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今日から6日間連続で、
論文問題の分析をしていきます。

なお、問題文は、法務省のサイト
掲載されていますので、そちらでご覧ください。

まず、第1問は、
TBSビデオテープ押収事件(最決平2.7.9)と
博多駅TVフィルム提出命令事件(最大決昭44.11.26)
をベースとした事例問題でした。

多くの受験生が、この2つの判例を
思い浮かべたことでしょう。
いずれの事案でも、報道そのものは実施済みであり、
直接的に報道の自由への制約はないものの、
未編集のテープが警察や裁判所へ
刑事裁判の証拠として提出されることによって、
将来的に、対象者が取材を嫌がったり、
取材の記者が危害を加えられたり、といった
取材の自由への制約が問題となります。

本問の特殊性は、
設問後段で提出命令の対象となっているのが、
マスコミが撮影したものではなく、
一般人が撮影したものという点です。

最近、デジタルビデオカメラも普及し、
テレビのニュース番組でも、
一般人の撮った画像が提供されることが
多くなっています。
最近の技術進歩による変化を反映させた良問です。

前段は、TBSビデオテープ押収事件
における規範として
・捜査対象となっている犯罪の性質、軽重
・差し押さえるべき取材結果の証拠価値
・適正迅速な捜査を行う必要性
・押収によって報道の自由が妨げられる程度
・将来の取材活動が受ける影響
を考慮すれば十分です。

後段は、一般人が撮影したものが対象となっているので、
問題となる人権は、

報道機関が一般人から素材の提供を受ける
という限度での取材の自由

となり、仮に「取材の自由」を憲法上の人権として
保障する見解に立ったとしても、
一般人からの協力を得る行為を厚く保護する要請は
低いと考えられるので、
前段は違憲だが、後段は合憲、とするのが自然な流れでしょう。


次に、第2問ですが、
こちらも免責特権の射程が問題となった
最高裁平成9年9月9日判決
がベースとなっています。

若干、択一的な知識が要求されます。
免責の対象となる行為は、
「議院で行つた」行為であるので、
地方公聴会での発言は国会議員の職務遂行に
付随するものとして、免責対象となりますが、
ホームページに掲載した行為は対象とならないと
考えるべきでしょう。

また、「責任」として
損害賠償請求という民事上の責任のみならず、
弁護士の懲戒責任も含まれること
は択一知識です。

平成9年判例の時代では、
国会議員が自分の発言をホームページに
載せることは全く想定できなかったのが、
インターネットの発展によって状況が変わり、
「リアル」な発言だけでなく、
インターネット上での発言も免責対象とすべきか、
という新たな論点が生じるわけで、
第1問と同様に、最近の技術進歩による変化が影響しています。

さて、公聴会での発言については、
A個人への損害賠償請求は当然に否定し、
国に対する請求についても、
最高裁が挙げた規範である

当該国会議員が、
その職務とはかかわりなく
違法又は不当な目的をもって事実を摘示し、
あるいは
虚偽であることを知りながらあえて
その事実を摘示するなど、
国会議員がその付与された権限の趣旨
に明らかに背いてこれを行使したものと
認め得るような特別の事情

があるか否かを判断すればよいでしょう。

問題は、ホームページへの掲載ですが、
・免責特権の趣旨は議院の審議体としての
 機能を確保することを趣旨とする
という点を根拠として、
免責の範囲(「議院で行つた」行為)
には入らない、とするべきでしょう。

実質的に考えても、
・自身の発言をホームページに掲載することは、
 当該国会議員にとって政治活動の一種であり、
 表現の自由の保護は及ぶとしても、
 それ以上に特別な保護をする必要はなく、
また、
・係争中の案件における事実認定は
 最終的には裁判所が決めるものであるのに、
 「立証済み」と書くことは弁護士倫理上も問題である
といった点から、
ホームページへの掲載については、
国家賠償請求も、弁護士としての懲戒請求も
肯定できると考えます。

なお、細かい論点としては、
ホームページへの掲載が
国家賠償法1条1項の
「職務を行うについて」と言えるか
という問題がありますが、
外形標準説から言えば、
国会議員としてホームページを立ち上げている以上、
職務行為として捉えてよいと思います。

国家賠償請求の対象、ということになれば、
A個人への損害賠償請求は否定され、
A個人への責任追及は、国が求償する限度で、
ということになります。

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