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望遠鏡が欲しい!
最初の望遠鏡はどのようなものを選ぶべきか。これについては人によって意見の分かれるところでしょう。最初からかなり本格的な望遠鏡を揃える方もいれば、最初からそんなに予算を割けない人もいる訳です。2万円くらいまでで何とかならないか。よく受ける相談です。「ちょっと望遠鏡で星を見てみたい」「土星がみたい!」と子供に言われたとき、どこに望遠鏡を買いに行きますか?近くのホームセンターやディスカウントセンターにならんでいる望遠鏡かも知れません。パンフレットや化粧箱を見ると勇ましいスペックが書き連ねてあります。最高倍率220倍!525倍!750倍!目が廻るようなスペックですね。初心者の方にとって倍率は、まるで車の馬力のように望遠鏡自体の能力を現すものとして写ってしまうことでしょう。OK!525倍!これなら土星も化粧箱に印刷されている探査機が写した写真のように視野一杯に見えるのではないか!ちょっと立ち止まって考えて見て下さい。
望遠鏡の発達の歴史は、倍率競争でしたか?どんどん対物レンズや対物鏡が大きくなって行きました。より細かいところまで見るため、よりかすかな光を捉えるため!そうです!望遠鏡の能力を決めるのは、対物レンズや対物鏡の口径なんですね!対物レンズや対物鏡の直径と精度が望遠鏡の能力のほとんどを決めてしまうのです。
ポイントは、
1.望遠鏡の対物レンズや対物鏡の口径が大きくなればなるほど、より細かいところまで見えるようになります。
2.望遠鏡の対物レンズや対物鏡の口径が大きくなればなるほど、より沢山の光を集めることが出来るようになる。
高精度なレンズをもった望遠鏡でその限界の倍率は、口径をmmで表し、その数値の倍率が有効最高倍率となります。有効最高倍率とは、それ以上倍率を上げてもその望遠鏡ではそれ以上細かいところは見えませんよ。という倍率です。その数値の2倍の倍率は最高倍率と呼ばれます。(火星のような表面の輝度が高い対象で2.5倍)口径6センチの望遠鏡を例にとりますと6センチをミリに直すと60mmです。60倍が有効最高倍率、60を2倍から2.5倍の120倍から150倍が実用上の最高倍率になります。ですから口径60mmで525倍の倍率はそもそもおかしいわけです。みなさんの慣れ親しんでいるデジカメで話をして見ましょう。ちょっと前のデジカメは、35万画素しかありませんでした。デジカメの液晶では綺麗に見えていた写真が、パソコンのプリンターで葉書サイズやA4サイズにプリントすると非常にキメが荒いプリントになった経験ありませんか?情報量が限られている訳です。それを無理やり大きくプリントしても意味が無いのと同じで、望遠鏡は、口径が小さいなら小さいなりの倍率で見ない事には綺麗に、シャープに見えない訳なのです。こうした事を無視して過剰な高倍率で土星を見ても、暗くぼやけて見えるだけなのです。
一部の心無い望遠鏡メーカーは、それを知っていながら初心者の勘違いを利用し、そうした意味の無い高倍率の望遠鏡を売っている訳です。そんなメーカーの製品は、買わないことです。そもそも化粧箱に倍率がデカデカと印刷されているような望遠鏡には手を出さない事です。残念ながら今この日本に置いて、一万から二万円の望遠鏡でそうした過剰倍率でない望遠鏡はただのひとつもありません。なんと情けない話でしょうか。ちょっと前まで「レイメイ」というメーカーの望遠鏡は、適正倍率を謳い良心的な倍率の望遠鏡を売っていましたが、今のシリーズは馬鹿みたいな高倍率になってしまいました。
ですから望遠鏡を店頭で見たら、まず対物レンズの口径をチェック、口径mmの2倍を超える倍率の表示がされていたらその望遠鏡は候補から外しましょう。
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