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谷口ジローという漫画家をご存じだろうか。「ブランカ」「『坊ちゃん』の時代」(第2回手塚治虫文化賞マンガ大賞)などの作品がある漫画家だ。この「犬を飼う」は92年小学館漫画賞審査委員特別賞を受賞した名作だ。 主人公の夫婦。人からもらった柴犬とテリアの雑種である子犬にタムタムと名前を付けてかわいがった。ペットの寿命は人間よりだいたい短いものが多い。この夫婦もタムタムの老いと、死に直面することになる。 次第に弱り、自分の力で立ち上がれないタムタムに補助用の吊り輪や足カバーまで作り、夫婦の賢明の看護は続く。それでもやってくる「死」。 「生きるということ」「死ぬということ」 「人の死も犬の死も同じだった。」 ラストシーン、タムタムがかつて若い頃駆けめぐった河原でたたずむ夫婦。恐らくは自分たちの老いと死をも見据えながら、じっと手を握りしめる二人の姿が強烈な印象を残す。 犬でも猫でもせいぜい15年くらいが寿命だろう。ゴルゴ13で犬と人間の関係を扱った物語があった。そのラストにあった言葉だが、どこかの作家の言葉だったか、こんなことが言われているそうだ(記憶が不鮮明で正確ではない)。 「子供が生まれたら子犬を飼うといい。子犬は子供より早く成長し、その子を守るだろう。 子供が成長してからは、その子の良き遊び相手になるだろう。 やがて、犬は老いて死に、その子に死の意味を教えるだろう..。」 ペットを飼う人は最期までその生き物の生を引き受けられるだろうか。その生き物の生を最後まで引き受けられないものには、ペットを飼う資格などないのではないだろうか。近年平気でじゃまになったペットを捨てる人間が多い。大旨そう言うやつは、人間も(他人も)大切にしない奴だろうと思う。 この作品ビッグコミックに掲載された当時、原作は誰の小説なんだと問い合わせが殺到したそうだ。それくらいの名作。ペットを飼っている人には是非読んで頂きたい。小学館文庫で出ている。
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2005年11月22日
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