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司法試験

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今年の刑事系は、例年とは違いました。
第1問(刑法)は、
不真正不作為犯、さらに、
不作為犯に対する共犯(幇助か共同正犯か、の区別)、
第三者の過失行為が介在した場合の因果関係など、
総論の論点がメインで、
各論は、住居侵入罪&未成年者略取罪
という若干マイナーな犯罪で、
しかも、住居「侵入」の成否は、
別居中の妻が住み続けている部屋
(夫名義)に、夫が無断で作った合鍵で入った場合
に、住居侵入罪が成立するか、という
結論としては犯罪成立で争いはないものの、
理論的にどのように説明するか、
が保護法益との関係で問題となる論点でした。
 
平成22年(2010年)の刑事系第1問も、
それまでは財産犯の共犯処理がメインであったのが、
急に、総論の不真正不作為犯が出題されました。
(⇒その年の問題はこちら
さらに、私がこのブログで書いた解説はこちら
 
刑事系も、LECが発表しているコメント
刑法刑事訴訟法)がよく書かれているので、
特に書きたいことはないですが、
簡単に解説をしておきます。
例によって、判例も文献も見ていないので、
詳細な解説は、来月14日(時間は17:30〜)
に行われる分析会(by武山茂樹講師)へ起こしください。
 
※法務省発表の問題文はこちら
 
<第1問(刑法)>
不真正不作為犯の検討にあたっては、
作為義務の認定、特に、
殺意が生じた時期との関係で、
どの時点で、殺人罪の「実行行為」
(=作為との構成要件的同価値性)が認められるほどに、
為義務が差し迫ったものとなるか、
つまり、結果発生の危険性が高まっているか
を具体的に検討することが重要です。
 
問題文中に書かれている条件で、
①授乳等を一切行わずに24時間が経過すると
 生命の危険が生じ、
②48時間を超えると、病院で適切な治療を受けさせない限り
 延命が不可能となり、
③72時間を超えると、治療を受けても延命が不可能
とされているので、
7月1日の朝の授乳を最後に、48時間以上が経過した
7月3日昼の時点で、
脱水症状で体力消耗したAを病院へ連れていくべき
段階まで、作為義務のレベルが上がり、
「実行行為」性が肯定されるところ、
3日の夕方、甲が衰弱したAを見てかわいそうになり、
Aを殺害するのをやめようと考えて、
授乳を再開した行為について、中止犯の成否を検討すべきです。
 
結論としては、結果防止措置までは至っておらず、
「中止行為」として不十分で、中止犯は成立しません。
 
また、途中で、乙によるAの連れ出し(拐取)、
タクシー運転手の過失による脳挫傷が
介在行為として生じていますが、
問題文の最後に、「Aに適切な治療を受けさせたとしても
Aが助かる可能性はな」い、と書かれているので、
甲の行為(不作為)とA死亡との間の因果関係は
当然に肯定できるでしょう。
理由付けは、前田先生の3要件の総合考慮でもよいですし、
「危険の現実化」というマジックワードで
簡潔に認めても十分でしょう。
 
その他、丙については、正犯意思という主観面を
重視すれば、共同正犯になるでしょうし、
行為面を見ても、求めれている作為は
授乳(Aは市販のミルクは飲めない設定)ではなく、
病院へ連れて行くことであり、
丙にもその作為義務は認められるので、
幇助よりも共同正犯の認定にすべきです。
 
乙は、前述のように、
住居侵入罪と、親権者による未成年者略取罪
が問題となります。
乙の連れ出しは、甲の意思に反していますが、
甲はAを衰弱させているので、
その意思が刑法上の犯罪を成立させるほどに
保護すべきか、という微妙な問題は生じますが、
詳しく論じる時間はないでしょうし、
この時点では、結局Aを病院へ連れて行っても
延命の可能性はないことを指摘して
客観的にも、乙の連れ出し行為が正当化できない、
とすれば十分でしょう。
(結果無価値の立場からは、未成年者略取罪の成否に
あたって、乙の主観面を強調すべきではないでしょう)
 
 
<第2問(刑事訴訟法)>
続きはのちほど。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
昨日の記事に引き続き、
民事系の論文問題第2問・第3問
(会社法と民事訴訟法)へのコメントです。
 
例によって、法務省発表の問題文はこちら
そして、LECが発表した、簡単な分析へのリンク
商法民事訴訟法)、さらに
来月7日に行われる解説講座の案内はこちら
となっています。
 
<第2問(会社法)>
この手の、同族会社における
親族間(主に兄弟)の争いは、
全部を想像で作れるとは思えず、
元ネタが必ずあるのだろう、と感じてしまって
実際に、この手の紛争が起きた場合の人間関係などを
考えると、ちょっと気が滅入りますが、
淡々と、法律上の結論だけを述べていきましょう。
 
事案が多く、下手すると、乙社から
駐車場用地として購入した土地など
忘れてしまいそうなので、メモ書きを綺麗に作る等
工夫が必要です。
 
(設問1)
本件株式発行は平成24年6月に行われており、
平成26年4月の時点では、新株発行「無効」の訴えは
認められない、とするべきでしょう。
新株発行「不存在」確認の訴えの
「不存在」事由が認められるか、を論じていくことになります。
 
その際、まずは、Eについて取締役の地位が認められるか
が問題となります。
Aが、Cに何ら説明をせずに、登記だけをした時点では
もちろん、株主総会決議は存在していません。
問題は、平成24年6月のどこかの時点で、
D(Aの妻。この時点では取締役は退任済だが、株主ではある)
がA、C、E(他の株主3名)を集めた席上で、
・EをAの後継者としたい
・Eへ第三者割当で400株を発行したい
という話をして、賛同を求めた行為を
(招集手続の省略された)株主総会と見ることができないか、
という点です。
結論としては、Cが提案に反発して直ちに退席しているので、
招集手続が欠けている瑕疵は治癒されず、
そもそも、大株主のAが賛成していないので、
結局、Eは株主総会で取締役として決議されたことがない、
単なる一従業員にすぎないことになります。
よって、Eの代表権は、虚偽登記に基づく908条2項か、
もしくは、副社長を名乗っていたことに基づく
354条「類推適用」か、いずれかによって表見代取として
対外的に有効、とする他なく、
本件新株発行は、相手方もEであり、その後、
株式が転々譲渡されているわけでもないので、
Eの権限は一切認められない、と考えるべきです。
 
したがって、
①何ら権限のない者により発行され、
②必要な株主総会特別決議も不存在で、
さらに、③発行目的が、Eを支配株主とするため、
という不正な目的であることを考えると、
資産価値が4000万相当の建物が現実に
拠出されているとしても、①〜③の瑕疵は重大で、
甲社が非公開会社あることも考慮して、
本件新株発行は不存在としてよいでしょう。
 
(設問2)
借入れの効果を有効としたいHと、
無効としたい甲社との、主張・反論側で答案を
書いていく必要があります。
まず、Hとしては、908条2項ないし354条類推適用によって
Eの代表権については治癒された、と主張します。
甲としては、Hの悪意又は重過失を立証しない限り、
この点は争うことはできません。
 
次に、甲社の事業規模(売上が2億円、
資本金が4000万円←増資後)から見て、
2億円の借入が「多額の借財」に当たることは
間違いなく、取締役会決議が必要です。
しかし、Eは対外的には代取として行動できてしまうので、
内部的な取締役会決議の瑕疵は、
内部事情として、民法93条ただし書き類推適用によって
Hが善意無過失であれば有効となります。
この主観面の立証責任がいずれにあるかは
別途問題になりますが、本件では、
H自身が要求していた、甲社の事業計画に関する資料が
交付されないまま貸付がなされているので、
少なくとも過失は認定できると思われます。
なお、甲社としては、Eによる借入が乙社の利益を
図ってなされた、権限濫用である、との主張も可能ですが、
結局、悪意・有過失が問題となるので、
「多額の借財」のみ、論じれば十分でしょう。
 
この後の、設問3にも関係しますが、
借入の効力は否定(→Hとしては、甲社ではなく
無権代理人のEへ返還請求する他ない)
しておく方が、CのD・Eに対する株主代表訴訟
(甲社が有する損害賠償請求の代位)の論述は
短くなります。
 
(設問3)
ここで、Dが被告となっている点に注意が必要です。
Dが取締役であったのは、平成24年5月まで、であり
その任期中に、Fからの土地売買はあったものの、
この土地取得そのもので損害は発生していません。
金銭的な損害に限って考えると、
6月に行われた新株発行でも、「損害」の認定は困難です。
甲社に実際に生じた損害は、
Hから借り入れた2億円が、そのまま乙社に渡され、
最終的に乙社から返済を受けられなくなったこと、
ですが、これも、設問2で検討したように、
借入の効果を甲社に帰属させず、
E自身が返済義務を負う、という構成をすれば、
(紛争に巻き込まれる、という事実上の面倒を除けば)
損害はない、と言ってよいでしょう。
 
価値判断としても、Dは、借入についてEから
相談を受けた際に、やめた方がよい、
とアドバイスしており、Dへの責任追及は
無理があるかな、と思います。
 
Eへの責任追及は、ここで初めて
Fから購入した土地の登記名義が問題となります。
本件土地の所有権は本来は
甲社に帰属していますが、
登記名義を移転しないままFが死亡したことで、
E名義となっています。
甲社は、「真正な登記名義の回復を理由として
Eを被告とした移転登記手続請求訴訟」
を提起することができますが、
この請求権が、株主代表訴訟で追及できる
847条1項の役員等の「責任」に含まれるか、
という論点です。
 
判例上は、取締役の善管注意義務・忠実義務
に基づく責任の他、
会社に対する取引債務についての責任
(会社からの借金等)は含まれる、とされますが、
本件土地の取得は、Eと甲社との直接取引ではないので、
株主代表訴訟で、登記移転義務をEへ追及することはできないでしょう。
 
Hからの借入の効果が甲社に帰属しないとすると、
配点が30点分の割には書くことが少ないようにも
思われますが、 847条1項の「責任」の解釈は
意外と書きにくい(理由づけが難しい)ので、
30点の配点でよいと思います。
 
 
<第3問(民事訴訟法)>
すでに、だいぶ長い記事になっていますし、
何より、本問は修習生と指導弁護士の会話が
かなりのヒント・誘導になっていますし、
何より、最高裁判例の要旨も説明されるので、
知識を問う側面よりも、読解力や
出題者の意図を読み取る能力が問われているように
思われます。
 
設問・会話の指示に忠実に書いてあれば、
十分に合格答案になったことでしょう。
また、冒頭でリンク先を示したLEC発表の分析も
コンパクトにまとまっていますので、
私からは特にコメントはありません。
 
以下、簡潔に結論だけを述べていきます。
 
(設問1)
訴訟上の和解は取引行為に限りなく近く、
昭和45年判例の射程が及ばない、
という見解を、本件の事案の具体的事情
(訴状・呼出状等がしっかりと送達された上で
Cが代表者として出廷している事実が決定的)
を指摘した上で論じましょう。
 
(設問2)
問題文掲載の判例と、本事案が若干異なるのは、
判例で問題となった権限が純粋な財産処分であるのに対し、
本問では、反省・謝罪という内面の問題であるので、
弁護人が勝手に代理してよいのか、
という点にあります。
もっとも、この手の交通事故の損害賠償請求で、
加害者による謝罪は、賠償額減額のための手段として
典型であって、当事者の「合理的」意思としては
この程度の謝罪文言を入れることは
和解の互譲の手法として当然に期待される
(=弁護士の代理権限に含まれる)と解してよいでしょう。
 
(設問3)
誘導にもあるように、117条1項の趣旨を論じて、
そこから、請求時(=和解契約締結時)に予期できなかった
後遺障害については、既判力が及ばない、
もしくは、そもそも別の訴訟物である、という主張を
説得的に展開すれば十分です。
この問題は、多くの受験生が頭の中では分かっているはずなので、
答案上で、どれだけ上手く表現できたが
評価の分かれ目であったと言えるでしょう。
民事系は3問もあるので、
今回は、第1問(民法)のみ。
まず、問題文はこちら
 
論点名だけを列挙していくと、
①瑕疵担保責任
 (錯誤による契約の一部無効、という
 法律構成もあり得る)
②共同相続人間での金銭債権の帰属
 (不法行為に基づく損害賠償請求権
 という特殊性はあるにせよ、基本的には
 相続分に応じて、遺産分割前に当然に
 分割されて承継、と考えるべき)
③和解契約と錯誤
④所有権に基づく返還請求権としての
 土地明渡請求訴訟の要件事実
⑤177条の解釈(権利主張に「登記」を要する場合)
といった形で、
債権各論、相続、要件事実、物権が
バランスよく出題されている良問です。
 
すでに、LECのサイトでも簡単な分析
(民事系第1問はこちら)を載せていますし、
来月7日には、解説講座もありますので、
この記事では、私なりの感想的なものを書いていきます。
 
まず、設問1は、配点が30点分もあるので、
単に、相殺の自働債権(今まで支払ってきた
月額25万円の賃料のうち、5分の1
〜相場から25%高い分〜=5万円を
570条の損害賠償ないし
錯誤無効に基づく不当利得返還として、
AがCに対する債権として取得)を論じるだけでなく、
「今後6か月間、賃料は一切支払わない」
という主張の法律上の意義、すなわち、
相殺のその他の要件も同時に検討すべきです。
 
すなわち、平成22年9月30日の時点では、
受働債権である、CからAへの賃料支払請求権は
10月分の賃料についてしか生じていないので、
11月分以降の賃料について
相殺予約をする意思表示となる点、
さらに、
細かい点ですが、請求時から法定利息
(商行為と考えると年6%)が発生するので、
厳密に計算すると、Aが本来支払うべき賃料
20万円の6か月分である120万円を超える
自働債権となるので、
「少なくとも」6か月分、とされている点に
触れるとよいでしょう。
本件賃貸借が商行為に当たる場合、
商法526条1項の検査義務の話も登場しますが、
本件Aが建物引渡時に、瑕疵(免震構造が欠けていたこと)
に気付くことは不可能だった、と見てよいでしょう。
 
次に、設問2です。
小問が(1)〜(3)まで細かく分かれています。
「本件和解の趣旨を踏まえて検討」という指定に
注意することが必要です。
戦前の判例で、遺族が胎児を代理して行った示談は
無効である、としたものがありますが、
死産が稀になった現代では、
胎児の権利能力について、解除条件説に立って、
胎児である間に、母親が代理して加害者と和解交渉をすることは
認めるべきと考えます。
その上で、不法行為の被害者が死亡した場合、
その被害者本人(死者)の損害賠償請求権は
法定相続分に応じて相続人に承継される、と考えれば、
本件では、妻Bと胎児(名前がないのが可哀想ですが)の2人に
半々で相続されることになります。
問題文の条件から、1億円の損害賠償債権が権利としてはあったものの、
裁判上の和解によって、
加害者Dと、B及び胎児との関係では、B・胎児それぞれが
4000万円ずつの債権を有する、という形で決着され、
それ以上の請求は放棄された、と解することになります。
以上が、「本件和解の趣旨」です。
 
あとは、簡潔に結論だけ、書いていきますが、
(1)では、 死産によって、解除条件が発動し、
A死亡時(損害賠償請求権の相続時)にさかのぼって
相続人は、BとF(相続分は3対1)の2人だったことになるので、
Fは、2500万円(1億円×4分の1)をDへ請求できます。
これは、可分債権の共同相続においては、
当然に分割される、との立場を前提にします。
 
(2)(3)は、価値判断が問われる問題です。
この和解契約は、Bが胎児の分も代理できる、
つまり、相続人全員の請求が一挙に解決されることを
前提に締結されているところ、
Fという新たな相続人が登場したことで、
錯誤による無効主張ができることになります。
これは、Bの側からもDの側からも主張できるので、
8000万円全額が対象となります。
 
この点、錯誤が問題となるのは、
胎児死亡部分だけで、胎児分として払われた
4000万円部分だけを無効として、
返還対象も4000万円にした方がBの救済になる、
という見方もあるかもしれません。
しかし、本当にBの利益を考えるなら、
本件和解は全部無効として、Dからの返還請求の対象を
8000万円全額とすべきです。
なぜなら、(神様の目から見ると)本件事故によって
(Aに)生じた損害は1億円であり、
8000万円で妥結したBは「損している」からです。
これは、「フラワーショップの維持に資金が必要」
だったために、Bは徹底的には争わず、
8000万円でケリをつけた、という事情によるもので、
すでに現金を手にしているのですから、
あとは、Dからの返還請求に対して、
Bとしては、逆に7500万円の反対債権を主張する、
つまり、
損害額が1億円であったか否かを裁判上
じっくりと争うことができます。
 
最後に、設問3ですが、
本件土地明渡請求訴訟で
被告となっているKは、土地につき無権原であるので、
原告Hは、権利主張において登記は不要です。
したがって、事実②④は要件事実としては不要。
残るは、事実⑤⑥ですが、建物収去請求の場合、
被告は、現実に建物を所有することによって
土地所有権を侵害している者、とする判例があり、
登記名義ではなく、権利帰属によって被告適格が
判断されます。認容判決が下された場合に、
実際にその建物を取り壊す権限を有する者、
と考えれば納得できるでしょう。
したがって、事実⑤は必要ですが、事実⑥は不要となります。
この記事を書いているのは
試験後(今日は23日)ですが、
試験実施期間に準拠して、
15〜18日の記事として、
今年の論文試験について
簡単にコメントしていきます。
(文献や判例など、全く裏は取らず、
好き勝手に書いているので、
正確な分析は、LECで月末・31日に実施する
分析会で聞くようにしてください)
 
まず、公法系です。
(⇒問題文はこちら
 
<第1問(憲法)>
自然環境保護や事故防止という
消極目的を大義名分としつつ
実際には新規参入を妨げる既存業者保護の
規制がなされているのではないか、
という問題意識に気付けたか否か
がポイント。
 
先例となる最高裁判決としては、
薬事法距離制限違憲判決。
この判決では、距離制限をしてみても
不良医薬品の提供防止という目的達成
に何ら貢献しない(因果性がない)
という、立法事実の合理性が主な検討事項でした。
 
本件では、条文(1条の目的条項)上は
・タクシー輸送の安全
・自然保護地域の環境保護
・観光課客の安全、安心へ配慮しつつ観光振興
という3つが目的とされていますが、
条例が制定された経緯としては、
C社の新規参入の動きに対して、
既存のタクシー事業者団体が
反対運動を行った結果、とされています。
 
反対運動側の主張は
・タクシー事業者の収入減少→過酷な運転業務
・地域の道路に不慣れな運転手→事故の発生
という2点であり、
他方、新規参入のC社の主張は
・従来より低賃金のタクシーによって
首都圏からの旅行者が増えて観光振興に寄与する
というものです。
 
ちょっと不思議なのは、条例制定までの経緯では
全く登場しなかった排ガス規制としての
電気自動車の義務付けが、条例内に突然、
登場してくる点で、
もしタクシー事業者に、当該地域で運行する車は
全て電気自動車であることを義務付けるなら、
市が運営する路線バスも、当然、電気か天然ガスで
走るものしていなければ不公平だし、
民間への過剰規制だろう、という批判がでますが、
その点について言及はありません。
 
本件の合憲・違憲の分かれ目は、
条例の第4条が要求する基準が、
目的(環境保護、運行の安全)から
見て必要最小限性を超えているか否か
であり、私自身は専ら、規制を受ける民間の立場で
生きてきたので、C社の立場から突っ込みを入れたくなります。
その場合、1号が「電気自動車」に限定している点について、
ハイブリッド車でも実質的に排ガスの量は変わらない、
と指摘します。
次に、2号で定めらている、
B市内への営業所の有無(かつ5年も継続)は
安全運転には関係ない、と批判します。
大事なのは、運転手の知識・技能であって、
B市内に営業所はあるが、運転手は素人で、
皆、県外・市外から連れてきた人だったら、
当然、事故の危険性は高まってしまいます。
最後に、3号で、運転手について
イ 試験の合格
ロ (従業員運転手について)同一の事業者での
 10年以上継続雇用の要求
ハ 道路交通法違反の種類を限定していない
の3点は、私の感覚では、やり過ぎと思えます。
 
<第2問(行政法)>
第1問と同様、
昔ながらの業界団体・組合
  VS
新規参入業者・相対的に大規模な会社で
組合を不要とする会社
という対立構造が背後に出てきます。
 
穿った見方をすると、現
在、政府で議論されている
「岩盤規制」改革、アベノミクス第3の矢
を意識しているのか、と思ってしまいます。
 
法律・規則が要求する条件に、
地方自治体が「要綱」の形で条件を付加する、
という事例は多く、過去問でも何度か
登場しているように記憶しています。
いわゆる「仕組み解釈」が求められるところで、
・採石法が何を目的としているか(1条)
・その目的達成のための許可制において
採石業者にはどのような計画立案が要求されるか
・その計画実施を担保する資料として
どのような書面が要求されるか
・許可にあたって、自治体(都道府県)側で
独自の条件を課すことは許容されているか
を検討して、本件「要綱」違反を理由に
不許可とすることが可能か、の結論を出すことになります。
 
B県としては、法・規則で要求されている
採取計画や
「採取跡における災害の防止のために必要な
資金計画を記載した書面」(規則8条の15第2項10号)
と、要綱の定める保証書は一体のもの、
と主張しますし、
Aとしては、保証書なしでも、跡地防災措置を実行できる
資金の手当て(信託しておく、という趣旨ではなく、
将来のある時点でのキャッシュフローの見込み)を
示せば十分、と主張するでしょう。
 
正直言って、本件事情だけでは、
株式会社Aがどの程度の資金を持っているのか、
事業の継続性がどこまで不安定なのか、
オーナー会社なのか、他にも株主がいるのか、
銀行借り入れがあるのか
等が分からないので、
<C組合による保証なしでも
 跡地防災措置を全うすることができるのか>
を判断する術がなく、設問2で
①法の33条の12第2号(採取計画違反による)
 に基づく、認可の取消・採取の停止命令
②法の33条の13(災害防止のため緊急の必要があるとき)
 に基づく、採取の停止命令
まで出せるのか、は疑問です。
複数の手段を検討した上で、「全部、無理です」
と書くのも少し気持ち悪いところですが、
これらの命令違反について罰則規定まであることを
考えると、ここでも「民間寄り」ではありますが、
いずれの命令(処分)も許されない、としたいところです。
 
最後に、設問3は、シンプルに、
非申請型の義務付け訴訟の訴訟要件
を検討すればよいので、特にコメントはありません。
採石法の読み取り等で無駄に時間を取られなければ、
この最後の問題までたどり着くことができ、
それなりの点数までは届くと思うので、
時間配分がキーになった問題といえます。
先日、勉強法に関する特別講座を行った際に、
5冊の書籍を扱いましたが、その中で、
木山泰嗣弁護士の『試験に合格する人の45の習慣』と
河原利彦氏の『誰も気づかなった 100%合格のための
超勉強法』の2冊について、簡単に紹介します。
 
タイトルにも書いたように、今週水曜から
4日間(金曜は休みで、日曜まで)の長丁場の試験、
司法試験が始まります。
今年の試験は、
短答式が7科目で実施される最後の試験で、
かつ、合格者数が2000人台から1500人程度へ
減らされる公算が高い点で、より厳しいものとなります。
特に、ボーダー近辺で合格できるだろう、
という見込みで勉強してきた「省エネ派」は、
今年は少し違う、という点に注意する必要があります。
 
改めて、試験に向けた心構え等を書いてみます。
木山氏、河原氏ともに指摘しているのは、
「本番」の怖さ、大切さ、です。
当然ですが、試験は、答案に書かれたものだけが
評価されます。その点で、スポーツと比較されることが多く、
スポーツにおける練習は、本番のプレッシャー下でも
力を発揮できるよう、体に覚えさせる(習慣化)ため
であるのと同様、
普段の勉強の目的は、
試験当日に、「平常心」で知識を引き出して
活用できるようにするため、です。
 
小中学生を相手にしている河原氏の場合、
生徒のプレッシャー耐性が弱いので、
精神論も含め、どのように本番までのペースを整えるか
をかなり気にしています。
木山氏も、模試では良い点数を取りながら、
本番で痛い目に遭った経験から、本番の怖さについて
触れています。
エッセンスを3つほど紹介します。
 
1つ目は「慢心しないこと」。
プロ野球選手で、ドラフト1位や2位でプロ入りし、
1年目はそれなりに活躍したのに、
2年目以降、どんどんと成績が落ちて、
いつの間にか消えてしまう人がいます。
彼らには「慢心」、つまり、去年打てたのだから、
今年も打てるだろう、といった甘い気持ちがあったのでは、
という分析を木山氏は行っています。
昨日の成功は明日を保証しません。
過去の成功に安住することは、試験で言えば
模試の成績だけを見て、直前期の勉強を怠ること、を意味します。
河原氏も、95点で満足する人は、自分が間違えた5点分に
目がいかず、その後は右肩下がりになってしまい、
試験本番時には、80点程度の実力に下がってしまう危険性もある、
と書いています。
自分が間違えた問題に対して謙虚に、
試験本番まで、実力を上げていこうとする努力が重要です。
前述したように、今年は合格者数が絞り込まれる可能性が高いので、
直前の模試で成績が良かったからといって
安心はできません。後ろから猛烈なラストスパートをかけている人が
いるかもしれません。マラソンで、立ち止まってしまえば、
いかに後ろに差をつけていても、すぐに抜かされます。
どんなに苦しくても、止まってはダメで、
少しでも走っておかなければいけません。
 
2つ目は「他人との競争、に拘らないこと」。
先ほどのマラソンの例えを進めると、
自分よりも前に行く人がいなければ、
必然的に自分が上位になる、
という<誰かを追い落とすと、自分が受かる>
という「ゼロサム」思考になりがちです。
確かに、試験は相対評価なので、自分の出来が悪くても、
他の受験生がより悪ければ、合格できます。
しかし、他人との競争だけに目がいくと、
「あの人はこんな勉強をしている」
「あの予備校はこんな予想問題・論点を出した」
とか、他者ばかりが気になってしまいます。
皆さんが対面すべき相手は、他の人ではなく
試験問題で、そして採点官です。
国家試験は、相対評価ではありつつも、
ある一定水準ができれば合格できる、という
絶対的水準も同時に存在しています。
マークシート式試験であれば、出題者との対話、
論文式であれば、加えて採点者(読み手)への配慮
が最重要であって、隣が何をしているか、
を気にする必要はない、という点を再度、お伝えします。
 
3つ目は「プロセス・成長を楽しみ、余裕を持つこと」です。
明日の記事では、開成高校野球部を扱った
『弱くても勝てます』を扱う予定ですが、
そことも通じる話です。
もちろん、他人事ではいけないのですが、
試験にのめり込み過ぎると、プレッシャーでおかしくなってしまい、
試験当日、信じられないミスをしたり、
問題の読み違えをしたり、といったことが起きます。
一歩引いて俯瞰する、という態度も必要で、
究極的には、「万事を尽くして天命を待つ」という
心構えになれば、最高です。
そのためには、日々の成長に目を向け、
結果は後からついてくる、といった考え方が大事です。
1つ目に書いた、「本番を意識する」からこそ
不安になるはずで、その分、余裕・落ち着きを持って
毎日を送ろうとすることも大事です。
プロセスを意識することは、(昨日の)自分との競争
を意味し、2つ目に書いたこととも繋がります。
 
多分に精神論になってしまいますが、
以上3つを意識して、3日後の本試験に
臨んで欲しいと思います。

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反町 雄彦
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