれもいない」。Iさんは「一人３千円、時間制限なしの歌い放題」で話をつけた。町会から補填があるのかどうか会長への確認は後日のこととして、最初にとりあえず全員から徴収して支払い、「４万２千円也」の領収証を受け取った。&lt;br /&gt;
「カラオケの装置はよかったね。町会婦人部のおばちゃんたちもマイクを奪い合って、そのお店のマスター、これがプロ並みの歌い手で、マスクも甘いんだな、とデュエットしたりして、そりゃ楽しかったよ。うちの奥さんもいっしょだったが、『あなたチークダンスしましょう』。みんなに冷やかされたが、まんざらでもなかったな」&lt;br /&gt;
「このお店、また来よう」。そんなことを言い合いながら家路についた。&lt;br /&gt;
　&lt;br /&gt;
&lt;h1&gt;&lt;a name=&#039;section-7&#039;&gt;&lt;/a&gt;5.	町会“御用達”名簿に載る？&lt;/h1&gt;
「翌朝、起きて一番に町会長に電話したよ。『昨晩は、町会長さんがお帰りになった後、若い世話役の連中が飲み足りないと言い張りまして、実は二次会にまいりました。皆さんから会費を集めて支払いは済んでいるのですが、町会から援助があるものかどうか、一応会長さんのご意見をたまわろうと思いまして』。さすが太っ腹の会長さんだ。『Iさん、いったいいくらだい』とお尋ねになるから、『１４人分で４万２千円。領収証もあります』と答えると、『よござんすよ、あなたに立て替えてもらった分、用意しておくから取りにおいで』」&lt;br /&gt;
　町会長さんは、みんながそんなに気に入ったのなら、町会だけではなく、今後は自分の会社を含めて個人的にもそのスナックをひいきにしようではないかとも言ったらしい。会長さんはちょっとした商社を経営しているのだ。Iさんの同級生がやっていたお店が廃業して以来、近所に行きつけのお店がないのを不便に感じている人は少なくなかったのだろう。&lt;br /&gt;
　善は急げ。相手の気持ちが変わらないうちにもらいに行き、参加者に返してあげると自分の株が上がるだろう。Iさんが朝ごはんをかきこんでいると、玄関チャイムが鳴った。&lt;br /&gt;
&lt;/div&gt;&lt;br /&gt;
&lt;div class=&#039;wiki&#039;&gt;&lt;h1&gt;&lt;a name=&#039;section-8&#039;&gt;&lt;/a&gt;6.	不足額請求に現れる&lt;/h1&gt;
　出てみると、昨晩のカラオケスナックのママさんではないか。「今後もごひいきに」というご挨拶とはごていねいなとも思ったが、それもつかの間だった。&lt;br /&gt;
「そのママ、なにを言いに来たと思う？」&lt;br /&gt;
「？？？」&lt;br /&gt;
「４万２千円のはずだったのに、３万７千円しか受け取っていない。不足の５千円を払ってくれと言うんだな」&lt;br /&gt;
　そのママに拠れば、財布の中に仕切りを入れ、支払いはこっち、売り上げはこっちとはっきり分けている。昨晩はIさんたちしか客がなかったから、受け取った売り上げが３万７千円しかないのは明白である。内訳は、１万円札が３枚、５千円札が１枚、千円札が２枚。受け取るときにＩさんが「４万円と２千円」と言ったから、１万円札４枚と千円札２枚とばかり思っていた。多分、お客のだれかが１万円札のつもりで５千円札を出し、それをＩさんも確認しないでママに出した。ママもしっかり確認しなかった。お店の中は暗かったし、１万円札と言われれば、そう信じてしまう。申し訳ないが、不足の５千円を追加支払いしてくれないか。そういう要件だったという。&lt;br /&gt;
「それでＩさん、支払ってあげたの？」&lt;br /&gt;
「そこのところだ。俺としては『冗談ではない』と思ったよ。仮にも商売人だ。いったん受け取って領収証まで切っておきながら、『あれは間違っていました』なんてこと、口が裂けても言えるものではない。例えば、うちの床屋でも釣り銭を間違えることがある。少なく渡してしまったときは百メートル先でも追いかける。しかし、多く渡したときはお客さんが気づけばいいが、そうでなきゃ騒いではいけない。お客様がお店の外に出てしまった後ではなおさらだ。仮に、お店の外で言い争いでもした日には、またたくまに町内中に噂が流れる」&lt;br /&gt;
「でも、勢い込んで家までやってきたママさん、おとなしく引き下がったの？」&lt;br /&gt;
「いいや。自分の方の間違いはない。『受け取りに不足がある以上、もらうまでは帰りません』の一点張りだ。一次会で相当飲んでいたし、言われてみればこちらのだれかがお札を間違えて可能性はある。それに言い争うのも不愉快だ。俺の財布から５千円抜き出して渡したよ」&lt;br /&gt;
&lt;/div&gt;&lt;br /&gt;
&lt;div class=&#039;wiki&#039;&gt;&lt;h1&gt;&lt;a name=&#039;section-9&#039;&gt;&lt;/a&gt;7.	損して得取れ&lt;/h1&gt;
「災難だったわね」&lt;br /&gt;
「その女が帰った後、町会長にもう一度電話した。いきさつを説明したところ、『お前さん、その５千円どうする？』って聞くから、『仕方ありませんよ。これは俺がかぶります』。だって、ほかのメンバーにそんなこと言えるかい。１４人のうちだれかが、お札を間違えた。つまり『ハイ、１万円』と言って５千円札を差し出し、お釣りとして７千円を受け取った。そんなことをする人間が深川にいると思うだけでさびしいじゃないか。そんな思い、町会のだれもしたくないだろう」&lt;br /&gt;
「ふ～ん。町会長さんとはそれだけ？」&lt;br /&gt;
「いいや。『その領収証を持っておいで。自分がそれに、お店の過誤請求により５千円追加、都合４万７千円の支払い也と注釈をつけて会計さんに回すから。お前さんには、ご苦労だが、参加した皆さんに３千円ずつ返して回ってほしい。お前さんはもちろん立て替え分の５千円も受け取ってもらうよ。それと、そのカラオケスナックだが、わが町内の催しではいかなる理由があっても使わないことにしよう』という裁定だった」&lt;br /&gt;
「そのママさん、五千円はもらえたけれど、お店の将来にとっては大損失になったわね」&lt;br /&gt;
　商いは信用が一番。当座のことより、長期的なことを考えることが重要。「損して得取れ」と言われるが、昔の人は本質を見抜いている。&lt;br /&gt;
「ところでね、町会長さんからご下問があってね。『お前さん、今回のようなことがないよう、町会の二次会で使えるお店を探しておくように』と言うのだが、どこかいいところを知らないかい？」&lt;br /&gt;
「二次会ってカラオケでなきゃダメなの？　久寿乃葉を貸し切りにして、時間制限なしに語り合うと言うのはどう？」　　&lt;br /&gt;
&lt;/div&gt;&lt;br /&gt;
&lt;div class=&#039;wiki&#039;&gt;（『時評』2005年11月号）&lt;br /&gt;
&lt;/div&gt;</description>
			<link>https://blogs.yahoo.co.jp/sogoshakaiseisaku/48152863.html</link>
			<pubDate>Mon, 25 Feb 2019 09:40:07 +0900</pubDate>
			<category>日々の出来事</category>
		</item>
		<item>
			<title>021　6年おきの同窓会</title>
			<description>&lt;div class=&#039;wiki&#039;&gt;&lt;h1&gt;&lt;a name=&#039;section-1&#039;&gt;&lt;/a&gt;「菜々子の一刀両断！」ってわけには行かないか&lt;/h1&gt;
寺内香澄 （総合社会政策研究所）&lt;br /&gt;
&lt;h1&gt;&lt;a name=&#039;section-2&#039;&gt;&lt;/a&gt;021　6年おきの同窓会&lt;/h1&gt;
&lt;/div&gt;&lt;br /&gt;
&lt;div class=&#039;wiki&#039;&gt;&lt;h1&gt;&lt;a name=&#039;section-3&#039;&gt;&lt;/a&gt;1.	学生仲間の会合&lt;/h1&gt;
　今日のお座敷は５０代半ばの男性六人。T大と並び称せられることもある古都の国立大学で同じクラブに所属していた同学年生だという。大学時代の仲間ということは、卒業してからすでに３分の１世紀は過ぎている。その年月を経ても会って話したいというのだから、学校時代の結ぶ付きというのは濃いものらしい。それぞれが悩みを吐露するのに対し、ほかが共鳴し、アドバイスをする。大学は、生涯を通じる仲間を得る場所であるというのはほんとうなのだなと思う。&lt;br /&gt;
　カウンターのお客様は早々に引き上げ、手持ち無沙汰なのでお酌をサービスに努めていたら、「ママも座りなさい」と声がかかった。以下は、そこで耳にした内容に、菜々子の推量を加えたものである。「個人情報保護」がうるさい時節であるから、「みなさんのお話を匿名で小説にしちゃうかもしれないわよ」と断っておいた。&lt;br /&gt;
&lt;/div&gt;&lt;br /&gt;
&lt;div class=&#039;wiki&#039;&gt;&lt;h1&gt;&lt;a name=&#039;section-4&#039;&gt;&lt;/a&gt;2.	将来設計が狂う&lt;/h1&gt;
　５０代は本気で老後準備をしなければならない年代だ。公的年金だけでは、当然のことながら生計費のすべてには到底及ばない。必要額の半分にもなれば御の字、そのほかに核となる収入減を一つや二つ持っていなければならないと考えたと、Ｍ平さん。数年前、奥様にまとまった遺産が舞い込んできた。研究一筋で資産形成にはまったく関心がなかった夫に代わり、奥様が趣味の陶器の知識を生かしたお店を開店し、「あなた、私に任せておけば老後は安泰だからね」。&lt;br /&gt;
「これは嬉しかったね。僕はしがない地方大学の教授。実験の仕方と研究論文の書き方を知っているが、そのほかの知識といったらお酒の銘柄くらいだから…」&lt;br /&gt;
　しかし、いかんせん素人商法。品物はけっこう売れるのだが、手元にお金が残らない。社長である奥さんの人件費を計算していなかったなんて、後で気づいたこと。その時点では納品された商品の支払い資金にもこと欠いて、会社はあえなく倒産。Ｍ平さんの将来の退職金を担保にお金を借りて清算したという。&lt;br /&gt;
　そういうＭ平さんだが、息子さんのことに話題が及ぶと顔を崩した。&lt;br /&gt;
「いやあ、長年の苦労が実って司法試験に受かってねえ。修習を終え、しばらく東京の大手事務所で就業したら、北陸のこの町で開業させるつもりだ。弁護士事務所はどのくらいの費用がかかるのか、まだ研究していないが、僕の定年までの大学からの報酬を貯めていけば、なんとか格好がつく事務所はできるだろう」&lt;br /&gt;
「いいお父さまだこと、息子さんがうらやましいわ、オホホ」と愛想笑いができないのが、菜々子の性分であり、久寿乃葉が大繁盛に至らないところだと、頭では分かっているのだが…。&lt;br /&gt;
「あのね、Ｍ平さん、息子さんは当然とは思うけれど、二十歳を過ぎた立派な成人よね。だったら、自分の事務所の開設費用は自身で銀行からでも借金して準備させなきゃ。それに何年も司法試験で浪人されたみたいだけど、その間の生活費や勉学費も、ひょっとしてＭ平さんが出してあげたのではないの。それは間違い、過保護すぎるし、お子さんのためにもならない。奥様が事業に手を出したのも、あなたの考えに同調して、お子さんの弁護士のへの夢を、親がかりでかなえてあげようと無理したからではないかしら」&lt;br /&gt;
　&lt;br /&gt;
&lt;h1&gt;&lt;a name=&#039;section-5&#039;&gt;&lt;/a&gt;3.	家が重荷になった&lt;/h1&gt;
　次はＩ田さん。文科系の学部を出て最大手電機メーカーに就職。本社の管理中枢部に居座り続けて、いずれは重役、社長と衆目の一致するところだったというのが、会話の中で読み取れた。だが、近時は“逆風満帆”なのだという。「首を括りたい」と思いつめることもあるという。「いつも強気のお前がなぜ」と、仲間たちは心配げに問いただす。&lt;br /&gt;
「出世競争に負けてしまった。来年は子会社に出されるだろう。収入は間違いなく、数年間で半減の見込み」&lt;br /&gt;
　だが、まったく同情を引かなかった。会社内での出世なんて、どのみち上層部への売り込みの上手下手にかかわっているのだし、お前のように裏工作なしの正面勝負だけでは、曲のある奴に早晩足元をさらわれるのではないかと、皆心配していた。それが現実になっただけではないかというのが、大方の意見。「だったら、前もって忠告してくれればいいではないか」「三度は教えてやったはずだ。なのに『俺はそんな甘ちゃんではない』と聞く耳を持たなかったのはだれだ」といったやり取りがあり、社長に上り詰める人と部長で終わる人とは、収入面では大違いだが、人格面ではどうとも言えないのであるという真理をしぶしぶ受け入れた。&lt;br /&gt;
「収入減にも関係するのだが、十年ちょっと前に建てた家の価値が下落してなあ」&lt;br /&gt;
　なんでも今後の出世と収入増を当て込み、一億五千万円で豪邸（当人はそうは言わなかったけれど、菜々子の感覚ではこうとしか表現のしようがない）を住宅ローンで建てた。当面、利息分だけ支払っていく契約であったから、元本はほとんど減っていない。しかるに家の財産価値が三分の１に下がってしまった。売り払っても、その代価ではローンを完済できない状況になったのだ。&lt;br /&gt;
「お前らだって、首を括りたくなるだろう。俺が死ねば生命保険でローンは完済されるから、女房に家だけは残してやれる」&lt;br /&gt;
「そんな家もらって奥さん喜ぶものか」と、これも同感する者なし。聞けば、奥方は学生時代の合ハイ相手とかで、その気性をよく知っているようだ。一人が携帯電話を片手に立ち上がり、数分後に戻ってきた。&lt;br /&gt;
「奥さん、こう言っていたぞ。『家を処分して、お前の家に入る。ローンの不足分は、奥さんの親はすでに老人ホームに入っているので、その家を売り払い、退職金も担保に入れて、返済してしまう。そうすれば借金は消えるはずだ。家を買った時期が悪かったと考えてあきらめるのが一番だと夫には言っているのですよ。皆さんからも説教してやってください』だと。いい女房といい実家を持って、お前はまだ運がいいほうだと思え」&lt;br /&gt;
　&lt;br /&gt;
&lt;h1&gt;&lt;a name=&#039;section-6&#039;&gt;&lt;/a&gt;4.	息子のマネジャーにでも&lt;/h1&gt;
　会社のラインからはずれるといえば、Ｍ見さんも同様。メーカーというのは、この５０代半ばが線引きの時期らしい。&lt;br /&gt;
「息子を親と同じ大学に入れたのはいいが、一向に就職しようとしない。ニートにでもなってもらったのでは困ると悩んでいたのが２年前まで。理科系の親とどこで違ったのか、応募した○○文学賞に入選した。それから環境が一変だ。売れっ子の作家とまではいかないが、ずいぶんと印税が入るようで、親の方も余禄というか、車は新しくなるし、家の大修繕も終えたし。いまや息子様々だ」&lt;br /&gt;
　稼いだお金を親のために使うなんていまどき珍しい孝行息子である。&lt;br /&gt;
「そこで考えた。子会社にどうかという話が持ち込まれるだろうが、気が進まない条件だったら、それを断り、息子のマネジャーでもしようかなと。女子のプロゴルフでも、父親がキャディをしている選手がいるだろう。俺が出資してプロダクション会社を作り、息子の印税をそこに入るようにして節税する。社長である俺は、息子の講演の日程管理などもするわけだ」&lt;br /&gt;
　まあ、いい案ではあると思うが、それも息子さんが結婚するまでのこと。必ず、お嫁さんに社長の座を奪われると思うな。だが、夢を壊すのは忍びないからだまっていた。&lt;br /&gt;
&lt;/div&gt;&lt;br /&gt;
&lt;div class=&#039;wiki&#039;&gt;&lt;h1&gt;&lt;a name=&#039;section-7&#039;&gt;&lt;/a&gt;5.	田舎に帰るか&lt;/h1&gt;
　次は、母校に残って教授をしているＭ野さん。菜々子など有名大学の教授先生なら、「娘を嫁にやる、どころか、自分でお嫁に行きたい」と思うが、世間では必ずしもそうではないらしい。テレビのバラエティショーに引っ張りだこにでもなっていないのでは、中学、高校の教師と大差ない評価だという。&lt;br /&gt;
「俺なんか、年俸１千○百万円だぜ（個人情報保護のため正確な数値を略すが、１千万円台の下の方であった）。しかも定年になればおしまい。私立大学から誘いがあっても、収入はがくんと下がる。いっそ、北陸の田舎町に夫婦で戻り、農業でもしようかなと思う」&lt;br /&gt;
　若者を導く大学の先生がこの調子では、日本人が活力を取り戻すのは当分先だわ、とこれは菜々子の独り言。&lt;br /&gt;
&lt;/div&gt;&lt;br /&gt;
&lt;div class=&#039;wiki&#039;&gt;&lt;h1&gt;&lt;a name=&#039;section-8&#039;&gt;&lt;/a&gt;6.	親の介護&lt;/h1&gt;
　親の電気工事店を継ぐために郷里に戻ったＨ田さん。&lt;br /&gt;
「最初はよかったぜ。親父と俺とで職人を指揮して仕事をする。女房が経理を担当して、家事はお袋が切り回す。だがなあ、親父に痴呆が出て施設に入所、お袋は骨粗しょう症で身動きもままならない。女房は見舞いや介護でてんてこ舞い。俺一人で営業、工事の指揮、経理、それに加えて家事だろう。Ｉ田とは別の意味で首を括りたいよ」&lt;br /&gt;
　子どもに手伝わせたらという声に対しては、「危険を察知して、里帰りもしない。俺が死んで、遺産分けのときには返ってくるかもしれないな」と、ずいぶん投げやりな言い方だが、Ｈ田さんの顔には、これが現代日本だというあきらめの境地もうかがえた。&lt;br /&gt;
&lt;/div&gt;&lt;br /&gt;
&lt;div class=&#039;wiki&#039;&gt;&lt;h1&gt;&lt;a name=&#039;section-9&#039;&gt;&lt;/a&gt;7.	人生楽あり、苦あり&lt;/h1&gt;
　最後は学生時代に部長だったというＡ本さん。保険会社から系列の物流子会社に出向だが、ずいぶんと前向きの性格のようだ。&lt;br /&gt;
「暇なのをいいことに異業種交流の会に顔を出していたら、世の中、ちょっとしたビジネスのヒントがごろごろ落ちていることに気がついた。それを現実化する作業はおもしろいぞ。自社だけではリスクが大きいから、ベンチャー資本を巻き込む。先月も新宿の高層ビル内でテナントの業務をサポートする別会社を立ち上げた。個人でも多少出資してあるから、上場にでもなったら一財産できる」&lt;br /&gt;
　再就職なのだから無理しなくてもという声も上がったが、Ａ本さんはいたって軒昂。&lt;br /&gt;
「新規事業に取り組んでいると、頭を使うからボケがこない。走り回るから健康にもいい。時間はいくらあっても足りないから、飲みに行かない。心・体・財のどの面をとっても、わが人生で今が最良だね」&lt;br /&gt;
　今の境遇を楽しむも、悔いるも、その人の考え方次第。六人のこれからが楽しみだ。次の同窓会は2011年の○月○日にしようと約束していたが、六年ごとでは平均余命に照らせば、あと３回しか開けない計算だが、この人たち分かっているのだろうか。&lt;br /&gt;
&lt;/div&gt;&lt;br /&gt;
&lt;div class=&#039;wiki&#039;&gt;（『時評』2005年9月号）&lt;br /&gt;
&lt;/div&gt;</description>
			<link>https://blogs.yahoo.co.jp/sogoshakaiseisaku/48152857.html</link>
			<pubDate>Mon, 25 Feb 2019 09:31:02 +0900</pubDate>
			<category>日々の出来事</category>
		</item>
		<item>
			<title>020　年金担保融資</title>
			<description>&lt;div class=&#039;wiki&#039;&gt;&lt;h1&gt;&lt;a name=&#039;section-1&#039;&gt;&lt;/a&gt;「菜々子の一刀両断！」ってわけには行かないか&lt;/h1&gt;
寺内香澄 （総合社会政策研究所）&lt;br /&gt;
&lt;h1&gt;&lt;a name=&#039;section-2&#039;&gt;&lt;/a&gt;020　年金担保融資&lt;/h1&gt;
&lt;/div&gt;&lt;br /&gt;
&lt;div class=&#039;wiki&#039;&gt;&lt;h1&gt;&lt;a name=&#039;section-3&#039;&gt;&lt;/a&gt;1.	客あり、遠方より来る&lt;/h1&gt;
久寿乃葉は社用族にはトンと縁がない。たまに黒塗りの社用車に送られて来られる大企業の重役さんもいらっしゃるが、用向きは大学の同窓会だったりするから、支払いは各自持ち。したがってお店の勘定がどのくらいか分かっているから、会社を引いて自適の身になってからもふらりと現れてくださる。&lt;br /&gt;
まだ5時前だが、カウンターに二人連れのお客様。&lt;br /&gt;
「時候もよくなってきたので、久しぶりに富岡八幡宮にお参りしようと思っているのだが、その帰りに懐かしい同級生を誘い出していっぱいやろうと思うので、お店を早めに開けてくれないか」Ａさんからの留守電が入っていたのが1週間前のこと。10年近く顔を見ない。会社を引退されたときに、仲間内での送別会がここで行われて以来のことではないかしら。帳面を点検したが、果たしてそうだった。&lt;br /&gt;
　久しぶりのＡさん、髪こそシルバーグレーになっていたが、精悍な顔は以前と変わらない。その髪の毛も、若いときから白髪気味で、染めていたのだという。外見を気にしなくてよくなってから自然に戻したのだそうだ。5歳程度年齢をごまかしても十二分に通りそう。能力もやる気もある人材を引退に追い込んでおきながら、「少子高齢化で人材不足が心配だ」なんて、この国の指導者たちはいったいなにを考えているのでしょうね。&lt;br /&gt;
　これに対し同行のＢさんは少々疲れ気味に見える。しばらく前に出身大学の同窓会で会い、近々ゆっくり話そうとなったのだという。お住まいはこの近所だし、Ａさんも土地勘があることから、久寿乃葉を思い出していただいたということだ。「客あり、遠方より来たる。また嬉しからずや」。これを縁に地元の高齢者のお客様が増えるかも知れない。奮発してサービスしなくては。&lt;br /&gt;
&lt;/div&gt;&lt;br /&gt;
&lt;div class=&#039;wiki&#039;&gt;&lt;h1&gt;&lt;a name=&#039;section-4&#039;&gt;&lt;/a&gt;2.	生活の糧を根こそぎ&lt;/h1&gt;
　Ｂさんも同じく仕事を引退しているのだが、奥様に少々認識障害の気が見えるという。娘さんの結婚準備資金として箪笥に置いていたはずのお金がかなり足りなくなっている。最初は自分がなにか勘違いしているのかと思ったのが、思い当たるふしがない。ふと飾り棚を見ると、見かけない壷が置いてある。これどうしたのと女房に尋ねたら、ありがたいお坊様がお奨めになっているので譲ってもらったという。その金額を聞いてたまげてしまった。金銭管理には人一倍うるさかった女房が、ありふれた壷にそのような大金を支払うなんて。それから気になって点検してみたら、押入れの中などから買った覚えがない品物が出てくる。一方、定期預金のいくつかが解約されてなくなっている。問いただすと、いくつかは覚えているが、他は記憶がないという。ひょっとしてアルツハイマーにかかっているのではなかろうか。Ｂさんはそのようなこといい、今は自分が金銭管理をしているからいいのだが、自分になにかがあった後の女房が心配だという。夫婦は二世というけれど、いっしょに死ぬわけには行かない。残される奥様のことを考え、Ｂさんは夜も寝られないのかもしれない。&lt;br /&gt;
　昔と違って、今の高齢者は息子、娘と同居していない。悪徳商品を売りつけようとする連中からすれば、高齢者は格好の獲物に見えるに違いない。第一に昼間家にいてくれるから、接触しやすい。第二に定期の年金収入があるなど、騙し取るお金がある。第三に少々判断力が落ちている契約に持ち込む期待を持てる。第四にだまされたと気づいても、文句を言わずにあきらめてくれやすい。&lt;br /&gt;
　新手の悪徳商法を考える輩は後を絶たないようで、先日逮捕された貸付業者の例をＡさんが紹介した。年金は一身専属性であり、他人が換わりに受け取ることはできない。その人への給付なのだから当然といえば当然なのだが、法の網をかいくぐって本来の受給者の年金を横取りしようと企む者がいるのである。&lt;br /&gt;
　簡単な手口では、親が死んだのにその届けをしないで、振り込まれ続ける年金を息子が引き出すというものだ。たまに発覚し、逮捕される者が出る。しかしＡさんが説明したのは複雑で組織的なものだった。高齢者に「簡単にお金を用立てます」というダイレクトメールを出し、被害者候補を誘い出す。求められた10万円を貸し出す代償に、高齢者のキャッシュカードを受け取る。同時に、年金受給権を担保に低利での金銭貸付を認められている国民生活金融公庫から100万円を借り出させ、業者がそっくり受け取る。公庫への返済が終わるまで、年金は直接公庫に送金される。その結果、高齢者は10万円借りたために、100万円の年金を失うことになる。早い話、10倍、1000％の金利ということである。&lt;br /&gt;
&lt;/div&gt;&lt;br /&gt;
&lt;div class=&#039;wiki&#039;&gt;&lt;h1&gt;&lt;a name=&#039;section-5&#039;&gt;&lt;/a&gt;3.	どうして借りるの&lt;/h1&gt;
複雑な仕組みだが、分解してみると簡単だ。高齢者はだまされているのである。このような高額の金利貸付は違法であり、民法上の公序良俗違反の契約として無効になる。すなわち借り手はそのような高い金利を払う義務を認めないといって、自分が交わした契約内容の履行を拒否できるのである。とは言うものの、一般市民が業者相手にそのような強い態度に出ることは難しい。いわんや体力、知力が衰え、日頃引け目を感じている高齢者に、独力でその権利を行使しろといっても無理な相談というものだ。今でも大企業の重役さんの名刺を持たせればそのまま通用しそうなＡさんですらこう言うのだから、一般高齢者ではとてもこわくてできないだろう。菜々子だって、威圧的に返済を迫る悪徳業者に対して、「あなた方の要求には応じないわよ」なんて言葉は、体が震えて言えそうにもない。&lt;br /&gt;
「うちの女房なら引っかかるかもしれないが、判断力がある普通の高齢者は、そもそもそのような危ないお金に手を出さないのではないか」とＢさんが問う。Ａさんが答える。&lt;br /&gt;
「危ないと分かっていたら近づかない。だけど、お孫さんが有名小学校に受かってプレゼントしてあげたい。あるいは病院への支払いが少し不足した。そうした場合にいちいち定期預金を解約するのは面倒だし、せっかくの定期預金の利子を損するでしょう」なんて説得されたら、応じてしまうものらしいよ」&lt;br /&gt;
「親戚や友達との間では、少々のお金の貸し借りは無利子が当然。業者が親切だと、それと同じだと思い込むのかもしれないわね」。これは菜々子の割り込み。&lt;br /&gt;
「自分で事業をやったことのないサラリーマンOBやその女房族では、そもそも金利の恐ろしさをしらないもの」と、Ｂさんが続ける。&lt;br /&gt;
「複雑な仕掛けをされているから、自分の年金が振り込まれてこなくなっても、すぐにはだまされたと気づかない。契約した自分にも落ち度があるかもしれないなどと考え込んでいるうちに、国民生活金融公庫への返済が終わって、年金振込みが再開される。それで被害のことを忘れてしまう者が多いかもしれない。被害者が黙っていてくれることほど、悪い連中に都合がいいことはない。この悪徳業者の余罪はまだまだあると思う」&lt;br /&gt;
　Ａさんが締めくくってこの話は終わりそうになったのだが、この種の悪徳商法に引っかかる高齢者が多いのであれば、本質的な解決策を考える必要があるのではないかしら。&lt;br /&gt;
&lt;/div&gt;&lt;br /&gt;
&lt;div class=&#039;wiki&#039;&gt;&lt;h1&gt;&lt;a name=&#039;section-6&#039;&gt;&lt;/a&gt;4.	年金の現物給付&lt;/h1&gt;
「ママにはアイデアがあるのかい」Ａさんが悪戯っぽく笑う。&lt;br /&gt;
「そうねえ。その悪徳業者のターゲットは定期に口座に振り込まれてくる年金の存在でしょう。だったら、あらかじめ使途が決まっている受給者に対しては、お金ではなく、そのモノやサービスの利用引換券を郵送したらどうなの？　その種の金券類では、騙し取っても換金に手間がかかるから、悪徳業者にとって魅力のない高齢者ということになる。つまり敵の毒牙から逃れることができるわ」&lt;br /&gt;
「具体的にはどうするの？」Ｂさんは興味を持ったようだ。&lt;br /&gt;
「僕と女房は年に一度は長期旅行をするのが昔からの生きがいだった。その旅行クーポンをお金の代わりに年金として受け取るということかい？」&lt;br /&gt;
　まさにピンポーンである。Ｂさんの場合、旅行会社に申し込み、日程、料金が確定したところで、その契約書の写しを社会保険庁に申告する。社会保険庁はＢさんの年金額から、それを差し引くと同時に、旅行会社に振り込むのである。同じことはあらゆる分野で通用する。温泉回数券、商店街の商品券、なんでもありである。多数の高齢者からの要望の処理に手間がかかるから、5％程度の手数料を申し受けることになるだろうが、金券類を売る事業者にしてみれば、モノやサービス提供より前に代金を受け取れるのであるから5％程度の値引きをしても損しない。その結果、高齢者が余分な経費を持たなければならないことにもならないだろう。&lt;br /&gt;
　もちろん給与が高い公務員である社会保険庁のお役人にこの種の事務をやらせることは考えない。民間の企業を募ればいい。モノやサービスの金券類での給付をするための事務処理費用を、公務員であれば5％相当額かかるところを4％に節減することにより1％浮かせる。一方、購入先である事業者からは5％ではなく、6％の割引を獲得することにより1％残すことができる。合計して2％の利益を生む新産業が生まれることになるのである。参入したい企業はいくらでもありそうな気がする。&lt;br /&gt;
&lt;/div&gt;&lt;br /&gt;
&lt;div class=&#039;wiki&#039;&gt;&lt;h1&gt;&lt;a name=&#039;section-7&#039;&gt;&lt;/a&gt;5.	保険料納付にも応用&lt;/h1&gt;
「なかなかおもしろい着眼だね。資金提供者を募って、会社を設立しようか」Ａさん乗り気になっている。でも菜々子はその点、冷静であった。&lt;br /&gt;
「年金はお金で支給しなければならないと、今の政治家たちは言うわよ。とにかく『会して議せず、議して決せず、決して行わず』をモットーとする人たちだもの。この提案に対しても、『それは違法である』なんて言われかねないわ。これから年金制度を考える国に売り込みに行きましょうよ」&lt;br /&gt;
「そこまで自虐的にならなくてもいいのではないかな。ママの提案、若者に年金保険料を払い込ませる段階でも使える気がする。『持ち合わせのお金がないので保険料を納付できない。仕事がないだけで暇と体力ならあり余っているのです』と言い訳する若者がいるだろう。そういう人を、先の会社でアルバイトとして使用する。アルバイト料のうち、昼食代は弁当を現物給付し、残りはその者の保険料として会社が代わりに納付する。この仕組みを合わせて提案すれば、年金保険料未払い増加で悩んでいる社会保険庁が採用するかもしれないよ」&lt;br /&gt;
「そうだといいけどね」。Ａさんと菜々子は弱々しく同意した。&lt;br /&gt;
&lt;/div&gt;&lt;br /&gt;
&lt;div class=&#039;wiki&#039;&gt;（『時評』2005年8月号）&lt;br /&gt;
&lt;/div&gt;</description>
			<link>https://blogs.yahoo.co.jp/sogoshakaiseisaku/48152845.html</link>
			<pubDate>Mon, 25 Feb 2019 09:21:03 +0900</pubDate>
			<category>日々の出来事</category>
		</item>
		<item>
			<title>平成最後の施政方針演説</title>
			<description>&lt;div class=&#039;wiki&#039;&gt;2019年1月29日　火&lt;br /&gt;
&lt;/div&gt;&lt;br /&gt;
&lt;div class=&#039;wiki&#039;&gt;&lt;h1&gt;&lt;a name=&#039;section-1&#039;&gt;&lt;/a&gt;平成最後の施政方針演説&lt;/h1&gt;
&lt;/div&gt;&lt;br /&gt;
&lt;div class=&#039;wiki&#039;&gt;&lt;h1&gt;&lt;a name=&#039;section-2&#039;&gt;&lt;/a&gt;昨日の施政方針演説。平成から新元号へと切り替わる転換期にふさわしいものだったのだろうか。言葉は踊るが、聞き終わってみると、いったい何を言いたかったのだろうと首をひねる。多言、巧言では国民の心に響かない。&lt;/h1&gt;
まず平成とはどういう時代だったのか。バブルがはじけ、出生率は1.57ショック。世界は共産党の全体主義のくびきからの解放で沸き立っていたのに、日本は世界の中心的地位を失う兆候を示していた。そしてそれが平成の30年を通して現実化した。そういうことではなかったのか。&lt;br /&gt;
総理の施政方針演説では微細な各論的現象の羅列ではなく、簡潔な言葉で30年間、一世代分の総括と次の30年に向けての国のリーダーとしての理念を語ってほしかった。これが率直な国民の感想ではなかろうか。&lt;br /&gt;
すくなくとも日本という国の主権の基盤が危うくなりつつある今日において、国家としてなすべきことは何か。その基本に関する決意と見通しを語ってもらいたい。&lt;br /&gt;
国家存立の基盤は、「国民」と「領土」と「主権」。&lt;br /&gt;
国民に関しては何といっても出生数低迷と総人口の急減をどうするのか。しかるに演説では、「待機児童ゼロの目標は、必ず実現いたします。今年度も17万人分の保育の受け皿を整備します。保育士の皆さんの更なる処遇改善を行います。自治体の裁量を拡大するなどにより、学童保育の充実を進めます。来年4月から、公立高校だけでなく、私立高校も実質無償化を実現します。真に必要な子どもたちの高等教育も無償化し、生活費をカバーするために十分な給付型奨学金を支給します。」福祉措置もけっこうだが、その充実で出生数が増加に転ずる見通しはない。意地悪な見方をすれば、出生数が減り続ければ、保育所待機児童や高等教育無償化は財源的に可能になると言いたかったのか。&lt;br /&gt;
二つ目は領土の保全。焦眉の急は尖閣、北方領土、竹島。その相手国である中国に関しては「昨年秋の訪中によって、日中関係は完全に正常な軌道へと戻りました。「国際スタンダードの下で競争から協調へ」「互いに脅威とはならない」、そして「自由で公正な貿易体制を共に発展させていく」。習近平主席と確認した、今後の両国の道しるべとなる3つの原則の上に、首脳間の往来を重ね、政治、経済、文化、スポーツ、青少年交流をはじめ、あらゆる分野、国民レベルでの交流を深めながら、日中関係を新たな段階へと押し上げてまいります。」であり、ロシアについては「ロシアとは、国民同士、互いの信頼と友情を深め、領土問題を解決して、平和条約を締結する。戦後70年以上残されてきた、この課題について、次の世代に先送りすることなく、必ずや終止符を打つ、との強い意志を、プーチン大統領と共有しました。首脳間の深い信頼関係の上に、1956年宣言を基礎として、交渉を加速してまいります。」。韓国に至ってはいわゆる慰安婦やいわゆる徴用工、さらに攻撃レーダー照射で挑発されているのに言及ゼロ。別の年の演説の感じである。&lt;br /&gt;
三つ目の主権だが、「自らの手で自らを守る気概なき国を、誰も守ってくれるはずがない。安全保障政策の根幹は、我が国自身の努力に他なりません。冷戦の終結と共に始まった平成の30年間で、我が国を取り巻く安全保障環境は激変しました。そして今、この瞬間も、これまでとは桁違いのスピードで、厳しさと不確実性を増している現実があります。北朝鮮の核、ミサイル、そして最も重要な拉致問題の解決に向けて、相互不信の殻を破り、次は私自身が金正恩委員長と直接向き合い、あらゆるチャンスを逃すことなく、果断に行動いたします。北朝鮮との不幸な過去を清算し、国交正常化を目指します。そのために、米国や韓国をはじめ国際社会と緊密に連携してまいります。」とあるから危機感はお持ちのようだ。ではどうするのか。自らの手で自らを守るには自衛力の整備と行使は必須要件のはずだ。ところが前提とする憲法の改正には踏み込まない。&lt;br /&gt;
&lt;h1&gt;&lt;a name=&#039;section-3&#039;&gt;&lt;/a&gt;新聞各紙の社説評価はどうだろう。主要全国紙の標題を掲げてみよう。&lt;/h1&gt;
M紙　自画自賛だけでは済まぬ&lt;br /&gt;
A紙　難題から目をそらすな&lt;br /&gt;
S紙　「米中対決」正面から語れ&lt;br /&gt;
Y紙　次代に備え着実に成果上げよ&lt;br /&gt;
&lt;/div&gt;</description>
			<link>https://blogs.yahoo.co.jp/sogoshakaiseisaku/48127290.html</link>
			<pubDate>Tue, 29 Jan 2019 08:51:50 +0900</pubDate>
			<category>政治学</category>
		</item>
		<item>
			<title>世論調査の設問は論理的に</title>
			<description>&lt;div class=&#039;wiki&#039;&gt;2019年1月22日　火&lt;br /&gt;
&lt;/div&gt;&lt;br /&gt;
&lt;div class=&#039;wiki&#039;&gt;&lt;h1&gt;&lt;a name=&#039;section-1&#039;&gt;&lt;/a&gt;世論調査の設問は論理的に&lt;/h1&gt;
&lt;/div&gt;&lt;br /&gt;
&lt;div class=&#039;wiki&#039;&gt;桜井よし子さんによると世界には「法治」を基本とする国家と「力治」を当然視する国家がある。ここで力治を信奉する代表国家がロシアや中国であることへの異論はないだろう。&lt;br /&gt;
わが日本は前者に属すると国民は考えている。安倍総理がロシアとの領土交渉に前のめりになっていることを危惧する声が大きいのだが、その背景にあるのは、厳しい交渉であるほどに法治、すなわち論理、正義を基本に置くべきであるとの国民の冷静な認識なのだと思われる。交渉に当たり、自分たちの立脚点はどこにあるのかを忘れてはならないのである。&lt;br /&gt;
FNNの世論調査（１月19、20日実施）では、北方領土交渉がA「進展すると思わない」が72.9％であり、B「進展すると思う」の20.4％を大きく引き離している。そう考える理由としては次元の違う二つの側面が想像される。すなわち ～蠎蠅離蹈轡△強硬なので領土返還には応じないだろう、交渉事項のわが方の設定が間違っているので進展させるべきではない、の二つである。前者は力治に、後者は法治に軸足を置いた回答と判断できる。&lt;br /&gt;
FNN世論調査では目指すべき合意に関して「歯舞と色丹の２島を先に返還し、国後と択捉の２島は引き続き協議」43.8％、「４島一括返還」32.9％、「歯舞と色丹の二島だけの返還でよい」10.1％、「四島返還を求めない」7.3％だったという。ただし回答者は北方領土問題についての国際法上の位置づけをどの程度理解した上で回答したのだろうか。&lt;br /&gt;
この4択は「力治」に視点で作られている。現在支配しているのはロシアである。それを前提に交渉するのだから、要求すべてを飲ませるのは難しいという判断になるのは当然だ。だが「法治」に観点に立てばどうか。１月17日にも書いたけれど、ロシアによる占拠には法的根拠はない。まったくのゼロであり、居直り強盗状態なのである。ここで被害者が泣き寝入りして相手の主張を丸呑みしたのでは、論理や正義は立場をなくす。力が支配する暗黒社会である。&lt;br /&gt;
全千島と南樺太は国際法上、現在どこの国にも帰属していない。日本が領有権を放棄すれば、自動的にロシア領になるというものではないのである。FNN調査では、まず国際法上の正しい論理を示した上で、「あくまで論理を貫くべき」か「彼我の力の差を認めて忍従すべきか」を問うべきなのだ。そして後者を是とする者に対してのみ先の4択を与えるべきなのだ。ではなぜFNNが「法的」な立場からの回答を除外する非論理的な調査をしたのか。&lt;br /&gt;
その原因は政府の姿勢にあった。例えば昨年10月に「北方領土問題に関する世論調査」を行なっているが、次の文書【資料】をよく読んだ上で回答せよとしている。この文章から浮かび上がるのは、ソ連（ロシアの前身）が千島や南樺太を強奪したことを、驚くべきことに日本政府の側が合法化しようとしていることである。日本政府が進んで「力治」を「法治」より優先するということだ。現に安倍総理は、戦争で奪われた領土を回復するには戦争で勝つしかないと述べたそうである。しかるに国是として軍備は持たないという。これでは結果は見え見え。竹島も尖閣も日本政府が自ら領有権を放棄しようとしていると周辺諸国が受け取るのは当然だろう。&lt;br /&gt;
&lt;h1&gt;&lt;a name=&#039;section-2&#039;&gt;&lt;/a&gt;交渉は正義のある方が勝つのでなければならない。そのためにはまず国際社会に向かって堂々とわが方の論理（この場合は領土交渉の対象は全千島と南樺太である）を展開することでなければならない。そして同時に、論理で勝てないから相手からの武力威嚇をはねのけるための備えをする。国民はそれを望んでいるし、国際社会も歓迎するはずだ。そしてそれこそが安倍総理の地球儀を俯 瞰する外交であったはずだ。ロシアとの平和条約交渉を棚上げ。これが現時点では最良の判断である。&lt;/h1&gt;
【資料】北方領土は、北海道本島の北東洋上に位置する歯舞群島、色丹島、国後島及び択捉島から成る我が国固有の領土です。第二次世界大戦末期の昭和２０年（１９４５年）に、ソ連が当時有効であった 日ソ中立条約を無視して対日参戦し、北方領土を占拠し、ロシアとなった現在もなお法的根拠なく 占拠し続けています。 &lt;br /&gt;
この北方領土に関する問題の解決は日露関係最大の懸案となっており、政府は、北方四島の帰属の問題を解決してロシアと平和条約を締結するという一貫した基本方針の下、強い意志を持ってロシアとの間で外交交渉を行っています。また、外交交渉を支える国民世論の結集と高揚を図るため、官民を挙げて参加型のイベントを始めとする各種の広報啓発活動に取り組んでいます。 &lt;br /&gt;
その一方、戦後７３年が経ち元島民を始めとする関係者の高齢化が進むとともに、国民全体で見ても戦後生まれ世代が大多数となる中、今後、この問題をいかに若い世代に引き継いでいくかが大きな課題となっています。&lt;br /&gt;
&lt;/div&gt;</description>
			<link>https://blogs.yahoo.co.jp/sogoshakaiseisaku/48121099.html</link>
			<pubDate>Tue, 22 Jan 2019 10:34:06 +0900</pubDate>
			<category>政治学</category>
		</item>
		<item>
			<title>171　子を育て上げて一人前になる</title>
			<description>&lt;div class=&#039;wiki&#039;&gt;&lt;h1&gt;&lt;a name=&#039;section-1&#039;&gt;&lt;/a&gt;「菜々子の一刀両断！」ってわけには行かないか&lt;/h1&gt;
寺内香澄 （総合社会政策研究所）&lt;br /&gt;
&lt;h1&gt;&lt;a name=&#039;section-2&#039;&gt;&lt;/a&gt;171　子を育て上げて一人前になる&lt;/h1&gt;
&lt;/div&gt;&lt;br /&gt;
&lt;div class=&#039;wiki&#039;&gt;&lt;h1&gt;&lt;a name=&#039;section-3&#039;&gt;&lt;/a&gt;老い先に希望を持てない年金制度&lt;/h1&gt;
　人間の寿命はどんどん伸びている。日本人の場合、特に顕著。半世紀前に国民皆年金制度が制度化されたが、その時点での平均寿命が男性で65歳だった。今では80歳を超える。女性では90歳に手が届きそう。&lt;br /&gt;
「定年まで勤め上げたら心身ともに疲れ切って、いつポックリ逝ってもおかしくない。運よく生きていれば年金をもらえるけれど、すぐに寿命が尽きて支給は終わる。給付を大盤振る舞いしても、年金収支は常に黒字。そうして形成される剰余金を産業近代化投資財源に回すという構図で日本の高度経済成長が実現した」&lt;br /&gt;
「でも高寿命と出生率の低下という少子高齢化が予想をはるかに上回って進攻したから、この構図は成り立たなくなってしまったのよね。保険料納付者は減る一方で、年金受給者は増え続ける。そこで保険料納付者の減少率と年金受給者の増加率を加えた比率分だけ、年金支給額を減らす仕組みが導入された」&lt;br /&gt;
「いわゆるマクロ経済スライドのことだな」&lt;br /&gt;
「そう。年金支給総額は、受給者数と一人当たり平均受給額を掛け合わせた金額。受給者数が増えるのに逆比例して平均受給額を下げていけは、年金支給総額を増やさないで済む。算数的にはそのとおりだけど、受け取る年金の実質価値が減り続けるということだから、高齢者もその予備軍も老後生活での希望がなくなっていくわ」&lt;br /&gt;
「そういうことだ。オレたちの外食先が銀座のフランス料理から身近な居酒屋に変わるのは仕方ないな」&lt;br /&gt;
　カウンター席でサンマの塩焼きをつつきながらボソボソ会話している男女。久寿乃葉を赤ちょうちんの居酒屋扱いして、三ツ星のフレンチレストランと比較するのは耳障りだ。&lt;br /&gt;
「それほどフランス料理がお好きなのなら、日本産きのこでトリュフ風味つけの一品をお出ししましょうか」。&lt;br /&gt;
　菜々子がそば耳を立てていることにようやく気づいたようだ。&lt;br /&gt;
&lt;/div&gt;&lt;br /&gt;
&lt;div class=&#039;wiki&#039;&gt;&lt;h1&gt;&lt;a name=&#039;section-4&#039;&gt;&lt;/a&gt;学者先生も老後安泰ではなくなった&lt;/h1&gt;
　二人の会話に菜々子も加わることになった。男女は実は夫婦で、近隣に住んでいる。もっと具体的に言えば近在の大学の教員とその妻で、キャンパス内の教職員用社宅に住んでいる。大学の専任教員であれば、決まったノルマの講義の繰り返しで定年までの固定報酬を保証され、その後も名誉教授の肩書で執筆したり、マスコミに出たり。菜々子のイメージはそんなものだったが、それも過去のことになってきているという。&lt;br /&gt;
　少子化で18歳人口が激減だ。団塊世代が出産適齢期だった昭和40年代後半の200万人から100万人割れと半減以下になった。それでも進学率が上昇しているうちは、大学志望者数は維持されてきた。バブル崩壊以降の家計所得の長期低迷で「無理して大学に行かなくても」という風潮が生じて、進学率が頭打ちになってきた。18歳人口の減少と合わせれば、もろに入学者減になる。一方で何を思ってか、文科省は大学の新増設を緩和するし、国立大学の定員削減には及び腰。学費が高い私立大学は半分程度が定員割れになっている。&lt;br /&gt;
「これって不思議でしょう」と奥さん。今は主婦だが、結婚前は中学の数学教師だったとかで、数値をパチパチ挙げて解説する。「大学は非営利事業。学生数が定員ちょうどで収支均衡になっているはず。定員割れで収入が減少するのだから、支出である教員人件費を圧縮しなければ倒産するのが道理のはずなのよ」&lt;br /&gt;
「それが真の理由だな」と応じたのが夫。「学生本位の授業がされているか、今後は学部長が授業巡視をするとのお触れが出回った。評価次第で減俸や退職勧告もあるということだ。給料総額を下げるために世代交代を経営陣はねらっているのだろうと、年配教授連が反対している。政府は生涯現役を唱えているけれど、大学業界では真逆の状況になりつつある」&lt;br /&gt;
「社宅取り壊しの噂もあるのよ。マンション買うには頭金やローンの返済がある。わが家の家計を締めていかないと老後生活の展望が開けないわ」&lt;br /&gt;
&lt;/div&gt;&lt;br /&gt;
&lt;div class=&#039;wiki&#039;&gt;&lt;h1&gt;&lt;a name=&#039;section-5&#039;&gt;&lt;/a&gt;夫婦には子どもがいない&lt;/h1&gt;
　菜々子はいわゆる自営業。お客さまがついていてくれる間は引退しなくてもよい。その点、生涯現役に近いとはいえるが、足腰が弱ったり、認知症になったりすれば、お店を畳むことになる。それからがほんとうの老後だが、蓄えた預貯金だけで大丈夫か。&lt;br /&gt;
「ママのような自営業では公的年金は基礎年金だけでしょう。月額6万円ほどだけど、今後マクロ経済スライドでどこまで下がってしまうのやら。お子さんたちと介護や扶養の約続はできているの」と妻。&lt;br /&gt;
　そこが菜々子の泣きどころ。良縁あればと願って暮らしてきたが、いまだ未婚。子どもはいない。男性の場合、還暦直前で結婚して子を成すことは、タレントの石田純一さんの事例のように不可能ではない。子どもが成人するまで、元気でかつ所得を維持できる自信が、当人にあればよい。余談だが、菜々子は石田さんと焼き鳥店で短時間だが歓談したことがある。「不倫は文化です」発言でバッシングを浴びていた頃だ。この人は何歳になっても恋人ができると直感したが、事実そうなって、はるか年下のプロゴルファー女性と再婚して子どもができた。だが、女性の場合、若さを保つことは可能だが、妊娠は生物学的に絶望的だ。「若いときに不倫してでも子どもを産んでおけばよかった」と冗談を言ってみた。&lt;br /&gt;
　これに夫婦が反応した。実はこの夫婦には子どもがいないという。正常な性行為の夫婦ではたいがい2年以内に妊娠するそうだが、当然例外もある。夫婦がその例外に該当することに気づいたのが、夫婦の年齢が40歳を超えようかという頃。それからというもの妊娠しやすい体位、時期、飲食物…。書物に書いていることを試すだけでなく、高額費用を要する病院での不妊治療を何度も何度も…。&lt;br /&gt;
「これがなきゃ、とっくにマンションを買えていただろうな。そうすれば今頃になって社宅を追い出されたらどうしようと悩むこともなかった」と夫。&lt;br /&gt;
「子どもを2人、3人育てる以上のおカネを使ったわね」と妻。&lt;br /&gt;
　若そうに見えるが今年中に50歳の大台になるという。不妊治療を諦めたと語ったが、成功確率と費用負担を天秤にかければ妥当な判断だろう。&lt;br /&gt;
&lt;/div&gt;&lt;br /&gt;
&lt;div class=&#039;wiki&#039;&gt;&lt;h1&gt;&lt;a name=&#039;section-6&#039;&gt;&lt;/a&gt;養子を育てることにした&lt;/h1&gt;
「お互い、子のいない老後を覚悟することになるのね。これからもいろいろと相談しましょう」。菜々子はビールグラスを顔の高さに掲げ、乾杯の準備をした。夫婦はこれに応じてくれたのだが、その後で一言付け加えた。&lt;br /&gt;
「でも私たちは子どもを諦めていません」&lt;br /&gt;
　夫婦がこもごも話すには、児童相談所に養子縁組申し込みをしているという。日本の法律では（世界中同じかもしれないが）、親子には実子だけでなく、養子がある。そして養子にも普通養子と特別養子がある。普通養子はその名のとおり、世間が考える養子の形態。つまり子がいない夫婦が、兄弟姉妹など血族の子を後継ぎとしてもらい受けるものだ。現代でも名跡を絶やしたくない歌舞伎俳優や有力政治家の家柄などでは稀ではない。法律上の親は養親だが、子を預けた実親も存在する。子どもは双方から遺産をもらえる得な面もあるが、情理に基づく親の扶養義務の面では普通の子の倍の親を抱えることになる。&lt;br /&gt;
もう一つが特別養子。事情があって実親に子を養育できない事情がある場合、行政、司法が関与して、養親のみを法律上の親とする仕組みだ。実の親は法律上では親ではなくなり、以後子どもの行方を追うことは許されない。夫婦は3歳の女児の養親候補に名乗りを上げ、現在、その子の児童養育施設に通っては、相互の距離を縮める工程が進んでいるのだという。&lt;br /&gt;
「来月、わが家に体験宿泊に来るのですよ」。妻が嬉しそうに語った。&lt;br /&gt;
　50歳超えてからの子育ては心身ともきつい。経済的にも新たな支出要因になり、二人の老後計画は大丈夫なのか。養子と言っても血縁関係はない。育て上げた子が「お達者で」と家を出ていき、それっきりになる可能性だってある。菜々子には無理かなあ。&lt;br /&gt;
&lt;/div&gt;&lt;br /&gt;
&lt;div class=&#039;wiki&#039;&gt;&lt;h1&gt;&lt;a name=&#039;section-7&#039;&gt;&lt;/a&gt;子育てを社会連帯の観点から見れば&lt;/h1&gt;
　高齢社会ではだれもが老後不安を抱えている。公的年金、高齢者への介護や医療。国民連帯精神を基盤にした社会保険制度が用意されているけれど、問題は少子高齢化がこれ以上進行すれば、収支のつり合いが取れなくなってしまうこと。その対症療法が年金ではマクロ経済スライド。すなわち少子化、高齢化に反比例して年金の価値を下げていくという仕組み。長生きすれば年金は雀の涙の額になる。食い詰め老人の餓死が年間○万人といったことになるだろう。&lt;br /&gt;
「私たちには画期的な提案があるのよ」と妻。「日本の政治家に実施の度胸があるかどうか」と夫。いったいどういう案なの。興味津々、聞いてみたい。&lt;br /&gt;
　夫婦が語る案の概要はこうだ。少子高齢化への直球対応は、子どもがどんどん生まれる社会に変えることで、これが基本。具体策では、老齢基礎年金の支給額を減らさず、できれば増やすことを考える。そのためには支給開始年齢を遅らせるべきであるから、老年学会の主張を受け入れ、75歳を年金支給開始年齢とし、20年程度かけて移行させる。&lt;br /&gt;
同時に、育て上げた子の数によって支給開始年齢に幅を設ける。公的年金は「世代間の助け合い」と政府は説明する。老後世代と現役世代の人数が安定すれば、基礎年金制度も安定する。そのためには夫婦当たり2人を超えた子の養育が必要であり、少子化の反転が求められる今日では3人が標準要請数であろう。そこで養育実績3人の者で老齢基礎年金が75歳支給とし、4人は70歳とし、5人以上は65歳と現行支給開始年齢を維持する。逆に2人では80歳、1人は85歳、養育ゼロは90歳からの支給と遅くするのだ。&lt;br /&gt;
「あなた方夫婦は85歳からの支給になるのね」と聞いたところ、「こういう制度になれば養子の数を増やしたいわ」と妻。夫も頷いた。&lt;br /&gt;
(『時評』2018年2月号）&lt;br /&gt;
&lt;/div&gt;</description>
			<link>https://blogs.yahoo.co.jp/sogoshakaiseisaku/48114099.html</link>
			<pubDate>Mon, 14 Jan 2019 17:53:23 +0900</pubDate>
			<category>日々の出来事</category>
		</item>
		<item>
			<title>北方領土は正義の尺度で交渉すべきだ</title>
			<description>&lt;div class=&#039;wiki&#039;&gt;2019年1月14日　月　成人の日&lt;br /&gt;
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&lt;div class=&#039;wiki&#039;&gt;&lt;h1&gt;&lt;a name=&#039;section-1&#039;&gt;&lt;/a&gt;北方領土は正義の尺度で交渉すべきだ&lt;/h1&gt;
&lt;/div&gt;&lt;br /&gt;
&lt;div class=&#039;wiki&#039;&gt;&lt;h1&gt;&lt;a name=&#039;section-2&#039;&gt;&lt;/a&gt;安倍総理が北方領土で前のめりになっているのは危険だ。&lt;/h1&gt;
領土は、主権、国民と並ぶ独立国家の三種の神器。1956年の日ソ共同宣言では「平和条卓が締結されたあと、色丹＝しこたん・歯舞＝はぼまい、２島を日本側に引き渡す」となっている。プーチン大統領はこれを最大限と主張しているようだが、最小限渡と解するのが正しい。百科事典マイペディアの千島＝ちしま列島の項は次のように解説している。&lt;br /&gt;
	北からロシアが、南から日本が進出、1855年日露和親条約で南千島（国後＝くなしり・択捉＝えとろふ）日本領、北千島（得撫＝うるっぷ以北）ロシア領と確定。明治初年には開拓使が置かれた。1875年樺太＝からふと・千島交換条約によって全列島が日本領となった。（歯舞・色丹は北海道の一部とみなされ、これら交渉の対象になっていない）。&lt;br /&gt;
	1945年8月ソ連は9月日ソ中立条約を一方的に破棄して千島侵攻を開始し、終戦後の9月3日に全千島と歯舞諸島，色丹島を占領したところで軍を停止した。&lt;br /&gt;
	スターリンは1945年２月のスターリン、ルーズベルト、チャーチルによるヤルタ密談で南サハリン＝樺太のソ連への返還および千島列島のソ連への引渡しが取り決められたことを根拠としている。（後に米国大統領（ブッシュ・ジュニア）はその効力を否定している）。&lt;br /&gt;
	1951年９月のサンフランシスコ講和条約で、日本は千島列島と南樺太（1905年の日露戦争講和条約＝ポーツマス条約で割譲された）の領有権を放棄した。（吉田茂全権代表はこの千島列島に国後・択捉が含まないことに各国代表団の注意を喚起している）。&lt;br /&gt;
	ソ連代表は同条約に千島列島および南サハリンがソ連に帰属する旨の明文がないことを理由に同条約への調印を拒否した。（よって千島列島と南樺太の帰属先についてはロシアは領有権主張の機会を失っており、国際条約上では帰属は白紙状態なのである）。&lt;br /&gt;
	以後、領土帰属問題は日ソ間の平和条約交渉に移されて今日に至る。つまり平和条約締結には領土帰属の決定が必要なのだ。&lt;br /&gt;
ソ連という国は1991年に消滅したが、極悪非道の全体主義国家であったという統一的国際評価である。ソ連の権利義務を承継するのはロシアである。ロシアが国際社会に受け入れられたいとするのであれば、ソ連の悪の部分をそっくり引き継ぐとは言い難いはずだ。日本の交渉は70年あまり時計を戻し、ヤルタ協定の無効、ソ連参戦の違法を繰り返すことをベースにしなければならない。そうすれば歯舞・色丹はサンフランシスコ平和条屋で放棄した千島列島ではなく北海道そのものなのであるから、平和条約を待つまでもなくロシアは即時返還しなければならない。&lt;br /&gt;
次に日本とロシアが平和条約を締結する際には、サンフランシスコ条約で帰属先未定になった千島（国後・択捉が含まれるか否かは議論の余地がある）と南樺太全体の領有権を決定することになる。&lt;br /&gt;
&lt;h1&gt;&lt;a name=&#039;section-3&#039;&gt;&lt;/a&gt;プーチンの「引き分け論」は南樺太を含むこれら地域の全体についての分配の意味に解さなければならない。&lt;/h1&gt;
日本側の一部に、国後・択捉に歯舞・色丹を加えて4島をケーキに見立ててその分割を言う手合いが存在するが、それでは自らソ連の不法強奪を承認するに等しい。先年東部の州とクリミア半島をロシアに占拠され、その奪回を試みているウクライナの国民からすれば、日本はロシアに加担する「国際社会への裏切り者」としか映らないだろう。憲法前文に即して国際社会を味方につけたいのであれば、あくまでも国際条約に基づき、北千島と南樺太を協議対象にする線を崩してはならないのである。&lt;br /&gt;
&lt;h1&gt;&lt;a name=&#039;section-4&#039;&gt;&lt;/a&gt;なお平和条約に締結に際してはソ連の悪行への総括を忘れてはならない。旧満洲地域での非戦闘邦人に対する凌辱行為、国際法違反の・軍属のシベリア抑留への謝罪と補償をきっちり認めさせなければならない。正義を主張しなければ国際社会で名誉ある地位を占めることはできない。&lt;/h1&gt;
&lt;h1&gt;&lt;a name=&#039;section-5&#039;&gt;&lt;/a&gt;マキャベリは、戦争は政治の一部と言う。軍事対決の後にも外交は続く。軍事が殴り合いなら、外交は論理・正義の闘いである。どちらに理があるか、政府は国民にしっかり問いかける必要がある。&lt;/h1&gt;
&lt;/div&gt;</description>
			<link>https://blogs.yahoo.co.jp/sogoshakaiseisaku/48113698.html</link>
			<pubDate>Mon, 14 Jan 2019 08:50:04 +0900</pubDate>
			<category>政治学</category>
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