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12月に入って、一気に進展して
決着した感のある「軽減税率」。

当初は、事業者の事務負担や
財源問題から、軽減税率そのものに否定的であったはずが、
生鮮食品だけは譲歩する、と一歩後退。
このときに、代替財源として、
低所得者世帯の医療などの自己負担総額に上限を設ける
「総合合算制度」を見送ることによって4000億円を
確保する、という報道が出て、
一部の良識ある人たちから、「低所得者対策で導入する
軽減税率の代替財源を、同じく低所得者世帯の負担軽減策を
見送ることで確保しては本末転倒」という意見も出ました。

そして、安倍首相の言葉として
「無い袖は振れない」という話も出て、
この生鮮食品限定案(4000億円)で妥協になるのかと
思っていたら、結局、先週末のところで、
お酒・外食除く全食品が8%に据え置きとなり、
本来であれば2%増税時に入るはずの約4兆円のうち、
1兆円が入ってこない形になります。

生鮮食品に限定、という案に対して
町の肉屋で売っているコロッケは税率10%か、
という非常に庶民的な文句が出ましたし、
(昔から言われていたことですが)家計に余裕がある世帯は
肉や野菜を買って調理することが多いのに対し、
低所得であったり、共働きであったりすると、
スーパーで調理済みの惣菜や、冷凍食品・インスタントで済ます、
さらには、コンビニ弁当を多く食べる家庭が相対的に多い、
という話が盛んに言われるようになりました。

その結果、生鮮食品に導入するなら
加工食品も8%にしないと、増税感を和らげる効果がないし、
加工食品の中で、お菓子はダメとか変な区分を設けると、
パン屋で食パンは8%だが、あんぱんは10%か、
というよく分からない話になるので、結局、
お酒を除いて、食べ物・飲料すべて8%、という決着となりました。

経済学者のほぼ全員が軽減税率には反対で、
かつ、低所得者へ一定額を給付という
より財源が少なくても済む(←高額所得者が食品購入する際にも
享受できてしまう軽減分がないので)
より良い代案もあったのに、それが早々に却下されたことは
反知性主義の現れ、とも見てしまいます。

生活保護の申請もそうですが、日本では、
自分が貧困層であると申請してお金を受け取ることへの
拒否感、周囲からのスティグマが強すぎるように感じます。
憲法25条で保障されている「権利」である、という意識が
世間に広まらなかったことが、軽減税率問題で変な形で出てしまいました。

今後、松坂牛やキャビアが税率8%なのはおかしい、
といった議論も出てきそうです。
国民の消費税に対するアレルギーが強く(政治、国の予算の使途への
不信感の現れでもあります)、
かつ、国政選挙がほぼ1年半おきに行なわれる日本では、
幅広く消費税を課していくことは困難で、
今後は、贅沢税のように、品目を絞って、15%、20%、25%といった
高い税率を課していく「狭く深く」へ移行するのではないか、
と思う今日この頃です。

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反町 雄彦
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