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ぼくはこの不思議な光景を目の前に見ている
火を目の前にした子供のように 口には薄笑いを浮かべ 目からは涙を流しながら その光景の前で ぼくの中のあらゆるものがうごめいた 曇った鏡にも 光り輝く鏡にも 裸のふたりが映ったのだ 季節と季節がせめぎあうような 道のない台地の上で 地平線のない空の下で
なぜ茫然自失したのか ぼくには始めてわかった 昨日まではわからなかったけれど もうそれを忘れることはないだろう それは視線のさきにある美しい秘密 彼女自身の女体の秘密だったのだぼくの眼に火花をとびちらせたもの それは女としての彼女そのものだったんだ それは星のようにきらめく 大地の上で空の下で ぼくの心の内外で つぼみが開き 草がなびき 海にはあまたの帆船が走り 太陽がついにぼくらの前に昇ってくる ぼくはこの不思議な光景を目の前に見ている
火につつまれた木の枝のような |

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