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今日は、若手経営者の話を聞く機会が2つ
ありました。午前中は、経沢香保子氏。
午後は、スクーの森健志郎氏でした。
経沢さんは、トレンダーズという20代女性向けの
マーケティング調査、商品開発コンサルなどを行う
会社を2000年に設立(個人名義でやっていたものを
法人成りした程度であったようです)し、その後
2012年に、当時、女性経営者としては最年少で
東証マザーズに上場したことで有名になりました。
現在はトレンダーズを離れ、カラーズという
子育て女性の支援会社を経営されています。
日本にベビーシッター文化を普及させる、という志の下、
Uberのように、シッターを探す人とケアできる人とをマッチングする
キッズラインというサービスを始めています。
⇒キッズラインのリンクはこちら
日本だと、ママさんタレントがお手伝いさんやシッターを
使っていることや、子供をシッターに預けて夫婦でデート、
といった話を番組内ですると、
「金持ちだから、できること」「子供が可哀想」といった
批判が来て、若干、炎上してしまうことがあります。
しかし、古市憲寿氏が『保育園義務教育化』でも書いているように、
母親へのプレッシャーを弱めていく方向で
意識改革をしていかないと、普通に子育てするのも大変なのに、
仕事との両立は余計に難しくなって、
女性の社会進出と共に出生率が下がる結果となります。
他の先進国では、女性の雇用が増えると、
当初は出生率が低下するものの、
その後は家計にプラスとなるために、第二子以降も
生まれやすくなり、女性の社会進出と出生率との間には
プラスの相関が見られるようになります。
しかし、日本では、このV字回復が起こらず、
出生率が下がり続けるのでは、という懸念があります。
1つは、そもそもM字カーブがあまり解消されず、
出産・育児をする女性はいったん退職して
その後は仕事復帰しても、パートなどの賃金が低い仕事か、
派遣のように継続性に不安のある非正規雇用となるケースが多いこと。
もう1つは、仮に、M字カーブが解消されたしても、
仕事と育児を両立できる環境が整っていないために、
バリキャリで独身か、専業主婦で最大2人子育て、という
極端な二者択一しか選択肢がない社会になる危険性。
筒井淳也氏が新書『仕事と家族』で書いていたのは、
日本はアメリカ型(グローバル競争タイプ)と
オランダ型(北欧の福祉国家タイプ)のいずれにも入れない
中途半端な位置にいる、という現実です。
アメリカは男女平等が最も進んでいて、
出産後もすぐに女性が仕事に復帰し、
子育てはシッターであったり、保育施設でケアする体制が
整備されています。このため、女性でも管理職や経営者として
活躍している人が多くいますし、経済的にも恵まれているので、
子供も2人、3人いることが多いです。
もちろん、移民が出生率を高めている側面はありますが、
移民抜きでも、人口維持できる程度の出生率にはなっています。
(格差が広がっている、という問題は措いておきます)
これに対し、オランダでは、
女性の仕事の場として、介護や育児などの業界で
国の予算を使って、公務員として多くの女性を採用しています。
オランダでも、出産・育児を契機に企業を辞める女性は多いようですが、
その後の復帰場所として、比較的給与が良く、安定している
介護・保育施設の職員(身分は公務員)というルートが確立されています。
これによって、女性の社会進出と出生率維持を両立させています。
日本は、高齢化が急速に進むので、
後者の道を選ぶべき、とも思えますが、
国家財政が逼迫している状況下では、
公務員として介護職、保育士を採用し、給与を払い続ける
=社会保障費として、高齢者向けの年金のみならず、
そのケア人材への給与を増やす、余裕はないのでは、
という問題があります。
北欧では、財政問題の解決のために消費税が活用されています。
しかし、日本では、来年4月の2%増税すら怪しくなっていますし、
「保育園落ちた、日本死ね」ブログに象徴されるように、
国の予算の使われ方への不信感が根底にある以上、
消費税を上げることは難しいのではないか、と思われます。
贅沢税として、宝飾品、高級時計のような、
一部の富裕層だけが購入する商品の消費税を上げる、
という話も出ますが、税率を40%とかにしない限り
大した税収増にはなりません。
軽減税率が議論されたときにも、どうせ税率を変えるなら、
食料品は3%に戻せばよい、という意見も出ましたが、
税収ダウンがあまりにも大きく、すぐに消えてしまいました。
結局、いったん確保した税金を減らす、という判断は
官僚の抵抗も大きく、実行が困難です。
法人税の減税も、外形標準課税の導入によって
埋め合わせを確保した上で、少しずつ%を下げているだけです。
以上、経沢さんの話に入る前に、前提の話を長々と書いてしまいました。
経沢さん、森さんの話は明日付けの記事で書きます。
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経営・マネジメント
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