ひとつぶのあめ
なさけないって思っていた時
あの子はいつも
私の目の前にあめをふらしてくる
ひとつぶのあめ
それはおおつぶで
あの子の両手にささえられながら
ゆっくりゆっくりふってくる
おおつぶのみずいろのあめ
おおつぶの
あの子のえがおもいっしょ
今日もぬれずにすんだ
おちこみまつげ
がんばらなくてもいいよ
がんばっているんだからさ
おなかすいたね
みぎにひだりに
ころころころころ
ほっぺたをふくらませながら
さいだーのあめ
みるくのあめ
いちごのあめ
かさのいらないあめ
なきそうになる天気予報
どこからともなくあらわれて
えがおのかさをとどけてくれる
オフィスの気象予報士
あまいあめ
やさしいあめ
さっきまでへこんでいた
おなかもせなかも
ぴっかぴっかのはれになる
私たちの地方では、あめを持ち歩いていたり、あめのやりとりをする人も割に多いと思います。お気に入りのあめを決めていたりする人もいたり、新しいあめを紹介しあったりして、お互い新発見などしたりして、たったひとつぶのあめから会話が生まれたり、小さな交流のきっかけとなったりすることもあります。
私自身、落ち込んでいるときにもらうあめに元気をもらったことも何度かあります。「大丈夫?」のかわりに「おなかすいてない?」って机においてくれるあめや、「げんきないね?」って片手に両手でいくつものあめをにぎらせてくれたりする時もあったり、言葉にしないけれど伝わってくる、人の優しい気持ちを感じたりすることもありました。
もうすっかり大人の領域になるのに、あめをもらうと、子供のような気持ち戻れるのかもしれません。あまいものは優しい味がするけど、そこに人の優しい気持ちが入ると、凍えていた気持ちも、ひときわあったかく溶かされていくようなそんな気持ちにもなります。まるでお天気の話をするように、あめのお話しをする・・・ふしぎおもしろいあったかさがこの地方にはあるなって思います。
Photo by SSA
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