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昨日、投稿をサボってしまったので、
今日は民事訴訟法と刑事訴訟法を
両方、一気に解説します。

まず、民事訴訟法です。
二問とも事例問題だったので、
知識を事前にまとめておくか否かでは
差が付きにくく、
若手受験生には「優しい」出題でした。

ただ、第2問は、
書くべき分量が多く、
いかにも苦戦しそうな問題であるので、
第1問を40分程度で軽めに済まして、
第2問に注力すべきでしょう。

第1問は、
被告(不法行為者)が
原告(被害者)の具体的過失行為を
主張しているものの、
過失相殺そのものを求めていない場合に、
裁判所が過失相殺を認定してよいのか、
という弁論主義の第1テーゼの問題
そして、
仮に過失相殺を認定してよいとして、
認容すべき損害額の範囲について
一部請求における
過失相殺が問題となります。

前者の論点は、
過失相殺が当事者間の公平を図るための
「後見」的な制度であることから、
過失相殺そのものを求める主張は不要としつつ、
「不意打ち防止」の観点からは、
過失の具体的態様に関する主張が必要である、
と解されます。

本問の特殊性は、
Xが赤信号を無視した点では、
被告Yの主張と裁判所の認定
が一致しているものの、
信号無視の原因に遡るとズレがある
という点です。

具体的には、信号無視の原因について、
Yは「Xが急いでいた」と述べたのに対し、
裁判所は
「Xの自転車が整備不良で
ブレーキがきかなかった」
と認定しています。

Xの立場から考えると、
「信号無視はしたけど、別に
 急いでいたわけじゃない」という
反論をするとは思えず、
当然、「信号無視はしていない」と反論したはずです。

「急いではいなかったが、
 ブレーキの利きが悪かったので、
 信号無視した」
というのが反論にならない以上、
信号無視の原因が何であるか、については
当事者の主張と異なる事実を認定しても、
弁論主義違反にはならないでしょう。

以上のような検討を経て、
過失相殺を認定できるとした上で、
最後に、認定できる損害賠償額が問題となります。

ここでは、按分説を採るか、外側説を採るか、
が問題となります。

判例は外側説ですし、
被害者救済の観点
(そもそも、一部請求を肯定したのも
 テスト訴訟を認めて原告の負担を軽減するもの)
からは、外側説が妥当でしょう。

この説に立つと、
全損害の損害額2500万円を
基準として、被害者の過失5割を
勘案して、1250万円(2000万円の範囲内)
の損害賠償請求を認める
一部認容判決を下すべき、ということになります。

次に、第2問です。
同時審判申出共同訴訟が正面から問われる、
のは少し驚きでした。
小問1は、まさに「同時審判」が要求される
趣旨を事案に沿って説明できるかが
試される問題でした。

小問1はシンプルで、受験生の実力を
正確に測ることができる問題ですが、
小問2と小問3は、
事前の知識で解く問題ではなく、
現場思考で解くことが要求されています。

受験生の多くは、自分なりの結論を、
どのように理論武装すべきか、
迷った方が多かったと思います。

以下は私見となりますが、
同時審判申出共同訴訟を検討する際には、
基本的には、
共同訴訟人独立の原則を採用し、
ただし、2つの請求の判断が矛盾してしまう
不都合が生じる場面のみ、
原則の例外を認める、という
「原則→例外」パターンの書き方が良いと思います。

さて、小問2ですが、
共同訴訟人独立の原則からは、
弁論主義の第1テーゼ・第2テーゼ
については、共同訴訟人ごとに
異なる結論となっても仕方ない、とされています。

しかし、同時審判申出共同訴訟では、
そもそも原告が2人の被告に対して、
別々に見ると矛盾する主張を
しています。
この状況下で、第1回口頭弁論期日から
欠席している被告について
擬制自白を肯定してしまうと、
原告が主張する、互いに矛盾する2つの主張のうち、
一方が自動的に認定されてしまい、
同時審判申出をした意義が失われてしまいます。

そこで、同時審判申出共同訴訟では、
当事者が欠席したことに伴う
擬制自白は認められないと解するべきでしょう。

したがって、小問2で、
裁判所はZが代理権を有していたとの
認定をしてもよい、ということになります。

最後に、小問3ですが、
こちらも、共同訴訟人独立の原則からは、
Yに対する控訴の効力が
Zへ及ぶことはなく、控訴審では、
「XのZに対する請求」は係属せず、
合一確定は実現できません。

そこで、40条を類推適用して、
Zに対する控訴は、
共同被告のYに対しても及び、
控訴審では、「XのYに対する請求」
だけでなく「XのZに対する請求」
も係属し、控訴審裁判所が
「代理権は存在していた」と判断すれば、
Yに対する請求を認容した上で、
第一審で認容された「Zに対する請求」
は棄却すべきです。

合一確定を重視した、かかる結論を
どのように理論武装すべきか、は
難しい問題ですが、41条3項は、

同時審判申出共同訴訟において
第一審判決で勝敗が分かれ、
各共同被告の控訴が同一控訴裁判所において
各別に係属した場合には、
弁論と裁判は併合して行うべき

と定めています。
本件で言えば、Xが控訴したのではなく、
YとZがそれぞれ控訴した場合を想定した規定ですが、
かかる規定は合一確定の利益を
重視する趣旨を表明しているものであり、
自説の根拠となるでしょう。



今日の記事はやたらと長いですが、
あと少しの辛抱です。


刑事訴訟法は、
第1問が、ビデオカメラによる撮影
(前段は自宅内の撮影、
 後段はレストランで飲食している姿の撮影)
そして、第2問が
自白法則の自説の論証及び当てはめを
させて、供述調書,両攀鯒塾呂鯱世犬気擦疹紊如
証拠能力に欠ける供述調書が
起点となって行われた
捜索差押えによって得られた
「被害品」、さらに、
別の警察官が得た供述調書◆僻辛自白)
の証拠能力を問うものです。

第1問については、
・ビデオカメラによる撮影が
 強制処分か任意処分か、をまず論じ、
・本件では何ら令状を得ていないので、
 強制処分だとすると、撮影行為は当然に違法となる。
・任意処分である場合でも、
 プライバシー権保護の観点から、
 一定の歯止めが必要である、
として、京都府学連事件(←写真撮影)
での規範をさらに厳格にして、
当てはめれば、十分に合格答案となるでしょう。

本件では、'''現に犯行が行われ、もしくは
行われたのち間がないと認められる場合'''
ではないので、最初の規範だけを
つかっても、撮影は違法となってしまいます。

しかし、せっかく問題文で、
警察官が2人登場している以上、

2人とも、「現行犯的な状況」でないから違法

と単純に書いてしまうことは、
出題者の意図に合いません。

私がもし答案を書くなら、
本件では、振り込め詐欺事件
の重大性、密行性、犯人逮捕の困難性を
強調した上で、
'''現に犯行が行われ、もしくは
行われたのち間がないと認められる場合'''
の要件を外し、その代わり、
証拠保全の必要性を高度に要求します。

とすると、居室の中の甲の容ぼうを撮影する
必要性はそれほど高くありません。
防犯ビデオカメラに写った顔との同一性を
判断するだけであれば、
無理にビデオカメラで撮影しなくても、
警察官が双眼鏡で甲の顔を確認するだけでも
十分なはずです。

これに対し、レストラン内で、
食事をしている人の右手首を見て、
あざがあるか否かを肉眼なり双眼鏡で
確認することは困難です。
この場合には、小型ビデオカメラを用いる
必要性が高度であるといえます。

このような違いを強調できるような規範を立てて、
警察官Bの撮影行為は適法、
とするのが受験上は得策だと思います。

次に、第2問です。
この問題のように、
違法な捜査手続きに加えて、
捜査官が虚偽の事実を告げる、
という最も誤判の恐れの高い行為をしている場合には、
自白法則のいずれの見解からも、
供述調書,両攀鯒塾呂枠歡蠅気譴泙后

この点、虚偽排除説や人権擁護説からは、
別の客観的証拠から
自白の虚偽性が排除されればOK、
改めて人権擁護のための手続きが
採られればOK、といった発想も可能です。

すなわち、「被害品」は
盗品の近接所持という間接事実を
証明する重要な証拠であるので、
虚偽排除説の立場から
供述調書,両攀鯒塾呂鯣歡蠅靴討癲
「被害品」の証拠能力は肯定する
とか
人権擁護説の立場から
供述調書,両攀鯒塾呂鯣歡蠅靴討癲
黙秘権告知後になされた取調べにおける
供述調書△両攀鯒塾呂蝋猟蠅垢
といった流れが十分にあり得ます。

あとは価値判断の問題となりますが、
将来の違法捜査の抑止を重視すれば、
本件では、当初の取調べにおいて
適正手続を侵害する度合いが大きく、
供述調書,琉稻\は
その後の捜査手続き全てに影響を与え、
「毒樹の果実」の議論で言うところの、
希釈や独立源は考えられない、として
全て証拠能力を否定する立場も十分にあり、です。

違法排除説からは、上記のように
全ての証拠について
証拠能力を否定する結論が導きやすいでしょう。

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