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鼠径ヘルニア、大流行の兆し。
鼠径、っていうくらいだから、つまり、あの部分あたりがどうにかなるヘルニアである。
ここ草加民商には、素晴らしい、共済、っていうものがあって。
入院したのでその請求をしたいと、Aさん。
どうしたの!? と聞いたなら。
鼠径ヘルニア、と彼は言う。
え?それはつまり、腸がなにやらする、あれ、ですよね?
Aさん、曰く・・・・・・
〜あれがさぁ、プアプアして、フンガフンガしたみたいになってさ、
そのうち、ボワっとしてきちゃってさ〜
まことに具合の悪いことになって、手術をしたという。
説明不十分とは思いましたけど、感覚としては理解できましたっけ。
なかなかデリケートな問題と思われ、それ以上おたずねするのははばかられました。
ですが。
共済の請求書には、「症状を具体的に書け!」となっている。
プアプアとか、フンガフンガ、という言葉を翻訳しなければなりません。
私は想像力を駆使し、もっともらしい症状を作り上げ・・・・・
間もなく・・・・・
今度はBさん。
〜入院してたんだよ!入ってたよね、共済?〜
どうしたの?という私の問いに。
〜ヘルニアでさ!鼠径のほうだけど!〜
・・・・・やはり、ボアっと、したらしい・・・
ほどなく。Cさんから電話。
〜まだ日程決まってないんだけど、俺、入院するから〜
どうしたの?
〜ヘルニアなんだよ。○腸のほうなんだけどさ〜
ぎょえ!・・・・と私でなくても思うでしょ。
彼は続けて、こう言った。
〜ほら、Dさんいるだろ?病院で会ってさ、彼もヘルニアだってさ!〜
私は、民商に入って、鼠径ヘルニアの話を耳にしたことが、ない。
一度だって。
なのに、なぜ。ここにきて、続く?
みなさん、年をとられたのだ、と思った。
これまで、そのなにやらの前兆はあったかもしれない。
けれど、これまでは、弾力性でもって折り合いをつけていたのだろう。
それが年とともに、あれやらこれやらが劣化してきてしまい・・・
その月の共済会の理事会で、私は言った。
〜鼠径ヘルニアが流行っているようなので、みんなも気をつけてね!〜
そして、きょう。
共済の役員さんが来所して、やけに楽しげに言った。
〜Eさん、鼠径ヘルニアで入院だ!〜
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