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今年は民事系が難しかった
という声をよく聞きます。

まず、第1問は、
民法の基本的な答案作成法である
原則論から例外へ、のスタイルを守りましょう。

小問1は、原則として
Aは代理権を有しておらず、
Bに効果帰属しないので、
Bは絵画を取り戻すことができるのが原則です。

しかし、Aの権限(代理権)を信頼したC
を保護すべきではないか、という価値判断を示し、
表見代理の検討に入ります。
なお、Cの保護を論じる際に、
未成年者であっても代理人となることはできる旨、
簡単に指摘しましょう。

この事案でのCの保護を
109条で処理するか、112条で処理するか、
という細かい論点があります。

代理権授与行為の法的性質をどのように
解するにせよ、背後にある
事務処理契約の影響を受ける
と解するべきです。
そして、代理権授与行為の背後にある委任契約は
本人の一方的意思で解消(将来効)でき、
その結果、代理権も将来的に消滅し、
委任状の効力も将来的には無効となり、
委任状を提示した行為を
「代理権授与の表示」と見るべきではないでしょう。

109条ではなく112条を用いて、
Cの善意無過失を認定すればよいでしょう。

小問2は、以前に論文試験でも出題されたことのある、
親権者の権限濫用の事案です。

判例は、利益相反行為に当たるか否かを、
もっぱらその行為の外形で決すべきで、
親権者の意図やその行為の実質的効果から
判定すべきでないと解します。

この見解からは、子の財産を処分する行為は、
その処分そのものが親の債務の代物弁済となるような
例外的場合を除き、原則としては
利益相反には当たらず、親権者の権限は制限されません。
よって、AはDから自動車を取り戻すことはできません。

もっとも、設問後段のように
親権の喪失宣告が確定されていれば、
親権者は何ら代理権を有しないので、
通常の無権代理行為と同様に
本人Aには効果帰属しません。
無理やり論点を書こうとすれば、
相手方DがBの権限を信頼した場合に
192条(即時取得の規定)によって保護されるか、
という論点もありますが、
無理に論じる必要はないと思います。


さて、難問だったのは第2問です。
そもそも、小問1の問い方が広汎です。
「B、C、D及びE間の法律関係について論ぜよ。」
という問い方なので、
BがC・D・Eへ請求できるか否かだけでなく、
CDE間の法律関係にも配慮する必要があります。

ご存知のように、金銭債務が相続される場合、
共同相続人間で当然に分割承継されると
解するのが判例(最判昭29.4.8)です。

したがって、Bから借り受けた3000万円の
債務は、1000万円ずつC・D・Eが負担することになります。

その後のC・D・Eの分割協議によって
CがBに対する負債全部を引き受けたと合意した点を
どのように解するか、が問題となります。

Bとの関係では、
債権者が同意していない
免責的債務引受として解するべきでしょう。
したがって、Bは
Cに資力があると判断したときは
遺産分割協議を容認し、
Cの資力に不安がある場合には、
法定相続分通りに、DやEへ1000万円ずつ請求できる
と解することになります。

もちろん、C・D・E間では
Cが3000万円の債務を負う合意が成立しているので、
DやEがBへ1000万円を支払った場合には
Cへ求償できます。

小問1はこの程度を書ければ十分でしょう。

小問2も、問い方があいまいです。
「Dは、だれに対し、どのような請求をすることができるか」
という問いなので、
相続前にAから譲り受けていたGへの請求
だけでなく、CやEに対する請求も検討する必要があります。

Gとの関係では、DはAの地位を包括的に承継しているので、
Gからのマンション引渡請求に応じなければいけません。
AG間は契約の当事者間なので、
Gは登記なくして所有権をDへ対抗できます。

マンションを失ったDがCやEに対して何らか
請求できるかが問題となります。
マイナーな条文ですが911条が登場します。

この規定は、

各共同相続人は、
他の共同相続人に対して、
売主と同じく、その相続分
に応じて担保の責任を負う。

と定めています。

よって、他人物売主の責任を
追及できることになります。
つまり、CもEも、
乙マンションの3分の1の持分を
Dへ譲渡した売主であると捉えるのです。

マンションの対価として、
DからCへは
甲土地建物の3分の1の持分が譲渡された一方、
Bへの債務の3分の1の負担をCが引き受けているので、
差し引き、2000万円が乙マンションの持分譲渡の対価、
ということになります。

これに対し、DからEへは
銀行預金債権の3分の1が譲渡され、
1000万円が乙マンションの持分譲渡の対価であったことになります。

Cへ支払った対価は正当ですが、
Eへの対価は不当に低かったことになります。
その結果、
DはCに対しては2000万円の請求が可能ですが、
Eに対しては1000万円の請求しかできない
と解するべきでしょう。

ここで、遺産分割協議そのものを解除できるか、
という論点もありますが、
1つの財産の帰属を問題として
遺産分割全体を解除することは911条は認めていない
と考えられます。

以上、第2問は私見が大半なので、
参考程度に見てもらえれば結構です。

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