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月食は、地球の影に月が入り込む現象です地球の影に入った月は全く見えなくなるはずです。実際は下の写真の様に影の中に入ると、満月本来の明るさの数千分の一とか数百万分の一の明るさにはなりますが、レンガ色や赤銅色の薄暗い満月として観察できます。これはなぜでしょうか?

それは地球には大気があるためです。上図をご覧ください。太陽の光のうち地球の大気に入った光は大気を通り抜ける時に、空気中に浮いているチリや水蒸気に邪魔されて波長の短い青い光は散乱され、波長の長い赤い光が通り抜けていきます。(本来白っぽい太陽が夕日や朝日のように地平線に近いと赤く見えるのと同じ原理です。)そして大気を通り抜ける時にレンズのように赤い光が屈折して影の中に赤い光が入り込むことによって影の中に入り込んだ月の表面が赤く美しく色付くのです。

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撮影:FUMIKI MUROYAMA

この色彩が美しい皆既月食の観察場所に関しては前回のブログでもお話ししましたが、今回はより美しい姿を観察するための双眼鏡や望遠鏡のお話しをしたいと思います。

月食は双眼鏡や望遠鏡を使わなくて、肉眼でも観察が出来ます。たくさん星が見える街灯がない海や山ならその色の変化も肉眼で楽しむ事ができるでしょう。口径30mmから50mmで倍率が6倍から10倍程度の双眼鏡(できれば射出瞳径4mm以上)の双眼鏡があれば、赤く染まった月の美しいグラデーションや月の周りにたくさん輝いている小さな星たちの瞬きを見る事ができるでしょう。

天体望遠鏡なら、出来るだけ倍率を落ちして、丸い視野の中にすっぽり月が入る十数倍から数十倍程度の低い倍率がオススメです。

これらの光学機器で見ると口径50mmの小さな望遠鏡や双眼鏡でも、肉眼の数十倍にもなる光を集める能力で赤く染まった月面のグラーデーションがとても美しく見えるのです。特に今回は地球の影の淵をかすめる月食なので、影の淵の方は青い光を含んでいる場合があり、赤から青いグラデーションが見えるかもしれません。

これはブルーバンド、ブルーフリンジ、ターコイズフリンジと呼ばれる現象で、前回の2014年10月8日の月食でも観察されています。



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ブルーバンド、ブルーフリンジ、ターコイズフリンジですが、下の写真は昨年の10月8日の皆既月食の際に撮影されたものです。本影の中は赤い波長の光が優勢ですが、本影のもっとも外側の光は青い波長の光が優勢でこのような現象が起こるようです。大気の上層の部分にオゾンがリッチなオゾン層があり、この部分を透過した光は、最初説明したのとは逆に赤い光が散乱し青い光を透過することから起こる現象のようです。ちなみにターコイズとはトルコ石の事で、フリンジとは縁取りの事です。本影の一番最外周の青い光の縁取りということになりますね。トルコ石は美しい青色をしているのでこのように名付けたようです。

またこの現象は、肉眼では以前から観察されていたものの、フィルムを使っていた時代にはなかなか撮影することができませんでした。


 調べたところによると、撮影の際にデジタルカメラのホワイトバランスの設定をAWB(オートホワイトバランス)にすると写りやすいようです。もしくはRAWで撮影しても良いようです。ホワイトバランスを太陽光にすると写りにくいようです。

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下の図版は、皆既月食の時の月の周辺にある星の位置の図版です。アストロアーツのステラナビゲーターで作成したものです。月が完全に本影の中に入っている状態の時口径15センチから20センチほどの望遠鏡で見えると思われる星をプロットしてあります。星の下の数値は星の明るさ(等級)です。631は6.31等 1166は11.66等ということになります。空の条件にもよりますが、双眼鏡であれば9等くらいまでの星が見えると思います。普段満月のまわりは、ここまで暗い星は見えません。満月の強烈なあかりにじゃまされてしまうからです。
星空の中にぽっかり浮かぶ赤い満月はとても幻想的なながめになります。見逃さないようにしてください。

図版中の一番小さな円は、地球の本影です。その周りを取り囲む少し大きな円は半影です。そして一番大きな黄色い線の円は、視野にして約7度の円で標準的な双眼鏡の視界の広さはこのくらいになります。


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こちらは月の周辺の拡大です。望遠鏡で見るときはこちらをお使いください。同心円は、小さい方が本影、大きい方が半影です。その二つの円と同心円でない黄色い線の円は、視野が1度の視野円で50倍くらいの望遠鏡の標準的な視界の大きさになります。

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月食中に月が背後の星を隠す星食が起こります。20時33分に潜入(月に隠され)し、20時58分に出現(月のふちから再び出てきます)します。明るさが11.66等の暗い恒星なので観察には、口径20センチくらいの比較的大型の望遠鏡が必要になります。

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こちらの動画は米国のNASAによる前回の月食の説明動画です。全編英語ですが分かりやすく作られているので、英語分からなくても楽しめます。ぜひご覧になってください。



今回、ほかに月食に関して二つの解説記事があります。
こちらもご覧ください。

クリックしてごらんください。

皆既月食まであと一ヶ月切りました!月食の時間など

光と色の共演、皆既月食を暗い夜空で鑑賞しましょう。





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大沼 崇
大沼 崇
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