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笠井トレーディングさんのトラベルドブソニアンRD-300DX
今日はいよいよ木箱の中を見てみましょう。
箱を開けて最初に出て来るのが、組立取扱説明書とGS製ミラーの干渉計による精度チェック証明書です。説明書は組立の手順や注意点を組立の順を追って分かりやすく丁寧に解説してあります。
写真手前が主鏡を納めるケース(415mmX415mmX86mm)写真奥がトップリング(斜鏡とスパイダーを含む)、トラス棒、架台部品などを納める部品ケース(445mmX498mmX168mm)塗装も美しく、木目が見えます。各コーナーはアルミで補強され、上質なアナダイジングがされた持ちやすいアルミ製の取手が付いています。この木箱は上質なプライウッドで作られ、非常に丁寧に仕上げられていて、日本で一般的に見る望遠鏡や顕微鏡などの理化学機器を納める木箱よりももっと上質かつ軽量に仕上げられています。
箱の蓋部分(ドブソニアン架台のペース部分になる)を開けると、トップリングと架台構成部品が見えます。トップリングには、斜鏡金具が非常に薄いスパイダーで支えられています。斜鏡の短径は63mmで、それより小さな正方形の斜鏡修正金具により固定されています。
主鏡の口径(300mm)に対する斜鏡の中央遮蔽率は約1/5ですので、惑星を見るのが楽しみになるスペックですね。
このあたりの金属部品の加工も仕上げも相当丁寧で、撫で回したくなるような美しさがありますね。もっと手荒な仕事の製品が跋扈するなか、持つ喜びを満たし、使った後の後片付けが楽しくなるような仕上げがされた望遠鏡はちょっと希少ですね。
望遠鏡以外の世界では、アップルのiPhoneに代表されるような仕上げや手触りを重視し、高級感を持たせた製品というのはあるのですが、最近の望遠鏡ではちょっと珍しい存在です。
ちょっと話がそれてしまいました。
望遠鏡のトップリングなどが固定されている板を持ち上げると、その下には楕円状の黒色遮光板が収まっています。その下には厚みのある中空パイプでできたトラス棒が整然と収まっています。
これは、望遠鏡のトップリングや架台構成部品が収まっていた木箱の蓋の部分ですが、ここがドブソニアン架台の基部に成ります。このロッカーボックスですが、驚くべき構造です。薄い板にリブ構造となるものが張り合わせてあり(もしかしたらくり抜き?いやプライウッドをくり抜きは出来ないでしょう。明日もう一度良く見てみます)軽量化してあるのです。いずれにせよ、すごくお金の掛かった構造です!見た目も素晴らしい!会社で開けた時、周辺一同からどよめきともため息とも付かぬ声が漏れましたよ。
これがトラスを構成する肉厚中空のアルミパイプです。かなりの強度があります。綺麗に収まっていますが、ヒミツは次の写真です。
箱の基部に収納のガイドとなる、中空パイプの直径で溝がある板が取り付けられているのです。この箱の凄いところは、がたつきなく全てのパーツがきっちり収まっていることです。また木箱自体の寸法精度も高く上質な木製家具のような仕立てなのです。
さて主鏡格納箱は、格納箱側面にある4つのネジを外し、取っ手をもってそっとスライドアップして木箱からセルと一体になった30センチの主鏡を取り出します。
ミラーを無事に取り出すと、見慣れない白いノブが付いています。よーく見ると、これが笠井さんの商品説明に書いてあったプライマリーミラーを保護しているアクリルカバーなのです。主鏡セルを水平にした上で、ストッパーを外し、ノブを持って引き上げて外すようです。
もっともこのカバーを取り付けたままで光軸修正ができるのが売りですから、観測直前まで外さない方が良いでしょう。
プライマリーミラーのセルを裏側が見たようす
各コーナーがリブで補強されている。ミラーを押さえている黒くアナダイジングされたアルミのパーツの円周上120度ごとにふくらみがあり、セルの背面を押さえる三角形の構造を支えている。主鏡背面が大きく開放していて、温度順応が早そうです。
後ろ姿もかっこいい!
黒いボタン上突起物でプライマリーミラーの背面から複数点でミラーを支えています。触ったところ固いプラスチックのような素材で出来ているので、あまり大きな衝撃がかかるとちょっと恐いかな。海外の持ち運ぶ時は硬質ゴムのようなものを挟んだ方が良いかも。(いやいやそれは素人考えかな。設計者はこれで大丈夫だと確信しているに違いない。)
明日は、いよいよ組立をしてみる予定です。できれば様子をビデオで撮影しyoutubeで公開します。明日はちょっとばたばたしているのでもしかすると時間の関係で明後日になるかもしれません。
いやぁ、ドイツのマイスターって本当に凄い!今日は一日ため息でした。(良いため息ね。)
なにが凄いって、この美しい仕上げが凄いです。また今迄星空観察旅行では家内のフィアット500では、こんな大口径運べなかったのですが、これからはあの小さな車からこんなに巨大な望遠鏡が出て来るという事です。
(株)スターライト・コーポレーション
代表取締役社長 大沼 崇
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2012年04月17日
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先日のブログで、友人のシンガーソングライターのユウサミイさんの特注オーダーで、ラプトル60のブルーメタリック鏡筒版を作った事を記事にしました。この塗装は車の塗料をベースにするもので、弊社が富士重工に納める天体望遠鏡 SUBARU Merope 80Aの塗料をベースにし、中に調合する薬品の割合を替え調合した新色なのですが、この塗料は、ラプトル60のようなABS樹脂には塗装出来ない塗料なので、鏡筒材質をアルミ引抜きパイプにグレードアップしました。
フラットベースの調合を替えたため、ハイライトがさらに明るい色になりました。この曲率の鏡筒になると、ハイライトをさらにシャープに際立たせないと綺麗なグラデーションが出ないのです。
ところでこの望遠鏡は、サミイさんがライブステージで紹介してくれまして、サミイさんと同じ望遠鏡が欲しいとの要望が相次ぎました。
少し派手かなと思ったのですが、こうして商品写真を撮ろうと外に持ち出して見ても素晴らしく美しい望遠鏡ですね。
その後のサミイさんとの話で、この望遠鏡でファンにも、サミイさん自身が八ヶ岳で見たような宇宙をファンのみなさんと共有したいという話になり、量産することになりました。
通常塗料ですと、一斗缶(18リットル)数千円から一万円程度の価格なのですが、この塗料は、一斗缶で12万円もするのです。塗装工程も大幅に増え、鏡筒を樹脂パイプからアルミ引抜きパイプに替えた事により、販売価格が結構上がってしまいそうです。
でもこんなに美しい望遠鏡が、世の中に出るという事ちょっとわくわくしてしまいますね。
(株)スターライト・コーポレーション
代表取締役社長 大沼 崇
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