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朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)の核実験に対する声明
10月9日、朝鮮民主主義人民共和国(以下北朝鮮)は、「地下核実験を安全に成功裏に行った 」と発表した。この核実験は、東北アジアのみならず、世界の平和を脅かす
暴挙である。独裁的な専制政治の金正日政権は、先軍政治という軍事偏重の政策を一貫して行っており、北朝鮮の民衆にとってもそれは不幸なことであったが、今回の事態はその悪しき結果の一つである。北朝鮮政府は直ちに実験を停止し、保有している一切の核兵器を廃棄するべきだ。そして六カ国協議に速やかに復帰し、対話によるすべての問題解決に臨むべきである。
この核実験は経済制裁など北朝鮮に対する締め付けを続ける米国政府に対する外交駆け引きのため、と考えられる。だが、圧倒的な数と威力の核を保有している米国に対して核兵器で対抗しようという政策は、間違っている。米国は核の傘による世界支配をもくろんでいるが、そうした強大な軍事力による「安定と平和」は真の平和とは言えない。自国が核兵器による武装を行い、対抗する力を持とうという愚かな政策は、核兵器を実戦で使う可能性を高め、広島・長崎の悲劇を再び繰り返す道につながるだけだ。
またこの問題に対して、北朝鮮への経済制裁を強めようという動きが日本国内はもちろん、世界的にも進行している。我々はこうした動きにも反対する。今回の事態に対して第一義的に責任を取らなければならないのは北朝鮮政府であるが、対話の道を閉ざし、武力行使への道を再び開く制裁決議という方法は、再びアジアを戦争への道へ突き進めることになるだろう。かつての太平洋戦争にしても、経済的な制裁はやがて戦争へつながっていったことを思い起こすべきだろう。遠い道のように思えても、我々には対話という地道な努力を続ける以外に方法がないのである。六カ国もしくは二カ国などによる、あらゆる対話の努力を惜しんではならない。
日本は核実験に先立つ北朝鮮の弾道ミサイル試射を口実に、ミサイル防衛計画の前倒しを表明している。今回の核実験も日本の急速な軍拡の口実に徹底利用される可能性が高い。すでに米軍の世界的な再編が進行中であり、ここ日本でも沖縄・座間・岩国・横田基地などで計画が明示され、基地周辺の自治体でも強い反発を生んでいる。極東の米軍について言えば、朝鮮半島や中国などをにらみつつ増強の方向であり、こうした動きに北朝鮮が警戒を強めたことは間違いない。我々はこうした戦争への危機を強める米軍の再編計画自体に反対しつつ、それに核兵器で対抗しようと言う北朝鮮にも強くその政策そのものの転換を迫るものである。
また米国をはじめとするすべての核保有国は、自らの核の保持自体が今日の事態につながっていることを深く反省するべきである。自らが核兵器を廃棄する道を示さずして、核の拡散を防ぐことはできない。インド・パキスタンの核実験に続く今日の事態を招いたのは核保有国そのものの責任とも言える。
我々は米軍再編などすべての軍拡と軍事増強、核の拡散に反対する。今回の事態を対話以外の経済制裁・軍事行動により解決しようというすべての動きにも反対するものである。
2006年10月14日 立川自衛隊監視テント村
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