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10月5日付けの日経ビジネスでは、
新コラムとして<気鋭の経済論点>が
始まりました。
第1回は、日銀のエコノミスト、加藤涼氏が
2008年にワシントンのIMFで勤めていた頃
のエピソードを紹介していました。
LECの朝礼でも話しましたが、
改めて、コラムの内容を紹介してみます。
ある日、全米7100店舗のスタバが
従業員のトレーニングのため、
午後から一斉休業したそうです。
その際、コーヒー販売の競合であった
マクドナルドとダンキンドーナツ(日本ではマイナーですが、
アメリカではダンキンはマック・スタバと並ぶ存在)が
コーヒーの価格をどうしたか、という話です。
今までは3社で争っていたところ、
2社に減って、従来はスタバでコーヒーを買っていた客が
来るので、この際に値上げしてしまえ、
と考えるのが普通であるかのようにも思えます。
しかし、実際には、マックもダンキンも従来の半額程度で
提供しました。
加藤氏は、当時、この現象の理由を同僚から質問されて
回答できなかったが、今思い返してみると、
「代替の弾力性」という概念で説明できる、として
コラムでこの概念を紹介しています。
曰く、「代替の弾力性」とは、似た製品同士では
消費者は複数の製品を選ぶことができるので、
完全競争(=価格下落)に近づきます。
普段からマックやダンキンのコーヒーを買っている人は
価格以外の何らかの違いを意識して選んでいます
(味だったり、バーガー・ドーナツだったり、
店の雰囲気だったり、顔馴染みの店員だったり)。
しかし、スタバ休業のために流れ込んでくる新規顧客にとっては
マックとダンキンの区別はあまり意識されておらず、
「同じコーヒー」なら安い方がいい、と考えてしまう人ばかりであるので、
既存顧客分が値下げ損となるものの、
みすみす他社に新規顧客を取られる位なら、と
マックもダンキンも値下げした、というのが値下げの背景です。
このように考えると、教育ビジネスにおいて
値下げをしてしまうのは、品質に違いがありません(代替性が高い)、
と自ら宣言してしまうようなものであり、
よほどの市場変化(新規顧客の流入等)がない限り、
安易に行ってはいけないな、と改めて社内で話した次第です。
注)他社の人も読んでいることを前提の記事であることを忘れずに。
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