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おじさんは、天気を気にする。
スマホで、その日の具合を確認して、 かみさんが、洗うだけ洗った洗濯物を、 二階のベランダに、わんさか干す。
干した洗濯物が、裏庭への視界をさえぎる。
迷惑な暖簾を、かき分けるようにして、 晩夏の朝陽を謳歌する。
雨の心配がない限り、庭の木々は、お馴染みさんだから、
挨拶がてら観察する。 葡萄の色を見て、イチジクの食べ頃を見る。 隣りの柘榴の大きさを眺め、そして「用無し」の木の、馬鹿みたいにヒョロヒョロ高くなるだけなった、その高さを眺めるのだ。
地植えにして、15年程経つと思うが、
たった一度も花を見た事がない。 そんなだから、おじさんにとって、いつの頃からか、 この「西洋梨」の木は、「用無し」となったのだけれど。 8月下旬、スマホに久しぶりのオッケー!をもらった朝、 おじさんは、生まれて初めて「西洋梨」の花ってのを見た。 チマチマした葉っぱだけの、華奢なその木に、確かに白くて小さな花が、数輪だけど咲いている。 固唾を飲んで、凝視するおじさんの脳裏に、寛大が降り注ぐ。 『お〜しっ!おめぇ〜は、やっぱ西洋梨だ、用無しなんかじゃねぇ〜〜!!』 …が、さらに冷静が追い打ちをかける。 『ちっ!』雲行きが、怪しくなってきた。 (そんなものかぁ〜?)なんで今頃咲くのだろう? 季節外れだとすれば、やっぱ「用無し」のままだ。 そんな風にして、馬鹿面ベランダにさらしてばかりいると、 どこに人様の目があるか分からない。 何処ぞに黒い雲が湧き起こり、 その雲に呑み込まれ、自身もレッテルを被らぬよう、くわばらくわばら。 【本日現在、一個だけ成長中、ファイト!】 |

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