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皆既月食を美しい星空の下で見たことがある人は、星空観察を何十年も趣味として続けているベテランでも案外と少ないものです。
満月はとても明るく、街灯やネオンで明るく照らし出された東京の空でも十分観察出来ますという半分間違った説明を私自身も何度もしてきました。

確かに、一通り楽しむだけであれば都会でも月食を観察することはできます。ですから「東京の空でも十分観察出来ます」とい説明はできます。しかしながらこれは、光と色の素晴らしい共演である月食を本当に市街地で楽しめるのかというと、街灯やネオンなどで照らし出された市街地の明るい空では、皆既月食という息を飲むような光と色の美しい天文現象を楽しむことはできないのです。

満月はマイナス12.5等というとてつもない明るさで、人が月の前に立つと後ろにはっきり影を引く程の明るさがあります。しかし平均的な皆既月食での月は明るさは、満月の数千分の1から数百万分の1まで光を減じてしまいます。都会では、もともとの市街地の街灯が満月の時の月よりも明るく空を照らし出しているので満月があろうと、月が出ていない時間だろうと、もともと星は数える程しか見えませんから、皆既月食でも空の様子はそう大きくは変わりません。しかしながら、天の川が見えるような素晴らしい夜空で月食を見ると、月が欠けてくるにつれて、灰色だった夜空は暗くなり漆黒に近づいていきます。するとどうでしょう、沸き立つように月の周りに星たちが輝きを取り戻し、地球の影にすっぽり収まる皆既月食の時間帯にもなると、頭上に広がる星空は、それこそ銀の砂を撒いたような無数の星に覆われ息を飲むような美しさになるのです。皆既月食を美しい星空の下で見たことがある人は、星空観察を何十年も趣味として続けているベテランでも案外と少ないものです。
満月はとても明るく、街灯やネオンで明るく照らし出された東京の空でも十分観察出来ますという半分間違った説明を私自身も何度もしてきました。

確かに、一通り楽しむだけであれば都会でも月食を観察することはできます。ですから「東京の空でも十分観察出来ます」とい説明はできます。しかしながらこれは、光と色の素晴らしい共演である月食を本当に市街地で楽しめるのかというと、街灯やネオンなどで照らし出された市街地の明るい空では、皆既月食という息を飲むような光と色の美しい天文現象を楽しむことはできないのです。


イメージ 1
 上の写真と下の写真を比べると随分と明るさも色も違うことに気づくでしょうか。皆既月食は、太陽と反対方向に地球が引いている、月の4倍の直径がある大きな地球の影を月が通り抜ける現象です。地球に大気がなければ真っ暗ですが、太陽光線のごく一部が、地球の大気を通り抜け屈折した光が地球の影に回り込み月をほんのりと照らしだした不思議な現象なのです。

 その色は、その時の地球の大気のコンディションで変わり、ほとんど灰色に近く肉眼で見えにくくなることもあれば、上の写真のように、薄いブルーから濃い赤への見事なグラデーションとして見えたり、下の写真のように、鮮やかなオレンジ色からレンガ色の鮮やかなグランデーションがでることもあります。そして月食の経過とともにそれが連続的に変わっていくのです。とても繊細でデリケートな色の変化なので市街地の明かりがとても邪魔になります。




イメージ 2




4枚目は自分が昨年の10月8日に撮影した、自慢の一枚です。市街地では絶対に見ることも撮ることもできない皆既月食の赤い月明かりに照らし出され赤く染まった幻想的な雲を赤銅色の月が纏っています。すこし部屋を暗くして見てください。赤い幻想的な雲をまとった月が木のシルエットを前景に、背景にはたくさんの星たちがキラキラと輝いているのが見えるでしょうか。

この写真は、それだけで美しいですが、実際はこの何十倍も美しかったのです。写真では映しとることが出来ない素晴らし光のページェントがそこにはありました。

どうしても、どうしても、今度の月食を皆さんに星空が美しい場所で見て欲しいのです。


イメージ 3

この赤い雲をまとった月の写真は、自分以外ほとんど撮影例がないのか、インターネットで検索しても出てきません。

太陽から放たれた光が地球に届き、そのほんの一部が地球の大気で屈折、地球の大気を通り抜ける間に、波長の短い赤い光は大気に吸収(散乱)され、38万キロ先の月面を赤く照らしだし、それがまた地球に戻ってきて上空の雲を赤く染めている......そう考えるとなんか感慨深いですね。


今度の4月4日(土)の皆既月食に関しては、このブログの以前の記事をご覧ください。

皆既月食の詳しいタイムスケジュールはこちら>クリック

次回は、肉眼でも観察できる月食を、さらに色彩豊かに楽しむための双眼鏡や望遠鏡を使っての観察方法を説明したいと思います。乞うご期待!!

二枚目の美しい写真は、弊社の屈折式天体望遠鏡、MURAMASA 60 MAXIでF.M.氏が撮影されたものです。


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大沼 崇
大沼 崇
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