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公開当時に新聞記者などにも勧められていた映画だが、ようやく衛星放送で流されたものを見ることができた。80年代、「白バラは死なず」というこの事件を描いた映画の上映会が立川でもあった。だからこの事件そのものはすでに知っていたのだが、人によっては立川の反戦ビラ事件をこの事件に重ねて見る人もいるようだ。橋本勝氏は漫画にも描いている。 http://www.asiapressnetwork.com/hashimoto/library/20051228.html 弾圧の可能性を全くと言っていいくらい予期していなかった立川テント村と、逮捕の可能性を考えていたはずのゾフィーたちでは最初のスタンスは大きく異なるのだが。もっとも、彼女たちはまさか逮捕から5日間でギロチン台に送られることになるとは思っていなかったようだ。東西ドイツ統一後に、東側に保管されていた尋問調書などを加えて再映画化されたのが、この「白バラの祈り」だ。人間的な弱さもかいま見えるその描き方はむしろ前作よりリアルに感じられる。 しかし、疲れる映画でもある。全編ほとんどのシーンが取調室などの屋内。取調官との緊迫したやりとりなどで終始するためでもあるが、自分の場合特に実際の刑事や検事の取り調べを重ねてしまうからでもあろう。ナチス下と言っても、少なくとも彼女の取り調べに暴行などの拷問はなかったようだ。「黙秘」でもしていたらどうされたかわかりはしないが。映画終わり近くの暗黒裁判である軍事法廷。「茶番」でしかない裁判官の尋問。存在自体無意味な弁護士。過酷な状況で最後まで信念を貫き通そうとする彼女たちには頭が下がる。 問題は見た人が「過去の事件」と片付けてしまわないかどうか、だが。日本でも形を変えて言論弾圧は進行中だし、アジアでも北朝鮮、ミャンマーなど軍事独裁政権がある。ひどい人権抑圧も暗黒裁判のようなことも世界には山積みだ。そうした現在の世界につなげて考えられるひとはどれくらいいるのだろうか。
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この映画、見たいと思っています。ほとんどのシーンが屋内って、暗い感じになっちゃいますね。
2007/4/22(日) 午後 6:38
弾圧とか抑圧って、自分の身近に起きてみないと分からないものかもしれません、でもそれでは遅いんですよね・・・。
2007/4/22(日) 午後 6:40
ここのところこういう映画ばかり見てますが、えらい疲労感に襲われます。なぜなら、ジェノサイドも人権抑圧も戦後ありとあらゆる方面で、アジアで、アフリカで、ヨーロッパで、繰り返されてきたことを思うと無力感に襲われてしまうから。ゾフィー・ショル達の死は、本当に私たちは無駄にしないようにできているのか、と思えてしまいます。
2007/4/22(日) 午後 8:53 [ BORA ]
こんばんは。全編殆どが取り調べ室のシーン!?それは疲れそう。見ようと思っていましたが、やめておこうかな。私も昨年は「ホテル・ルワンダ」、「亀の〜〜」(イラク戦争映画)、「イノセント・ボイス」と立て続けに観ましたが、どれも素晴らしかったです。でも一番印象に残ったのは「イノセント・ボイス」。よかったらご覧下さいませ。
2007/4/23(月) 午後 10:29
エルサルバドル内戦の映画ですね。うー、これもすごく重そうだな。こういう映画ばかり見てると「ガンダム」とかあほらしくなってきちゃうんですよね。本物の戦争は遙かに悲惨だぜ。機会あれば見てみたいと思います。
2007/4/23(月) 午後 10:39 [ BORA ]
おひさしぶりです。この映画を現代の我々はもっと危機感を持って自分事として見なければと思いました。白バラの死を無駄にはできません。
2007/4/25(水) 午前 0:28
ご無沙汰しています。その自分の生きている時代に引きつけるってのが、なかなかできないようです。決して昔の出来事ではない、と思えるんですが。今もなお、なんですよ、こうした弾圧は。
2007/4/25(水) 午後 6:34 [ BORA ]