原子力ブログ

原子力を少しでも理解していただけたら嬉しいです.質問・反論大歓迎.

高速増殖炉ノススメ

キタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━ !!

高速炉2050年に商業化 エネ庁が政策見通し
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20050316-00000280-kyodo-pol
 原子力政策の基本方針を定めた原子力長期計画の改定論議をしている原子力委員会の新計画策定会議に、経済産業省資源エネルギー庁は16日、2050年ごろから高速増殖炉を導入するとの電気事業者の見解を盛り込んだ長期的な原子力政策の見通しを示した。
 原子力発電については、2030年以降も発電総量の30−40%を維持するべきだとしている。
 高速増殖炉は、1995年の原型炉もんじゅ(福井県敦賀市)のナトリウム漏れ事故以来、実現性が危ぶまれており、現行の長期計画では商業化の時期は、示されていない。

最近の日本政府,好きです.なんだか強気じゃないですか.

数年前に,こんな発表をしようもんなら,朝Θ新聞に洗脳された方々が,どこからともなく,わんさか湧いてきて抗議の嵐(荒らし)だったでしょうけど,最近は違うようです.従軍慰安婦なんてなかったし,南京大虐殺なんてなかったし,竹島は日本のものです.断っておきますが,私は右翼ではありません.朝Θのデマを許せないと感じている,単なる一市民です.

原子力が本当に意味のある資源となるには,現在の軽水炉(熱炉)ではなくて,高速増殖炉でないといけません.軽水炉だと,多くの中性子が減速の過程で核分裂に貢献せずに吸収されてしまい,吸収した核種の一部はMA(マイナーアクチニド)になってしまいます.MAは再処理してもほとんど残ってしまい,燃料中に存在すると中性子を無駄に吸収するだけで核分裂を起こしてくれない毒物です.そのため,軽水炉だけでは,再処理しても燃料は2・3回しか使えない計算になります.ところが高速炉で燃料を燃やすと,MAはほとんどできず,また,仮にMAが含まれていたとしても高速中性子で分裂してくれるので,MAは燃料にもなってくれます.MAが含まれていないので,理論上再処理でウランが尽きるまで繰り返し使えるので,資源的に有効になります.

これが私がプルサーマルに反対する根拠にもなっているのですが,国は高速増殖炉を始める前にプルサーマルの段階を踏もうとしています.新しいものを導入するたびに非難を受けるのは必死なので,どうせ非難を受けるなら一回に済ませるために,プルサーマル計画なんてやめて一気に高速増殖炉に向かいましょうよ?

うれしかったのと時間がなかったのとで,文章がかなり変になってるかも・・・ 徐々に訂正していくのでご了承を.

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冷却材の放射能

冷却材漏れ事故が相次いでいます.冷却材の流れる配管の継ぎ目や配管に生じた孔から漏れたり,時としては配管ごと切断されてたり・・・このとき当然のように外部への放射能の影響はありませんでしたと報告されます.果たして本当に影響はないのでしょうか?また,内部の作業員は悲惨な放射能害にさらされているのではないのでしょうか?疑問を抱くのが普通でしょう.

冷却材とは炉心で発生した熱を炉心外へ取除くもので,通常は軽水(普通の水)が用いられています.炉心を通過するので(PWRの二次冷却材は通過しないのでここでは省きます),この冷却材は通常の水よりも多くの放射能を有することになるため,これに近づくことで被曝することになります.そのため,冷却材の流れる箇所は遮蔽されています.しかし,何らかで冷却材が漏れてしまったら遮蔽もくそもありません.この場合速やかに漏洩箇所の修復および汚染箇所の除染が行われる事になるでしょう.原発作業員で決死隊を結成して,悪しき放射能水との戦いが行われます・・・ と,反日メディアの妄想劇は終わりにします.

さて,実際は一次冷却材といえど恐れるに足りません.確かに,原子炉の中では,様々な放射線が飛び交っていて,それらを吸収することで,冷却材が一部放射化します.放射化は中性子線が最も起こりやすいですが,冷却材に含まれる大部分の元素は水素と酸素ですので,それらは中性子を吸収しても質量数が一つ増えるだけで,放射化しません.H-2(重水素)もO-17も安定核種だからです.(参照:核図表
  H-1 + n → H-2
  O-16 + n → O-17
よって,冷却材の中で放射化を起こすのは冷却材に微量に含まれている不純物なのです.もともと含有量の少ないこれらが放射化したところで,全体の放射能は大したことはありません.PWRでは冷却材にB-10(ホウ素)を溶かしていますが,B-10が中性子を吸収しても即座にアルファ線を発してLi-7(安定)に変わるので,水素・酸素と同様放射化はしません.

次に,最も勘違いしやすいのが,冷却材の中にウランやプルトニウムなどの燃料が溶けていてそれから放射線が出ているというものです.しかし,ウランやプルトニウムおよび核分裂生成物は被覆管に納められているので,通常運転時の冷却材には含まれていません.仮に事故で被覆管から漏れたしても,冷却材中のヨウ素濃度モニターに異常が察知され,運転は止められるので,通常の漏れた冷却材にそれらが含まれているということはないのです.

つまり,事故で冷却材が漏れて問題がありませんでしたといっていますが,放射能的には大した問題ではないのですよ!漏れた事実は大問題ですけど.でも,いくら問題ないといっても,一次冷却水を飲めといわれたら断ります.

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最近,原発でちょっとした事故が多い気がします.計器の故障や,大地震などによって,不具合が起こるのは仕方ないかもしれないけど,多くはヒューマンエラー,すなわち人的要因によると思われるので残念です.

昨日の出来事.
柏崎刈羽原発:5号機、放射性廃棄物散乱−−燃料容器取り換え作業中  /新潟
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20050311-00000031-mailo-l15

 東京電力柏崎刈羽原発5号機(沸騰水型、出力110万キロワット)で10日午前9時45分ごろ、タービン建屋内の燃料容器(ラック)の取り換え作業中、放射能を帯びたラック廃材を詰めたドラム缶(約470キロ)がつり具からはずれ約11メートル下の床に落下、廃材の一部が飛び出すトラブルがあった。けが人はなく、外部への放射能漏れもないという。
 東電によると、ドラム缶の中にはステンレス製のラック廃材を圧縮した板約30枚が入っており、このうち9枚が落下の衝撃で飛び出した。9枚に付着している放射能は、ラジウム温泉約400ミリリットルに含まれる量と同程度という。【渡辺暢】

使用済み燃料集合体を格納する使用済みラックを納めたドラム管を整理していたら,落っこちて中身が漏れたらしいです.中身が低レベル放射性廃棄物だから放射能は大したことにならなかったですけど・・・ 

さて,事故をもっと知りたくて柏崎刈羽のHPに寄ったらありました.
http://www.tepco.co.jp/kk-np/nuclear/pdf/17031001.pdf

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メカ沢くんが潰れてる! ネタが分からない方,申し訳ございません.

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過剰防衛!?@愛媛県

ヨウ素剤を公立学校配備へ 伊方原発周辺に愛媛県
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20050310-00000248-kyodo-soci

 愛媛県は10日、四国電力伊方原発の地元の同県伊方町と隣接する保内、瀬戸両町にあるすべての公立小中高校計17校に、原発事故の際に放射性ヨウ素による被ばく低減のため服用するヨウ素剤を、夏にも配備する方針を明らかにした。
 文部科学省は「公立学校への配備は、あまり聞いたことがない」としている。
 県危機管理室や保健福祉課によると、これまで伊方町や周辺の保健所などに配備していた。公立学校にはヨウ素剤を管理する養護教諭らがおり、事故の際に児童や生徒がすぐに服用できるため、より有効と判断した。

伊方原発の地元の伊方町と隣接する保内、瀬戸両町にあるすべての公立小中高校計17校に、原発事故の際に放射性ヨウ素による被ばく低減のため服用するヨウ素剤を、夏にも配備する方針だそうです.

原発事故でヨウ素剤の服用が必要となるのは,炉心が溶融して原子炉建屋を吹き飛ばし,融けた燃料中に含まれるヨウ素が環境中に放出されてしまった場合でしょう.過去に世界で一例だけチェルノブイリ原発で大量にヨウ素が放出された事があります.その結果,周辺では小児甲状腺がんが有意に増加したと言われています.とはいえ,果たして日本の原発周辺の小中学校にヨウ素剤を配る必要はあるのでしょうか?

同じく炉心溶融を起こしたスリーマイル(米国)では,ヨウ素を含む大量の放射能が周辺に放出されることはありませんでした.なぜなら,原子炉が格納容器中にあり,漏れを防ぐことができたからです.一方チェルノブイリには格納容器がなく,その結果,大量の放射能を周辺に撒き散らすことになってしまいました.

日本の原発はどうでしょうか?

もちろん,全て格納容器中に納められています.また,チェルノブイリと違ってどの出力でも,安全な設計(負のフィードバックが効く)となっています.よって,ヨウ素が必要となるような事故は(おそらく)起こらないでしょう.ヨウ素剤を買うお金で,自転車通学する中学生にヘルメット買ってあげた方がはるかに有益だと思うのですが,そう思うのは私が原子力関係者だからですかね?

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マンハッタン計画の中心、物理学者のベーテ氏死去
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20050308-00000303-yom-int

 【ワシントン=笹沢教一】日本に投下した原爆を開発したマンハッタン計画の中心人物の1人でノーベル物理学賞受賞者のハンス・ベーテ氏(米コーネル大名誉教授)が6日、米ニューヨーク州イサカの自宅で死去した。98歳。同大が7日、発表した。

 第2次世界大戦中、原爆を開発したロスアラモス国立研究所で理論物理学部門の責任者を務めた。太陽などのエネルギー源が核融合であることを理論化し、1967年にノーベル物理学賞。戦後は核開発を批判、対イラク戦やミサイル防衛の反対声明にも署名した。

日本に原爆が投下されて今年でちょうど60周年.被爆者の多くは既にお亡くなりになられ,生存している方の中には今なお原爆と戦い続けてる人がいます.そんな中,マンハッタンプロジェクトの中枢人物がまだ生きていたとは驚きました.

さて,このベーテ氏,調べてみますと爆縮理論を完成させた人らしいです.プルトニウム239は高濃縮ウランよりも生産しやすいので,現存する核弾頭に多く採用されています.しかし,核弾頭の作りがお粗末だと未熟爆発を起こしてしまうので,それを防ぐのがこの爆縮理論です.

プルトニウムを均等に32個に分けて球の内面に等間隔に配置し,一斉に点火しプルトニウムを中心部に爆縮させる.もし均等に力が加わらなかったら形が崩れ未熟爆発になってしまう.よって,プルトニウム型核弾頭の成功には,精度の高い設計が必要不可欠です.それを実現させたベーテ氏の業績は核兵器といえ偉大です.氏は太陽の核融合に関する研究でノーベル賞を受賞しております.この研究が後に水素爆弾の開発につながったらしいです・・・ まさに原水爆の生みの親といっても過言ではないですね.

ご冥福をお祈りします.

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