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本田真凜ちゃんがオリンピックの出場を逃した時、本田望結ちゃんが、力を合わせ、またがんばっていくって答えていました。
「力を合わせる」っていう言葉。なんだかあたたかく、心強い言葉。ずっと前からある言葉なのに、久しぶりに聞いた気もしました。そしてその中の「合わせる」っていう言葉が格段に素敵に思えました。
2018年が始まりました。私は初詣に行って手を合わせました。みんな寒い中、それぞれが、今年初めてのお日様の下で手を合わしていました。
外出をして、人を訪ねて挨拶をすることも、言い方を変えれば、言葉と言葉を合わせるということ。玄関先で靴を揃えるのも、一足と一足を合わせるということ。食事をしてお椀を重ねることも、お椀とお椀を合わせるということ。言い方や見方を変えれば、日常には「合わせる」という行為に満ち溢れてきます。
日々、周囲が激しい競争だけの空気に陥ると、たちまち「合わせる」っていう言葉は薄れて「蹴散らす」っていう言葉が突出してしまいます。そしてその中で、何も悪くないのに癒えない傷を負う人も増えてしまいます。それはとてもやるせなく、苦しいこと。
心と心を合わせること。それは言葉にすることは簡単だけど、とても、とても難しいこと。
一年の始まり。「始まり」という言葉に力を借りて、原点に戻ってみたいと思いました。どんなマニュアルよりも、やさしく教えてくれる日常の中のさりげない所作。例えば脱いだままの靴を揃えるように。例えば傷つかないよう、お椀を静かに重ねるように。「合わせる」ということについて考えてみたいと思いました。
手と手を合わせるとあたたかい。それは生きているから。一人一人に体温があるように、心だってあります。
私は、ほっこりと揃った一組の靴になれるかな。ていねいに重なったごちそうさまのお椀になれるかな。そして、笑顔と笑顔が合わさって生まれる、素敵な挨拶の声になれるかな・・・。
今年の始まりにありがとう。ここまで読んでくれたあなたにありがとう。
(sora)
Photo by SSA
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