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OAZOの丸善にて、文庫コーナーを探索して
菊地成孔著「時事ネタ嫌い」を購入。

菊地氏が2007年から2010年末(震災前)まで、
講談社の女性誌「フラウ」に連載コラムとして
書いていた「時事ネタ嫌い」が2013年7月に単行本化され、
さらに、今年9月、巻末に書き下ろし(文庫版あとがき)
「その後の時事ネタ嫌い〜SNSってファシズム用だっけ?
逆だっけ?どっちでもいいか」が加わる等、
再編集されて文庫化された、という経緯の本です。

立ち読みで、あとがきを読んで、即、購入しました。
菊地氏曰く、
2011年から2015年夏にかけて起こった事件から
無理やり3つ選ぶとすると
「震災」「SNSの定着」「安倍政権の強硬な動向」となるものの、

「震災」を時事<ネタ>などと称して
エッセイとして語ることは、第二には菊地氏の能力外、
第一にあらゆる人物にとって能力外、
そして、第ゼロとして、「そんなことはまだ誰もやってはいけないこと」
という、至極、真っ当な判断が語れています。

菊地氏があとがきで繰り返し指摘しているのは、
2008年に、Facebook、Twitterともに日本語版が開始され、
同じ年、iPhoneの初号機も発売され、
その2年後、2010年までに、爆発的に普及・定着した
SNSによって、国民が総コメントジャンキー化したことの危険性です。

菊地氏の喩えで、食事と間食の対比、は秀逸です。
曰く、
「食事」は、ある一定時間、食欲を溜めて、
その後、食べて栄養がもたらす活力を溜める、
という繰り返しによって、日々・人生を構造化しているのに対し、
「間食」は、こうした「溜め」と「出し」を液状化させる。

SNSに一日中何かを書いている状態は
一日中、お菓子をダラダラ食べ続けているのと同じで
お腹は空かず、かといって腹も満たされず、
SNS上の表現には重みも責任感も生まれない、といった話。

他にも、

「自分は安全圏にいながらにして、相手の盲点から撃つ」
というテロリズムの原理と快楽をSNSが教育してしまう

「潜伏させる、可視化」「分断させず、繋げる」
といった一見進歩的な発想は、反作用的に
極端な自閉に対する欲求を亢進させる(たかぶらせる)

といった指摘はまさにその通りと感じました。

「あとがき」だけでも購入の価値がある文庫ですし、
本体のエッセイも、だいぶ前の時事ネタであるのに、
デジャブを感じさせ、色々と考えさせられる一冊です。

街・社会→政治→選挙

今日、東京青年会議所と
NPO法人YouthCreate、中野区選挙管理委員会の共催にて
中野区立中野中学校にて
模擬選挙を中学3年生に経験してもらう
授業を行いました。

中身はYouthCreate代表の原田謙介さんに
考えてもらい、全体司会も原田さんにお願いしました。

彼が中3向けに説明したスライドの中で、
「街・社会」を一番外側の円として、
その内側に「政治」を、そして
さらに内側、一番小さい円で「選挙」を図示したものがありました。

ちなみに、「家族」を一番小さい円にして、
次に「地域」を外側で囲むように円にして、
その後、「社会」「国家」が外側の円として登場するモデル
を見たことがあるかもしれません。
これは、子供が自分と他者を峻別する際の
発達モデルとして考えられているものであり、
乳児期は家族との接点だけであったのが、
公園デビューとか保育園とか、段々と地域とも触れ合い、
その後、学校という「社会」で人間関係を作っていく、
という段階を指しているにすぎません。
これを無理やり道徳教育などに応用して、
家族間の愛情や、地域愛・郷土愛を持つことが
愛国心に繋がり、国民の一体感・連帯感を生み出す
考え方は飛躍し過ぎで、要注意です。

さて、原田さんが示した図は、
「政治」が自分たちの生活を離れたところにあるのではなく、
街や社会がどうあるべきかを決めるのが「政治」であり、
民主主義の場合には、「選挙」によって
「政治」を実際に担う人を選ぶことになるが、
それは「政治」の一部に過ぎず、
街・社会の観点からは「選挙」を離れた場所でも
「政治」の一環として、皆で討議して決めていく事柄も多いよ、
という話です。

このスライドの後、今回の模擬選挙の例である
<公園整備のために750万円の予算があって、
 その予算の使い道について3人の候補者・考えから
 1つを選んでもらう>の紹介に移りました。

①親子で楽しむことができる公園(芝生や樹木、テーブル付きベンチを整備)、
②夜までスポーツができる公園(ナイター設備付きのグラウンドを整備)、
③防災に強い公園(太陽光発電の照明、防災トイレ、飲料などの備蓄)
という3つの案で、
中学3年生であれば②が多くなるかな、という
事前予想を持っていましたが、
5限に行ったクラスでは③が、
6限の方では②がそれぞれ最多票でした。

①を発表した候補者役は一番若い女性で、
中3の、特に女子生徒の支持を集めるのでは、
という予想もあったのですが、
中3だと、すでに家族で公園に行くシチュエーションが
想像できなくなっていて、
30年の間には7割以上の確率で来ると言われている震災か、
身近に利益が実感できるスポーツか、
いずれかに分かれました。

最後の締めとして、原田さんからは

1.同じ学校に通う3年生、という比較的同質なグループですら
 3つの案で票が分かれることを実感してもらい、
2.その上で、実際に公園整備を決める際には
 周辺住民、子育て世代、高齢者など
 中学生とは全く異なる利害を持った人も登場してくること、
3.そういった多様な意見を調整していくのが「政治」であり、
4.さらに、「選挙」では、1つの公園整備という単一論点ではないこと、
 例えば、中野区の予算だけを考えても年間1300億円
 (実際には、義務的経費も多いので、議会等で自由に決めることが
 出来る金額はこの2割程度だが)もあり、
 様々な政策のパッケージから選んでいくので、
 誰に投票すればよいか悩むと思うが、それでも投票はして欲しいこと

等をメッセージとして伝え、
3年後(区長選)ないし4年後(統一地方選で区議選)で
投票権を得ることになる中3に対し、
だいぶ先ではあるものの、3、4年後、何かのきっかけで
思い出して、投票に行って欲しい、という想いで行った授業でした。

先日(16日)、東京JCの例会で、
ショーン・K氏の講演を聞く機会がありました。
この例会では、来年から投票権年齢が18歳になること
を踏まえて、18歳、19歳に選挙へ行ってもらうための説得として
以下のように、政策を商品、有権者を消費者に対応させて
説明していました。
曰く、候補者が当選するには、自分の政策(商品)を
より多くの有権者(消費者)に認めて(買って)もらう必要がある。
ある選挙区で、60歳以上が100人、20代・30代も100人いるが、
20代・30代はそもそも投票に来ないので、
実際に消費者としてカウントできるのは30人しかいない。
他方、60歳以上は70人が買いに来てくれる。
この状況を放置すれば、高齢者寄りの政策が出来上がるのは必然であり、
今回、18歳・19歳の投票権が認められて
新たな消費者が市場に出てきたのだから、
この人たちが投票に行って、若い人向けの商品作りに
目を向けさせることが必要であり、その意味で、
20代・30代は18歳・19歳の投票率を上げることについて
利益を共にするのだ、という話でした。

この話は分かりやすいのですが、
小選挙区での選挙戦術の話まで踏み込んでくれると
無党派・浮動票の存在がいかに重要か、
がより説得的になったと思います。
以前(だいぶ前)の記事でも書いた覚えがありますが、
そもそも、小選挙区の場合、
立候補者は無制限に多くの票を得ようとするのではなく、
ここまで獲得すれば当選できるだろう、
という票数を狙いに行きます。
下手に、多方面に約束をして票をもらってしまうと
当選後に、自身の議員活動に制約が生じるからです。

有権者を細切れに分析し、
自己の政策・スタンスに近い層(後援会等)から
スタートして、支持層を順に積み上げて、
当選に必要な最低ギリギリの票数を
得ようとするのが、合理的な戦術となります。
もちろん、実際にはギリギリでは怖いので、
そこから「ある程度」積み上げるために、
いつもの支持者層以外にも目を向けていくわけですが、
ここで、前回の選挙よりも
浮動票が多くなる、という予想があれば、
上記のセグメント戦術が通用しなくなる危険性が高まるので、
多くの利害を調整できるよう奔走することになります。

つまり、18歳・19歳投票権が上がるという予想を広めることができれば、
選挙活動は活発になり、結果、若い人の関心も高まり、
本当に投票率が上がる、という「予言の自己成就」となります。

先ほどの商品・消費者の例えに加えて、
小選挙区における選挙戦術(中選挙区でもある程度は妥当)
の話を加えると、効果が増すと思います。
来年18歳になる方が身近にいる場合には、ぜひ使ってみて下さい。
奥出直人氏著『デザイン思考と経営戦略』
の中から、他の書評でも指摘されていた
フィールドワークの「師匠・弟子」モデルを紹介します。

まず、デザイン思考においては、
顧客が製品やサービスをどのように使っているか
観察をすることが出発点になります。

これは、サービス思考とプロダクト思考の違い
として説明されることもあります。
曰く、
従来のメーカーの発想は、「売り切り」であり、
どのように顧客に製品の魅力を伝えるか、
には着目しても、製品が売れてしまった後のことは関係ない
(=すでにお金はもらっているので)、という思考です。
もちろん、リピーターを大事にする顧客ロイヤルティとか、
修理・保守をしっかりと行うことで評判を高める手法も
ありましたが、ビジネス上の関心の多くは
製品を提供するまで、の段階にありました。
これに対し、サービス業はもちろん、製造業であっても、
高度に成熟した市場においては、
製品を販売した後の段階に着目するサービス思考が
必要となります。

もともとサービス業の本質として、
提供と消費が同時であること(場所も普通は同じ)、
顧客と一緒に作り上げる、ないし顧客の受け止め方が
質を左右するので、顧客の事前期待のコントロールが必要
といった特徴があり、
顧客体験(User Experience)を疑似体験したり、
細かく分析したり、という<サービス・デザイン>は
昔から流行っていました。

最近では、製造業であっても、「売り切り」モデルから、
①「保守に付加価値を付ける」モデル
(典型は、コマツが建機にGPS・センサーをつけて
使用状況を随時モニターして修理の提案をする)
又は②「都度課金」「使った分だけ課金」モデル
(典型は、GE等が飛行機エンジンを販売する際に、
実際に飛行に使われた時間に応じて代金を請求し、
さらに、ビッグデータ解析から、適切な部品交換のタイミングや
飛行そのものへアドバイスをする)
への移行が進んでいて、
顧客が製品を使っている状況に着目する「サービス思考」
がすべての業界で必要になっています。

奥出氏は、民俗学のフィールドワークの手法が有効であるとして、
調査される側(インフォーマント)と調査者との関係について
師匠・弟子モデルを提唱しています。
これは、インフォーマントとの間にラポール(信頼関係)を
築くために、相手を尊敬することが出発点、という発想です。
学者・研究者を駆動するのは
知的好奇心であったり、
研究の学問的・社会的意義であったりするのでしょうが、
それらを直接ぶつけても、相手にしてみると迷惑な話、
ということです。

彼がSFCの授業で、学生に対して
ホームレスの観察を指示した際に、
「相手を尊敬しなさい」と言ったところ、
学生はホームレスのおじさんが上手に
段ボールとビニールシートで家を造っていることを
発見し、「おじさん、上手に家を造りますね。
作り方を教えてください」とお願いする声掛けをしたそうです。
普通は「どうしてホームレスになったのですか」
「寂しくないですか」と質問する奴ばかりなのに、
「家の作り方を教えてください」と、師匠として扱われたことに
喜んだそのおじさんは、自分の身の上を話し、
最後には大学にやってきて、
授業で他の学生にも話をしてくれたそうです。
今日(12日)付けの経済教室では、
住宅政策・都市再生を研究テーマとしている
平山洋介教授による論文が載っていました。

2000年代から、すでに景気後退・
非正規社員の増加などを原因として
パラサイト・シングル=若者が親と同居して未婚のまま
という現象は言われていましたが、
平山教授は「住宅・土地統計調査」から具体的な
データを示しています。

曰く、
25〜.34歳で新たに世帯主となった数は、
1994〜98年には101万世帯であったのに対し、
2009〜13年には66万世帯にすぎない。
(この間、少子化で若者人口も減っているが、
3分の2まで減るのはかなり急激)

さらに、25〜.34歳で新たに世帯を作った人が
その後、転居しているか否かも見ると、
1994〜98年には101万世帯のうち73%
(70万世帯以上)が転居したのに対し、
2009〜13年には66万世帯のうちわずか48%
(31万世帯)にすぎず、
この世代が親元から離れず、
仮に離れたとしても結婚をしていない
(結婚すると、多くの場合、転居を伴うはず)
という少子化の根本原因がデータ上も明らかになっています。

政府は、新・三本の矢の1つとして、
希望出生率1.8を実現、という数値目標
が言われていますが、
晩婚化・非婚化が今後ますます進行していくことを
考えると、結婚した夫婦が希望・理想とする
子供の数を可能とするような施策(保育園の整備、
子供の医療費・教育費への補助等)だけでは
人口1億人維持、という大きな目標には全く届かない
ことが明らかです。

安い賃料(都市部で月7万円未満)の物件を
整備すれば、若者が親元を離れて独立する、
という単純な構図ではないとは思いますが、
平山教授が指摘されている以下の3点は
外国との比較で日本の若者支援が不十分であることを
如実に示しており、もっと、多くの人が指摘すべきだと感じます。

①欧米では、大都市における低家賃住宅を
 政府・自治体が公的賃貸住宅として
 「非市場」的に提供するのが普通で、
 2010〜11年のデータで、全賃貸住宅に占める
 公的賃貸住宅はロンドンでは24%、
 ニューヨークでは38%であるのに対し、東京は11%

②しかも、上記11%には社宅も含まれている。
 高度成長期、そして80年代までは大企業を中心に
 社宅が整備され、地方から上京して都市部で
 大学に通っていた若者が卒業後にそのまま
 低コストで都市部に住み続けることができた。
 しかし、景気低迷の影響等で、社宅は急減し、
 木造アパートなどの低家賃住宅も、
 老朽化・劣化のために取り壊されている。

③東京都だけで借家世帯の統計データで
 世帯年収別の世帯数を見ると、低所得側(500万円以下)
 へ少しずつ傾いてきているのに、
 月額家賃別の世帯数では、5万円未満の数が減って、
 7万円以上の数が増えてきている。
 収入と家賃を比べているので、インフレ・デフレの影響は
 あまり受けないデータであるので、
 収入が伸び悩む中、低家賃住宅の供給が減らされて、
 可処分所得のうち家賃に占める割合が増えていて、
 仮に子供がいた場合に、その子供を独立させる余裕はなく、
 その子供の給料を一部、家に入れさせることで
 何とか生活を維持できている、という状況が見えてきます。

従来、多くの政策は持ち家を促進するもので、
景気悪化時に住宅ローン減税を行なうとか、
エコポイントを住宅にも適用する等、
景気刺激策とセットになっていました。
しかし、長期的に見れば、
若者が早めに親元から独立していくことこそ、
消費を喚起する効果が高いので、
住宅政策が持ち家から賃貸(特に、若者向けの公的賃貸の拡充)
へ移行していくとよいな、と感じます。

30代、最後の1年に

今日、10月8日で39歳となりました。
30代の最後の年となります。
私が入会している東京青年会議所は、
40歳になる年で卒業なので、
来年がラストイヤーとなります。

すでに準備に入っていますが、
「人口減少を伴う超高齢化社会」という
来年の年間テーマを追求していく、
4つの例会を主管する総合政策特別委員会を担当する
理事委員長となります。

さて、48年前の1967年10月8日
チェ・ゲバラがアンデス山脈でボリビアの政府軍に捕えられ、
翌日、銃殺されました。そのときの年齢が39歳でした。
キューバ革命の英雄とは比べようもないですが、
既存制度の変革に果敢に挑戦する、というマインドセットは
持ち続けていきたいと思います。

弁理士会の会報誌Patentの9月号、
巻頭のコラムで、ヘンリー幸田先生の言葉が紹介されていました。
曰く

「人は新しいものを見ると驚く。
驚きが継続すると情熱になる。
情熱が継続すると人は120%の力を発揮する。
人が120%の力を発揮すると世の中を変えることができる」

というものです。
いつの時代・社会にも、世の中を変えよう、
という熱い想いを持った人がいますが、
その想いの源として、新しいものへの驚きがある、
という考え方です。
今までに存在しない新しいものを作り上げよう、
という発明の価値をうまく表現している言葉だと思います。

この言葉で思い出したのは、津田大介氏の明言。
「正しさは伝わらないけど、楽しさは伝染していく」

仕事はもちろん、プライベートやJCでも、
正しいことは何か、だけでは人を説得することはできません。
楽しいこと、先の幸田先生の言葉を借りると、「驚き」
も同時にあって初めて伝播していく、
ということは常に意識しておこうと思う今日この頃です。

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