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残念ながら絶版。古本屋でお探し下さい。1981年に週刊プレイボーイに連載された作品。作者の御厨さと美もライダーである。格好良すぎる男と女たちの物語。ケンタウロスは実際に横浜に存在するバイクショップ・グループの名称である。物語全体はフィクションだが、中のエピソードは現実にあったことをベースにしている。600マイルブレンドも、埠頭の決闘も実際にあった話。とはいえ、この作品はあまりにも格好良すぎるかも、であるが。 バイク乗りが主人公の映画もアニメもいろいろあるが自分の感性にぴたっと合ったものは少ない。大旨、バイク=暴走族というステレオタイプか、バイクがただの小道具となっているケースが多い。映画なら海外で「イージーライダー」、日本なら「オン・ザ・ロード」くらいしか思い当たらない。アニメではこの作品くらいだ。 ベトナム脱走兵アーサーも、レディも実際のモデルがあるそうだ。確かボスがレディについては事故で死んだと語っていたと思う。レディが乗るRZ−250は自分が中型免許を取って初めて乗ったオートバイ。原付からのステップアップで乗りこなせる代物ではなかったのだが、強烈な印象は今でも残っている。思い出深いマシンだ。 「世の中には二種類の人間しかいない。バイクに乗る奴と、乗らない奴だ」 ボスの言葉。オートバイへの思い入れがわかる言葉だ。 たかが乗り物だが、それなりの哲学は持ちたいとは思う。4輪へのただのステップと考える向きにはどうでもいい話なんだろうが。 動画のアニメ版もあるがこちらは駄目。御厨さと美の絵ではない。見て幻滅した。この原作本だけでも文庫などで復活しないだろうか。
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本の紹介・書評
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やはり嫌がらせは2チャンネルから大量にきているようだ。テント村にいやがらせ電話をした程度の連中のストレス発散の方法で、ただの自己満足なのか、あるいはこういう形でネット上でも政治的な問題では自由に意見が言えない空気を作ろうという策略なのかはわからんがね。しかしこういう奴らが増えているということはやっぱり危機だな。 本日紹介する本は自分には重い。連合赤軍のような政治党派で活動していたわけではないが、自分の大学時代は「内ゲバ」の花盛りだった。自分の通っていた大学でも、学内で殺された奴がいる。革マル派の活動家たちだった。襲撃したのは社青同解放派。こいつらもひどい。当時革マル派の活動家を車の中で焼き殺すなどの襲撃を次々に行っていた。 しかし一方殺された革マル派という党派もひどかった。自分の所属していたサークルボックスの中で、ちょっとした文句を言っただけで彼らに先輩がボコボコに殴られた。他の部員で、皆で必死に止めた。そしたら「俺たちは命がけで闘ってるんだ!」。よく覚えている。ほとんど広域暴力団だと思った。 そうかい、命がけならお前らの気に入らないノンセクトの活動家を殴っても言い訳か。だが、この時代、政治党派なんてどれをとってもこの革マル派と大同小異だった。自己絶対化と他党派(ノンセクト相手でも)に対する「革命的暴力」の行使の正当化。大学の拠点化のためにあらゆる敵対する勢力をつぶしていく。もはや大衆運動にとって阻害物でしかなかった政治党派。 政治党派、政党の必要性は否定はしない。しかし、未だにマルクスレーニン主義のはらむ問題点は解決し切れていない。ポルポト派も、朝鮮民主主義人民共和国も、あれが「社会主義」なのか?いやここまでひどくなくてもすべての社会主義国で、スターリン主義でない社会主義があったのか?そしてそれを越えようとしたはずの日本の国内の左翼運動も実態として全く同じ穴の狢に成り下がっていったのではないか? 結局、70年代激しい抗争の果て、各党派は力を落とし、今は港湾20労組やワールドピースナウの集会で主催者側の指示に従って仲良く肩を並べている。だが、70年代〜80年代、こうした党派間抗争に関する真摯な反省や総括はほぼ見あたらない。単に力を落としたからやめただけなのだろう。 そんな70年代後半大学時代を送り、三里塚や狭山差別裁判糾弾の集会に密かに(革マル派にわかれば大学にいられなかったろう)出かけていった自分にしてみれば、この「光の雨」は重い。「テロリスト」だの「過激派」だのと連合赤軍にレッテルを貼って、はるか遠いところに立ったつもりの人には楽に読めるだろうが。 映画版もある。評価はいろいろある。劇中劇の形をとったことで重苦しい雰囲気は幾分和らいだ。それで良かったのかどうか。70年代以降も大勢が死んだ。死者の眼差しは、こうした政治党派の外側で活動を続けていたはずの自分を今後も苦しめ続けるのだろう。
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本日は仕事を早引けして、テント村通信の原稿の手直しなどをしている。一休みしようとコーヒーを入れに台所に行ったら、UCCの携帯コーヒーキットが一つ残っているのに気がついた。75日間獄中の終盤戦、八王子拘置所で差し入れてもらったものの最後の一個だ。よし飲んじゃえ。拘置所では重宝したが、外で飲むとそんなにうまいものではないのだが。ついでに中の生活を思い出してしまった。 と言うわけで本の紹介。この本は九州のメル友が差し入れように送ってくれたものだが、一度に入る本の冊数は限られているので後回しになった。よって読んだのは保釈後であった。 花輪和一のマンガであるが、実にリアルだ。どうもセンセーショナルで絵空事じみてるドラマや映画の中の刑務所は、どこか実態とずれている。むしろ淡々と刑務所生活を描写した本作品の方が正しく、資料的な価値が高い。社会運動をになうものは、救援ノート(救援センター発行)と本作品を読んでおくこと。何しろ学校の校門前でのビラまきが「建造物侵入」で捕まる時代である。あなたも明日は獄中かも。弁護士立ち会いでビラをまいたところもあるそうだ。もうどこぞの軍事独裁政権国家とあんまり変わらないかも知れないなあ。 留置場・拘置所の中では、北朝鮮や韓国、ミャンマー、中国、イスラエルなどで獄中生活を送る多くの政治犯に思いを馳せた。命がけの闘いを行った彼らに比べれば自分はまだまだかも知れない。ただ、ちょっとだけ彼らに近い位置に行けたのかも知れないな、と思った。 本作品は崔洋一監督により映画化もされてる。名優山崎努の演技力もあって、こちらも面白い。ご覧あれ。
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前にジオログで書いたけど、ブログにはないから再度詳しくしてここでも書きます。 2月中旬、体調不良の中、布団の中でこうの史代の「夕凪の街 桜の国」を読んだ。戦争と原爆を語る数ある作品の中でも、指折りに数えられる傑作と言っていい。映画化の話が進んでるそうだが、まず英訳して海外で出して欲しい作品。韓国では出るらしいが。お勧め品です。 この作品、漫画アクションに載ったとき結構話題になっていたらしい。不覚にも全然知らなかった。アニメ「火垂るの墓」で泣けた人は泣いてしまうかも。 1950年代と現代を結んで物語は進む。突き刺さる言葉の数々。 「十年たったけど原爆を落とした人はわたしを見て『やった!また一人殺せた』とちゃんと思うてくれとる?」 作者は後書きで劣化ウラン弾のことにもふれている。そう、終わった話ではないのだ。 「このお話は終わりません」「何度夕凪が終わっても終わっていません」 「広島のある日本のあるこの世界を愛するすべての人へ」というメッセージは素晴らしいな、と思う。
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