いつまでがんばれるかな? きっといつまでも、いつも心に太陽と月を

運命に逆らえばそれに引きずりまわされる、運命を受け入れるとそれは導いてくれる

トリスタン・コルビエール

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一人の女友達


  この俺に何を求めるのだ? 可愛い女よ
  俺ときてはお前が何より愛しいのだ!
  ―愛かしら? ―見つかるかどうか探してごらん!
  お前が俺を愛するなら 俺だってお前を愛してやる
  俺はお前が好きだったんだよ 
  脱皮したトカゲが太陽を追い求めるようにお前を求めた
  愛の天使が翼を広げてやってきた時には
  ―太陽がまぶしくて逃げたのでしょう!
  俺は乞食のように変わっていたかも
  乞食が人の耳を恐れるのは
  所詮はゴクツブシだからだ
  腹を膨まらすより自由でいたいというわけだ

  ―骨董品 ガラクタ つぎはぎ細工?
  そんなものが好きなのね
  ―ガラクタは甦ることもあるが
  ろくでもないままに終る愛もある
  半開きのドアを無理に押し開けないでも
  極楽はすぐ目の前にあるさ
  リンゴの実は青いままにしておこう
  禁断の果実の皮を剥くのはやめよう
  わたしたちはどうすればいいのでしょう?
  ―何も −でもいずれ結ばれるのよね
  ―どちらが先にそれを望む? −あなたでなければ
  ―どちらにしても同じことだ −そうですね
  ―お互いに愛を望もう −きっとですよ
  愛する気持が強いのはわたしのほうなの
  たとえ気の迷いといわれても
  だからわたしを裏切らないで!
  このやりとりを静かな愛と呼ぼうか
  時にはこうして振り返ることも必要だ
  だがあまり信じすぎることも考え物
  ―うその中にも誠の愛があるのですもの
  少なくとも互いに罵りあうのはやめましょう
  ―お前がそうするならば −きっとそうするわ
  憎しみから死ぬのは −馬鹿げたことさ
  俺はお前の明るく笑う顔が好きなんだよ






最期


  まさしくこれらの船乗りども 水夫も船長も
  大海に永遠に飲み込まれるべく
  遠い航路へと呑気に船出したところが
  みな死んでしまったのだ 船出の姿そのままに

  それが仕事ってもんさ みな靴を履いたまま死んだのだ
  酒びたりで 軽やかに外套に身を包みながら
  ―死んだとはいえ 死神は海を歩くのが苦手だ
  いっそのこと一緒に寝るがいい 
  お前たちの世話女房なのだから  
  ―船乗りたちはことごとく波にさらわれ
  嵐にもまれて藻屑ときえる

  突風 それで死ぬのか? 
  低い帆柱が水面を叩く −浸水というやつだ
  鉛のような海の一撃
  ―沈没 −言葉の意味を考えろ 君らの死はありふれたことだ
  嵐に巻き込まれた船ではよくあること
  戦う水夫たちの苦い笑いに比べればつまらぬこと
  −さあ そこをどけ
  煽られた幽霊が来る 死が様相を変える
  海だ!
  溺れるって? 溺れて浮くのは真水でのこと
  ―沈むのだ!身体も財宝も!見習い水夫に至るまで
  目には反逆 歯には悪態をたたえながら!
  噛み煙草を泡に吐き出し
  塩辛い水をたらふく飲むのだ
  ―出された酒でも飲むように
  六尺も沈まぬうちに 墓場ねずみならぬ
  サメに食われる! 船乗りたちの魂は
  ジャガイモの肥やしになる代わりに
  波を吸い込むのだ
  ―見ろ 水平線に波が逆巻く
  発情した女の腹が
  酔っぱらってうごめくようだ
  船乗りらはそこだ! 
  −波には空洞ができたぞ  どよめく嵐の音を聞け!
  今日は船乗りたちの命日だ −度々巡ってくるのだ
  詩人よ 盲目の歌はしまっておけ
  ―「深淵の底から」を風に吹き鳴らさせろ

  水夫たちよ 処女なる空間を永遠に転がれ!
  みずみずしい裸体のままに転がれ
  釘も 棺桶も 蓋も 蝋燭もいらぬ
  ―転がり続けさせろ 成り上がりの穴ぐらよ!



  高いマストが波に打ち当る −沈没というやつだ

墓碑銘


  熱狂から命を絶った あるいは怠惰で死んだ
生き続けるとしても忘却のち 以下はその生前の姿 

唯一の悔恨は自分自身の主人になれなかったことだ

まともな生まれ方はしなかった
何事にも優柔不断に吹き流され
ごった煮のようにとりとりとめない道化
みだらなものどもの混血児

何がなんだかわからぬが・・居場所はちゃんと知っていた
金については・・いつも文無し
神経質だが・・気力なく、精気はあっても力なし
飛躍はするが・・挫折もする
心はあっても・・楽器がない
愛はいつも・・から回り
・・名声は悪名ばかり
追い求めても・・理想はない
詩を書けば・・字余りだらけ
いたこともないのに・・戻ってくる
会ったと思えばいなくなる
詩人というには情けなく
芸術家というのも憚られる
哲学者とはとてもいえぬ

まじめに滑稽を演じるが・・けっして滑稽ではない
役者としては芸がなく
画家のクセに楽器が好きで
音楽家なのにパレットを持つ
ひとかど気取りで・・頭は空っぽ
獣になるには間抜けすぎる
一本の線で言葉を表わし
間違いを真実とする
珍しい鳥にして・・ろくでもない鳥
男らしいのに・・女々しさもある
万能だが・・何事も不器用
子どものように金遣いが荒く
遺書には・・遺言の言葉がない
勇ましいが・・から元気で
地上にしかいる場所がない
色彩豊かな画家にしては・・色使いが単調すぎる
わかってもらえぬ・・とりわけ自分に
泣いてる時は歌っているよう
傷はないが欠陥だらけ
何者でもなく、何事もせず
ただ自然らしさを装っているだけ
装いだなんて・・ふりだけさ
お人よし過ぎて皮肉屋になり
何も信じないのに騙されやすい
・・好みといえばゲテモノ食い
信じすぎたのは・・酔っていたせい
自分に似ているものは何もないから
敵のご機嫌をとるはめになる
悪夢にうなされることもしばしば
散歩すれば・・あてどもなく
いずくともなくさ迷い歩く
耐えられぬほど自分に忠実で
精神は乾き 頭は酔っていた
終わりというのにフィナーレを知らず
生きることを願いつつ死に
死ぬことを願いつつ生きた
ここに眠る・・心なき心 場違いながら
功なり名とげて・・人生の落伍者が








女の友へ A une Camarade


  この俺に何を求めるのだ? 可愛い女よ
俺ときてはお前が何より愛しいのだ!
―愛かしら? ―見つかるかどうか探してごらん!
お前が俺を愛するなら 俺だってお前を愛してやる
俺はお前が好きだったんだよ 
脱皮したトカゲが太陽を追い求めるようにお前を求めた
愛の天使が翼を広げてやってきた時には
―太陽がまぶしくて逃げたのでしょう!
俺は乞食のように変わっていたかも
乞食が人の耳を恐れるのは
所詮はゴクツブシだからだ
腹を膨まらすより自由でいたいというわけだ
―骨董品 ガラクタ つぎはぎ細工?
そんなものが好きなのね
―ガラクタは甦ることもあるが
ろくでもないままに終る愛もある

半開きのドアを無理に押し開けないでも
極楽はすぐ目の前にあるさ
リンゴの実は青いままにしておこう
禁断の果実の皮を剥くのはやめよう
わたしたちはどうすればいいのでしょう?
―何も −でもいずれ結ばれるのよね
―どちらが先にそれを望む? −あなたでなければ
―どちらにしても同じことだ −そうですね
―お互いに愛を望もう −きっとですよ
愛する気持が強いのはわたしのほうなの
たとえ気の迷いといわれても
だからわたしを裏切らないで!
このやりとりを静かな愛と呼ぼうか
時にはこうして振り返ることも必要だ
だがあまり信じすぎることも考え物
―うその中にも誠の愛があるのですもの
少なくとも互いに罵りあうのはやめましょう
―お前がそうするならば −きっとそうするわ
憎しみから死ぬのは −馬鹿げたことさ
俺はお前の明るく笑う顔が好きなんだよ







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