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この映画、部分を拾い見のようにしては見ていたが全編見たのは昨夜が初めてだった。ヒットラーを鋭く風刺した名作として名高いが、今の時代にもそのまま通用するのはむしろ怖い気持ちがした。名場面は数々あるが、風船の地球を恍惚として独裁者ヒンケルがおしりや頭で蹴り上げながら踊るシーンと、ラストの演説は屈指のシーンだろう。
ヒンケルの演説はギャグで描かれてはいるが、ヒットラーの演説の特徴もよく見ているな、と思う。前にNHK「映像の世紀」で大衆を酔わせるヒットラーの演説の技術を見て感心し、血が凍るような思いもした。ラジオや航空機を用いての全国遊説など、現在の選挙戦術にも応用できる内容をナチスは先取りしてしていた。そう、ナチスは議会制民主主義社会で合法的に政権を取っていったのである。
今も世界に独裁者はいる。金正日、ミャンマーの軍事政権、アフリカにも独裁者は多い。だが、議会制民主主義国家の為政者にも見せたい映画だ。最後の演説はすべての圧政、戦争政策を掲げる政治家にも向けられたもののようにも思われる。
次期総理候補の安倍晋三は02年5月、早大でのシンポジウムで田原総一朗から北朝鮮問題を聞かれてこう答えているそうだ。
「北朝鮮が日本の攻撃に着手したと見なせるなら、自衛のための先制攻撃は可能だ」「憲法上は原子爆弾だって問題ではない。小型であればですね」
あ、そう。「小型」だと専守防衛に反しない?今回のテポドン騒ぎ以前から「先制攻撃論者」だったわけだな。こいつも選挙で選ばれた奴なんだけどね。映画「独裁者」で描かれたヒンケルの姿と重なる戦争屋政治家は金正日以外にも大勢いそうだ。ジョージ・ブッシュ、小泉、阿部も同様だな。
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