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まずは告知から。
明日(23日)の11時から、LEC水道橋本校にて
ヤフー株式会社にて「社長室コーポレート政策企画本部
知的財産 主幹」である安高史朗先生による
講演会があります。
⇒詳しくはこちら
安高先生は、弁理士資格と公認会計士資格の
両方を持ち、また、大学卒業後は
特許庁で特許審査官補を経て、
野村総合研究所(NRIサイバーパテント)で
知的財産コンサルティングに携わっていたので、
①特許審査官としての視点
②コンサルタントとしての分析的視点
をも兼ね備え、弁理士&会計士のダブルライセンスを
活かして、会社が保有する特許権などの
知的財産の活用(事前の策=収益化のための事業スキーム構築
及び、事後の策=休眠特許の活用〜ライセンス付与、売却)
にご活躍されています。
少し難しい話になるかもしれませんが、
弁理士試験を目指されている方はもちろん、
企業の特許部にお勤めの方、
知財活用に興味がある方にオススメです。
全国のLEC本校へ同時中継します。
さて、「発明」つながりで、
先日(18日)の日経新聞の記事
「職務発明の帰属、議論難航」を紹介します。
ご存知のように、2004年に特許法が改正され、
職務発明については、予め就業規則に定めたり、
個別に従業員と合意をしておくことによって、
発明者から、「発明を特許にする権利」が
相当の対価をもって企業へ譲渡されたものと
できるようになりました。
ただ、「相当の対価」がいくらなのか、
算定基準はケースバイケースとなるので、
発明をした従業員が後になって、
企業を訴えて、もっと対価をよこせ、
と主張する恐れはあります。
そもそも、この法改正の契機になったのは、
2003年4月にオリンパスの職務発明を巡って
下された最高裁判決と、
2004年に東京地裁が、青色発行ダイオードの
発明者に対して日亜化学工業が200億円
支払うよう命じた判決(その後、高裁にて
8億円の支払で和解)であり、
当時は、高額な訴訟が頻発するのでは、
という危惧もありますが、実際には2004年の法改正後、
訴訟は増えておらず、仮に訴訟になっても
最高数百万円の支払いに過ぎないので、
企業側が神経質になりすぎている、と言われています。
安倍政権が、企業の競争力向上を重視しているせいか、
特許庁の審議会の中で、
産業界が、「職務発明を最初から法人帰属にして、
発明者への報奨は、金銭に限定せず、
処遇(出世)や研究予算なども含めて
選択士を広げたい」という要望を出していて、
従業員側からは反発が出ている、という記事です。
企業側の問題意識として
現状の制度で支払っている「対価」が
過去の実績への見返りであるところ、
本来は(企業業績から見ると)、
将来の発明が促進されるような制度にしたい
(=個人への金銭支払、という硬直化した制度
だけではなく、研究予算増額など柔軟にしたい)
という意見は尤もだと感じますが、
他に、現状制度の問題点として挙がっている
・製薬会社などで、50人程度のチームで
様々な候補物質で実験を繰り返している場合、
たまたま薬として使えた物質の実験を
担当していた数人だけが発明者になって対価を得る
・従業員にいったん帰属するので、
他社への売却が法的には可能であり、
秘密が流出するリスクが高い
という話は、職務発明(特許権が絡む場面)に限った話ではなく、
運用でカバーすべきでしょう。
職務著作(最初から法人に帰属)や
映画の著作権(映画製作者へ帰属)と同じにしてくれ、
というのが企業の意向ですが、
最初から法人帰属とすると、発明者が
報奨をもらえる担保がなくなってしまい、
発明者の意欲が減退する、という批判も尤もです。
最後に、「従業員」つながりで、
保険業界(生保も損保も)において、
来年3月末までに是正せよ、と言われている
「委託型募集人・使用人」について少し説明します。
保険業法では、保険募集について
再委託は禁じられています。
しかし、多くの代理店では、雇用ではなく、
業務委託として、スタッフを採用しています。
これは、成約できた契約の件数・金額に応じて
報酬を支払う、という完全歩合制にしたい、という
要望と、また、雇用にすると
社会保険料の負担も大きいので、業界慣行となっていました。
「月刊 社労士」の8月号で
この問題が取り上げられており、
代理店規模が比較的大きい場合には、
既存の委託型募集人を「新規の個人代理店」として登録し、
保険会社は、その個人代理店との間で委託契約を締結し、
もともと所属していた代理店が「親代理店」として
その個人代理店を教育・指導・管理することによって
親代理店としては、顧客をキープでき、
個人代理店は親代理店に適用される高い代理店手数料率を
享受できる、という「三者間スキーム」も議論されているそうです。
ただ、多くの場合、委託型募集人は
もともとの代理店との間で雇用契約締結が想定されており、
その場合、①労働時間規制については
「事業場外みなし労働時間制」の採用、
②賃金については、「出来高制」の導入、
③通勤・移動(営業)をマイカーで行なっている人が
大半であるので、通勤費の設定、事故時の処理など
様々な論点が生じます。
一般的には、委託よりも雇用の方が
働く人にとっては有利になるはずですが、
保険契約を獲得する際にかかる交際費を、
個人事業主(委託)であれば、
ほぼ100%経費とできるのに対し、
雇用になると、接待飲食費はその50%相当額か、
定額控除限度額である800万円までの
いずれかを選択して損金算入(中小法人の場合)
という仕組みで、100%経費化できるわけではなく、
また、前述のように、マイカーのガソリン代はどうするか、
という細かい話もあるので、委託の形を残せないか
模索する動きもあるようです。
社労士業界は、もともと保険業界との結びつきが
強いので、この委託型募集人の廃止を
ビジネスチャンスとして見ている方もいるようです。
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