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二十歳の原点

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99件目の記事。ちょいと忙しくて新しい記事も書けなかった。自分の今の原点となった本。一冊の本が人の運命を変えることがある。多分、そんな本だ。

高野悦子は全共闘運動のさなか、京都で自殺した立命館大の学生だ。死後、発見された彼女の日記はベストセラーとなり、今も文庫版としてロングセラーが続いている。映画にもなっているが、こちらのできは音楽を除き少々?であったが。

この画像は手元にあるその本だ。高校時代当時住んでいた前橋で買ったもの。600円とある。確か煥乎堂で買ったと記憶している。当時、自分は脳腫瘍で母親を亡くし、家の中はゴタゴタしていた。自分は初めて「死」というものに直面していた。人間はなぜ生きるのか、人生とは何か、死とは何か。古今東西の哲学者、思想家が繰り返し問い続けたような悩みに直面していた。

倫理社会は好きだった。いろいろなその手の本を読んだ。その一冊が、この「二十歳の原点」だった。彼女の政治性、思想性はわからない部分も多かった。ただ、「過激派」という言葉で一括されていたはずの学生運動にたずさわった一人の学生。彼女の言葉はほぼ同じ悩みを抱え、「自殺」に直面していた自分に強く響いた。その後、奥浩平の「青春の墓標」なども読む。急速に、新左翼系の運動への傾斜を自分は強めていった。

大学に入って以降の政治党派への幻滅については「光の雨」の書評でかいた通りだ。今はこの本を広げることもなくなった。彼女の考え方への批判も可能だろう。だが、それは無意味なことだ。彼女の人生は20歳で終わってしまったのだから。この本を読んで以降、京都は自分にとって、国内でも特別な場所だ。若い頃は彼女の面影を求め、この中に出てくる様々な場所を訪ねたこともあった。ジャズ喫茶「シアンクレール」のように今はなくなってしまったところもある。

自分は彼女の人生の倍以上の長さを今生きている。彼女を越えたと言えるのだろうか。あのとき抱えていた問いにすべて自分は答えられるのだろうか。自分には今でもわからない。ただ、自分が今でも生きているのはこの本に出会ったからではないか、そのように考えている。

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