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佐井好子、浅川マキと来たが、今度はいきなりメジャーのフォーク・グループへ飛ぶ。70年代、一世を風靡したグループだから説明の必要もないだろう。ヒット曲も多数。竹田の子守唄は恐らく若い人でも一度は聴いたことはあるのでは、と思う。 だが、あれだけの大ヒット曲がその後、放送禁止歌になった例は他には知らない。その辺の経過は「放送禁止歌」(森達也著)という本に詳しいから、まだなら一読をお勧めする。そもそも「放送禁止歌」と言ってもすごく基準があいまいなのだ。実は要注意歌謡曲と言われる程度のものなのだ。 この曲が流れなくなった理由は京都の被差別部落で採譜されたことが理由らしいのだが、歌詞などに問題があったわけではない。「在所」は関西で被差別部落を指す言葉だそうだが、それ以外に部落問題との接点は見あたらない。にも関わらず、各放送局は部落問題との関わりを恐れて、放送しなくなり、ほとんどの「赤い鳥」のベストアルバムにも収録されなくなった。現在は少々高いが、全曲集「コンプリート」で聞くことができる。日本のマスメディアの表現の自由に対する考え方はこの程度だったのかと、なんとも情けなくなる話だが。 メンバーそのものも最初被差別部落での採譜と言うことは知らなかった。あえてそうした由来を大事にしたいと考えるメンバーとそうでないメンバーで意見が食い違い、赤い鳥は紙風船とハイ・ファイ・セットに分裂してゆく。この問題だけが対立理由だけではなかったんだろうけどね。 表現の自由、思想信条の自由が危うい昨今、この問題はいろいろ考えさせられる。もし聞いたことがないならぜひ聞いてくれ。日本の子守唄の中でも指折りにできる美しい曲だ。 赤い鳥では他には「紙ふうせん」というグループの末期に出された曲が好きだ。「落ちてきたら何度でも打ち上げよう」という同じ歌詞をひたすらリフレインするこの曲、どこか人生を思わせるようでなんだか哀しいが好きだな。
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